キャロ・思い出

キャロの思い出とボイス

思い出1

？？？

この島にチェスの心得がある人は

いない？

アイリス

チェス……？

？？？

えっ？　あなたたち……チェスを

知らないの？

キャトラ

いや、知ってるけど

やったことはないわ。

？？？

なんで！？

どうしてやらないの？！

面白いのに！！

キャトラ

そう言われても……

だってルールとか知らないし……

なんか難しそうじゃない？

？？？

大丈夫！　簡単だから！

猫のあなたでもすぐに

覚えられるよ！

キャトラ

そ、そうなの？

だったら覚えてみようかな……

キャロ

やったあ！　できるようになったら

あたしと対戦ね！

あたしはプロチェスプレイヤーの

キャロ、よろしく！

アイリス

よろしくお願いします、キャロさん。

キャトラ

アタシは飛行島の守護神、

キャトラさんよ！

やるからには負けないんだから！

アイリス

（キャトラ、いつの間にそんな

肩書きで名乗るように

なったの……？）

キャロ

ふふん、不敗のあたしに

勝てるつもり？

キャトラ

当然よ！　その不敗を破るのは

アタシの役目なんだから！

アイリス

（まだ一度もやったことないのに、

そんなに大口叩いていいの……？）

キャロ

その気迫、すごくいいね！

でも、あたしは絶対負けない！

キャトラ

アタシだって！　見てなさいよー！

アイリス

もう……２人とも

負けず嫌いなんだから……

思い出2

キャトラ

えっと、ここでキングを

こっちに……

で、キャスリングよね？

アイリス

キャスリング……キングとルークを

同時に動かすことが出来る

特殊ルールね。

キャロ

そうそう、でもすごいね、本当に

ルール覚えてきてくれたんだ！

キャトラ

アタシにかかればこの程度、

ちょちょいのちょいよ！

アイリス

（徹夜で頑張ったものね、

キャトラ……）

キャロ

それなら遠慮はいらないわね。

全力で勝負よ！

キャトラ

のぞむところよ！

キャロ

ふむふむ、なかなかいい手ね。

それじゃあたしは……

キャロ

こちらのナイトを動かす。

キャトラ

アタシはポーンを前に出すわ。

キャロ

ふふっ、じゃあそのポーンを

ナイトでいただき！

キャトラ

じゃあこっちのポーンで

そのナイトを……

キャロ

ふふふ、それはできないの。

キャトラ

えっ？　なんで？

キャロ

ここでポーンの＜捨て身の援護＞が

発動！　ナイトの変わりに

ポーンが落ち……

キャトラ

そんなルールないわよ！

キャロ

あたしの国ではポーンはナイトを

守る盾なの！

アイリス

（キャロさん……そんなルールは

聞いたことないよ……）

キャトラ

変なローカルルール適用しないで！

キャロ

あたしの中では共通ルールよ！

キャトラ

…………

キャロ

…………

キャトラ

まぁいいわ、じゃあアタシの版ね。

アタシはビショップをここに。

これでチェック。

キャロ

むむむ……

あたしはナイトをここに移動。

アイリス

（キャロさんのキングが

がら空きだわ。キャトラ、今よ！）

キャトラ

（アイリス、いつの間にルールを

覚えたのかしら……

しかも強そうだわ……）

キャトラ

その隙を見逃すキャトラさんじゃ

ないわよ！

これでチェックメイト！

キャロ

くっ……

キャロ

もう1回よ！

キャトラ

い、いいけど……

キャトラ

はいチェックメイト。

キャロ

まだよ！　まだ終わらない！

キャトラ

チェックメイト。

キャロ

あたしに負けはない！　もう1回！

キャトラ

アタシの……勝……

キャロ

まだよ！　あたしに負けはないの！

アイリス

二人とも、そろそろやめたら……？

その後キャロとキャトラの勝負は
十数回に及んだ。

思い出3

その勝負は一昼夜続き、
