ティナ・思い出

ティナの思い出とボイス

思い出1

――娯楽の島、＜ジョカ＞――

そこでの冒険を終えた
主人公たちは、
新たな仲間を迎えていた。

ティナ

いい風……！

ここが、空の上……！

キャトラ

ほほほ。

だいぶお気に召した様子ね？

ティナ

うん！　お母さんとお父さんと
一緒に、いろんなところへ
いったけど、空は初めて！

キャトラ

そうでしょうとも。

ティナ

どこまでも見える、この景色……

お父さんとお母さんにも

見せてあげたいなぁ……

ティナ

その気になれば、自力で

見れるのかもだけど……

アイリス

えっ！？

キャトラ

アンタのご両親、空が飛べるの？

ティナ

う～ん……

実際に見たことはないけど、

出来ないわけがないと思うんだ……

アイリス

どういう方々なの……？

ティナ

ふふふ、ただの仲良し夫婦ですよ？

アイリス

そ、そう……

ティナ

改めまして、お世話になります。

みなさん。

ティナ

私に出来ることがあれば

なんでもやりますから、

遠慮なく言ってください。

キャトラ

うむうむ、良い心がけよ。

アイリス

世界中を新婚旅行中、

なんだっけ？

アイリス

見つかるといいね。

お父さんとお母さん。

ティナ

はい。でも、

見つからなくてもそれはそれです。

ティナ

私ももう、子供じゃ

ありませんから。

ティナ

自分の人生は、

自分で切り開かなくちゃ……！

キャトラ

ウゥ～ム……！

まったく、しっかりした子だわ……

キャトラ

気に入ったわよ！

思い出2

キャトラ

ティナって結構薄着よね？

ティナ

直前にいたのが南の方にある、

あったかい島だったの。

キャトラ

ほほう。いいわねぇ、

あったかい島。

アイリス

そこから、どうしてあの島へ？

ティナ

……精霊さんに出会ったんです。

ティナ

精霊さんは親しげに

話しかけてきました。私は、

お友達になりたくて……

ティナ

……でも……！

アイリス

……＜闇＞に染められた、

邪悪な精霊だったのね……

キャトラ

ファルファラが言ってたわね……

ティナ

意識を失った私は、

あの島へ運ばれたようです。

＜闇＞へ引き渡すために……

ティナ

なんとかギリギリで

正気を取り戻せましたが、

もし、あのままだったら――

アイリス

＜闇＞の手先に

なっていたかもしれないのね……！

キャトラ

なんて卑劣な連中……！

アイリス

本当によかったわ、

ティナちゃんがそうならなくて。

ティナ

ブラッドおじさんや

ファルファラさん、

それにみなさんのおかげです。

キャトラ

それにしても、どうして

正気を取り戻せたの？

キャトラ

たしか、みんなに会う前から

逃げ回っていたのよね？

ティナ

……それはね。

お母さんから、聞いていたから。

ティナ

私や、お母さんを、

＜プレシャス・チルドレン＞と

呼ぶ人たちがいる……

アイリス

＜プレシャス・チルドレン＞……？

ティナ

遥か昔、世界のために

戦った英雄……

ティナ

その生まれ変わり……

『霊神の欠片』だと

思っている人たちがいるんです。

キャトラ

思っている？？

ティナ

だって真偽はわからないでしょ？

前世がどうって言われたって。

ティナ

……だけど、ある連中が、

プレシャス・チルドレンを

探してるんだって、

お母さんは言ってた。

ティナ

だから、

もしその言葉を聞いたら……

とにかく暴れろ、って

教えこまれたの。

キャトラ

暴れろってかぃ……

アイリス

その言葉を思い出して、

目が覚めたのね？

ティナ

はい。

ティナ

……もしかするとお母さんには、

私がこうなることが

わかっていたのかも。

キャトラ

未来まで見えるっていうの？

アンタのお母さん、何者よ？

ティナ

主婦♪

思い出3

キャトラ

ティナの持ってる剣って、

ご両親から渡されたのよね？

ティナ

そうだよ。夫婦双剣だって。

ティナ

赤がお母さんを、

青がお父さんを

それぞれ示してるんだって。

キャトラ

それはいいんだけど、

二点質問があるわ。

ティナ

なに？

キャトラ

結構大事なものなんじゃないの？

ティナ

そうだね。でも、

良い物を大切に扱った方が、

安物を使うよりいいんだって。

キャトラ

それはそうかもしれないわね。

で、もう一つ、

『めおとそーけん』ってなに？

ティナ

対になってる双剣のことじゃない？

キャトラ

意味的にわかんなくもないけど、

初めて聞く言葉よ。造語？

ティナ

あ、そうかもね……造語はダメ？

キャトラ

ダメってこともないんだけども。

アイリス

お父さんもお母さんも、

ユニークな方なんだね、きっと。

ティナ

そうですか……？

たしかに、二人とも、いつも

笑いながらおしゃべりしてました。

アイリス

明るい家庭ね♪

ティナちゃんが真っ直ぐ育ったのが

よくわかるわ♪

ティナ

あ、ありがとうございます……

そういわれると、嬉しいです……

キャトラ

……でさ、ティナってば、

二つの双剣でチャッチャカ

戦うじゃない？

ティナ

うん。

キャトラ

でも、いざってときには

ゲンコツよね。

ティナ

うーん。

キャトラ

なんで？

ティナ

その方が気持ちが伝わるから……

……かな？

キャトラ

ほほう？

ティナ

小さい頃。

私がいけないことしちゃって、

お母さんにゲンコツを

落とされたことがあるの。

ティナ

涙が出るくらい痛かったけど……

すごく、心に響いたんだ。

悪いことしちゃった、って

心の底から思えたの。

ティナ

だからかな？

ゲンコツだとさ、痛いけど、

