Brave The Lion Story
開催期間:
第一回 10/24 21:48 ~ 10/27 20:59
第二回 11/14 16:00 ~ 11/17 15:59
目次
Story 魔刃の咆哮、鳴り響く
キャトラ
ここね! 魔物が大量発生してる
森っていうのは!
アイリス
早く退治して、平和にしないと……
行きましょう、
主人公!
うなずいた、その瞬間──
_人人人人人人人人人人人人_
> ──はあッ! <
 ̄YYYYYYYYYYYY ̄
突如として現れた青年が、
気合も鋭く剣を一閃──
ほとばしる魔力の刃が、
キャトラの背後で炸裂する!
キャトラ
ひぃ────っ!?
な、ななななな、なにごとぉ~!?
身をすくませるキャトラ、
後ろで、魔刃の直撃を受けた1体の
魔物が、力なく倒れ伏す。
アイリス
魔物──!?
忍び寄ってきていたの……
???
悪い、驚かせちまったな。
とっさだったもんで、
声かける余裕がなくってさ。
キャトラ
あ、うん……
助けてくれて、ありがとね。
派手なおにーさん。
ダグラス
<派手なおにーさん>じゃ、
ちょいと締まらねえな。
ダグラスって呼んでくれ。
ダグラス
んで──
ひょっとして、あんたたちも
魔物退治を引き受けたクチ?
アイリス
はい。
じゃあ、あなたもなんですね。
ダグラス
ちぃっとばかし、
荒事の類が得意でね。
飯のタネってわけ。
キャトラ
ちょっとどころじゃないじゃ~ん!
すごかったわよ、さっきの技。
よく、あんなことできるわね~!
ダグラス
<できちまう>もんでね。
いちおう、<魔剣士ダグラス>で
通ってる。
ダグラス
それより──あんたら、
よけりゃあ共同戦線といかないか?
ダグラス
ちょいと急ぎたい事情があってな。
この森にゃ、古い孤児院が
あるらしいんだ。
アイリス
孤児院……ですか? そういう
話は聞いてなかったですけど……
ダグラス
もう使われてないって話だからな。
ただ、まだ住んでる人がいる、
とも聞いてる……
ダグラス
早いトコ助けに行くには、
力を合わせた方がいいと思うんだ。
アイリス
わかりました。
いっしょに行きましょう、
ダグラスさん!
ダグラス
ああ。よろしく頼むぜ!
初級:魔性はびこる森の深きへ クリア後
ダグラス
……こっちだな。
ダグラスの左目が、かすかに輝く。
すると彼は、迷うそぶりもなく、
森の分かれ道を進んでいく──
キャトラ
すご~い、なんでわかるの?
ダグラス
ちょっとした特異体質さ。
オレは、どうにも魔力やソウルに
敏感らしくてね。
早足で先に進みながら、
ダグラスは語る。
ダグラス
場に残ったソウルを読み取ったり、
誰かの気配を察したり……
そういうのが<できちまう>のさ。
アイリス
そうなんですか……
冒険家向きの体質なんですね!
ダグラス
かもな。実際、それで食えてるし。
ダグラス
それに……冒険家って、いろんな
ヤツがいるだろ。だから、こんな
目や髪の色でも目立たなくってさ。
キャトラ
え、その髪、地毛だったの?
ダグラス
地毛、地毛。地毛でこの色。
染めようが落とそうが、
すぐこうなっちまうんだ。
アイリス
それも、特異体質の影響……
なんですか?
ダグラス
なんだろうな、たぶん。
おかげで、こう……
遊び人に見られるのが悩みでね。
キャトラ
確かに、
パッと見、チャラそうだもんね~。
キャトラ
まあでも、冒険家だったら、
変なヤツも大勢いるから、
悪目立ちしなさそうね。
アイリス
だったら、ダグラスさん、
私たちの島に来ませんか?
空を飛ぶ島なんですけど──
ダグラス
島が……飛んでる?
マジか?
キャトラ
マジマジ~。飛行島って言ってね。
変なヤツらが目白押しよ!
アンタなんてフツーに見えるわ!
ダグラス
へえ……そいつはいいや。
面白そうだな……今度、
寄らせてもらうぜ。
そのとき、がさり、と音がした──
木陰から、魔物たちが
姿を現したのだ。
それを目にして、ダグラスは、
獅子が牙をむくように笑う。
ダグラス
ただし──この森の魔物どもを、
きっちり締め上げてから……な!
