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白猫プロジェクトwiki【白猫攻略wiki】

Snow Fairy Tale Story

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作成者: ゲストユーザー
最終更新者: ゲストユーザー

開催期間:2014年 12/28 18:00 ~ 2015年 1/9 15:59



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Story あつあつ雪女!

ヘレナ

肉まんのお味はどう?

今度のは自信があるのよ。


アイリス

はふはふ……

はふ……おいしいです。

ヘレナさん。


キャトラ

はふ……はふ……

いーんじゃない!

新メニューはこれできまりね!


???

それはどうかしら!


キャトラ

誰ッ!?

……それに、寒ッ!?


アイリス

……そうね、なんだか急に

寒く……?


ロッカ

絶対零度の熱い情熱!

あつあつ雪女のロッカとは

私のことよ!


肉まんと聞いたら、

黙ってられないんだから!


キャトラ

アンタの仕業ね!!


ロッカ

ごめんごめん、ちょっと興奮して

冷気を出しすぎたわ!


バロン

雪女というと、

雪をつかさどる妖精か

……ぬ、私の肉まんが凍った!?


キャトラ

……ひえええ!寒いぃ!!


ヘレナ

……肉まん、冷めちゃったわね。


ロッカ

肉まん!

しっかりしてぇーっ!!

もっと熱くなって!!



キャトラ

アンタのせいでしょ!


ロッカ

あつあつが……

肉まんは、あつあつが

美味しいのにっ……

ごめんね、ごめんね肉まん……!


アイリス

肉まんがお好きなんですね。

ヘレナさん、ロッカさんにも

食べてもらったらどうですか?


ヘレナ

そうね。ロッカさん

味見していただけますか?

こっちはまだあつあつですよ?


ロッカ

ありがとう!

いただきます!


ほふ、ほふ……

おおっ!この味は――!

あら切りの豚肉に玉ねぎの甘みが!


キャトラ

あああああアンタ!

手が溶けてるわよぅ!


ロッカ

――口の中にほとばしる肉汁!

生姜の香り!

まさにシンプルイズベスト!


星四つ……

いや、覚醒次第では

星五つもいけるわ!


キャトラ

溶けながら……食べてるッ!?

どんだけ肉まんが好きなのよう!?


ロッカ

好きという言葉では、

語りつくせないわ!

世界中を食べ歩いたんだから!


キャトラ

とんでもない物好きだったわ!


アイリス

どんなところにいったんですか?


ロッカ

傭兵さんが年中戦ってる島に、

でっかい木でできた島、

ロボットさんが

ガチャガチャしてる島――


キャトラ

どこも肉まんどころじゃないわね!


ロッカ

でも一番おいしかったのは、

このあたりの島で食べた肉まんよ!

世界一といっても過言じゃないわ!


アイリス

このあたりの島に、

そんなにおいしい肉まんが!?


キャトラ

これほど肉まんが好きな子が、

世界一っていうくらいだから……

さぞかし美味しいんでしょうね??


ロッカ

……気になるでしょ?

世界一だもの! よかったら、

一緒に食べに行かない?


キャトラ

主人公!

さっそく支度するわよ!


Story 世界一の肉まん

キャトラ

ねえロッカ、

本当にこのあたりなの?

どこにも町なんてないじゃない!

いるのは魔物だけよ!


ロッカ

このあたりのはずなのよ。

……近くに町が

あるはずなんだけど。


老人

こ、こらっ、あっちげいけっ!


老人が、魔物たちに追われている!


ロッカ

危ないっ!!


……お怪我はありませんか、

おじいさん。


老人

……あ、ありがとう、助かったよ。

……このあたりは、

普段は安全なはずなんじゃが。


ロッカ

おじいさん!

わたしたち、世界一の肉まんを

探してるんです!


老人

……世界一かのう?

たしかに、この島のものは……

肉まんが大好きじゃのう。


ロッカ

私も大好き!

雪を見ながら食べる肉まんは

最高よね!


老人

……雪か、

子供のころに見たきりじゃのう。


キャトラ

今では雪、降らないの?


老人

気候が変わってしまってのう。

昔はかなり積もったものじゃが……


ロッカ

人間にとっては、雪なんか――

降らない方がいいでしょうけどね。


老人

……町にまでいけば、

そこらで肉まんが売っておるよ。

山を越えた先じゃ。


ロッカ

……そっか、この島には

雪が降らないのか。


アイリス

どうしたんですか?


ロッカ

……なんでだろう。

……このあたりの山を見てると、

なんだかモヤモヤするよ……


Story 肉まんへの愛!

