シズ・思い出

シズの思い出とボイス

思い出1

シズ

こんにちは～！

＜情報の精霊＞最新亜種の

シズと申します！

キャトラ

アラいらっしゃい。

だれが呼んだかアタシはキャトラよ。

アイリス

えっ……！？

……私はアイリスです、

よろしくお願いします。

シズ

赤い猫にゃんには

大変お世話になってます！

シズとはバンズ島で

しばらくのあいだ一緒に暮らした。

諸々落ち着いたので、

飛行島へと招いたのだ。

詳しくは……ここで語るのは

ちょっと難しい……

キャトラ

……てなことを思ってる顔ね、

（主人公）。

シズ

――それにしても、

本当に島が空飛んでるんですねー！

シズ

百聞は一見にしかず……！

己の発想の限界を

思い知らされるようですよ。

キャトラ

そうでしょうとも。

世界には知らないモノが

たくさんあるのよ。

キャトラ

ところで、シズが持ってる

それってなあに？

シズ

これですか？

これはスニャホといって――

キャトラ

スニャホ！？　初めて見たわ！

アイリス

（ちょっと早いわキャトラ！

リアクションは合ってるけど！

もう少し聞いてからじゃなきゃ！）

シズ

そ、そんなにびっくりです？

キャトラ

それでなにができるの！？

シズ

えーと、色々な機能があって

とても便利なんですが……

キャトラ

ですが！？

シズ

バンズ島以外では

基本、使えないんですよ。

キャトラ

……えー……？

シズ

がっかりさせちゃいました？

キャトラ

なんかなー……

シズ

も、もちろん！

ゆくゆくは、色んな島で

使えるようにしたいと……！

キャトラ

じゃあ、それを待つわね♪

シズ

あ、はい。

シズ

…………

シズ

（でも、飛行島はさすがに、

いつになっても無理かも……）

キャトラ

その日が来るのが楽しみねー♪

アイリス

そうね♪

シズ

が、がんばります……

思い出2

キャトラ

シズは、＜情報の精霊＞だっけ？

シズ

はい。その最新の亜種です。

キャトラ

う～ん？　まず、

＜情報の精霊＞って、なに？

キャトラ

……というか、

せーれーってなんだっけ？

アイリス

きゃ、キャトラ……？

キャトラ

わ、わかってるってば、

おさらいよ、これは、おさらい。

シズ

精霊というのは、

ソウルの結晶と言われています。

シズ

妖精も似たようなものですが、

精霊は実体がないことが

多いという違いがあります。

キャトラ

へ～、アンタって

ソウルの結晶なんだ？

ずいぶんひとっぽいのにね。

シズ

そうですね。やはり、

この世界で生きようとすると、

自然と人型になることが

多いみたいです。

キャトラ

なるほどねぇ。

アタシは猫だけど、

人型が便利なのはわかるわ。

アイリス

シズさんは精霊なので、

実体がないんですか？

シズ

ほとんどあります。

たまにないです。

キャトラ

どゆこと？

シズ

実はわたし、スニャホに

宿ることが出来まして。

このように。

キャトラ

おぉ！？

アイリス

この中にいま、シズさんが？

シズの声

そうですよー。

キャトラ

ぐ……！　うぐぐぐ……！

キャトラ

と、とうとつに……！

ソレをコロコロして

遊びたい衝動が……！

シズの声

ひぃ！？　なんでぇ！？

キャトラ

逃げて！　はやく、

アタシが正気のうちに！

アイリス

シズさん！

シズ

――びっくりした～……！

一体ぜんたい、

どうしたんですかキャトラさん！？

キャトラ

もう平気よ……ごめんね……

つい、猫のいたずら心が

ムクムクとね……

シズ

（キャトラさんの前では

もうやらないでおこ……）

キャトラ

失敬失敬。で、続きなんだけど、

精霊は精霊でも

＜情報の精霊＞なのよね？

シズ

ええ。精霊というのは、

何かの概念を司ってたり

するものなのですが……

シズ

それが、わたしたちの場合、

情報なんです。

キャトラ

わたし……たち？

ってことは、＜情報の精霊＞って

たくさんいるの？

シズ

そうですね、割と色々な島に。

シズ

みなさんも、気づいていないだけで

どこかですれ違ってたかも

しれませんよ。

キャトラ

ふーん……なるほど。

シズ

そしてわたしは――

その中でも最新の、亜種なんです！

キャトラ

お？　それって結構すごいんだ？

シズ

情報は日々ぬりかえられて

いきますからね！

新しい方がいいですよね！

キャトラ

じゃあいずれ、

もっと最新が出たりして？

シズ

うっ……！

