水月鏡花~饗宴討鬼譚~ Story前編
水月鏡花~饗宴討鬼譚~ Story後編
Story1 3500万のお祭り
いやはや、冒険家の数が、
ついに3500万人とはねぇ~……
早いモンねぇ~……
(どこの地点からなにを見て
言ってるのかしら……)
しかしまあ、冒険家って、
お祭り騒ぎ、好きよねえ~。
職業柄、
区切りが多いからじゃないかしら。
アタシもお祭りは
好きだけどさ……
あ~!みつけらあ~!
あかひかみ、
ひゃべるねこひゃん~、
あんららちねへ~?
これこの通り。
ハメを外す人も
増えちゃうのよね~。
あらひは、ひらふよほ~?
そんなロレツで、よく言うわ!
ほんろらっれ~!
うう~…………
……あはははは~♪
どんどんきぶん
よくなってきちゃったあ…………
大人の見苦しい姿は、
きょーいくじょーよくないわ!
そーそーに退場願えるかしら!?
こう見えてアタシたち、
ギルドから頼まれた
討伐にもいかなさやだし!
あひゃひゃひや~♪
ひょっとまって、
まってってば~……!
シズク!探したぞ!
あ~、イサミイ~、
よかっらあ、たふけへ~・・・・・・
さあ、早く飲め!
そう言うと、男は腰の瓶を取り、
女の口元に近づける。
あああああ~!!! ダメでしょ!
これ以上飲ませちゃダメ!
んぐっ……んぐっ……
……っふ~……!
危なかった……!
まったく……
あれほどはぐれるなと……
面目ない。
注意はしていたが、
想像以上の人出だった。
アレ? しゃっきりしたぞ?
中身はお水?
見苦しいところをお見せしました。
私はシズクと申します。
アオイの島のほど近く、
クジョウの島より参りました。
こちらはイサミ。
我らは先祖を同じくする、
<鬼退治>の一族の者です。
<鬼退治>のー族……?
知らぬのも致し方ありません。
古より続きし家系ですが、
我らが最後の二人ですから。
なにか……事情が
おありなんですね……?
…………
……わかりました。
私はアイリス。こっちは
主人公と……
キャトラよ!
キャトラ殿。以後お見知りおきを。
うむ、くるしゅーないわ!
それで? アタシたちを
探してたみたいだけど、
なんのご用?
此度の討伐、
私たちも同行させて頂きます。
へ?
私どもの生業は、
<悪しさ鬼>を滅すること……
つまり、今回倒しに行く
魔物たちの裏に、
ソイツの影がある……と?
左様でございます。
慧眼、恐れ入りました。
まっ、アタシにかかれば
これくらいはね!
では、参りましょう。
それにしてもアンタ、
どーしてさっきはあんなに
ふにゃふにゃしてたの?
……そのようなことよりも、
早々に出立致しましょう。
ゆくぞ、イサミ!
応!
あっ!? 待ってよ!
これは、道々事情を
尋ねながら進むパターンだね。
いつものヤツね。オッケイ!
それなら、ゴーゴー!
初級:鬼退治に出発! | |
いざ参りましょう! | |
一矢にて敵を討ちます。 |
Story2 難儀なコンビ
ふむふむ。
二人とも、中々ツカウわね。
キャトラ……!
どうして上からなの……!
有り難さお言葉。
永さに渡る<悪しさ鬼>との
死闘により、―族に伝わる武技は
研ぎ澄まされているのです。
あの、<悪しさ鬼>、
というのは……?
<鬼>にも様々ございます。
かのアオイの島においては、
鬼と人間、争わず
暮らしているとも聞きます。
―方、<鬼ヶ島>という地では、
人と鬼の戦争が、
いまでも収束しないとか。
ふうむふむ。
我らの退治している
<悪しさ鬼>は、
闇に染まりし魔物
同然にございます。
人を捕え、その肉を喰らい
血を飲む……
人間の天敵です。
歩み寄ることは決して叶いません。
<悪しさ鬼>に対し、道は二つ。
討つか、それとも喰われるか……
おぞぞぞ……!
背筋がひゅんひゅんする
話だわね……!
人と鬼の歴史は、
血に染まりし因縁で
積み上げられているのです。
……<鬼退治>のー族、
だったわね。
アンタたち二人と鬼の関係も、
タダゴトではなさそうね……?
……私たち二人には、
ある<悪しき鬼>による、
<呪い>がかけられています。
呪い!?
……聞いてもいいのかしら……?
……はい……
実は、私たち二人は――
―魔物の群れが!?
しまった!
そろそろだというのに!
え!?
うっ!
くっ……!
だ、だいじょうぶですか、
シズクさん、イサミさん!
…………
……だひゃひゃひゃひゃ!
別に、なんのこっちゃねえよ!
へえっ!?
なに急に、言葉づかい変えて!?
