茶熊版カモメ・思い出
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思い出1
カモメ
カモメ伍長、参りました!
キャトラ
あらあら、カモメは
順調に出世してるのねぇ。
アイリス
はじめは一等兵でしたもんね。
トントンと二回も昇進して、
将来有望ですよ♪
カモメ
えっへへへ~♪
ありがとうございます!
カモメ
甲板掃除とイモの皮むきだけの
見習い期間が長かったですが……
カモメ
そこを抜けたら大海原でした!
順風満帆です!
キャトラ
うむうむ。
アタシたちも鼻が高いわよ。
カモメはよくやってる!
アイリス
そうね♪
カモメ
お褒めにあずかり光栄であります!
キャトラ航海士、アイリス機関長、
主人公船長!
キャトラ
…………
アイリス
…………
キャトラ
……じゃ、そーゆーことで。
カモメ
えぇっ!?
待ってください!
なんか素っ気なくないですか!?
キャトラ
だって……ねぇ。
カモメ
なんです?
キャトラ
カモメとは、ひんぱんに
会ってるような気がして……
カモメ
いいじゃないですか!
もっとお話しして、
もっと仲良くなりましょうよ!
カモメ
ほら!
この水着のこととか、
聞きたくないですか!?
キャトラ
ソレは今度話そう。
カモメ
こっ、今度って、
今度ってなんでありますか、
キャトラ航海士!?
キャトラ
今度は今度よ。
むぐむぐむがー。
カモメ
む、むぐむぐむがーって
なんでありますか、
キャトラ航海士!?
キャトラ
特に意味はないわよ。
カモメ
えぇっ!?
アイリス
……カモメさんも成長してるけど、
キャトラだって負けてないわ。
アイリス
二人の力関係は、
まだまだ覆らないわね!
思い出2
キャトラ
カ~モメモメモメ~♪
むぐむぐむが~♪
カモメ
なんの歌でありますか、
キャトラ航海士……?
キャトラ
アンタの歌よ。
カモメ
やっぱり……!
ショックであります……!
キャトラ
さて、じゃあそろそろ
おはなししましょうかねぇ。
カモメ
お願いします……
キャトラ
カモメ、なんでアンタ
ずっと水着でいるの?
カモメ
水泳部ですから!
キャトラ
うん、だからね、
だからってどうして
『ずっと』水着なのよ。
カモメ
簡単な理由と、
建前があるであります!
キャトラ
ほほう?
聞かせてもらおうかしら?
カモメ
まず、簡単な理由です。
濡れても平気だからです!
キャトラ
そんなに濡れることって多い?
カモメ
やっぱり、暑くなってくると
はしゃぎますから。
水遊びの頻度も増えますよね。
キャトラ
そうかしら?
ちょっと子供っぽいわね。
カモメ
うっ……!
いいんですー。
水遊び、好きなんですー。
キャトラ
ハイハイ。
で、建前ってのは?
カモメ
水泳部の宣伝のためであります!
キャトラ
ふむ。
カモメ
私は、たくさんの人に
海軍の素晴らしさを
伝えたいんですね。
カモメ
でも、軍隊ですから。
いきなりは抵抗あると思うんです。
カモメ
なので、まずは水泳部に
たくさん人を増やして、
それから海軍に勧誘です!
キャトラ
そんなうまくいくかしらね~?
カモメ
がんばります! お休みの日には
ティーパーティーを開いて
親睦を深めますよ!
キャトラ
えっ!?
そのカッコで!?
カモメ
さすがにそこは制服着ます。
キャトラ
さすがにそこは制服なんだ……
アイリス
(それはそうよね……)
思い出3
フラン
いくでござるよカモメ殿ー!
カモメ
あはは~♪
負けないであります~♪
フラン
フロワ!?
冷たいでござる!
仕返しでござる~♪
カモメ
きゃっ?
やったなぁ~♪
カモメとフランが
水鉄砲で遊んでいる。
キャトラ
うら若き乙女が、
水遊びに興じてるわね……
のどかな風景だわ……
キャトラ
ふふふ。二人とも、
とっても楽しそうで――
キャトラ
おやめっ!!!
フラン
サメトンヌ!?
なんでござるか?
カモメ
キャトラ航海士、
大きな声でなんでござる?
フラン
あ、カモメ殿にセッシャの口調が
移ったでござる~♪
カモメ
しまったでござる~♪
フラン・カモメ
あはははは~♪
キャトラ
これっ!
フラン
なんでござる?
キャトラ
なにを水遊びしてるのよ!
カモメ
え? どうして怒ってるんですか?
