ネモ・思い出

ネモの思い出とボイス

思い出1

ネモ

この島を侵略する。

……フン、決まり文句だな。

キャトラ

あら侵略者だわ。

遊びに来たのね？

アイリス

ようこそ、ネモさん

ネモ

侵略者を歓迎するやつがあるか。

キャトラ

また潜水艦乗せてよ！

ネモ

主人公。

お前の飼い猫は何なんだ。

キャトラ

飼われてないもん！
失礼なヤツ！

ネモ

まあいい。用事をすませるか。

主人公。

一仕事片づけるぞ。

キャトラ

あぶない仕事はお断りよ。

ネモ

冒険家ギルドのあっせんする

討伐依頼だ。文句はなかろう。

キャトラ

アンタも冒険家だったの？

ネモ

表の顔の一つだ。

アイリス

そうだったんですね！

キャトラ

どういう狙い？

ネモ

あててみろ。

キャトラ

冒険家に転職を検討中。

ネモ

外れだ。

アイリス

ネモさん……あの……

ネモ

主人公には、

借りがある

キャトラ

なーんだ。素直に恩返しって

いいなさいよね？

ネモ

あくまで借りだ。

行くぞ……！

思い出2

一行はネモの案内で
潜水艦にやってきた。

キャトラ

恒例のお部屋チェック！

ここはクルーのみんなの

タコツボ部屋ね。

アイリス

クルーのみなさん、こんにちは。

タコパスクルー

ラッシャイラッシャイ！
タコヤキタベルッチュ！

ノア

らっしゃいなのです。

ネモ

お前たち、あまりはしゃぐな。

キャトラ

おさかなの群れが、
すぐそこで泳いでるのよ！
落ち着いてられないわ！

ネモ

辺りのものを、壊すなよ。

キャトラ

わかってるわ！
あら、このボタンなにかしら。

ネモ

押すなよ。押したら

カマボコにするからな。

タコパスクルー

タコヤキフルコースッチュ！

……

…………

アルゴノート号の艦内で、
タコヤキランチが始まった。

ネモ

そんなに俺たちの話が

聞きたいか？

キャトラ

だって気になるもの！

ノア

話さないと、わからないのです。

キャトラ

そうよ、聞かせなさいよ。

ネモ

……しょうがないな。

このアルゴノート号と、

俺たちは――

……

…………

連邦の潜水艦乗りだったネモは、
ノアのいた島を帝国から守った。
だが島は、味方である連邦の
手によって焼き尽くされた。

ネモ

見つけたのは小さなボートだ。

俺はそれにノアを乗せ、

混乱に乗じて逃げた。

ネモ

逃げた先の島で、俺はノアを

医者に見せた。だが――

ネモ

傷が……塞がっている。

ネモ

ノアの怪我は、島に着いたときには

あらかた治っていた。

ネモ

命にかかわるほどの重傷がな。

俺は奇跡を信じる気には

なれなかった。

ネモ

俺は狂ったのか？

幻を見てるのか……？

ネモ

だがノア、生きていた……

俺は救いと同時に、言い知れぬ

後悔を覚えた。

ネモ

俺が……守ろうとしたからだ。

ノア

そんなことは、ないのです。

ネモ

…………

ノア

…………

ネモ

食い扶持を探さねばならない。

身を隠す必要もあった。

今の俺は反逆者だ。

ネモ

肉体労働には慣れていた。

……働くと、気が紛れたしな。

ノア

ネモ……なんだか

可愛い名前なのです。

ネモ

そうか？

ノア

ノアは気に入ったのです。

ネモ

俺はネモと名乗った。

偽名なら何でもよかったが、

自分への戒めとしてな。

ネモ

今日から俺は連邦の軍人じゃない。

誰でもない男、ネモなんだとな。

ノア

ネモ、あそこの

張り紙を見てください。

ネモ

ウェイトレス募集……？

ノア

ノアもお金を稼ぐのです！

思い出3

ネモ

俺は他国への亡命を考え、

資金を貯めながら、

連邦の内情を探っていた。

ネモ

何が起こったかを知るために。

ネモ