キャトラ

……もう少しで町よねえ。

そうよね?

もう山は飽きたわ!


ロッカ

にっくまーん、にっくまーん、

肉汁たっぷりーあっつあつー!!


アイリス

ロッカさん、本当に

肉まんが好きなんですね。


ロッカ

だって肉まんだよ!

肉まんが嫌いな人なんかいるの!?


キャトラ

あんた溶けちゃうでしょ!


ロッカ

熱いよー! 肉まんへの愛で

溶けそうだよ!


キャトラ

溶けてたわよ!


アイリス

雪女さんたちって、みんな

肉まんがお好きなんですか?


ロッカ

今のところ、好きなのは

私だけだよー!

でも見ていて!


私は雪女の里に、

肉まんを広めて見せるっ!


キャトラ

里が溶ける!

雪女の里が溶けるわ!


ロッカ

そしていつか、雪女の里

オリジナルの肉まんを――!

絶対零度あつあつ肉まんとか!


凍えるように冷たくて

溶けるほど熱い!

新しい!


キャトラ

たぶんそれ、食べ物じゃないから!


アイリス

ロッカさん、

世界一美味しい肉まんって……


ロッカ

大丈夫!

ちゃんと人間も

食べられるのだよっ!


でも……

この島の肉まんじゃない、かも。

私がその肉まんを食べたの、

雪が降ってる日だったから。


キャトラ

まーいいわ。

ここまできちゃったんだし、

肉まん食べられれば。


アイリス

元気出して、ロッカさん。

その日にだけ雪が

降ってたのかもしれないし。


アイリス

主人公。

どうしたの?


キャトラ

魔物!?


アイリス

……これは、瘴気……?

なにか悪いものが、島に入り込んだ

みたい。


一行に、魔物の群れが

襲い掛かる!


アイリス

ロッカさん、気を付けて!


ロッカ

……なるほど、私の愛が

試されてるのね!


あの日食べた

肉まんじゃなくても……

私はすべての肉まんを愛している!


私の肉まん愛をなめないで!

今の私は誰にも止められないわ!


Story 雪の日の想い出

キャトラ

はあ、魔物の相手を

するのも疲れるわね。


アイリス

……あれで、終わりだといいけど。


ロッカ

もうすぐ町ね!

ああ、待ち遠しい~。


キャトラ

ねえロッカ、アンタはなんで

肉まん好きになったの?

雪女なのに。


ロッカ

それ聞いちゃう?


アイリス

聞きたいです!


ロッカ

私は昔、姉ちゃんたちと

いろんな島を渡り歩いてたの。


キャトラ

どうして?


ロッカ

雪女の修行! いろんな環境で

雪を操る修行をするの。


アイリス

もしかして、

雪を降らせているのって

雪女さんたちなんですか?


ロッカ

まさか。雪女にそんな力はないよ。

身を守るためと、自分たちの

生活のため。


キャトラ

生活のため?

雪でなにするの?


ロッカ

雪でいろいろ作ったりするの。

家とかお布団とか。


キャトラ

聞くだけで寒そうね……


ロッカ

私たちは、寒くて過ごしやすい島を

見つけて、修行を始めた。


あの日の夜……、

島には吹雪が吹き荒れていた。


私は、修行の帰り道で……

吹雪で凍えている

男の子と出会った。


男の子は……

私を見て、魔物だと思ったみたい。

無理もないけどね……


人間には関わるなって

いわれてたけど……

私には、見過ごせなかった。


私はかまくらを作って、

たき火をたいた。

少しでもあったかくなるように


その夜……男の子が、

私に肉まんをくれたの。

それを二人で半分こした。


アイリス

それでロッカさんは……


ロッカ

その時食べた肉まんが

美味しくって……

忘れられないの。


アイリス

男の子とはどうなったんですか?


ロッカ

ふもとの町でわかれて、それっきり。

私は里に帰らなくちゃ

ならなかったの。


アイリス

ロッカさんにとって、肉まんは

大切な思い出なんですね。


キャトラ

もしかしたら、

世界一美味しい肉まんって?


ロッカ

……そう。私にとっては、

その夜食べた肉まんが、

一番おいしかった。


ごめんねキャトラ、

とくにオチがなくて。


キャトラ

いやいや、気にしてないからっ!


アイリス

ロッカさん、早く肉まん食べて

元気になりましょう?


ロッカ

そうね、肉まんが私をまってるわ!


木々の向こうに……

魔物たちの姿が見える!

彼らの目指す先には――


キャトラ

たいへん、

町に魔物が近づいてるわ!


ロッカ

まさか奴らも、肉まんを狙って!?