そほね~♪
あんなまものくらい、
ちょちょいのちょいだ~♪
シズクさんも……!?
頭を冷やすまでもねえ!
ガツーンと突っ込んで
バーンと蹴散らそうぜい!
お~♪
あたしたちのちから、
みせてやりまちよ~♪
これって……!
……なんだか、
見えてきたわよ……
キャトラ?
ともかく!
まずは魔物をやっちゃいましょ!
そしたらアンタたち!
腰のその瓶のやつ、飲むのよ!
うぇへえ~い♪
おっけおっけ一、
まかしときゃーがれ!
なるほど……!
私もだいたい、
読めてきたわ……!
中級:正気を保て | |
よ?ふ、やっひゃうわほ?♪ | |
ひゃひゃひゃ、楽勝だぜ?! |
Story3 わかっちゃいるけど
よし、ゼンブ倒した!
やっひゃ~♪
うふふふふふ~♪
かりいーっつーの!
だひゃひゃひゃひゃ!
つーわけで二人とも!
さっさとそれ飲みなさい!
なんれ? まららいじょぶらよ?
いいから! お飲み!
お飲みったら!!!
わーったよ!
ンなガミガミ言うねぃ!
…………
…………
……シズク。
あらひはまらまら
へいきらよ~♪
飲め。
ふぇ~? わらっらわよう……
お恥ずかしい限りです……!
ホントそうよ。
つまりこれか……
お二人にかけられた
<呪い>なんですね?
……はい……
〈酪酉I素面反転の呪い>……
私たちはそれを
かけられているのです……
なんて……アレな呪いなのよ……!
イサミの携えている瓶の中身が、
私たちを正気に戻す唯―の薬……
それを……
飲まなさややってられないんです。
ただのダメな大人と
紙―重に聞こえるんだけど……
わかってはおりますが、
やめられませんし……!
……本人にとっては、
割と深刻なのです……
……はあ。なんだか、
緊張感がなくなっちゃうわよ。
面目ない……!
恩に着ます、キャトラ殿……!
マ、いいけどサ。
アンタたちがアタシたちに
同行する理由がわかったわよ。
スキを見てちょくちょく飲みながら
ついてらっしゃいな。
いーよいーよ。どーせ戦うのは
主人公たちだし。
……ですが、お二人とも、
その呪いを抱えて、
どうやって鬼を倒すんですか?
古来より伝わる、
秘策があるのです。
ふむ……?
案ずることljありません。
我ら、かの<鬼>に
ー度は敗れまし
負けたんかい。たか……
同じ失敗を二度は繰り返しません。
決して……!
上級:野山を越えて | |
気を取り直して参ります! | |
遠くの敵はお任せください。 |
Story4 お腰につけた○○○○○
ほで?
その秘策ってな~に?
味方を増やすのです。
ほほう?
自然界に生息する野生動物。
彼らの助力が、
<鬼退治>には欠かせません。
ふむ。なんかわかんないけど、
そう言うならそうなんでしょ。
じゃあやってご覧。
はい。
さあ、イサミ! その腰につけた
くいもけんぴ>で
野生動物を呼ぴ寄せるのだ!
いもけんぴ……!
れ~れれれ、
れ~れれれれ……
…………
くっ……!
まずは失敗のようだな。
……あの~、コヨミは
野生動物とは
ちがうと思うんだけど……
れ~れれれ、
れ~れれれれ……
…………
今度もダメか。
イサミ、もう一度だ。
ジェガル……!
ジェガルもちがうよ……!
野生動物とちがうよ……!
れ~れれれ、
れ~れれれれ……
…………
ウッホだ!
れ~れれれ、
れ~れれれれ……
イサミが差し出したいもけんぴを、
ウッホは受け取った!
通じた……!
なにがよ!?
よくぞ来てくれた。
その力、我らに貸してくれ!
よし! これで勝つたも同然です!
どーかしらね!
キャトラ殿。
彼の力は確かなもの。
どうかご安心めされよ。
くうう……!
よもや、ウッホと共同戦線を
張る日が来ようとは……!
まあまあ、キャトラ。
こういうこともあるわよ。
よろしくお願いしますウッホさん。
も~・・・・・! シズク! イサミ!
アンタたちのおふざけに
付き合うのはこれっきりだからね!
勿論でございます。
此度の対決で、必ずや
決着をつけましょうぞ!
それではみなさん、
奴の元まで、油断せずに……
……ひく……!
いさまひよ~♪
おになんか、いくらきたっへ、
らくひょーひょー!
だひゃひゃひゃひゃ!
矢でも鉄砲でも
飛んでさやーがれてんだ!
おぱか! も~!
もう少しくらい、
真面目なまんまでいなさいよね!
絶級:おともを連れて | |
いくぞ、ウッホ! | |
遅れるな、ウッホ! |
水月鏡花~饗宴討鬼譚~ Story後編