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マウリツィオ・思い出

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思い出1

マウリツィオ

俺はマウリツィオ。悪魔を

滅ぼすために旅をしている神父だ。


アイリス

私はアイリス、こっちはキャトラ、

そして(主人公)。

よろしくお願いします、神父様。


マウリツィオ

そんなにかしこまらなくてもいい。

まあ望むなら神父として説教して

やるがな。ガハハハハ!


キャトラ

なんだか神父ってイメージじゃ

ないわね……


マウリツィオ

ところで、俺はこの島に悪魔の

匂いを感じて来たんだが……

悪魔はいるか?


アイリス

いえ、私はみかけたことは

ありませんけど……


マウリツィオ

そうか。まあ隠れているなら

俺がどんな手を使ってでも

見つけ出してやるがな!


キャトラ

『どんな手を使ってでも』って、

すごい執念ね。


マウリツィオ

まあな。悪魔は俺の敵だ。

逃げるならば、逃げ場のないところ

まで追い込み、最高級の恐怖を

味あわせて、そして滅する。


マウリツィオ

抵抗するなら、俺にはかなわない

ことを自覚できるまで抵抗させる。

そして絶望を味わったところで

滅する。


マウリツィオ

悪魔の恐怖に歪んだ顔、怯えて

命乞いをする声、たまらんなあ!

ガハハハハ!


キャトラ

(ねえアイリス、神父って

こういう人だったっけ……?)


アイリス

(私の知っている神父は

ちょっと違うかな……)


マウリツィオ

怖がることはない。俺が相手に

するのは悪魔だけだ。

悪魔を苦しめるのは楽しいからな。

ガハハハハ!


キャトラ

これで怖がらない方が難しいよ……


思い出2


マウリツィオ

どうした? お前たち。

懺悔でもしに来たのか?


アイリス

いえ、私は懺悔するようなことは

ない……と思います。


マウリツィオ

そうだな。お前はとても綺麗な目を

している。

(主人公)もな。


キャトラ

ねえねえアタシは?


マウリツィオ

むむ……すまん、猫は俺の

専門外だ。

だがその口ぶりは……何かあるな?


マウリツィオ

隠さずに話すといい。

俺が神の名のもとに、お前に許しを

与えてやろう。


キャトラ

ア、アタシはそんな悪いこと

してないわよぅ~!

ちょっと昨日の晩ご飯を

つまみ食いしただけだってば!


アイリス

キャトラ……昨日のご飯が

少なくなってるな、って思ったけど

あなただったのね?


キャトラ

ご、ごめんなさーい!


マウリツィオ

よし、よく言ったぞキャトラ。

許してやろう。


キャトラ

あ、ありがとう神父様!


マウリツィオ

自らの悪事を話すというのは、

とても勇気が必要な事なのだ。

その勇気に免じて、許してやっても

いいだろう?アイリス。


アイリス

えっ? あ、はい!


マウリツィオ

そういうことだ。

よかったな、キャトラ。


キャトラ

う、うん……

(脅されて言っちゃったようにも

感じるけど……)


キャトラ

てか、ついうっかり

懺悔しちゃったけど、

すごく神父っぽかった!


アイリス

マウリツィオさん、本当に

神父様なんですね。


マウリツィオ

疑われていたのか!

こりゃ面白い! ガハハハハ!


キャトラ

だって見た目もしゃべりも、怖いんだもん……


マウリツィオ

これからも何かあったら、

遠慮せずに俺に懺悔するといい。



思い出3


マウリツィオ

…………


アイリス

マウリツィオさん、どうしました?

浮かない顔をしていますが……


マウリツィオ

うむ、アイリスか。

実はこの島で悪魔を見つけてな。


キャトラ

あ、悪魔いたの!

それでどうしたの?!


マウリツィオ

まだ何もしていない。

どうしたらいいかと思ってな……


キャトラ

アタシたちは悪魔がいるって話、

聞いたことないから……特に

悪いことはしたいないってこと?


アイリス

マウリツィオさん、悪魔は

倒さなくてはいけないんじゃ……?


マウリツィオ

ああ、その通りだ。

それにあの悪魔、修道女の服装を

している……聖職への冒涜だ。


キャトラ

神父としては、そこは許せない

ポイントよね。


マウリツィオ

……しかし、奴の周りには

人間がたくさんいるのだ。

うまく人間の生活に溶け込んだの

かもしれんがな。


アイリス

この島には色々な人がいるから、

そこがかえって住みやすいのかも

しれませんね……


マウリツィオ

それだけではない。

奴を頼ってくる者もいたのだ。

悪魔を頼る? そんなバカな話、

と思ったが……


マウリツィオ

あんな奴は初めてだ。

俺には手が出せん。


キャトラ

悪いことをしていないなら

そのままでいいんじゃない?


マウリツィオ

……そうだな。奴が何者かを

見極めてからでも、遅くはないか。


アイリス

それがいいと思います。

何もしないなら、そのままでも。


キャトラ

焦ってもいいことないよ!


マウリツィオ

『急いては事を仕損じる』だな。

うむ、肝に銘じておこう。


マウリツィオ

だが、殺すに足る悪魔だったなら、

最高の苦しみを与えて殺してやる。

その日が来るのが楽しみだ。

ガハハハハ!


思い出4


マウリツィオ

……ふう。


アイリス

マウリツィオさん、お疲れですか?


