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【白猫】ミッドサマー・オペレーション! Story4

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story



おっ花見よ――ー!!!

Sslいえ――ーい!!!

Iいえ――ーい!!!

Eい、いえーい……!

v…………

sふふ、まさか夏に……それも、海の中でお花見できるなんて♪

E予想だに、でしたね……

lでも、私……すごくわくわくしています!

sクルーピエちゃんもこれるとよかったのになー……

「私はしばらく、お父さんのそばにいるよ。

時間が空いたら顔出すかもだから、みんなでたくさん楽しんで♪」

Iま、しゃーないわ。久々の家族水入らずやもん。

命に別状がなくて、本当によかったですね……!

v…………

lあれ、ヴィクトールさん?どこへ……?

v……俺は、国に戻る。こういう場は……不慣れだ。

こお――ーっ!待ちなさいヴィクトール!!

…………

メエ――ーッ!!!

(溜めて、ー喝……!?)

S一緒にお花見やろーよ?寂しいぞー。

sそうよ、せっかくの機会だもの。

Iせっかくの夏季休暇、やろ?

v……わかった。努力する。

Sそれで、お花見ってなにするの?

Eー般的には……桜を眺めながらお話をしたり、食事したり……

lでも水の中だと、食事はできませんね……

抜かりないわ。<防水のルーン>を借りたわよ♪

動き回るには向いてないけど、水が入ってこないスペースを確保できるわ!

Sおー、さすがー!

sねえねえ?せっかくだし、他の人たちも呼んでみない?

心配ごむよーよ。

アタシの人脈を駆使して、すでにたくさんのひとを!呼んで!あるのだから!

人数分の<水羽衣のルーン>も、ギルドに頼んで手配済みよ!

Eい、いつの間に……?

デキる幹事は、苦労を見せないモノなのよ♪

Iいよっ!

Sぱちぱちぱちー☆

さて!それじゃ、みんな――

楽しい楽しい、海底お花見の幕開けよー!!



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S海藻を編んで、樹の根元にこう……

よし、日陰スペース完成!これでジークがいつ来ても――

あ、きたきた!遅いぞー!

仕方ないだろ。急に呼ばれたんだから。

S待ってたんだぞー♪……あれ、どうしたの、そのお魚?

食材だよ。他の人たちもいるんだろ?

S――さっすが私の弟!気が利くな~♪よしよし~♪

撫でるな!やめろ!

S向こうで一緒に料理しょう!ほらほら、早く早くー!

わかったから引っ張るな!

S――美味しい~!日に日に腕を上げてくねえ……

そりゃ、毎日練習してるから。

Sうんうん、えらいえらい!

わかったからおとなしく食べろ。

Sえへへ、はーい。

…………

……急に黙るなよ。

S……んーん。綺麗だなー……って。

……ああ。そうだな。

Sあれ、素直。

うるさいな。

S……よかったね。

何がだよ。

Sあの島を出て。苦労も多いけど、それでも毎日新しいものを見て、新しいことに触れて。

いまもこうして、一緒に、今まで見たことのないような素敵な景色を見てられる。

お姉ちゃん、嬉しいぞ。

…………

w受けなさい!これが、私とボールの絆の力!

wひゃ――!?!?

<<>

Sおっとおー!キャッチ!

ごめんなさーい!ビーチバレーしてたらそっちとんでっちゃった!

……海の中なのにビーチ……?

新技は、どうやら威力がありすぎたようね。

それはそれとして、謝るわ!サモンカードもビーチバレーも危険行為はご法度だもの!

Sよしよし、二人とも、ちゃんと謝れてえらいぞー♪

リーチエちゃんつよすぎー。ぜんぜんかてないようー……

かの有名なカードサモナー、ビクトリーマスクマンも言っていたわ。勝負の世界は非情なの……

S……ねえねえ?よかったら、お姉ちゃんも混ぜてくれる?

ほんとー!?やったやったー♪

思わぬ伏兵が潜んでいたわね!いいわ、勝負よ!!