中級:泥に咲く花、ただ一輪 開始前
ダグラス
さぁて……どうやら、
こっちの方角に誰かのソウルが──
ダグラス
……!
???
はぁっ……、はぁっ……
武器を手にしたエルフの女性が、
木の幹にもたれかかり、
荒い吐息を繰り返している……!
アイリス
だいじょうぶですか!?
???
あなた、たちは……
キャトラ
魔物退治に来た冒険家よ!
アンタは──
クロエ
私は、クロエ。
この森の孤児院の者よ。
クロエ
突然、多くの魔物を率いた、
巨大な魔獣が現れて……
私では、多勢に無勢で……
ダグラス
そりゃそうだ。
がんばりすぎだぜ、姉ちゃんよ。
ダグラス
魔物退治オレが引き受ける。
主人公たちは、
この人を連れて森の外へ──
クロエ
そういうわけにはいかないわ……!
ここは、私の森だもの……
私が、守らなきゃ……
キャトラ
気持ちはわかるけど──
ダグラス
……しょうがねえな。
キャトラ
へっ? いいの、ダグラス?
そんなあっさり──
ダグラス
言っても無駄だろ。
顔見りゃわかる──こりゃ、
死ぬほどガンコなタイプだぜ。
ダグラス
ただし、前には出させねえ。
あんたが戦うのは、本当に
どうしようもないときだけだ。
いいな? 姉ちゃん。
クロエ
……わかったわ。
ありがとう──
上級:あせぬ想いのあるゆえに クリア後
アイリス
クロエさん、この森の孤児院は
もう使われていないと
聞いたんですけど──
クロエ
五十年くらい前かしらね……
魔物が森をうろつくようになって、
危険だから院を閉めたの。
キャトラ
五十年前!?
あ、そっか。
クロエ、エルフなのよね。
ダグラス
そのとき孤児院にいた子供たちは、
ちゃんと、どこかに引き取って
もらえたのかい?
クロエ
ええ。幸い、近くの街に新しい
孤児院が建てられたから、
そちらに移ってもらったの。
ダグラス
……そりゃよかった。
でも、じゃあなんで、
あんたは森に住み続けてるんだ?
クロエ
私はもともと、この森に住んでいた
エルフなの。孤児院を始めたのは、
森に捨てられる子が
多かったからでね……
アイリス
森に、捨てられる……ですか?
そんなことが──
ダグラス
口減らし、ってヤツだろ。
今はそうでもないけど、昔、この島
じゃ、ひどい飢饉が続いててな……
子供を養えない家も多かったんだ。
クロエ
そうね……その通りだったわ。
親に捨てられてしまった子たち……
でも、みんなとてもいい子だった。
クロエ
この森には、あの子たちとの
思い出が、たくさんあるの。
だから、ここを出てはゆけない──
ダグラス
外の世界にゃ面白いもんがたくさん
あるんだ。魔物も増えてることだし
移住を考えた方がいいと思うぜ。
クロエ
ありがとう、ダグラス。
でも……私はやっぱり、
この森に骨を埋めるわ。
ダグラス
けどよ──
クロエ
百年ほど前……
クロエ
この地の貴族に、
森からの立ち退きを要求された
ことがあったの。
クロエ
でも、そのとき……
孤児院にいたミーチャって子が、
貴族を説得してくれた……
キャトラ
子供が? どうやって?
クロエ
それが、わからないの。
クロエ
でも結果として──その子が貴族に
引き取られる代わりに、立ち退きの
要求は撤回されたわ。
クロエ
だから……ミーチャが守ってくれた
孤児院が、ここにあるから……
私は、ここを離れられないの──
絶級 : 泥にまみれて、なおも獅子 開始前
キャトラ
デ、デカいの出たぁーっ!!
あれが魔物を率いてる
っていう魔獣!?
毒々しくも禍々しい瘴気を
全身から放つ魔獣が、
じりじりと近づいてくる……!
アイリス
なんて濃い瘴気なの……!
クロエ
ヤツは、あの瘴気を防壁として、
攻撃を防いでしまうのよ……
ダグラス
なるほどな。だが、どうやら瘴気の
濃さにはムラがありそうだ。
薄いところを探して狙えば……
クロエ
──私がオトリになるわ。
ヤツを引きつけるから、
そのスキに弱点を探して!
アイリス
だめです、クロエさん!
危険すぎます!
クロエ
覚悟の上よ。
この森を……ミーチャの思いを、
守るためだもの……!