キャトラは限界を迎えていたー―

キャロ

さあ、これでどう！

キャトラ

あははーお馬さんが走ってきたー。

もうだめだー。

アイリス

キャロさん、キャトラもう

限界みたいだから……

キャトラ

お花畑でおひるねしたい～。

キャロ

そう、じゃあ試合放棄ということで

あたしの勝ちね！

不敗神話は健在！

アイリス

キャトラ、ゆっくりう休んでね……

キャトラ

カニカマの海が見えるわ～……

キャロ

また相手してね、キャトラ！

アイリス

キャロさんもちょっと休憩して、

お話でもしませんか？

キャロ

そうね。あたしこの島にきて、

ほとんどチェスしかして

いなかったしね。

アイリス

ここに来る前も、こうやって

チェスをしていたんですか？

キャロ

うん。ゲームが大好きな友達が

いてね。いつもあたしの

相手をしてくれてたの。

アイリス

……その友達ともやっぱり、

キャロさんが勝つまで

続けていたんですか？

キャロ

もちろん！　だってあたしは

絶対に負けたくないもの。

アイリス

友達が途中で帰っちゃったり

しなかったんですか？

キャロ

あぁ、よく途中で「飽きた～」って

言って＜扉のルーン＞の力で別の

場所に移動しようとしてたっけ。

キャロ

でも、この

＜千日手のルーン＞が

あれば、逃げられない。

キャロ

あたしとの勝負を差し置いて

逃げるなんて、そんなの

絶対許さないんだから。

アイリス

そのルーンにはどんな力が……？

キャロ

これは移動を封じることができるの。

別の場所に移動しようとしても

元の場所に戻ってきてしまう

ようになるの。

アイリス

それは迷惑……いえ、恐ろしい

力ですね……

キャロ

ところでアイリス、あなたも

チェスをやってみない？

主人公もどう？

アイリス

い、いえ私は遠慮しておきます……

思い出4

キャトラ

むむむ……

キャロ

ぐぅ……

今日もまたキャロの相手をする
キャトラであった。

キャトラ

ところでさー、なんでアンタは

ナイトばっかり動かすわけ？

キャロ

好きだからよ！

キャトラ

はぁ……？

キャロ

ナイトはね、他の駒を飛び越えて

移動できるのよ！

すごいじゃない！

キャトラ

はぁ。

キャロ

それにあの直線じゃない動き！

誰にも真似することが

できない唯一無二の存在！

ナイトは上下左右に前2マス・左右
1マスの移動範囲があり、その途中に
他の駒があってもそれを
飛び越えられる、という特徴がある。

キャトラ

いやまあそれはそうだけど。

キャロ

こんな素晴らしい駒を愛さずに

いられるわけがないじゃない！

キャトラ

ハイハイ。

そんなに大事なら動かさなければ

いいんじゃないの？

キャロ

何てことを！

ナイトは動いてこそ輝くの！

キャトラ

ふーん。

ところでこれでチェックだけど？

キャロ

えっ？　あ、くっ、いつの間に……

それなら、ここをこうして……

キャトラ

じゃあアタシはこうね。

キャロ

ふっふっふ、これであたしは

動かすことのできる駒がない。

ステルスメイトよ！

キャトラ

えっと……それってどういうこと？

キャロ

引き分けよ！

キャトラ

くっ……負けを認めずに

引き分けに持ち込むとは……

やるわねアンタ……

キャロ

ふっふっふ。

さあ、もう一戦よ！

アイリス

なんだか楽しそうよね。あの二人。

思い出5

キャロ

あたしの……不敗神話が……

キャトラ

どうしたの？　誰かに負けた？

キャロ

聞いてくれる？　あたしの話を……

キャトラ

まぁ……いいけど。

アイリス

何か落ち込むようなことでも

あったんですか？

キャロ

キャトラにも勝ったあたしは、

もっと強い相手を求めて

この島を巡っていた。

キャトラ

ちょっと引っかかるけど、

まぁそれでいいわ。