Sよし、みんなで勝負だー☆

お兄ちゃんもいっしょにやろー♪

は!?ちょ、引っ張るな!僕は、日差しの下には――!!

Sきゃー!!ジークー!?


Sんー……楽しかったあ……♪

や、きたきた!呼び出してごめんねー。

……あのさ……

ちょっとだけ……付き合ってくれない?



ほら、こっちだぞー☆

あ、そこ!岩で手、切らないようにね!

うわ、足元、力二さん!挟まれちゃう!

頭上にわかめ!顔にひっついちゃう!

……そんなに心配しなくて大丈夫?

あはは、ごめんごめん。お姉ちゃんのクセでして……

……よしっと。ここら辺でいいかな?

ごめんねー?突然、付き合わせちゃって。

えとさ。実はさ。一緒にお手紙を……書いてほしいんだ。

私そういうの書き慣れてないから、君に手伝ってほしくて。

ほら、お手紙を入れるためのピンも、用意してあるんだー!

さらさら透き通ってて綺麗でしょ?私の宝物コレクションのーつです☆

そ、ボトルメッセージってヤツ♪

この夏の冒険のこと、この素敵なお花見のこと、みんなと過ごしたこと――

お手紙にちゃんと記して、このビンにね、しまっておくの。

……ううん。違うよ。

れはね、海には流さないの。

ここに、埋めていこうと思って。

夏の想い出も……この綺麗な景色も……君と、こうしている時間も……

宝箱には、しまえないけど。

誰の手にも届かない場所に、残しておきたいんだ。

そうすれば、今日が終わって、この夏が終わって、いつもの日々に戻っても……

私が海のどこかにいる限り、きっと思い出すことができるから。

この夢みたいな想い出を、いつまでも、いつまでも……

――ってね☆

というわけで、さっそく書こー!いますぐ書こー!


この夏、君が一番、心に残ったこととかあるー?

笑顔……?……私の……?

あ、あはははは……面と向かって言われると、照れちゃうなあー……

…………

でも、うん……

君がそう言ってくれるなら、私はいつまでも、笑ってるよ。

太腸みたいにっ♪



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l…………

(……樹を見ていると、嫌でも思い出してしまう)

(私たちの過去。犠牲になってきたもの)

(こんなに綺麗なのに……胸が、少し、痛む)

ルエル

なに、くっらい顔してるのよ。

lあ、ルエルちゃん……!きてくれたんだ!

一応ね。

……これが、<海に咲く桜>?

lうん、そうだよ。がんばって見つけたんだ。

……綺麗……でしょ?

……どうだかね。

l…………

素敵な音色……ピアノ……?

……何よ、あんた?

私はテレーゼ。音楽家よ。

lそれは……ピアノ、ですか?

<ルーンクラヴィア>よ。<防水のルーン>と一緒に、がんばって持ち込んだの。

海の中なら、地上とはまた違った音を奏でられる気がして。

……それで、何の用?

あなたたちが、浮かない表情をしていたから。助けになれればと思って。

おせっかいだった?

おおいにね。放っておいて。

lル、ルエルちゃん……

ふふ、いいの。

でも、少しだけでいいから、音色に耳を傾けてみて?

だって音楽には、力があるから。

なんなのよ……

l……でも……

……心が、落ち着くね。

……まあね。

l……♪

(……ルエルちゃん、来てくれてよかったな)


あ、こんにちは!

……え?私と一緒に……ですか?

は、はい!私でよろしければ……




……あの……

何か、悩みでもあるんですか……?

いえ、少しだけ、元気がなさそうに見えたので……

もしよかったら、話してもらえませんか?


……そうだったんですか。……大変でしたね。

…………

(な、なにか……話題……!元気が出る話題………!)

って、きゃ――ーっ!?なんかふんだー!?

ううう~……ごめんなさい~……

って、きや――ーっ!?すすす、すみません!い、いますぐ離れますー!