ダグラス
……ホント、ガンコな姉ちゃんだ。
ダグラス
それであんたが死んだら──
それこそ、そいつは泣くだろうよ!
言って、前に出るダグラス。
その左目が激しい魔力の光を放つ!
ダグラス
──うぉおぉおぉおおおおッ!!
ダグラスが凄絶な咆哮を上げると、
魔獣の瘴気が竜巻のごとくうなり、
彼の左目へと吸い込まれていく!
それに呼応するように、
獅子のタテガミにも似た長髪が
虹色に輝き、ぞわりとうごめく──
やがて──すべての瘴気を吸って、
ダグラスはぐらりとよろめいた。
キャトラ
ちょ、ちょっと!
アンタ──だいじょうぶなの!?
ダグラス
平気……さ!
オレは、特異……体質だって、
言った……ろ!
アイリス
だからって、そんな──
あんなの、
人が耐えられるものじゃ──!
ダグラス
<できちまう>のさ……
オレには……な!
クロエ
……!
ダグラス
これで、瘴気もクソもねえ、
あの野郎を、
好きなだけぶっ叩ける──
ダグラス
行こうぜ、主人公!
力の限りに──
ぶちかましてやるッ!!
絶級 : 泥にまみれて、なおも獅子 クリア後
キャトラ
やったぁー!
倒せたぁ~!!
ダグラス
リーダーがいなくなれば、あとは
残った魔物を各個劇はするだけだ。
ま、なんとでもならぁな。
クロエ
ありがとう、みなさん……
本当に、助かったわ。
ダグラス
礼はいいさ。
こちとら、コレが仕事なんだから。
アイリス
ダグラスさん……本当に、
だいじょうぶですか?
瘴気の影響は──
ダグラス
へーき、へーき。
どーってこたないって。
ダグラス
それより魔物はまだ残ってるんだ。
手分けして片付けに行こうぜ。
な?
(場面暗転)
ダグラス
ふう……こっちはこれで
だいたい終わりだな。
クロエ
そうみたいね。
もう魔物はいなさそう……
ダグラス
……なあ、姉ちゃん。
さっきも言ったけど、
早いとこ、この森を出た方が──
クロエ
ミーチャ。
ダグラス
──!
クロエ
<できちまう>……あの口グセ──
あなた……ミーチャなんでしょう?
ダグラス
……………………
ダグラス
覚えてたのかよ、姉ちゃん。
百年前の話だってのにさ。
クロエ
やっぱり──そうなのね。
でも……その姿は──
ダグラス
オレ、昔から特異体質だったろ。
ソウルとか、魔力とか……
いろいろ見えたりしてさ。
ダグラス
だから、あのとき、貴族にそれを
アピールしたのさ。そしたら、
『何かに使えるかもしれん』って
ことで、取り引きが成立してね。
ダグラス
そっからは、まあ……オレの体質を
利用して、いろんな魔法の実験台に
されて……
ダグラス
おかげで、いろんな特技が
身についた。寿命とか髪とか、
無駄に伸びちまったりもしたけど。
クロエ
そう……なのね──
クロエ
ごめんなさい、ミーチャ……
私が、止められなかったから……
あなたに……すべてを、
背負わせて──しまって……!
ダグラス
気にすんなって。
<できちまう>からにゃ……
やらなきゃ気がすまないんでね。
ダグラス
それに……オレ、これでよかった
って思ってるぐらいだぜ。
ダグラス
こうして……自分自身の力で、
姉ちゃんに恩返し<できる>ように
なったんだからな……
クロエ
ミーチャ……
ダグラス
今のオレは、ダグラスさ。
魔剣士ダグラス。
そうなるって……決めたんだ。
クロエ
わかったわ……
クロエ
でも……それでもあなたは、
この森の子よ。
だから……
ダグラス
……ああ。
また、来るよ。
何度でも……必ず。
ダグラス
今のオレなら、それが<できる>。
だから、また……な?
ダグラス
姉ちゃん──……
超絶級 : おぞましき闇の侵略 開始前
ダグラス
……あんたら!
来てたのか!
アイリス
ダグラスさん!
じゃあ、やっぱり──
ダグラス
ああ。またぞろぞろ、この森に魔物の
群れが出たって聞いてな。
急いで来たんだ。
キャトラ
この森、魔物をひきつけるような
何かがあるのかしら……
ダグラス
わかんねえ。けど、今後も
魔物が押し寄せる可能性は
ないとは言えねえな。
アイリス
となると、やっぱり、
クロエさんが心配ですね……
ダグラス
まったくだぜ。ったく、
だから、とっとと森を出ろ、
って言ったのに……!