イタイところを突いてきますね……

シズ

ですが、いまはまだ

最新なわけでして！

シズ

だからこそ、スニャホを

司っているんですよ！

アイリス

スニャホも最新のもの、

というわけですね？

シズ

ご名答です！

キャトラ

ふむふむ、おおよそわかったわ。

キャトラ

でも――新しいものは、

常に賛否両論くらうから――

キャトラ

アンタも苦労してるってわけね。

キャトラの理解力……！

思い出3

シズ

そういえばキャトラさんは、

なんでしゃべれるんですか？

キャトラ

ムッ！　直球ね！

でもなんかなつかしい質問だわ！

シズ

なんでですか？

キャトラ

鳥はどうして飛べるのかしら？

シズ

はい？

キャトラ

最初から飛べたからよ。

つまりは……そーゆーことよ。

アイリス

ごめんなさい、シズさん。

それについては

私たちも知らなくて……

シズ

あ、大丈夫ですよ。

理由は重要でもなかったので。

シズ

キャトラさん。ちょっとご協力を

お願いできませんか？

キャトラ

いいわよ？　どんなこと？

シズ

……ふっふっふ……！

実はこのスニャホに、

新しい機能を追加したんです。

シズ

名づけて！

＜にゃんにゃんほんにゃく＞！

キャトラ

なにそれ？

シズ

リアル猫にゃんと

しゃべれるようになる、

夢のアプリですよ！

キャトラ

ふむ？

リアルなアタシは

すでにしゃべっているけども？

シズ

他の猫にゃんとです！

アイリス

えーと、それって……？

シズ

実際にやってみましょう！

シズ

キャトラさん、スニャホに向かって

『にゃー』と一言よいですか？

キャトラ

ああ、そういうこと？

ちょっと待ってね。

キャトラ

……ンン！

最近まともに

鳴いてなかったもんでね……

アイリス

…………

シズ

…………

キャトラ

ンンン！　アァー！

アーアーアー！

ハッハッハッハッ！

シズ

…………

キャトラ

ウン！　ンンンンンー！

アーカーサーターナー！

ハッハ！　フフフ―！　ハフフー！

シズ

……！

キャトラ

ンンンンンー！！！

キャトラ

……ウーン。

今日はノドがアレだから無理ね。

シズ

ズコーッ！

思い出4

キャトラ

まったく、なにが

＜にゃんにゃんほんにゃく＞よ。

全然使えないじゃない。

シズ

なっ……！？

にを、おっしゃるんですか！

シズ

前回は、キャトラさんが

鳴いてくれなかったから……！

キャトラ

にゃー。

シズ

ヒエェッ！　まだアプリを

起動してませんってば！

キャトラ

もう。ダメじゃないの。

アイリス

（ダメじゃないわよ……！）

キャトラ

はやくなさい。

シズ

ま、待ってください、

慌てると、指が……

キャトラ

ほらほら。

もう鳴かないかもしれないわよ？

アイリス

（キャトラ、どうして……！？）

シズ

……はいっ！

起動しました！

ここへ向かってどうぞ！

キャトラ

にゃー。

シズ

いただきました！

アイリス

……あ、もしかして。

いまのような鳴き声が、

どんな意味かわかるんですか？

シズ

はい、その通り、

なん……です……が……

キャトラ

どうしたのよ。

見せてごらんなさい。

いまのにゃーはなんだったか、

答え合わせしてあげるから。

シズ

…………

アイリス

シズさん？　どうしたんですか？

シズ

『昨今、食の安全性を

疑問視する声が取沙汰される』

シズ

『というのも、流通の発達も

必ずしも良い面ばかりでは

ないということなのだ』

シズ

『様々な食材が

様々な島の間を行き交うが……』

シズ

『全てが同じではない。

傷んでいく速度も、

食材ごとにまた様々なのだ』

アイリス

……！

シズ

『それはそうと――』

シズ

『――カニカマ食べたい』

キャトラ

合ってるわ。

シズ

合ってたんですか！？

キャトラ

喜びなさいよ？

シズ

いや……もう……

ここまでくると、怖いです……

思い出5

キャトラ

大丈夫だってば。

アタシが太鼓判を

押してあげたじゃない？

シズ

ええと……キャトラさんは、

非常に特殊な存在だと

思われますので……

キャトラ

アタシだってちゃんと猫よ？

シズ

それはもちろんそうなのですが……

キャトラ

ま、いいわ。

それじゃあこのあたりの

猫で試してみましょうか。

キャトラ

＜にゃんにゃんほんにゃく＞、

起動っ！

アイリス

の、前に。

このあたりに住んでいる

猫ちゃんを集めましょう？

キャトラ