そ、そんなに笑わないでくださいよう~……

あ、あの……よかったら、膝枕なんて、このまま……どうでしょう……?

こ、孤児院の子供たちにも、けっこう好評なんですよ。

……はい……ごゆっくり……!

……え?なにか話してくれ?え、ええと、ええと……話、話……!!

あ、えっと、じゃあ……子供たちによく読み聞かせているお話を……こほん。

――昔むかし、人間の王子に恋をした、海の精のお姫様がおりました。

お姫様は、王子に再び会うため、その美しい声とひきかえに、陸を歩くための足をもらいました。

そうして声を失ったお姫様は、それでも王子との逢瀬を重ね、仲を深めていきます。

しかし、ある日……王子に縁談が持ち上がりました。

このままでは王子は、別の誰かと結ばれてしまう……

けれど、声の出ないお姫様には、王子に伝えるすべがありません。王子への想いを――

――そこでお姫様は、得意のハーブを奏で、言葉ではなく旋律で……王子に想いを伝えました。

想いは王子へと届き、二人は末永く――幸せに暮らしました。めでたし、めでたし……

……ええと、どうでしたか?

……はい。本来の結末だと、お姫様の恋は叶わないまま、泡になって消えてしまうんです。

でも……えヘヘ。私がかってに、お話の筋を変えちゃったんです……

どうしても、お姫様に……幸せになってほしくて。

……どんな困難があっても……

諦めなければ、諦めなければ、きっと願いや想いは叶うって……子供たちに伝えたくて。

……元気が出た、ですか……?

……はい。それなら、よかったです。

もうしばらくだけ、二人で……こうしていましょうか♪




s~~♪

Iあらシエラちゃん、それお弁当?

sうん、そう。船の上で作ってきたの♪

これから友達やクラスメートが遊びにきてくれるから。

Iシエラちゃんは、気立てのええ子やねえ。将来、ええお嫁さんになるんやろなあ。

sおっよ……えええ……!?

うわー……綺麗……!!

sあ、ナギ!きてくれたのね!

うん、遅くなっちゃった。ほらアスタ、あいさつは?

ルオオオオン♪

sあはは……行っちゃった。桜に夢中みたいね。

もー……

sお腹へってる?お弁当、たくさん作ってきたわ♪

やったー!ありがと、シエラ!

食べながら、学園の話聞かせて!

sええ、竜騎士団の話も♪

「ひえええ――ーっ!?ドラゴンみたいな深海魚――!!

あ、いまの声……!

「あ、シエラだ……よかった……

sルミエ、温泉ぶりー!元気だった!?

「う、うん……海の底って、暗くて怖いね……

sふふ、平気平気。いまは明るいでしょ?

初めまして、ルミエさん。ドラグナーのナギです!

「あ、初めまして……シューマイ買ってきたから、みんなで――

騒々しいところですね。

「えひ――――――っ!?!?

ル、ルミエさーん!?しっかり!!

「びっくりしたあ……

……まったく。こんな所まで呼び出して……

sフレイヤ、待ってたー♪

……離れなさい。人前でみっともない。

sやーだーもーん♪

Iあらー、またお仲間さん!ウチ、エイスいいますー!

私の名はフレイヤ。同胞に会えて嬉しく思います。

Iいやあ、お宅のシエラちゃん、ほんまええ子で感心してますわー。

そんなこと。見ての通り未熟者で。

Iいやいやいや!ウチの無口な子にも積極的に話しかけてくれて……

外面が良いだけです。この間なんて、私の背中で居眠りした挙げ句ヨダレを……

s……え、なにこの流れ。

I可愛いやないですかー。ウチの子もちっちゃい頃はもう少し可愛げがあったんですけどねー。

自立しているのでしょう。羨ましい話です。本当に。

sほ、本人がいる前でそういう話やめてよー!!!

……まったくもー。フレイヤもエイスも……

あら、どうしたの?こんなところで?

……二人で?一緒に?

うん、いいよ。いこ♪



ふふ、抜け出してきちゃったね。

しばらく二人でのんびりしよっか?