キャトラ

そんなわけないでしょー!


アイリス

でもこの数、ちょっとおかしいわ。

まさか本当に肉まんに

引き寄せられて……


キャトラ

アイリス、ロッカにへんな

影響受けてる……?


ロッカ

肉まんの魔力は、時として

人を狂わせるというわ。


キャトラ

雪女が変になるのは知ってるけど。


ロッカ

肉まんがきっかけで、人々が

激しく争いあった歴史もある。


アイリス

そんなに悲しい由来が!?


ロッカ

その昔肉まんは、ピザまんや

チーズまんの人気におされ、肩身が

狭い思いをしていたというわ。


人々は肉まん本来のすばらしさを

忘れてしまっていたの。


でも人々は思い出した。

シンプルな肉あんと

ほかほかの生地が生み出す――


至福のハーモニーを!


キャトラ

肉まんが先に

できたんじゃないの!?

って――!


魔物!

魔物が来てるって!


ロッカ

世界一の肉まんは、私が食べる!


Story 帰ってきた初雪

アイリス

見て、町中で肉まんを売ってますよ

ロッカさん!


ロッカ

うおおーーっ!!

来たかいがあったわー!


キャトラ

まさか、全部食べる気?


ロッカ

食べないの?

私は食べるよー!


キャトラ

溶けて湯気になっちゃうわよ!


ロッカ

肉まんを蒸し上げる香り……

たまらないわねー。

……あれ?


くんくん、この匂い……

豚肉と白菜、タケノコ

……それに、シイタケ。


キャトラ

わかるの!?


ロッカ

……私、覚えてる……

この、懐かしい匂い……!

セルゲイなの……?


……ロッカは、店先に並ぶ

肉まんの前で、立ち止まる。


ロッカ

……君は。


少年

いらっしゃい。

肉まんはどうですか。


ロッカ

セルゲイ……、会いたかった。


ロッカは、少年の手をとる――


少年

冷たいっ!


ロッカ

ご、ごめんね、セルゲイ。

……久しぶり、だね。


イーノ

ぼ、ぼくはイーノだよ。

人違い、じゃないですか。


ロッカ

私のこと覚えてないの?

吹雪の日にあった……

あっ――


この島には、雪が……

降らないんだよね。


アイリス

ロッカさん。

……少し、言いにくいこと

なんだけど。


ロッカ

なに?


アイリス

ロッカさんが男の子にあったのって

この島に雪が降っていたとき

つまり、何十年も前のこと

なんじゃないんですか?


ロッカ

そ、そんな、だってあれは……

私にとっては、昨日の……


キャトラ

ねえロッカ、あなたって何歳なの?


ロッカ

今年で500歳だけど?


キャトラ

やっぱりか……

妖精って、長生きだもんね。


ロッカ

嘘……


里に帰った私は、姉ちゃんたちと

里を守って……あれから

そんなに経ってたなんて……!


うっ……

ううっ……うううっ……

また会おうって、

約束したのに……!


アイリス

ロッカさん……


ロッカ

いけないいけない。

肉まんが冷めちゃうね。

……私は、もう帰らないと。


(……だから、里のみんなは……

人間には関わるなって……悲しい

思いをするだけだからって……)


イーノ

お姉ちゃん。はい。


ロッカ

肉まん……?


イーノ

半分こだよ、食べたかったんでしょ

お姉ちゃん。


ロッカが肉まんを口にすると――

冷気は止んだ。


冷え固まった思い出が――

温もりに溶けていく。


ロッカ

おいしい。おいしいよ。

……あのとき……

食べた味だ……


ロッカは、肉まんを食べ終わると、

静かに舞い始めた。

すると――


アイリス

これは……雪!?


キャトラ

きれいねー。

まるで風に舞う花びらみたい!


雪の降らない島に、

つかの間の雪が降る。

雪の使いが見せる、小さな奇跡。


…………


……


老人は、峰の上から

風に舞う雪を見つめる。


セルゲイ

おお、あの雪は……!

やはり、あの娘さんは、

あの時の……!


そうか、

帰ってきてくれたんじゃな……

ロッカ……


Story 悪意の嘲笑

今では雪の降らぬ……小さな島。

その山の中腹に……


暗きモノが、渦巻いていた。

――光を塗りつぶす、漆黒の闇。


ドゥドゥ

ドゥドゥは、いってるよ……?

『お腹がすいた』って。


『雪女が暴れれば、<きょうふ>が

食べられると思ったのに』

って。


『このままじゃ腹ペコだ』って。

……どうするの?

ドゥドゥはどうするの?