キャトラ
カモメはいいわ。水着だから。
でもね――
キャトラ
フラン! アンタは
服なんだから、
濡れちゃダメでしょ!
キャトラ
そういうのあんまりよくないわ!
フラン
トゥヴァビャン!
問題ないでござる!
キャトラ
あっ! 分身した!
フラン
もう乾いたでござる~♪
アイリス
なるほど……高速で動いて、
乾かしたんですね。
キャトラ
もう、分身の術を
便利使いしてからに~……
アイリス
いいじゃないキャトラ。
お二人は、仲良しなんですね?
カモメ
はい!
茶熊学園で仲良くなりました!
キャトラ
まあ……
それ自体はいいことだけどね。
遊び過ぎは……
フラン
ノンノン。
遊びに意義を見出すのが
最近流行りのラヴィピアニッシモで
ござるよ~♪
フラン
カモメ殿~♪
もう一勝負でござる~♪
カモメ
受けて立ちますよ~♪
キャトラ
こりゃダメだ……
アイリス
まあいいじゃない?
濡れてもすぐ乾くんだから。
思い出4
キャトラ
カモメは最近
力を持てあましてるでょ?
カモメ
どうしてそう思うんですか?
キャトラ
だって、いままではいっつも
でっかいイカリを
振り回してたじゃない。
キャトラ
それがいまはその小さいので
ぴゅっぴゅでしょ?
物足りないんじゃない?
カモメ
楽しいですよ♪
力仕事以外のことは
新鮮であります!
キャトラ
そうなの?
海軍ではいつも
なにやってるのよ?
カモメ
きたるべきときに備え、
模擬海戦をしたりします。
キャトラ
せんそーごっこね。
そこでのカモメの役割は?
カモメ
主に砲弾運びです!
アイリス
……砲弾運び?
カモメ
はい!
我が艦には、
何十門という艦砲があります!
カモメ
弾がなくならないように
補充するのは、
大切な業務であります!
キャトラ
……砲弾ってさ、
重いんじゃないの?
カモメ
重いです。一発一発が、
大人十人分くらいでしょうか。
通常、台車などで
数人がかりで運びます。
キャトラ
そうよね。
カモメ
ですが私は、
二つくらいなら持てます!
がんばれば四つくらい!
カモメ
ですから、かなり
重宝されてるであります!
ひっぱりだこであります!
キャトラ
……滅茶苦茶重い砲弾を抱えて、
船内を駆け回る
カモメの図、かぁ……
キャトラ
面白いけど、
なんか間違ってない!?
それって兵隊の仕事!?
カモメ
出来る者が
やらねばならない作業です!
一人一人が艦に貢献
せねばなりません!
キャトラ
うん、そうなんだろうけどさ……
アイリス
カモメさんの他に、
砲弾運びをしてる人は……?
カモメ
おりません!
キャトラ
やっぱり……
カモメ
一回の演習で、運搬ノルマ
二千発であります!
やりがいのある仕事です!
キャトラ
ううむ……
でもそれって、すごいけど
雑用なんじゃないの……?
カモメ
そんなことありません!
お父さんも、砲弾運びで
昇進したって言ってました!
キャトラ
アンタら親子が異常なのよ……
思い出5
カモメ
もう、お父さんなんか、
知らない!
キャトラ
どーしたのよカモメ、
ふくれっつらしちゃって?
カモメ
お父さんとケンカしました!
アイリス
どうして?
カモメ
お父さんが急に、
てのひらを返したんです!
キャトラ
どういうこと?
カモメ
いままでお父さんは、
私が海兵になったことを
応援してくれてました。
カモメ
『お前もがんばって偉くなれ』って
言ってくれてたんです。
カモメ
それなのに、最近私が
海軍のことを話すと、
ちょっと困った顔をするんです。
キャトラ
困った顔?
カモメ
『毎日たくさん砲弾運んでるよ!』
って言ったら……
カモメ
お父さん、
『それはちょっと……』
って言ったんです!
カモメ
信じられません!
キャトラ
待って待って、
ちょっと落ち着きなよカモメ!
アイリス
そうよ、一回、
深呼吸してみて?
カモメ
……すー……
……はー……
カモメ
……はい。
キャトラ
うん。
カモメ
……お父さん、ここに来て、
『カモメも女の子なんだから』
とか言うんです。
カモメ
いままでは
応援してくれてたのに……
キャトラ
でも、お父さんの気持ちも
わかんなくないわよ?
キャトラ
可愛い娘が戦艦に乗って、
何やってるかと思ったら、
すっごい重い砲弾運びでしょ?
カモメ
だって! お父さんも、
ずっとそれやってたって!