せっかくのお花見だもんね。

それとも、どっちがたくさん花びら集められるか、競争してみる?

え、疲れるからいい?ふーんだ。

いつまで眺めてても、飽さないね……

……すごく綺麗?うん、ほんと♪

薄暗い海の中を、光の花びらがひらひら舞って……

なんだか、夜桜みたいで……

……え?ちがう?なにが?綺麗なのは……桜じゃなくて……?

ーは?わ、私……!?

み、水着……似合ってる……!?

や、やめてやめてー!じーっと見ないでよーっ!

これ、恥ずかしいんだからー!

うううう~……せっかく慣れてきてたのに……

なんかまた恥ずかしくなってきたあ~……

……ごめん、って。

う~ん。どうしよっかな~……

許してほしい?

じゃ~あ~……

ーバツとして、浮き輪、押して♪

あはははっ!遅い遅ーい!もっと速く速くー♪

えー、もう疲れた?

だめー。まだ許してあげなーい。

……あははっ!なんて、うそうそ。疲れたでしょ?

はいこれ、ジュース♪ー口あげる♪

え、いい?遠慮しなくていいのにー。

……ね?

次の夏も……そのまた次の夏も……

こうして、一緒に過ごせるといいね♪




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E(お花見なんて、久しぶりだな)

(……少し、騒がしいけど……)

(でも……こういうのも、たまには、いいな)

はい、エマさん~。お花見だんご、どうぞ~♪

Eあ、ありがとうございま……って、ツキミさん!?

おひさしぶり~。出張おだんご屋さんだよ~♪

Eそれじゃあ……いただきます。はむっ。

……やっぱり、ツキミさんのおだんご、美味しいです!

えヘヘ~、ありがと~。

ラッシャイラッシャイ!<タコヤキ>モ、イカガッチュカ?

Eあ、タコパスさんまで……!

……アレ?ドコカデアッタッチュカ……?

E(あ、そうか……あのとき会ったのは、夢の中だったから……)

Eエ、エマ・イングラムです。あらためて……と、友達になってください。タコパスさん!

モチロンデチュ!ヨロシクッチュー!!

ツキミです。よろしくね~♪

サア、タコヤキッチュ!エンリョナク、タベルデチュ!

Eありがとう。でも、おだんご食べてるところで……

両手に花だね~♪

Eあはは……意味が違いますけど……

vあっちを向いても水着のおなご。こっちを向いても水着のおなご。

まさに水着ワンダフル包囲網。サマー……最高。

nこら馬鹿兄!わけわかんないこと言うな!!

……あ、エマ!見つけた!

Eノエルさん、ヴィシャスさん。お二人もきてたんですね。

nうん、会えてよかった。ディラン兄ももう来てるよ!

ヴィシャスさん、ひさしぶり~。ノエルくんは、はじめまして~?

あ、ツキミさんだよね?お正月は、うちの兄貴がお世話になりました。

v――エマ。

Eはい?なんですか?

vビューティホーすぎて息ができない。

E……は、はあ……

賑やかになってきたね~♪おだんご、どんどん作るよ~♪

タコヤキモ、タクサンヤクデチュ!

Eあ、じゃあ私も手伝います!

n僕も!やり方教えてくれる?

うん、いいよ~♪

v待てノエル。お兄ちゃんがおだんごやる。タコはお前が――

Eヴィシャスさん、タコヤキ焼くの、きっと似合うと思いますよ。

vよし任せろ。俺はさすらいのTAKOYAK!ハンター。

n狩ってどうするんだよ。


ふう……これで、ー段落かな。

こんにちは。いま着いたんだ?

うん、来られてよかったね。

……少しだけ……二人で、出かけない……?


……この辺りは、誰もいないね。

少し休もうか。ふう……

……桜。綺麗だね。

…………

ん?ううん、大丈夫。具合が悪いわけじゃないよ。

ちょっとだけ、疲れちゃって。今年の夏は……

すごく賑やかだから。

え?

