ウォルター・思い出

ウォルターの思い出とボイス

思い出1

聖地ディルムンで起こった、
世界各国を巻き込んだ戦乱――

それは一時の終息を見、
主人公たちも
本拠地である飛行島へと
帰還していた。

――新たなる、仲間とともに――

ウォルター

お世話になっております。

わたくしはこういうものです。

キャトラ

これは名刺ね。どれどれ……？

ネプチューンPLC、

営業本部第一戦争支援部、

チーフマネージャー、

ウォルター・スズキ……

ほぼわからん！

ウォルター

はは、よく言われるのですよ。

わたくしの業務を簡潔に

申し上げますと……

他国へと赴き、現地を見てまわり、

その国が求めている物資を

弊社から提供する……

と、いうことに

なりますでしょうか。

キャトラ

ウム……少しは

わかったような……？

アイリス

つまり、商人さん、

みたいなものなのでしょうか？

ウォルター

左様でございます。

ただ、弊社が扱うのは

物資だけではございません。

適切な人材を派遣する、

傭兵部門もございますので、

そちらがご入り用の際には――

キャトラ

ぎにゃー！

いっぺんに言わんといてー！

ウォルター

これは、失礼をいたしました。

では紅茶でもすすりながら、

談笑するというのは

いかがでしょう？

なんと！　ウォルターは
一瞬にして机や椅子を並べ、
ティータイムの用意をした！

しかもこれは……魔法ではない！

テーブルや椅子は
近くの酒場から高速で借り、
持参したハンカチをそこへ広げる！

この男……できる……！

ウォルター

どうぞお召し上がりください。

天女の涙とも称される、

帝国産、ラ・デルテの

セカンドフラッシュでございます。

アイリス

わぁ……いただきます♪

キャトラ

ふぃ～……おちついたわぁ……♪

……ええっと、つまり、

商人なのよねウォルターは。

ウォルター

はい。

キャトラ

何を扱ってる商人なの？

ウォルター　

武器や兵器でございます。

キャトラ

ええっ！？

ウォルター

このふくよかな香り……

午後を働く活力が、

体中から湧いてくるようです……

思い出2

ウォルター

これはみなさま。本日も天気晴朗……

張り切って業務に打ち込みましょう。

キャトラ

出たわね、最近の

ザ・よくわからん男、

ウォルター・スズキ……

業務ってなによ！？

ウォルター

その件ですが、アジェンダを

レジュメにして持参いたしました。

こちらをご覧ください。

キャトラ

？？？

よくわからんけど、

資料ってこと？？？

ウォルター

ではさっそくですが、

まずはプレストベースで

ＭＴＧを始めましょう。

ジャストアイディアで構いません、

どなたかご意見あれば――

キャトラ

まったらんかーい！！！

なにがなんたかサッパリよ！

わかるように言ってちょうだい！

ウォルター

大丈夫です、これは

キックオフですから。

たたきのたたきでも

見えてくればめっけものです。

ぬるりとやりましょう。

キャトラ

ぬぐぅ！？

ウォルター

にしても、些か急ぎすぎましたね。

資料はペラ１です。

ざっくりとお目通し願います。

アイリス

ええっと……

……『キャトラの価値について』

……ですか？？？

ウォルター

はい。キャトラ様の価値は、

この飛行島の価値と

ニアリーイコールです。

キャトラ

？？？

えっと、アタシほめられてる？？？

アイリス

ような……？？？

ウォルター

いま、世に求められる

キャトラ様とは？

これが議題です。

では、はじめましょう。

キャトラ

うぬぐぐぐ……！？

そんで、じゃすとあいであ

ってのを言えばいいの？

それってなんのことよ？

ウォルター

思いついたことを

おっしゃって頂ければ。

キャトラ

力二カマ！

ウォルター

ああ～！　ありますね！

それはありますね！

ですが、やりつくした感も

ありますねえ。

キャトラ

！？　イタイとこつくわね！

ウォルター

カニカマはたしかに、

キャトラ様を引き立たせる

アイテムの一つです。

ですけども、今回は、

キャトラ様自身の魅力、