キャトラ

最近大人気よね~。

マウリツィオの相談室。


マウリツィオ

相談を受け付けているわけでは

ないのだがな……

この島には迷える羊が多い。


アイリス

それだけ神父様が頼りに

されているってことですよ。


マウリツィオ

神父としては喜ばしいがな。

皆の力になれているのだから。


アイリス

お疲れの時は甘い物が

いいですよね。

ケーキと紅茶を用意しますね。


キャトラ

わーいケーキ! アイリス神様!


マウリツィオ

む、むう……そうか……


アイリス

どうしました?


マウリツィオ

俺は甘いものが苦手でな……


キャトラ

こらー! 神父が好き嫌いとか

しちゃダメでしょー!


マウリツィオ

す、すまん。

だがダメなものはダメなのだ。


アイリス

あっ、気にしないでください。

代わりのものを用意しますから。

キャトラもそんな事言わないの。


キャトラ

だってぇ~、食べ物は粗末に

しちゃいけないって言うし~。


マウリツィオ

そうだな……俺の分はお前たちで

食べてくれ……


アイリス

こちらこそすみません。

気を遣わせてしまって……


キャトラ

神父マウリツィオは今度アタシの

ところに懺悔しに来るように!


マウリツィオ

シスターキャトラ誕生だな!

頼りにしているぞ、ガハハハハ!


アイリス

では私は甘くないものを

用意してきますね。


マウリツィオ

――!


キャトラ

マウリツィオ、どうしたの?


マウリツィオ

い、いや……昔同じやりとりを

した事を思い出してな……

俺はちょっと失礼する……


アイリス

私……何かよくない事を

しちゃったのかな……


キャトラ

うーん……特に何もしてないと

思うけど……?


思い出5


マウリツィオ

――というわけだ。

神に祈るだけでは何も変わらない。

欲しいものは自分の力で掴め!


 マウリツィオと話していた人物は

 力強く頷き、去っていった。


アイリス

マウリツィオさん、今のは――?


マウリツィオ

ああ、神父の俺に相談があるという

話でな。今まで聞いていた。


キャトラ

神父の説教って神に祈って

救いを求める、とかじゃないの?


マウリツィオ

ああ、俺はな。

祈りだけでは救われない。それを

俺は知ったからな……


アイリス

何か……あったのですか?


マウリツィオ

……昔、俺は教会で普通の

神父として暮らしていた。

だがな、ある日教会が魔物に

襲われてしまったんだ。


マウリツィオ

教会の皆と談笑中、ちょうど俺が

甘いものは苦手なことを

話していた時……

魔物が現れた。


アイリス

この前はそういう……そうとは

知らず私……ごめんなさい。


マウリツィオ

俺は必死で神に祈りを捧げた。

だが教会は破壊され、信者は

皆死んでしまった。


マウリツィオ

俺が助かったのは祈りが天に届いた

からかもしれん。

だが、俺にその時力があれば教会を

信者を守れたんじゃないか――


マウリツィオ

俺は、そう考えるようになった。


アイリス

辛い経験をしたのですね……


キャトラ

教会のことはあまり思い出したく

なかった、ってわけね。


マウリツィオ

俺は人を救いたい、神父としてな。

だが最近、神父としての自分を

見失っている気はしているのだ。


マウリツィオ

力がなければ悪魔と戦うことは

できない。では信仰は何のために

存在するのだ……とな。


マウリツィオ

祈るだけでは救われない。それが

わかっている俺は、神父として

必要なのだろうか……



思い出6


マウリツィオ

――? この光は……?

神の啓示……いや、これは

ルーンの……


マウリツィオ

……そうだな、こんな些細なことで

迷うなど、俺らしくもない。


アイリス

マウリツィオさんは、みんなの

相談を聞いてくれる。

それだけでも神父様として

充分だと思いますよ?


マウリツィオ

うむ、信仰を見失うなど神父と

して失格だ。俺としたことが

まだまだ修行が足りんな。


マウリツィオ

信仰は心の拠り所。

力を持っていても、そうでなくても

信仰は変わらん。


マウリツィオ

俺が力を振るえるのは、信仰という

土台あってのもの。お前のおかげで

それに気づくことができた。

ありがとう(主人公)。


アイリス

これからも、私たちの

相談相手として、

よろしくお願いしますね。


マウリツィオ

ああ、勿論だ。

悪魔を滅ぼすまで、俺は

戦い続けなければな。


マウリツィオ

悪魔の苦痛や恐怖に歪む顔、

断末魔の悲鳴、想像するだけで

身震いが止まらん!


マウリツィオ

神の名のもとに悪魔を滅する。

それが俺、神父マウリツィオだ!

悪魔どもめ、覚悟しておけよ。

ガハハハハ!


キャトラ

この怖いのがなければ

いい神父なのにね……


アイリス

マウリツィオさん、何かあったら

遠慮なく私たちに

言ってくださいね?


キャトラ

シスターキャトラが

マウリツィオの懺悔を

聞いてあげるわよ!


マウリツィオ

ガハハハハ! 頼もしい奴らだ!

だがその必要はない。俺は神に

隠し事などしてはおらん!


マウリツィオ

これからも懺悔したいことが

あれば遠慮なく俺に言え。

俺が許しを与えてやろう!

コメント (マウリツィオ・思い出)
  • 総コメント数1
  • 最終投稿日時 2016年04月19日 05:13
    • 冒険者さん
    1
    2016年04月19日 05:13 ID:oiq79j37

    今更だけど、光の啓示とか中の人絡めてくんのやめーやww

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