反省する気になるもんね。

アイリス

なるほど……

ティナ

それに、ゲンコツだと、

落とす方も痛いし、

勇気もいるから。

ティナ

それって

大事なことだと思うんだ……

アイリス

ティナちゃん……♪

思い出4

キャトラ

ティナって結構腹減りっ子よねぇ。

ティナ

育ち盛りなだけだよ。

キャトラ

ううん、アタシにはわかるわ。

アンタには似たものを感じる……

キャトラ

食に執着する、野獣の本能をねッ！

ティナ

そんな、いくらなんでも言い過ぎ！

ティナ

私、好き嫌いないし。

キャトラちゃんみたいに

カニカマばっかり

食べてるんじゃないもん。

キャトラ

ほほう、言ったわね。

ならばアタシの質問に

答えてみるがいいわ……！

キャトラ

お魚は好き？

ティナ

うん。

キャトラ

お野菜は？

ティナ

大好き♪

キャトラ

ピーマンは？

ティナ

ピーマン……？

食べたことないなぁ。

キャトラ

ふむ。セロリは？

ティナ

それも野菜だっけ？

食べたことないと思う。

キャトラ

じゃあ、しいたけは？

ティナ

あ、しいたけはお母さんが

嫌いなの。だから、うちの食卓には

出たことはないよ。

キャトラ

語るに落ちたわね！！

ティナ

ええっ！？

キャトラ

ティナ、アンタのは

『好き嫌いがない』じゃないわ……

キャトラ

食べたことがないだけなのよ！

ティナ

そんなっ……！？

キャトラ

さあ、酒場にいくわよ！
アンタに現実ってものを
思いしらせてやるわ！

ティナ

う、うぅ……！

アイリス

（キャトラ……！

鬼の首取ったみたいに……！）

ティナ

ど、どうしよう……？

ヘンなものじゃないですよね……？

キャトラ

そんなこと言ったら
お野菜に失礼よ！

ティナ

に、苦い……？

キャトラ

フフフン。かもしれないわね？

ティナ

す、すごく？

キャトラ

かもしれないわねぇ！！

ティナ

えぇ～～～！！！

そんなのわざわざ……！

キャトラ

何を言うのよ、体にいいんだから！
さあついてらっしゃい！
新しい世界への扉を開くのよ！

キャトラ

さあ！　さあさあ！

ティナ

うぅ～…………！

アイリス

（キャトラ……！

悪いことでもないけれど、

そんなにノリノリで……！）

…………

……

ティナ

――これがしいたけ！？

とってもジューシー♪

セロリもピーマンもおいし～い♪

キャトラ

が、ガーン………！

こんなはずでは……！

ヘレナ

うふふふ♪

バランス良くたくさん食べて、

健康で強い体を作るのよ？

ティナ

はい！

思い出5

ティナ

…………

キャトラ

ティナだわ……？

なんか、ちょっと……？

アイリス

いつもと、雰囲気が……？

ティナ

あ、みなさんこんにちは♪

キャトラ

いつものティナだわ？

ティナ

どうしたんですか？

私は別に、いつもと変わりは

つまりません。

キャトラ

え！？

ティナ

え……？

いま、私、なんて……？

キャトラ

なんか、ふかかいなこと

言ってたわよ……？

ティナ

おかしいな……ううん、

なにもおかしくない……退屈……

ティナ

狭い、どうして、

こんなところにいるの？

キャトラ

ちょっとティナ！？

ティナ

空も、大地も、海も、全部……！

ティナ

狭い！　狭い狭い狭いぃー！

キャトラ

落ち着いて、ティナ、

アンタどうしたのよ！？

アイリス

まさか……！

アイリス

あのシャッテンシュピールの

言っていたこと……

アイリス

『箱の中は狭い、
世界にすぐに飽きるだろう』……！

キャトラ

えぇ！？
言ってたけど、こんなに
すぐ来る！？　予言でしょ！？

ティナ

違う、私は……！

この世界を、この世界ごと……！

キャトラ

なんかやばいわ……！

キャトラ

止めなきゃ！
主人公！

思い出6

ティナ

――！！

アイリス

ティナちゃん！？

アイリス

体は、大丈夫そうね……あら？

ティナの首飾りが
一度、淡い光を放つと……

主人公の
ルーンの光ごと吸い込み、
鎮まった……

アイリス

！！

これは――封印よ……！

アイリス

ううん、そう感じるだけだけど……

さっきの力といい、

ティナちゃんは、おそらく――

アイリス

――小さな体に、

とてつもない力を

押し込められている……！

ティナ

あれ……みなさん……？

ティナ

私……どうかしました……？

ティナ

あうっ……？

アイリス

あ、無理して動かなくていいから！

ティナ

はい……なんだか……

体が、空っぽみたいに……

キャトラ

疲れてたのよ。

ティナ

キャトラちゃん……？

キャトラ

急に親御さんから離れて、

環境も変わって。

キャトラ

あんな事件にも巻き込まれて、

疲れてないわけがないわ。

キャトラ

だから、いいのよ。

気にしなさんな。

今はとりあえず、眠んなさい。

ティナ

…………

ティナ

……うん……ありがと……

ティナ

……すぅ……すぅ……

アイリス

…………

キャトラ

……なんとなく、

わかっちゃったわね。

キャトラ

この子が＜闇＞に

狙われている理由……

アイリス

うん……

キャトラ

主人公。

キャトラ

なんだかんだ、ティナは

まだ子供よ。

キャトラ

アタシたちで、しっかり

守ってあげなくちゃね……！

アイリス

そうね……！

――転生せし、霊神の欠片、
プレシャス・チルドレン

＜闇＞が追い狙うその力……
このまま味方のままでいるのか……

それとも――

ボイス

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