ああ、そうか……

……{ドゥドゥがやればいい}んだね。

グッフッフ……!!


キャトラ

急がないと!


アイリス

おじいさん!


破壊された町並みの中、

老人が倒れている。


平和だった町は、魔物たちに

破壊されていた。


キャトラ

戻ってきてよかったわね。

アイリス。


アイリス

怪我をした人たちを助けなきゃ!


セルゲイ

……おお、旅の方……

……

………


アイリス

しっかりしてください!


セルゲイ

……いきなり魔物たちが町に……

イーノが、わしの孫の……!

イーノがさらわれてしまった!


アイリス

そんな、あの子が……!


ロッカ

どうしてイーノ君が!


キャトラ

主人公……

そうね……偶然じゃない、

かもしれない。


闇……ってやつらが

関わってるのかもね。


セルゲイ

……あ、あなた方は?


ロッカ

イーノくんは、絶対助けます!

だから、待っててくださいね……

私が、私たちが必ず……!


セルゲイ

……これを、

もっていってくだされ。

イーノを、孫を頼みます。


老人は、

せいろに入ったそれを手渡す。

――ほかほかの肉まんだった。


ロッカ

……おじいさん、ありがとう。

絶対、イーノ君に

食べさせてあげますから!


……闇の中に、哄笑が響く。

命そのものを、あざ笑うように。


ドゥドゥ

……ドゥドゥは、いってるよ。

『あいつらのおかげで、

もっと面白くなる』って。


グッフッフッフッ……!

楽しみだなあぁ!!


…………


……


ロッカ

イーノくん、どこなの!?


アイリス

ここにはいないみたい。


ロッカ

まさか、もう……

あの子になにかあったら、私は。


私は……!


アイリスは、やおらロッカの体を

抱きしめる。


ロッカ

だめだよアイリス!

凍えちゃうよ!


アイリス

大丈夫。

……みんなで、

イーノくんを助けましょう。


私たちがいるから。

きっと大丈夫。


ロッカ

アイリス……

ありがとう。


キャトラ

さっさと助けないと、

肉まんが冷めちゃうでしょ?


ロッカ

そうね、ささっと助けて、

みんなで肉まん食べよう!


Story 恐怖を喰らうもの

峰の中腹にうがたれた洞窟。

……そこから漏れ出す、

濃い闇の気配――


キャトラ

ロッカ、遠慮することはないわ。

思いっきりやっちゃえ!


ロッカ

まかせて!

行こう、みんな!


ドゥドゥ

ドゥドゥ、来たよ。あいつらだ。


キャトラ

……!?

なんなのこいつは?


ドゥドゥ

『<愉快な道化の影芝居>――

<シャッテンシュピール>』

の、ドゥドゥ・バルベルだよ。


ドゥドゥはお腹が減ってるって。

さあ、食べさせてよ……

<きょうふ>を。


ロッカ

イーノくんを返して!


ドゥドゥ

いいよ。

ドゥドゥに<きょうふ>を

食べさせてくれたらね。


ロッカ

町を襲ったのは、あんたね?


ドゥドゥ

ドゥドゥはね、

『あんな小さな町じゃ、

ぜんぜんたりない』って。


アイリス

そんなことのために、あの町を!


ドゥドゥ

ドゥドゥは、いってるよ……


『じぶんのことを、

強いと思ってるやつ

信じているやつ。


――そういうやつの

<きょうふ>が……

いちばんおいしんだ』って


さあ、食べさせてよ!

きみたちの<きょうふ>を!


Story 凍てつく想い

ドゥドゥ

ドゥドゥは、いってるよ。

『君たち、すごいね』って。


ロッカ

……イーノくん、待ってて……

こんなやつ、すぐに

やっつけて……


ドウドゥ

グフフフフッ――!

おかしいねえ、おかしいねえ――

ドゥドゥ――


ロッカ

――何がおかしいのよっ!!


ドゥドゥ

ドゥドゥは、『あの子供は、

もういらない』って。


ロッカ

……えっ!?


地面に、真っ黒な塊が

転がっている……


アイリス

……そんな。


ロッカ

嘘……でしょ……


ドゥドゥ

『あげるよ』って。

『ドゥドゥの食べ残しで

よければ』って。


ロッカ

イーノくん……

そんな……そんな……っ。


イーノ

……おねえ、ちゃん……


ドゥドゥ

『雪女の<きょうふ>

きみたちの<きょうふ>

すごくおいしい』ってさ。


アイリス

……許せない。


キャトラ

こんな……

こんなのってないわ!


ドゥドゥ

……グフフフフッ!

