ロロ・思い出

ロロの思い出とボイス

思い出1

？？？

こんにちは！　あの、ちょっと

お聞きしていいですか？

アイリス

はい？　なんでしょう？

？？？

この島で人の集まる場所を

知りたいんです。

どこへいけばいいですか？

キャトラ

それなら酒場でしょ。

そこを曲がって

まっすぐいけばつくわ。

アイリス

看板も出てますから、

すぐわかりますよ。

？？？

ありがとうございます。

助かりました♪

キャトラ

いいわよ。

それより人の集まる場所に、

どんな用なの？

？？？

お届け物があるんです。

人を捜すなら、

人の集まる場所ですから！

キャトラ

お届け物？

？？？

はい。お手紙を♪

私、＜郵便屋さん＞ですから！

アイリス

郵便屋さん……ですか？

？？？

はい！　海も山も国境も越えて、

みなさんの大切なお手紙を

配達しています♪

キャトラ

なるほど。

アンタ＜郵便配達員＞なのね。

キャトラ

飛行島って、

いろいろなとこへ移動するから、

届けるの大変だったでしょ。

？？？

えっと……ちょっとだけ。

あ、それから私は＜郵便屋さん＞で

＜郵便配達員＞ではないです。

キャトラ

……ん？　なにか違うの？

？？？

私は国や街の

配達員さんたちとは違って、

どこにも所属してませんから。

アイリス

あの……もしかして、

個人で配達をしているんですか？

？？？

はいっ！　だから私は

＜郵便屋さん＞なんです♪

？？？

みなさんも、お手紙の宅配依頼が

ありましたら、ぜひ私にご用命を♪

アイリス

あ、はい。その時はお願いします。

えっと……

？？？

あっ！　そういえば、
名前言ってませんでした！

ロロ

私、ロロっていいます。

よろしくお願いしますね！

思い出2

ロロ

あっ、みなさん

おはようございますっ。

アイリス

おはようございます。ロロさん♪

キャトラ

朝から元気ねぇ～。

それになんか楽しそうだし、

いいことでもあった？

ロロ

あはは♪　なんにもないですよ～。

ロロ

ただ元気や笑顔は、

郵便屋さんには欠かせない、

大切なことですから。

ロロ

朝いちばんの挨拶から、

元気なのは当然なんです♪

アイリス

そうなんですか？

ロロ

はい！　私はお手紙を預かる時、

みなさんのハートを

託されたんだと思っています。

キャトラ

ハートを託された？

どういう意味？

ロロ

お手紙は遠く離れた人へ、

自分の想いを届けるものですよね。

ロロ

それはつまり、お手紙が

送り主さまの心……

ハートだということです。

ロロ

だから託された手紙は、

大事にお届けします。

けど、もうひとつ――

ロロ

私から笑顔と元気も一緒に、

届けられたらいいなと

思っているんです♪

アイリス

笑顔と元気も一緒に……

ロロ

だから朝でも夜でも、

元気な挨拶は欠かせませんっ。

キャトラ

なるほどね。

たしかに手紙を届けに来たヤツが、

ムスッとしてたら嫌だもんね。

アイリス

私も、せっかく配達してくれるなら、

ロロさんのような

笑顔の人がいいわ。

ロロ

ありがとうございますっ♪

キャトラ

ほんと、いい笑顔するわねぇ～。

ロロ

これも練習の成果です。

よかったら、少しやってみますか？

キャトラ

ちょっと興味あるし、

教えてもらおうかしらね。

ロロ

わかりました。それじゃ、

私に続いてやってみてください。

ロロ

お手紙、お届けにまいりました♪

キャトラ＆アイリス

お手紙、お届けにまいりました♪

ロロ

はい。おふたりとも、

素敵な笑顔でしたよ。では次です。

キャトラ＆アイリス

はいっ！

思い出3

キャトラ

そういえば……ねぇ、ロロ。

ロロ

お手紙ですか？

いつでもうけたまわりますよ♪

キャトラ

違うわよ。アンタ、飛行島まで

手紙を配達に来たじゃない？

ロロ

え？　あ、はい。そうですね？

キャトラ

でも、どうやってここにきたの？