そこにスポットを当てたいのです。

キャトラ

ぬぐぐぐ……！

わかるようなわからんような……！

アタシの魅力……

魅力……それは――

――かわいらしさ！

ウォルター

それです！

キャトラ

これなの！？

ウォルター

さすがはキャトラ様！

そうです、本質はそれです！

かわいらしさなんです！

キャトラ

そ、そう……？

ウォルター

これが見えてしまえば

勝ったも同然です。

キャトラ

な、ならよかったわ。

これで話はおしま――

ウォルター

ではここから、細かい部分を

詰めていきましょうか。

キャトラ

ぎ、ぎにゃー！！

思い出3

キャトラ

こないだ一晩中ＭＴＧして、

ウォルターとのコンセンサスは取れたわ。

アタシとバーターで

宣伝することがマストなのよ、

結局、飛行島にとっては。

中長期的に見れば、

飛行島のプライオリティも

変動する可能性も

なきにしもあらずだけど。

うまいことアレ出来れば、

ウィンウィンになれる

落としどころもあるはずなのよ。

アイリス

(キャトラ……！

ウォルターさんに

影響されたの……！？)

(でも……

言ってること、本当に

合ってるの……！？)

ウォルター

お世話になっております。

キャトラ

あら、遅かったわねウォルター。

アタシこれから外で

打ち合わせなんだけど、

アンタもアテンドする？

ウォルター

申し訳ありません、

別のＭＴＧがありまして。

事後に共有だけお願いいたします。

キャトラ

御意よ。

アイリス

(御意って……！)

ウォルターさん？

どうかされましたか？

ウォルター

いいえ……

……私には、妻がおりました。

アイリス

……いた、ということは……

ウォルター

生活が噛みあわず。

共に生活することを、

互いに断念したのです。

アイリス

それは……！

ウォルター

そういうこともあるのですよ。

元妻との関係は良好です。別々に

暮らすようにはなりましたが。

アイリス

ウォルターさん……

ウォルター

救いは、マサミとユウマの

聞き分けが良かったことです。

アイリス

マサミさんとユウマさん、

というのは……？

ウォルター

娘と息子です。

私の帰りを待っていてくれます。

文句の一つも言わず……

……私は、二人のためにも、

バリバリ働かねばならないのです。

アイリス

ウォルターさん……

思い出4

キャトラ

マーケティングリサーチが

なってないのよ！

ウォルター

お世話になっております。

どうされたのですか、キャトラ様？

キャトラ

現場に出張ってみたら、

これがナアナアで！

あんな戦略じゃ、

アタシの売り込みなんか

出来るわけがないわ！

だから、アタシ自ら

広告戦略にクチバシを

突っ込んでやろうかと――

ウォルター

え！？　それは……

どうでしょうか……？

キャトラ

なによ！　モンクあるの、

ウォルター！？

ウォルター

文句などありませんとも。

キャトラ様のモチベが

高いのは素晴らしいことです。

ただ……

キャトラ

タダなによ！？

ウォルター

キャトラ様の本質は

＜かわいらしさ＞ですので……

それを損なってしまうのは、

どうなのか……？

と、思った次第でして……

キャトラ

うっ……！？

ウォルター

違うかもしれませんね……

……ええ。そうですね。

違う、でしょうね。

キャトラ

ぬぐぐ……たしかに……！

ウォルター

キャトラ様。宣伝などは、

他の者に任せましょう。

キャトラ様自身については、

かわいらしさを高めるのが最善かと。

キャトラ

たしかにね……！

アタシは、いまのかわいさで

ＦＩＸってワケね？

ウォルター

ええ、一旦、仮ＦＩＸで。

キャトラ

オッケー、仮にせよ、

ＦＩＸなら仕方ないわ。

ブラしちゃダメよね。

アイリス

(仮……ＦＩＸ……！？

わかる……！？)

ウォルター

さて、キャトラ様。

実は、弊社の広報から

面白い提案がありまして。

キャトラ

ん？

ウォルター

キャトラ様のグッズ化の話が――

――謎の商社マン、
ウォルターによる、
キャトラのマス化――

　