そうね。起動中止よっ。

シズ

あ、はい。まだ大丈夫でした。

アイリス

じゃあ、探してみましょう。

キャトラ

そうね。アタシとアイリスは

向こうの路地の方へ

行ってみましょうか。

キャトラ

（主人公）は、

シズと一緒に反対側を

お願いね。

…………

……

シズ

……猫にゃ～ん……

……寄っておいで～……

シズ

……う～ん……

見当たらないですねぇ……

シズ

なんででしょう？

たまたまですかねぇ？

シズ

猫にゃんとおしゃべりするの、

夢だったんですよね。

シズ

だって、不思議じゃありません？

かわいい猫にゃんたちが、

どう思ってるんだろうかって。

……キャトラと一緒にいると、

あまり出てこない発想だ。

だが、猫が好きなら

そう思うのも無理はないのだろう。

シズ

よぉーし、こうなったら……

シズ

＜にゃんにゃんほんにゃく＞、

もう一つの使い方！

シズ

『おいで～』

シズはスニャホに

言葉を吹き込んだ。

シズ

そしてこれを、猫語に

変換するのです！

シズはスニャホを

高々と掲げた。

『うにゃにゃお～』

シズ

さあ、これで――！？

なんと！　さきほどまで

一匹も見当たらなかったのに――

またたくまに！

路地裏が猫であふれかえる！

シズ

ヒェエッ！？

我ながら、効果テキメンッ！？

驚いているあいだにも

猫はどんどん増えている！

シズ

で、でも！

ちょっと数が多すぎます～！

キャトラ

ぎにゃー！

シズ

キャトラさんっ！？

キャトラ

いまのはダメだったら！

シズ

へ！？

キャトラ

（主人公）！

いったん、ピカッて！

猫たちを鎮めて～！

思い出6

シズ

ま、まぶしいです！

キャトラ

少しの辛抱よ！

アンタたち！　お聞きなさい！

キャトラ

にゃにゃにゃにゃ～ん！

シズ

――ハッ！？

猫たちの数はだいぶ減り、

数匹がたむろするだけとなった。

シズ

キャトラさん、これは……？

キャトラ

ふんとにもう。

ウカツにおいでなんて

言っちゃうからよ。

シズ

え？

キャトラ

猫にとっての『おいで』は

たくさんあるのよ。

キャトラ

シズがさっき言ったのは、

『ご飯あげるからいらっしゃーい』

だったのよ。

キャトラ

そりゃあ群がられもするわよ。

シズ

そ、そうだったんですね……

アイリス

……キャトラ！

急に走り出して、どうしたの？

キャトラ

いままさに、

事なきを得たところよ。

アイリス

……？　そうなの……？

キャトラ

＜にゃんにゃんほんにゃく＞は

便利だけど、まだまだ

完全とは言い難いわね。

シズ

面目ありません……

もっと改良しなきゃですね……

キャトラ

ここから先は、データを収集する

必要があるみたいねぇ。

仕方ないわねぇ。

キャトラ

にゃ。

シズ

？

たむろしていた猫たちが、

キャトラの声に応じるように

なお～んと鳴いた。

キャトラ

はい、ここにいる子たちに

協力をお願いしたわ。

シズ

！！

キャトラ

さ、好きなだけデータを

もらいなさいな。

シズ

キャトラさん、

ありがとうございます！

キャトラ

礼ならこの子たちにね。

シズ

はい！

よぉ～し♪　猫にゃんたち、

もっと近くにおいで～♪

アイリス

ふふ、キャトラったら♪

シズ

どれどれ～♪

あなたはなんて言ってるの～♪

なお～ん……なお～ん……

アイリス

シズさん、どうですか？

シズ

『かつおぶしがいい。

ほんかれぶしのやつ』

シズ

『やっぱりおにくよね。

すじのないところ』

シズ

『さかなちょうだい。

つりたてしんせんなの』

アイリス

それって……？

キャトラ

協力したお礼には

なにが欲しいかを聞いてみたの。

シズ

…………

シズ

……キャトラさん。

いまの発言、合ってました？

キャトラ

合ってたわねぇ。

シズ

トホホ……

買ってきてあげなきゃ……

またおこづかいが……

キャトラ

まあまあ。これも必要な投資よ。

シズ

……そうですね！

前向き前向き！

がんばって完成させるぞー！

シズ

＜にゃんにゃんほんにゃく＞が

ヒット商品になれば、

いくらでも取り返せますもんね！

キャトラ

通訳料はカニカマ百万本でいいわ。

シズ

ヒ、ヒェエッ！？

キャトラ

ウソウソ♪

シズ

…………

シズ

（『ちぇっ、ダメだったか』

って……出てるんですけど……！）

ボイス

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