あの時は移動中で、

飛行島は飛んでたでしょ。

ロロ

あ、空を飛んできました。

アイリス

あの、ロロさんは

空を飛べるんですか？

ロロ

はい。えっと……こうやって……

ロロ

どうでしょう？

キャトラ

アンタ、そんなことできたの？！

ロロ

こういうことが出来なかったら、

さすがに郵便屋さんは

できませんよ。

キャトラ

それは……そうかも……

ロロ

でもおかげで険しい山の奥でも、

海の向こうの島でも、

ひとっ飛びなんです♪

キャトラ

そうでしょうねぇ……

ロロ

えいっと！

キャトラ

ちょっとびっくりしたけど……

疑問は解けたわね。

ロロ

スッキリしたみたいで、

良かったです。

キャトラ

でもそんな特技があるなら、

郵便屋より、いい仕事

あるんじゃないの？

ロロ

郵便屋さんは

ステキなお仕事ですよ。

ロロ

私はたくさんの人たちに

＜手紙が届く幸せ＞を

感じてほしいんです！

アイリス

……手紙が届く幸せ？

ロロ

はい。お手紙を送ったり、

送られたりするのって、

とっても素敵なことなんですよ。

ロロ

そしてそれをつなぐ＜郵便屋さん＞

だからこそ、感じられる

幸せもあるんです。

キャトラ

って言われても、アタシは

手紙とかもらわないしねぇ。

アイリス

……届けるというのも、

あまりないわね。

キャトラ

ね、郵便屋さんの幸せってなに？

ロロ

それは、みなさんに『ありがとう』

って言ってもらえることです♪

キャトラ

……それだけ？

ロロ

はい！　それだけで、

私はとっても幸せです♪

キャトラ

ふ～ん……

アイリス

……キャトラ？

キャトラ

……そういうのもなんか

……いいのかもね。

アイリス

…………

思い出4

ロロ

キャートーラーさん。

キャトラ

なに？……って、なんでアンタ、

そんなに嬉しそうなのよ？

ロロ

とっても素敵なことが

あったので、つい♪

キャトラ

そ、そう？

それでアタシになんか用？

ロロ

はい。大切な用事です♪

キャトラ

大切ね……

わかった、聞くわ。なに？

ロロ

キャトラさんへ、

お手紙をお届けにきました♪

キャトラ

……え？　アタシに？

ロロ

はい♪

キャトラさんにです。どうぞ。

キャトラ

へ、へー。誰からかしらね。

わざわざアタシに

手紙出してくるなんて。

キャトラ

えっと……なになに？

手紙にはキャトラへの感謝と、
お礼の言葉がつづられていた。

キャトラ

――これからもよろしくね。

アイリスより。

キャトラ

これアイリスからの手紙じゃない。

なに、どういうこと？

アイリス

手紙、喜んでもらえた？

キャトラ

え？　うん、ちょっと

照れくさかったけど、

嬉しかったわよ。

アイリス

よかった。

キャトラが手紙の話を聞いて、

いいなって言ってたから――

アイリス

今日はロロさんにお願いして、

協力してもらったの。

キャトラ

そのためにわざわざ？

もぉ～アイリスったらぁ～♪

ありがと♪

アイリス

ううん。私もキャトラが

喜んでくれて嬉しいから。

ロロ

やっぱり、いいですね。

私もおふたりの力になれて

嬉しいです！

キャトラ

手紙って照れくさいけど、

嬉しくなるもんなのね♪

キャトラ

アタシも今度は

出すほうをやってみようかしら。

アイリス

私もまた手紙を出してみたいです。

ロロ

その時は、ぜひ私に

まかせてくださいね。

ロロ

みなさんのお手紙、

大事に配達しますから♪

キャトラ

わかったわ。その時は頼むわねっ。

ロロ

はい♪

思い出5

キャトラ

ロ～ロ～。今日もアタシに

手紙届いてたりしない？

ロロ

あ……キャトラさん。

キャトラ

あれ？　なんか元気ないわね。

いつも笑顔が大事とか

言ってるのに。

ロロ

そうですね。すみません、えへへ。

アイリス

……なにかあったんですか？

ロロ

……時々あるんですけど

……お手紙を受け取って