疲れてるって言うわりに――楽しそうな顔してる……?

そ、そうかな?わからないや、自分だと。

……いままでの私の人生は、一人の時間が、すごく長くて――

だから、大勢で一緒の時間を過ごすことも、まだ慣れてなくて。

――でも、ぜんぜん、楽しくなくないことはなくもなくって……

あれ、こんがらがっちゃった。

そんなに笑わないでよ……

……うん。楽しい――んだと、思う。

……そうかな?そんなに変わったかな、私……?

…………

……ええと。でもね。

あなたがそう思えるような私になれたのは……

きっと、あなたのおかげ。あなたとの、出会いのおかげ。

だから、ありがとう。

……大げさなんかじゃないよ。

う……だから、そんな笑わないでって……

……え?笑いすぎたらお腹へった?

もうっ。じゃあ、そろそろ戻る?

……まだもう少し?わがままだなあ。

――あっ!ちょっと待ってて!

これ、見つけたよ!

<マリンパイン>っていってね、海の中でだけなる、幻のフルーツなんだって!

持って帰ったら、みんな喜ぶと思うけど……

――二人でこっそり、食べちゃおうか?

……うん。そうだね。二人だけの秘密。




v…………

(……静かだ……)

団長おおおおおおおおお!!!

北方氷槍騎士団!ここに集結しましたあああ!!

v……騒ぐな。迷惑になる。

黙って、桜を見ろ。騎士団は休暇中だ。

おい全員わかってんな?これは団長からの挑戦だ。

ああよ。休暇なんつって、こんな海の底くんだりまで来る理由、ーつだろ。

天ぷら衣のルーンだかなんだか知らねえが、こんな軟弱なモンいますぐ外して、根性で生き残れってことだよな?

やったらあああ!!!外して最後まで生き残ってた奴が団長の右腕にふさわしい漢になれるんじゃあああ!

v死ぬぞ。

(むしろ今ので死にそうです)

kお、ここにいたのか、ヴィクトール殿!

bやあ、久しぶりじゃないか♪

vクライヴ殿、ブライ殿……来ていたのか。

kああ、キャトラから誘われてな。

貴重な休暇を利用して、パパに買ってもらった最新のルーン小型潜水艇ではるばる訪れたのさ♪

よければ後でヴィクトール殿も乗せてあげていいんだよ?同じ戦場を駆けた戦友としてね♪

クライヴも、構わないだろう?

ジルベスタでのー件以来だな。壮健そうで、何よりだ。

うんわかってる。わかってるとも。これを待っているんだろう?

クラアアアアアアアアイヴ!!!僕を!無視!するな――ー!!

vああ。クライヴ殿も。

ヴィクドル殿もォォォォォ!!!なんなんだろうな~コレ!?こういう人を人とも思わない行為が流行るのは実によくないことだと思うんだけどなー!!

ふふ、相変わらず仲がよろしいですね?

どこが!?って……!

v……カレン殿。

kおお、お久しぶりです!

ええ、会えてよかった。そちらも休暇ですか?

vああ。

ディー……騎士団長も一緒です。政務の帰路ですので、あまり長い時間はいられませんが、また後ほどご挨拶に。

v……気を遣わなくて構わない。

いえ、会いたがっていましたから。それにしても――

――風流な景色だ。

vああ。

kそうですね。この世のものと思えぬほどに。

b世界に、二つと存在しない景観――

それは僕たち騎士の絆と似て、輝かしく尊いもので――

へくしゅ!あ、なんて……?

k聞こえなかったぞブライ。

bタイミイイイイイイング!!!


v…………

……ふぅ。何か、用か?

――わかった。付き合おう。


サメは追い払った。もう、安全だ。

それで……何の用だ。

……?特に、何も?

―――

……いや。迷惑ではない。

そう思っているように見えたのなら……すまない。

感情表現は、苦手だ。

……?さっきから、何を焦っている。

お喋りの、話題?

