グローザ・思い出
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思い出1
グローザ
ここが……飛行島……
キャトラ
へへ~ん、すごいでしょ~。
こんな高いところを
飛べるのよ~♪
グローザ
そうね……だけど……
アイリス
……え?
グローザ
知らないのか、
知らないフリしているのか
わからないけど、よくこれに
乗っていられるわね。
グローザ
元々この飛行島は……
アイリス
……闇の兵器だったんですよね……
グローザ
あら。知ってたのね。
ますます無神経だこと。
キャトラ
そんなの! エピタフに聞くまで
知らなかったのよ!
キャトラ
その前から乗ってたんだから、
いいじゃないのよ!
アイリス
……昔がどうだったとしても、
いまの私たちには、
この飛行島が必要なんです。
グローザ
ふうん? まぁ、
逃げ出すよりはマシかしらね。
キャトラ
あんまりヒニクばっかり
おいいでないでよ!
グローザ
……おいいでないよ???
キャトラ
とにかくね、アンタだって
ここを本拠地にするんだから、
少しはおとなしくなさい!
グローザ
してるじゃない。随分おとなしく。
キャトラ
じゃあ仲良くしなさい!
グローザ
…………
グローザ
……してるじゃない。随分ね……。
キャトラ
あっ! 待ちなさいよ!
アイリス
……キャトラ……
キャトラ
……わかってるよ。
キャトラ
少しずつだよね。
アイリス
……ええ、そうね……
思い出2
グローザ
…………
キャトラ
ふんふふ~ん♪
キャトラ
あ、グローザだ。
グローザ
あら、子猫ちゃん。
キャトラ
キャトラだってば。
グローザ
そうね、キャトラちゃん。
……一人なの?
キャトラ
うん。
アタシだけの方が気楽よね?
グローザ
そうね。キャトラちゃんは
とっても可愛いらしいし。
キャトラ
でしょでしょ! うふ~!
グローザ
ふふふ……
キャトラ
でもねぇ……
タダのカワイイ猫じゃあ
いられないのよ、アタシも。
キャトラ
アイリスと主人公と
ほかにもたくさんのみんなと、
やんなきゃいけないことが
あるからさぁ。
キャトラ
使命ってヤツ?
グローザ
使命、ね……
グローザ
確かに、白の巫女にとって、
<闇の王>は宿敵よ。
グローザ
だけど……
主人公さま(あの方)は……
キャトラ
後継者なんだっけ、<闇の王>の。
グローザ
……そう。
キャトラ
でもさ、親子ってわけでも
ないんでしょ?
どーゆーことなのかしら?
グローザ
…………
キャトラ
教えられないカンジ?
グローザ
……というよりも、
あたしも全てを
理解してるわけじゃないの。
グローザ
ただ、わかっていることは……
キャトラ
うん。
グローザ
主人公さまは、
<闇>の側よ。本来ね……
キャトラ
ほんらいはしょせんほんらい!
グローザ
え?
キャトラ
ひとはへんかしていく!
キャトラ
アンタだってそうだもん。
そうでしょ?
グローザ
……キャトラちゃんは、
とっても自由で賢いのね……
キャトラ
えっへん!
グローザ
だけど……あたしに『は』、
黒の王国で過ごした
記憶があるから……
キャトラ
……?
グローザ
……今度は
主人公さまと
一緒に来てくれる?
キャトラ
アイリスは?
グローザ
……好きにしていいわ。
キャトラ
……うん。わかった。
思い出3
グローザ
お待ちしておりました。
主人公さま(黒の王子様)……
アイリス
……お話を、
してくれるんですよね。
グローザ
白の巫女……
キャトラ
好きにしていいって言ったもんね?
グローザ
ええ、言ったわ。
聞きたければ聞いていなさい。
グローザ
…………
グローザ
……かつて、地上には
黒の王国が栄えていた。
アイリス
……かつて……?
グローザ
口を出さないでもらえる?
あたしはあの道化みたいに
嘘を吐く趣味はないし。
アイリス
……わかりました。
グローザ
あたしは、黒の王国を支える
由緒ある一族に生まれた。
グローザ
ゆえに、黒の姫とも呼ばれていた。
アイリス
……黒の……姫……
グローザ
別にあたしはあなたと
対じゃないわよ、白の巫女。
アイリス
…………
キャトラ
…………
グローザ
黒の王国の方針は、<闇>。
<光>――白の王国への反抗。
グローザ
いまの世の中では
<闇>は<悪>とされて
いるけど、本質はただ
それだけだったのよ。
アイリス
…………
グローザ
そして、あたしの一族の使命は、
<闇の王>の後継者を
輩出するか、あるいは、
<闇の王>に仕え、支えること。
グローザ
後継者も、含めて――
グローザ
……一番、近くで……
グローザ
…………
グローザ
だから、あたしにとっての
救いは――
グローザ
主人公さまの
手助けならば、主義には
反しないということ。
キャトラ
そうなんだ……
グローザ
……それに……
グローザ
……なんでもありません。
この場はこれで……
アイリス
…………
キャトラ
…………
思い出4
アイリス
……グローザさん、
いまよろしいですか?