もらえなかったんです。

キャトラ

間違って配達したわけじゃ

ないのよね？

ロロ

はい。送り主の娘さんから、

相手の特徴を聞いてましたから、

間違いないです。

ロロ

だけど、お届けに行ったら、

もの凄い剣幕で怒鳴られて……

キャトラ

なによそれ！？
その相手って、どこの誰よ！？

ロロ

……娘さんのお父さんです。

キャトラ

なんでよ？
自分の娘からの手紙でしょ？！

アイリス

キャトラ、おちついて。

ロロ

娘さん、お父さんとケンカして、

家を飛び出したんだそうです。

ロロ

その時に親子の縁も切ったと……

アイリス

……そんな……

ロロ

だからお父さんの方は、

もう娘はいないものとして、

ずっと暮らしてきたらしいです。

ロロ

なので今更……

手紙なんかいらないって……

キャトラ

……あぁ……なるほどね。

キャトラ

でも、だったらなんで娘の方は、

手紙だしてきてんのよ？

ロロ

それはわかりません。

私もお手紙になにが

書かれているかは知らないんです。

ロロ

ただ、残念ながらこういうことも、

ときどきはあって……

ロロ

そういう時、

ちょっとだけへこんじゃうんです。

ごめんなさい。

アイリス

……ロロさん……

思い出6

ロロ

あったかくて、綺麗な光……

なんだか励まされてるみたい……

キャトラ

なんていうか……

元気だしなさいよ。

アイリス

私もロロさんには、いつもの笑顔で

配達をしてほしいと思います。

ロロ

えへへ、私プロなのに、

励ましてもらっちゃいましたね。

ちょっと情けないです。

ロロ

でも、ありがとうございます！

元気でてきました♪

身なりのいい男

……郵便屋のお嬢さん……

ロロ

えっ……？！

キャトラ

だれよ？

ロロ

……配達先の……お父さんです。

キャトラ

あ、このおっさんがそうなのね……

アイリス

キャトラ。

ロロ

あの……なんでしょうか？

身なりのいい男

……こんなことを頼むのは、

大変失礼だとはわかっているが……

その……

身なりのいい男

娘の……娘の手紙を私に……

いただけないだろうか……

ロロの前に立ち、
深く頭を下げる男の声は、
とても穏やかだった。

身なりのいい男

……さっきは怒鳴りつけて悪かった。

申し訳ない……

身なりのいい男

だからどうか……手紙を……

キャトラ

アンタ、自分で

受け取らなかったんでしょ。

なんで今さら欲しがるのよ。

身なりのいい男

私は……娘のことを忘れたと……

思っていた……

身なりのいい男

いや、最初からいなかったのだと、

思い込もうとしていた……だが――

身なりのいい男

忘れられなかったのだ……

あの子が出て行った日から……

一日たりとも……

ロロ

わかりました！

どうぞ、娘さんからのお手紙です♪

身なりのいい男

ッ！　ありがとう……っ……

キャトラ

手紙、渡せてよかったわね。ロロ。

ロロ

えへへ♪心配かけちゃって

ごめんなさいでした。

キャトラ

気にしない気にしないっ♪

身なりのいい男

…………っ……っふ……ぐっ……

声に振り向くと、
手紙を読んでいた男が、
声を震わせて泣いていた。

キャトラ

ちょ、ちょっと……
どうしたっていうのよ？！

ロロ

……なにか、良くないことが……

身なりのいい男

っ……娘が……私に会いたいと……

身なりのいい男

私に孫を……

孫を抱いてほしいと……っ……

ロロ

あぁっ！

おめでとうございますっ♪

キャトラ

よかったわね！

身なりのいい男

ありがとうございます……ひとつ、

頼みがあるのだが、いいだろうか。

ロロ

はいっ！　なんでしょう？

身なりのいい男

手紙を届けてほしい。

娘に……ずっと待っていると。

ロロ

わかりましたっ！

そのお手紙、郵便屋さんが

うけたまわりますっ♪

ボイス

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