……無理して喋らなくてもいい。俺もその方が、楽だ。

この景観を楽しむのに――

言葉など、不要に思う。

……それでも、変わり者だな、話したい?お前は。

……水着?ああ、そうだな……

甲冑を着たまま、潜水訓練をしたことはあるが……水着というのは、初めてだ。

……俺は、正直、落ち着かない。

――なぜ?……なぜ、か……

甲冑の重みはー騎士として、国と民を背負うことの重みだ。

それを感じられないのは、己の大切なー部分を……どこかに置き忘れたようで、空虚さを覚える。

……つまらない話をした。忘れてくれ。

…………とっておきの……ー発ギャグがあるんだが。

いらない?そうか……

――!

…………

……すまない。部下たちが、俺を探している声が聞こえた。

……いや、戻るのが、嫌なわけではない。

ただ、もうしばらくは――

この静寂に、身を置いていたい。

――待て。お前が去る必要はない。

お前と過ごしている時間を――煩わしいとは、思わない。

…………

――これでも――

笑っている、つもりだ。



わあああ――……!見てください見てくださいマナさん!

見渡すかぎりキラキラのひらひら!いろんな色がピャーしてますよ!

はい。海に潜るのは慣れていますけど……

海に桜……こんな光景は、初めてです。

フナムシは……いませんよね……?おお――!

これが噂の、<海に咲く桜>ですか……!

桜の花は、軍学校や学園で何度も見ていますが……

輝く桜吹雪が舞い散る景色は……心打たれるであります……!

はい。なんとも幻想的で……ロマンチックですねぇ……

よっしゃ!夏のお花見、全力で満喫したら――い!

ねえねえ見てエスカ!本当に桜が咲いてるー♪

「はい。なんて……綺麗なんでしょう……

……樹の声が、聴こえます。子守唄のような……とてもとても、優しい声……

ほら、いこいこ!今日は思いっきり楽しもうね!

ねえ、そこの貴方?<マリンビリヤード>、やっていかない?

まりん、びりやーど……?

水中のボールを手玉で弾いて、浮かべた輪っか型のポケットに入れるの♪

楽しそう。それじゃあ……家族で遊ばせてもらうわ。


Sおー……どんどんにぎやかになってきたねー!

sね!

これぞお花見、って感じ♪

E…………

l普段は誰もいない海の底に……いまはこんなにたくさんの人たちが集まって……

lなんだか、不思議ですね。

Iウチもヴィクちゃんも氷の国で暮らしとるから、桜には馴染みなかったけど……

人の心を惹きつける魔力つちゅうやつが……桜にはあるのかもしれんねえ。

v…………

sうん。きっとそうね。

じゃなければ、お花見なんて文化、きっと生まれないもの♪

ふふ、いつまでも……こうして眺めていられるね。

さって!アンタたち!せっかくの夏なんだもの!

ただ桜を見てるたけなんてもったいないわ!

lそ、そうですね!遊びましょう!

sええ、夏はこれからだもんね♪

Sせっかくここまできたんだし、私、探検してみたいなー!

エマちゃん、どうかな?

Eは、はい!いきましょう!は、はい!いきましょう!

Sそれじゃ、決定☆

lsお――!

それじゃさっそく、アタシのお尻についてきなさーい!

Iじゃ、ウチらはボディガードやな、ヴィクちゃん?

v……わかった。

ふふ、私たちもいこう、主人公!


wスカートという、美しくも強固なヴェールを失いし夏の衣……

水着は、コスモではない。

だが――

――あの、腰のひらひら。そこから垣問見えるのは、儚き夏のー瞬のみ観測可能な、彗星のごとき鮮烈なる輝き……

あれは……コスモ……!?いや、水着だ。しかし――!

wああ、光に照らされし深き海よ――

暑いだろう?夏いだろう?済ました顔してんじゃねえ深海。全身で浴びろよ、この夏を!

わからないなら拳で教えてやる!海の底まで舞い降りた、夏を届ける鋼の天使――

私だーーー!!!

w邪魔だーーー!!!





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