ドゥドゥは、いってるよ!

『すごくいい気分だ』って!


ロッカ

やっぱり無理だった……

私には、誰も……

私には、人を不幸にすることしか。


主人公……?

だって、もう……!


アイリス

ロッカさん、立って……!


ロッカ

アイリス……

……そうか。まだ……


ドゥドゥ

ドゥドゥは、いってるよ。

『<きぼう>なんかないって』


ロッカ

いいや、あるわ!

冷めた肉まんは、

温めなおせばいいんだから!


Story おとぎ話の結末

ドゥドゥ

……ドゥドゥは、いってるよ。

『君たちのおかげで、

たのしかったよ』って。


アイリス

……なんていう闇なの……!


キャトラ

……こ、このままじゃ……!


ロッカ

イーノくん……!


ロッカは……せいろに入った

肉まんを構えた!


ドゥドゥ

……なにをやってるの?

もう無駄だよ!


そして、黒い塊めがけ、

肉まんを押し込む!


ロッカ

戻ってきて、イーノくん!


黒い塊は……

ぼろぼろと崩れていく。


ロッカ

……そんな……!

そんなっ……!


そして、

塊だったものの中より――


イーノ

……おねえ、ちゃん……


ロッカ

イーノ君!


ドゥドゥ

え……??


イーノ

お姉ちゃん……

肉まん……冷めてるよ……


ドゥドゥ

……ドゥドゥは、いってるよ。

『お前たち、何をしたんだ』

って!


アイリス

……肉まんから、

ソウルを感じる……!

あのおじいさんのソウルが、

肉まんの中に!


ロッカ

この肉まんには……

あのおじいさんの……わたしの

心がこもってるんだからぁー!!


アイリス

ソウルが……

イーノくんの魂と体を

元に戻したのね。


ドゥドゥ

……ナン……ダッテ……?

グッ……ググググググ!!


キャトラ

残念だったわね!

もうアンタへの恐怖なんか――


ドゥドゥ

グググググ……

グォルアアアアア!!


キャトラ

い、いきなり何ッ!?


ドゥドゥ

グオオオオオッ!!

ヨクモヨクモ!

コノドゥドゥガッ、

クライツクシテヤル!


ドゥドゥの体より、

闇があふれだす!


星なき夜よりなお暗い闇は、

周囲の岩や土を吸い込み、

膨れ上がる!


アイリス

主人公!

気をつけてっ!


ロッカ

イーノくんっ……!


ドゥドゥ

グオオオオオオオオ!!

シネエェ!!


キャトラ

もうだめえー!!


ドゥドゥ

グ……ググッ……

………ナ、ナゼ……

エピタフサマ、ナゼドメル!


ドウケノデバンハオワリ……?

ツギノ幕ガヒラクノヲマテ……?

グググウッ……!


クイタリナイッ!!

ハラガ、ヘッタ!!

グオオオッ!!


ドゥドゥの体は闇に沈み……

完全に消え去った……


…………


……


イーノ

……アイリスさん。

これ、お母さんがつくった肉まん

みんなで食べてね。


アイリス

ありがとう、イーノくん。

またいつか、会いにくるからね。


キャトラ

ねえ、ロッカは?


…………


……


雪から生まれた少女は――

懐かしい場所を見つめていた。


あの時降り積もっていた雪は、

今はもう欠片もない、


だが、この山は、

確かに思い出へと続いていた。


セルゲイ

……いってしまったか、ロッカ。

わしだけでなく、孫の命まで……


ロッカ

ここにいたんだ、探したよ。

……セルゲイ。


セルゲイ

ロッカ……


ロッカ

ごめんね、おそくなっちゃった。



ロッカは、肉まんを二つに割って

セルゲイにわたした。


ロッカ

……二人で、半分こしよう。


――老人の目に、涙が浮かぶ。


凍っていた時間が――、

再び動き出した。

コメント (Snow Fairy Tale Story)
  • 総コメント数1
  • 最終投稿日時 2015年06月19日 13:43
    • 冒険者さん
    1
    2015年06月19日 13:43 ID:o6vz0zv7

    復刻前にLv3までしか上げれず、キャラの可愛さから育てたいと復刻を待ち望んでいましたが、ストーリーもめっちゃ感動しました。ロッカをますます好きに!!

新着スレッド(白猫プロジェクトwiki【白猫攻略wiki】)
ゲーム情報
タイトル 白猫プロジェクト
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2014年07月25日
    • Android
    • リリース日:2014年07月13日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 ド迫力のバトルシステムで白猫の新たな冒険を体験しよう!

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