キャトラ
……まあ、ねえ……
カモメ
……私だってわかってますよ。
お父さんが何を
心配してるかってことくらい。
カモメ
このまんまじゃ、
お嫁さんのもらい手が……
とか、そうことですよね?
キャトラ
まぁ……
カモメ
でもそんなの、
まだまだ先の話ですよ!?
カモメ
いまはまだ、
お父さんのたどった道を
歩んでみたいんです!
カモメ
もっともっと海軍で、
がんばってみたいんです!
カモメ
……だから……
お父さんには、応援していて
ほしいんです……
アイリス
カモメさん……
思い出6
カモメ
これは……
ルーンの光が、
また私を照らして……
アヤメ
カモメ伍長。
カモメ
アヤメ大尉!?
アイリス
(あ、アヤメさん、ついに
正式に大尉に上がったのね)
アヤメ
私は伝令ではないし、
海軍でもないのだけど……
あなたのお父様に
頼まれてしまってはね。
カモメ
?
アヤメ
カモメ伍長。
あなたには昇進してもらいます。
アヤメ
准尉です。
正式な通達は追って……?
カモメ
…………
アヤメ
どうしました?
カモメ
辞退できるでしょうか?
アヤメ
……どうして?
カモメ
父の推挙なんですよね?
そんな辞令、
受けるわけにはいきません。
カモメ
自分の力で、
功績を上げない限りは……
アヤメ
……カモメ伍長。
アヤメ
あなたのお父様から聞いて、
私も思い出したことが
ありました。
アヤメ
以前私もある男性に、
『軍を離れろ』と
言われたことがあります。
カモメ
アヤメ大尉……
アヤメ
……ですから、
あなたのお父様があなたを
心配する気持ちも
わかりましたし――
アヤメ
あなたの気持ちも、
とてもよくわかります。
カモメ
…………
アヤメ
私は軍人として生きる道を
選びました。あなたにも
その覚悟があるのですね?
カモメ
……はい。
アヤメ
…………
アヤメ
……あなたのお父様は、
このことを早く伝えるために
私を遣わせただけ。
アヤメ
推挙自体は、
あなたのお父様の
お考えではありません。
カモメ
えっ……?
アヤメ
あなたの艦の艦長からです。
カモメ
それは……!
理由を聞いても
よろしいでしょうか!
アヤメ
あなたはもう十分、
兵士として鍛えられました。
アヤメ
これからはもっと
責任のある任務を与えたい。
よって、それに見合う
階級を……とのことです。
カモメ
アヤメ大尉……!
アヤメ
辞令、受けてくれますね?
カモメ
はい!
光栄であります!
アヤメ大尉!
アヤメ
おめでとう、カモメ准尉。
アイリス
おめでとうございます、
カモメ准尉!
キャトラ
よっ! カモメ准尉!
カモメ
ありがとうございます!
キャトラ
めでたいことだけど、
まあ当たり前の昇進だわね!
カモメ
え、そうなんですか、
キャトラ航海士?
キャトラ
だってその力、
砲弾運びなんかしてないでさ、
直接殴った方がいいもんね!
カモメ
なるほど……!
たしかにそうすれば、
もっと貢献できそうです!
アヤメ
お父様も、
砲弾運び以外なら……
とおっしゃっていましたよ。
カモメ
そうか、お父さん……
ちょっと譲ってくれたんですね……
アヤメ
これからは、
一層気を引き締めるのですよ、
カモメ准尉!
カモメ
イエッサー!
カモメ
腕が鳴ります……!
今度はどんな海で、どんな
任務が待ってるのでしょう?
カモメ
遥か彼方の水平線に、
出撃であります!
思い出7
カモメ
新しい任務は、予想以上に
厳しかったです……
キャトラ
カモメ……大丈夫なの?
カモメ
がんばってはいるのですが、
想像以上にデスクワークが!
キャトラ
砲弾運びから、そっちの
方向に行ったのね。
カモメ
覚えることが多くて、
メモをとっているノートが
もう七冊目になりました……
アイリス
大変なんですね。
カモメ
水平線に、嵐の予感です。
キャトラ
カモメだったら大丈夫よ。
地道に努力してたら、
いつかきっと結果が出るわ。
カモメ
キャトラ航海士……!
思い出8
カモメ
見えました!
私の水平線が!
カモメ
今はまだ遠いけど、
がんばっていればきっと……
カモメ
主人公船長!
ありがとうございます!
カモメ
よーし、この力でバリバリと
デスクワークを!
カモメ
こなせれば……いいのですが。
カモメ
でもお父さんも、デスクワークを
がんばってたって!
カモメ
きっと、この航海の先に
希望が見えてくるはずです!