キャロ

そしてあたしはチェスが

できるという人を見つけ、

早速対戦した。

キャロ

試合はすぐに決着した。

そしてあたしは再戦を

提案したの。

キャトラ

つまり負けたってことね。

キャロ

いいえ、その相手は再戦を断った。

あたしの勝ちよ。

キャトラ

いつも通りだから、そういうことに

しておいてあげるわ。

キャロ

あたしは勝った。でもね……

その試合は、とても勝ちと

呼べるものではなかった……

キャロ

あたしはいつも通りナイトでの

電撃戦で速攻を仕掛けた。

キャトラ

無謀な攻めとも言うわね。

キャロ

そしたらあの人、あたしのナイトを

取って攻めてきた。

あたしの戦意はほとんどゼロ。

キャロ

チェックメイトされるまでは

あっという間だった……

キャロ

ナイトのいない勝利なんて、

とても勝利とはいえない……

キャトラ

そこまで言ってるなら

負けを認めなさいよ。

キャロ

これじゃあたし、この先

不敗神話を守ることなんか

できない……

キャトラ

もしもーし、アタシの声

聞こえてるー？

キャロ

あたしはチェスを続けて

いくことができるのかな……

キャトラ

これどうしたらいいんだろ、自信を

取り戻してもらうのもなんだか

違う気がするのよね。

アイリス

元気にはなってほしいけど……

思い出6

キャロ

この光は……もしかして、ナイトが

輝いてる……？！

キャトラ

そんなわけあるか。

アイリス

これは主人公の

ルーンの光です。

キャロ

光から伝わってくるこの感情、

これは……ナイトの怒り……

悲しみ……

キャトラ

そうなのかな……

キャロ

そうか……あたし、あなたたちが

好きなのに、あなたたちを大事に

していなかった。

キャロ

あたしの独りよがりのチェスに、

怒り、そして悲しんでいるのね……

キャロ

ごめんね、そしてあたしにそれを

気付かせてくれてありがとう。

キャロ

ナイトはあたしの守護神であり

最強の切り札。それがわかった

あたしに敗北はない！

キャトラ

いや、だからアンタ……

アイリス

いいのよキャトラ。

キャロさんが元気になって

くれたならそれで。

キャトラ

……そうね。

キャロ

……キャトラ、勝負よ！

鍛冶屋のおじさんを倒す前の

こてしらべに、対戦してあげる！

キャトラ

なんでそんなに上からなのよ。

アイリス

バロンさん、チェスやるのね。

キャトラ

そういえばバロン、そういうの

強そうよね。

キャロ

あたしとナイトの一心同体。

ナイトの真髄、見せてあげる！

キャトラ

ハイハイわかったから。

さっさとやるわよ。

キャロ

ふふふ、ここからあたしの

勝利の一手が始まる！

ボイス

キャロ関係のチェス用語解説

チェック：相手のキングを取ろうとする手。

プロモーション：敵陣の奥まで行ったポーンが、強力な他の駒に変わるというルール

チェックメイト：チェックによりキングを取れることが確定した状態、いわゆる「詰み」。

ステイルメイト：動かせる駒が全く無くなった場合、戦況にかかわらず引き分けになるというルール

スマザード・メイト：自分の駒に囲まれ全く動けない状態のキングに対して、ナイトで行う特殊なチェックメイト

フィアンケット：ナイトのすぐ前にビショップを配置する、ビショップを有効に働かせる手筋

キャスリング：キングとルークを一手で同時に動かすという特殊な指し手

アンパッサン：ポーンでの特殊な取り方の手法

クレージーハウス：将棋のようにとった駒を使用できる変則チェス

レーティング：チェスの強さを点数にしたもの

ビショップ：チェスの駒の一種。斜めに移動する。

ナイト：チェスの駒の一種。変わった動きができる駒。

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