……あいつらは無事か……

ネモ

潜水艦のクルーたちは、

処分を免れていた。

ネモ

俺は精神錯乱で海に

飛び込んだことになっていた。

口裏を合わせたらしい。

ネモ

あいつらには、感謝しても

しきれない。だが俺は、もう昔の

仲間には頼れない。

ネモ

俺はネモだ。名前のない男だ。

ネモ

そんな折、妙な噂を聞いた。

たこ焼き屋

ナカマタチガ、ツカマッテルッチュ
……！　ナニカシッテルコトガ
アレバ、オシエテホシイッチュ！

ネモ

あんたの仲間が……？

たこ焼き屋

ソウッチュ……レンポウノ

センスイカンガ、ナカマヲ！

デモソノゴノショウソクハ……

ネモ

……心当たりはある。

たこ焼き屋

ホントッチュカ！

ネモ

連邦の隠しドックだ。

俺は一度だけ、そこに物資を

運んだことがある。

ネモ

俺はたこ焼き屋と隠しドックに

向かうことにした。連邦の施設なら

俺の求める情報もあるだろう。

ネモ

ノアの体の秘密や……

あの島を連邦が消した理由が。

ネモ

俺は手に入るだけのルーンと

武器をたずさえ、たこ焼き屋の

用意した船に乗った。

ネモ

あんたの船……なんというか、

タコツボに似てるな。

ノア

まさしくタコツボなのです。

ネモ

俺は目を疑った。

ネモ

帰れ。

ノア

嫌なのです。

ネモ

ノアはああ見えて頑固だ。

俺は根負けした。

ネモ

たこ焼き屋のタコツボは、

狭苦しくて生臭いが、

性能は最高だった。

ネモ

海中、海上の航行が可能。

短時間なら空も飛べる。

連邦以上の技術力だ。

ノア

すごいのです。タコツボが空を！

ネモ

身を乗り出すな。危ないだろ。

ネモ

俺たちはタコツボで、

死地に向かった――

思い出4

ネモ

施設では……たこ焼き屋の

仲間たちが捕えられていた。

ノア

ひどいのです……

どうしてこんなことを……

ネモ

連邦は、たこ焼き屋の仲間を、

別の魔物と混ぜて、新しい魔物を

作ろうとしていたらしい。

タコパスクルー

……クルシイ……

たこ焼き屋

コゲタ＜タコヤキ＞ノヨウニ、

ムゴイッチュ……

ノア

はやく助けるのです！

ネモ

俺たちは、彼らを助け出した。

だが……

ネモ

これは……！？

ネモ

水槽の中にいたたこ焼き屋の

仲間は、あきらかに尋常では

ない様子だった。

ノア

この子……何かに

取りつかれているのです！

たこ焼き屋

トコシエナルイニシエノソース

キミョウナルフウミノモト

タコスラタコヤキトナラン。

ネモ

……わかるようにいってくれ。

たこ焼き屋

ソハイニシエノオオイナル

セツリ……イワク＜クラキソース＞

ノア

ソースなのですか？

たこ焼き屋

ソレハ、＜ヤミ＞……！！

ネモ

＜闇＞……

タコパスクルー

……アケテハダメッチュ。

＜ヤミ＞ガアフレルッチュ。

タコパスクルー

……ハハナル＜タコヤキ＞ノ

モトニ、オクッテホシイッチュ。

ネモ

……そうか。

ノア

駄目なのです！　ネモ！

ネモ

こいつは覚悟を決めている。

ノア

助けて……！
助けてほしいのです、ネモ！

たこ焼き屋

タコツボニハ、

ヨユウガアルッチュ！

ネモ

好きにしろ。

ネモ

カプセルはたこ焼き屋に任せた。

俺は……探した。

ネモ

＜方舟＞だと……？

あの島に、あんなものが？

ネモ

映像には、化け物が映っていた。

俺はその場にあった資料を

かき集める。

ネモ

追手か。

たこ焼き屋。ノアを頼む。

たこ焼き屋

ネモハ、ドウスルッチュ！

ネモ

ひと暴れして時間を稼ぐ

ノア

一緒に行くのです……！！

ネモ

たこ焼き屋と逃げろ！

ノア

ネモの背中を守るのです！

ネモ

だったら遅れるな！

……

…………

ネモ