いつの間にかぬるりと
始まっていたこの計画が、
時代の波に後押しされ――

――キャトラは一躍！
世間をにぎわすマスコットキャラに
なっていった――！

思い出5

――かくして、ウォルター・スズキの
企画は大当たり――

飛行島をマスにするための、
キャトラの大々的な
売り込みは、大成功。

キャトラはグッズ化され、
世界各地でぬいぐるみなどが
発売された。

ウォルター　

…………

その立役者であるウォルターは……

どういうわけか、
プロジェクトの成功と同時に
姿を消すと――

　

――飛行島から遠く離れた、
観光地へと赴いていた……

ウォルター

結果は出ました。

プロジェクトは終了です。

それは、商社マンとしての
衿持なのか――

――それとも――

ウォルター　

……ありましたね。

ウォルターは、テーマパークの
片隅で、それを見つけた。

――キャトラのぬいぐるみ。
それが景品となった、
＜ルーンクレーングーム＞だ。

ウォルター　

さて……

ウォルターは、所持金を
コインへ替えると、その篇体と向かい合う、

――無論、ぬいぐるみなど。
言えばいくらでも手に入る――

しかしそれは彼自身が許さない。

『ビジネスとプライベートは切り離す』

　

それが商社マンとしての、
ウォルターの誇り――

ウォルター　

……いきますか……！

それっ！！

ウォルターの操作により、
ルーンクレーンは動く。
だが――

ウォルター　

――！！

まあ、そうでしょうね。

一発で取れては、採算が、ね。

たくみに配置されたぬいぐるみは、
簡単な獲得を許さない。

ウォルター　

もう一度……！

行けっ……！

そこです……！

……惜しい。でも、

もう一度やれば……！

……くっ！？

まさか、ハマった！？

いやいや、まさか……！

手強い……！　ですね……！

――商社マンは、連コインをする。
まるで運命にあらがうかのように――

ウォルターわたくしは……！

なんとしても、必ず……！

――どうなっているんです！？

コレ、本当に取れるんですか！？

されど、台を叩くわけにはいかず。

そのとき――

　

――遠く離れた地にいる、
オリジナルの猫が、
ぎにゃーと吠えた……！

思い出6

ウォルター

これは……？

……はっ！？

はは……！

取れた……！　取れましたよ……！

――予算内です！

……

商社マンは走っていた。

ウォルター

待っていてください、

マサミ、ユウマ……！

きゃっ！？

通りすがりの女性が、
抱えていたリンゴをこぼす！

ウォルター

はっ！

ウォルターはそれらを、
地に着く直前、一つ残らずキャッチ！

女性

あ、ありがとうございます……

ウォルター

いえいえ。今度は

突風に食べられてしまわないように。

女性

……♪

ウォルター

失礼。

――商社マンは駆ける。

目の前で起こるアクシデント、
そのすべてを華麗に解決しつつも、走る！

ウォルター

（待っていてくれますね……

私は、最善を尽くしています……！）

そしてついに――商社マンは、
安らぎの我が家へとたどりついた！

ウォルター

お待たせしました。

マサミ。誕生日のプレゼントです。

ユウマにはこのカエルの玩具を。

本番は、来月ですからね――

……

…………

キャトラ

――いや～、売れたわ～。

アイリス

すごい人気だったね、キャトラ。

キャトラ

いまも大人気だと思うけど、

ちょっとやりすぎたわね。

アタシはやっぱりのんびりしてたいわ～。

ウォルター

お世話になっております。

キャトラ

ウォルタ―！？　アンタ、

ずっとどこいってたのよ！？

ちょっと心配だったもんで、

主人公に光ってもらっちゃったわよ。

ウォルター

なるほど、ルーンの光……

それで……

いいえ、こちらの話ですので、

お気になさいませんよう。

キャトラ

いいけどね、ウォルター。

どこへ行ってたかくらい、

教えて欲しいんだけど？

ウォルター

そうですね……

一仕事、終えましたため……

家族サービスをしておりました。

キャトラ

家族サービスゥ！？

ウォルター

さて、職務に戻りましょう。

プライベートを充実させるためには――

――まずは仕事です。

ボイス

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