キャトラ
ダグラスってば、クロエのこと
けっこう気にしてるよね~。
ひょっとして、お熱ぅ~?
ダグラス
……キャトラって、たまにけっこう
古い表現、使うよな……
キャトラ
そ、そんなことないもん!
ダグラス
おっと……魔物の気配だ!
行くぜ、主人公!
キャトラ
……あれ?
アタシ、はぐらかされた!?
超絶級 : おぞましき闇の侵略 クリア後
アイリス
ダグラスさん、
クロエさんのソウルは
感じられますか……?
ダグラス
いや……
ダグラス
どうにも感覚がおかしい……
鼻が利かねえっていうか──
この森、妙に<濃すぎる>……
アイリス
……私も、気になってました。
森全体に、不思議な力が
働いているんです。
アイリス
それも──闇や瘴気に近い、
禍々しい力が……
ダグラス
くそっ──この森に、いったい
何が起こってやがるんだ?
キャトラ
あっ、クロエの孤児院!
ダグラス
姉ちゃんは? いるか!?
キャトラ
んー……
キャトラ
いないみたい……
外に出たのかな?
ダグラス
そうか……
ダグラス
しょうがねえ、手がかりがない以上
手分けして探す方が早いはずだ。
ダグラス
オレはあっちの方角を探してみる!
あんたらはそっちを頼むぜ!
キャトラ
ちょっと、ダグラス──
キャトラ
……行っちゃった、ホント、
クロエのことになると、
熱心ていうかなんていうか……
アイリス
きっと心配なのよ。
ダグラスさん、優しい人だから。
キャトラ
そんだけかなぁ~。
アイリス
とにかく、私たちも探しましょう。
破滅級 : 穢されたまえ、壊れたまえ 開始前
ダグラス
どこだ──?
クロエ姉ちゃんっ……!
ダグラス
……!
あれは──
森のなか、やや開けた空間──
そこに、クロエの姿がある。
ぐったりとなって、闇の十字架に、
ハリツケにされている……!
_人人人人人人人人人人人人人_
> 姉ちゃんッ! <
 ̄YYYYYYYYYYYYY ̄
クロエ
ミー……チャ──
???
おやおや、遅い到着ですねェ。
もう少しで、この方が<美しく>
なってしまうところでしたよ。
ダグラス
!?
何者だ……てめえッ!
???
あら、怖い。まあまあ、
そう殺気立たないで……♪
ルエル
ワタシはルエル・サクラリッジ。
<愉快な道化の影芝居>──
<シャッテンシュピール>が
ひとりにございます。
告げるルエルの身体から、
すさまじく濃厚な瘴気が吹き出し、
そこから魔物が生まれていく……!
ルエル
この森に放ったかわいいわが子が
消されましたのでねェ。何事かと
思って、調査しに来たんですよ。
ルエル
ほら、わざわざ来て差し上げたの
ですから、ちゃんともてなして
くださいねェ? さあさあ。
ダグラス
ふざけやがって……!
_人人人人人人人人人人人人人人人人_
> ギャハハハハハ! <
 ̄YYYYYYYYYYYYYYYY ̄
ルエル
そりゃそうです! 道化ですから!
ふざけることが仕事でしてねェ!
いい仕事するでしょ~お?
ルエル
さあさ、お立ち会い。
このエルフの女性に、たぁ~っぷり
瘴気を注いだら、どうなるか……♪
ダグラス
ッ……! させるかぁッ!!
ルエル
でもやっちゃぁ~う!
ギャハハハハハ!
止めたきゃ試して
ごらんなさぁ~い……♪
冥府級:散らせよ獅子吼、雨も泥も ボス前
_人人人人人人人人人人人人人人_
> ──かぁッ!! <
 ̄YYYYYYYYYYYYYY ̄
ルエルの放つ瘴気を吸って、
ダグラスは強力な魔刃を放つ。
ルエルはそれを軽やかにかわし、
ニヤリと悪らつに微笑んだ──
ルエル
ふむ……やはり。
アナタ、瘴気を吸わねば生きては
いけない身体のようですねェ。
ダグラス
……ッ!
クロエ
ミーチャ……、そんな──
ルエル
化転融合臨説外法とは……
いやはや、禁忌の術じゃないですか。
おかわいそうに……♪
ルエル
せめて、存分にごちそうして
差し上げましょう!