俺たちは、逃げながらドックに

潜り込んだ。そこには――

ネモ

なんだ、こいつは……！

ノア

＜黒い方舟＞……！

ネモ

ノア……？

ノア

この子なら、きっと……！
ネモ、早くこの子に乗るのです！

思い出5

ネモ

俺たちが見つけた船こそ、

このアルゴノート号だ。

ネモ

こいつは動くのか？

アルゴノートⅡ

本艦の機能は万全です。

ネモ

喋るからくりか。

アルゴノートⅡ

私は＜黒い方舟＞のメインＡＩ。

そしてこの船の＜主砲＞。

ノア

＜黒い方舟＞さん。どうか、

みんなを助けてほしいのです。

アルゴノートⅡ

命令を受諾……

指揮官を登録してください。

ノア

ネモ……お願いです。

ネモ

俺に、この船を？

ノア

ノアは……ネモと一緒に

行きたいのです。

ネモ

俺が行くのは修羅の道だ。

ノア

それでも、一緒がいいのです。

ネモ

…………

アルゴノートⅡ

貴殿を指揮官と認めます。

黒い機竜は、ネモの義手に
赤い光線を放った！

ネモ

ぐっ……！？　お前、俺の腕に！

アルゴノートⅡ

本艦の機能を移植します。

……登録完了。艦長、お名前を

教えていただけますか？

ネモ

……ネモだ。

たこ焼き屋

イニシエノ＜タコブネ＞ガ！

タコパスクルー

ツイニメザメタッチュ！

アルゴノートⅡ

ご命令を、ネモ艦長。

ネモ

出航する！！

…………

……

ネモ

その後俺は、アルゴノート号で

世界の海を巡り、

連邦の陰謀を知った。

キャトラ

大冒険だったってわけね。

ノア

まだまだ話はつきないのです。

ネモ

また後にしろ。

ネモ

……主人公。

頼みがあるんだが。

……

…………

アルゴノート号は、
小さな島に停泊した。

ネモ

いい島だな。……あの島に似てる。

ネモ

……飛行島に来たのは、

もう一つ理由があってな。

ネモ

ノアは……いい冒険家に

なると思うか？

ネモ

ノアを、船から降ろす――

お前たちなら信用できる。

ネモ

俺はもう、失いたくない。

思い出6

ネモ

まぶしい光だ。まるで……

海の底から見上げる太陽だ。

ネモ

そうだ。俺にとってあいつは……

ノア

ネモ……

ネモ

…………

ノア

困ると黙るのは、良くないのです。

ネモ

すまん。

ノア

ネモは……私が大事なのですね。

ネモ

ああ。

ノア

ゆらり。

ネモ

聞いてくれ。ノア。

……二人の侵略者は、
しばし見つめ合う。

ノア

ノアも……ネモのことが

大事なのです。

ネモ

…………俺のことが？

ノア

だから、ネモが溺れていたら、

助けてあげたいのです。

ネモ

もう……助けられてるさ。

ノア

ノアが、いつ助けたですか？

ネモ

俺は……お前がいたから、

救われたんだ。

ノア

…………ネモ。

ノア

……だったら！！　私を船から
降ろすとか！　もう二度と
いわないでくださいなのです！

ネモ

聞いてたのか……

ノア

絶対絶対いやなのです！
アルゴノート号はノアの
帰るところなのです！

ネモ

……アルゴノートを

目覚めさせた時、

一緒がいいといったな？

ノア

いったのです。

きっと、おそらく、たぶん。

ネモ

あの時の答えを、聞かせてやる。

ノア

ネモ……

キャトラ

…………

アイリス

…………

ネモ

……後で聞かせてやる。

ノア

はい！　なのです！

キャトラ

ネモ、退きそびれちゃった……

ネモ

気にするな。

ネモ

ノア、主人公。

行くぞ。

ノア

どこへいくのです？

ネモ

どこへでもいいだろう。

行き先を決めない旅も、悪くない。

ボイス

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