グローザ
……なに? 白の巫女、
あたしはあなたと
慣れ合うつもりはないわ。
アイリス
少しだけお話するのも嫌ですか?
グローザ
……なによ?
アイリス
グローザさんは、
かつて……の、黒の王国に
住んでいたんですよね?
グローザ
そうよ。
数万年は昔のことでしょうね。
アイリス
……数万年間、
どうしていたんですか……?
グローザ
……眠っていたわ。
アイリス
……それって……
グローザ
あなたのせいよ。
アイリス
……!
グローザ
黒の王国が崩壊するとき、
あたしは安全な場所まで逃げ延び
そして眠りについた。
グローザ
<闇の王>が、
力を失ってしまったから。
グローザ
それもこれも、全ての原因は
あなたよ、白の巫女。
キャトラ
すとっぷ! アイリスを
いじめるのはそこまでよ!
グローザ
あら、キャトラちゃん。
聞いていたのね。
キャトラ
主人公もね!
グローザ
…………
アイリス
…………
キャトラ
それよりも、質問させてもらうわ!
グローザ
しょうがないわね、
キャトラちゃんのお願いじゃね。
キャトラ
<闇の王>が寝たから、
グローザも寝てた……
ってことで合ってるってこと?
グローザ
寝てたって……
封印とか言って欲しいけど、
まあ、そういうことね。
キャトラ
どうして?
グローザ
<闇の王>は全ての<闇>の
力の源だからよ。
キャトラ
えっ!? じゃあ、
アイツを倒したら
グローザは……?
グローザ
心配してくれるの?
……ふふ、ありがとう。
グローザ
大丈夫よ。<闇>の<力>の
源、だから。黒の王国の者が
消えてしまうわけではないわ。
キャトラ
よかった……
グローザ
良いばかりでもないわよ。
グローザ
<光>ある限り、<闇>もまた
失われることはない……
グローザ
だから、
<闇>はある意味、不死身。
キャトラ
じゃあ……どうすればいいの?
グローザ
どうすればよかったのかしらね?
アイリス
……え……?
グローザ
白の巫女。あなたは……
グローザ
どうしたかったのよ……!
キャトラ
やめて! アイリスは、
記憶がないんだから、
わかんないんだから!
グローザ
……ほんとかしらね……
アイリス
…………
グローザ
だから……あなたは気に入らない。
白とか黒とか抜きにしてもね。
グローザ
やっぱりあなただけは、
いま、この手で……!
アイリス
!
アイリス
主人公……!
グローザ
……!
グローザ
……そうよね……
グローザ
……あたしは……惨めだわ……
キャトラ
ちょっと、グローザ!?
アイリス
…………
キャトラ
主人公……
思い出5
グローザ
!
主人公さま……
お一人なのですか……?
グローザ
そうですか……
グローザ
…………
グローザ
覚えておられないのですよね……
グローザ
…………
グローザ
白の巫女はともかく、
主人公さまが
覚えていないのは――
グローザ
――どうして!?
グローザ
どうしてあたしを
忘れてしまったんですか!?
グローザ
……どうして……
グローザ
あたしは、あなたと……
グローザ
あなたと、歩んでゆくことが……
グローザ
それを……
グローザ
願って――!
思い出6
グローザ
――この光、この想いは――
グローザ
あたしに……謝っているの……?
グローザ
――こんな――!
グローザ
覚えてもいないのに、
謝られたところでッ……!
グローザ
慰めになるとでも、
思っているんですか!
グローザ
あたしは……!
主人公さまを……!
グローザ
あなたと結ばれ、
あなたが<闇の王>に
なることを……!
グローザ
二人で黒の王国を
治めていくことを……!
グローザ
どうして!?
グローザ
どうしてあたしを、
見てくれないの!?
グローザ
どうしてあたし以外を……!
グローザ
この世界の理を、破ってまで……!
グローザ
……どうして……
グローザ
あなたは、記憶がなくても――
グローザ
――昔と変わりなく、優しくて――
グローザ
――あの子を見ているの――?
グローザ
…………
グローザ
……失礼いたしました。
グローザ
少々、スっとしました。
グローザ
……これからは。
このグローザ、<闇の王>ではなく
その後継者である
主人公さまに。
グローザ
忠誠を誓います。
グローザ
それでは。
キャトラ
……あら?
どしたのアンタ?
アイリス
なんか、顔赤いけど……