(画面フラッシュ)
ルエルの全身から、膨大な瘴気が
放たれ──ダグラスの左目に
吸い込まれていく……!
ダグラス
ぐ──ああぁあああああーっ!
ああっ……ああーっ……!
あああああああぁああーッ!!
ルエル
ギャハハハハハハ!
いい、いい、
美しいですよ、そのお顔!
ルエル
人はやはり、散りざまこそ美しい!
もっといいカオ、
見せてください……♪
ルエル
ギャハハハハハハハハ!
キャトラ
クロエ、
こっちにはいなさそうね……
アイリス
ダグラスさんの向かった方角に
いるかもしれないわ。
私たちも、そっちに──
_人人人人人人人人人人人人人人人人_
> ……きゃあっ!? <
 ̄YYYYYYYYYYYYYYYY ̄
巨体を誇る魔獣が
両目をらんらんと輝かせて
立ちふさがる……!
キャトラ
もー!
こんなヤツの相手してるヒマなんて
ないってのに!
キャトラ
主人公!
ソッコーで倒して、
ダグラスと合流しましょ!
冥府級:散らせよ獅子吼、雨も泥も クリア後
ダグラス
ぐぉあああぁああああっ……
あぐっ、ぅうぅっ、ああぁああッ!
あ、ガ、うぁっ、あぐぁあぁあっ!
ルエル
いいねいいねー、いいですねェ~♪
どんどん壊れていってますよ……♪
ルエル
ワタシねェ……好きなんですよ。
確固たる秩序にもとづくモノが、
ぼろっぼろのぐっちゃぐちゃに
ブッ壊れていくのを見るのがねェ!
ルエル
まあ、アナタ、禁呪やら何やらで、
そもそもけっこうぐちゃぐちゃ
なんですけどね……♪
ルエル
それでもまっとうな人間がましく
あがいている! そこがいい!
ルエル
まったく、ぐちゃぐちゃにしがいが
あるというもの……♪
ギャハハハハ!
ダグラス
が、アあっ、ひっ、ひぃいああっ、
あぁああああぁああーッ……!
クロエ
ミーチャ──ミーチャぁ……!
苦しみもだえるダグラスの姿に、
クロエが悲痛の涙をこぼす──
──その瞬間。
ダグラスの左目に──
突如、ぎらりと
苛烈な光がまたたいた!
ダグラス
……その、人は……!
ダグラス
その人は……オレの姉ちゃんだ!
大事でッ……大切なッ!
たったひとりの、姉ちゃんだッ!!
ダグラス
それを──泣かせてッ!!
ダグラス
た だ で す む と
お も う ん じゃ……
ねぇぇええええ────ッ!!
瘴気が一気に吸われきる──
ダグラスの髪が、虹色に輝く!
誇りある獅子の猛り立つように──
ぞわりと震え、燃え上がる!
ルエル
……ッ!? なんだ、これは……
貴様──瘴気を、
いったい何に換えた!?
ダグラス
決まってんだろ──
言わせんなッ!!
疾駆するダグラス──虹の光の
宿る刃で、ルエルを狙う。
ルエルは瘴気の障壁を展開するが、
大きく後ろに吹き飛ばされる──
キャトラ
お~い!
ダグラス、クロエ~!
ルエル
チ──魔獣ごときでは、
足止めもできぬか。
ルエル
クソめが──ああ、気分が悪い……
こうも汚らしいものを
見せられては!
うめいた直後、ルエルは影に沈み、
その姿を完全に消し去った……
クロエをハリツケにしていた闇も
消え──ダグラスは、あわてて
クロエに駆け寄り、抱き止める。
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 姉ちゃんッ!! <
 ̄YYYYYYYYYYYYYYY ̄
クロエ
ミーチャ……
あなた──
ダグラス
黙ってて……ごめん。
ホント、オレ……こんな──
こんなになっちまって……でも──
クロエ
虹──
ダグラス
え……
クロエ
あなたの見せてくれた虹……
とても、きれいだったわ──
ミーチャ……
ダグラスの腕のなかで微笑んで──
クロエは、青年の頬を、
そっとやわらかくなでる。
クロエ
昔から、何も変わらない。
あなたはいつだって、
きれいなものを見せてくれる……
何よりも、きれいな光を……
ダグラス
姉ちゃん……
ダグラス
姉ちゃん──オレ……
オレさ……!!
そんなふたりの上に──
アイリス
ね……主人公。
見える? あれ……
小さな虹が、架かっていた。
ふたりを──ひとつ屋根の下に、
守り置くように……