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『白猫』ユキムラの思い出とボイス

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ユキムラの思い出とボイス

思い出1

<ミュゼ・デュ・アンブレーム>の

警備の依頼を終え――

(主人公)たちは、

飛行島へと戻ってきていた。

紋章画家の

ユキムラ・サイオンジと共に。


キャトラ

ふーっ……

我らが飛行島の空気は、

やっぱりいいわねぇ♪


キャトラ

ユキムラはどう?

……アンタ、いろいろと

タイヘンだったみたいだけど……


ユキムラ

……そうだな。まさに

人生の転機だったかもしれない。


ユキムラ

またたく間に過ぎ去った

気もすれば、何十年も

苦しみ抜いた気もする。


キャトラ

ふむ……そうでしょうとも。


キャトラ

さてここ飛行島では、

訪れたひとを癒やすことも

ウリにしているわけだけど……


アイリス

(そうだったんだ……)


キャトラ

どう? リフレッシュ?


ユキムラ

この高さから見ると、

雲はこう見えるわけか……


ユキムラ

<太陽の眺望>は

<写実表象主義>を否定した

<空想外包画家>ラトの

作品だったが……


ユキムラ

実物を見ると違いが良くわかるな。

雲は雲。波のように描いては、

光を含んだ雲の層までは

表現しきれなかったか。


キャトラ

ちょっと! 話しかけてるよ!


ユキムラ

この島は素晴らしいぞ!


キャトラ

へぇ!?


ユキムラ

この島には、多くの画家が望み、

そして得ることの叶わなかった

景観がある……


ユキムラ

かくいう俺もそうだ。

イーゼルは地に立てるもの。

その固定観念が、自然と

視点の高さを限定する。


ユキムラ

だがしかし!

この飛行島からなら、

望めば<愚者の塔>の

屋根すら見下ろすことができる!


キャトラ

ぐしゃのとう?


ユキムラ

知らないか?

紋章画家であり、建築家でもあった

ウィエラの作品だ。


ユキムラ

その塔はドラゴンよりも高く、

<存在至上主義>を唱えた

彼らしいダイナミックさが――


キャトラ

すとっぷ! ユキムラ・ストップ!


キャトラ

飛行島に来たひとはね、

仕事を忘れなきゃいけない

ルールがあるのよ!


ユキムラ

俺は紋章画家だ。

絵のことが頭から消える

ことなど考えられないが。


キャトラ

そこをなんとか休まなきゃ

いけないのが、

この飛行島なのよ~!

思い出2


キャトラ

ユキムラ~? なにしてんの~?


ユキムラ

俺は紋章画家だ。

紋章を描く以外になにがある。


キャトラ

<じら~い・おかたづけぇ>とか?


ユキムラ

……なんだそれは?


キャトラ

そんなゲームがあるとかないとか……


ユキムラ

ゲームだと!?


キャトラ

ぎにゃっ!?

びっくりした、なによっ!?


ユキムラ

人生は有限だ!

俺は誰よりも多く

作品を残さねばならない!


ユキムラ

ゲームなど、断固として、やらん!


キャトラ

そ、そんな剣幕で

まくし立てんでも……


ユキムラ

だが……


ユキムラ

……ゲームかぁ……


アイザック

なぁユキムラ君。

俺が何を言っても、

『天才』と返したまえ。


ユキムラ

なんだそれは?


アイザック

ゲームさ。

<天才ゲーム>とでも呼ぼうか。


ユキムラ

ゲーム……


アイザック

俺は――


ユキムラ

天才。


アイザック

君も――


ユキムラ

天才。


アイザック

俺は誰もが認める――


ユキムラ

天才。


アイザック

君も俺に並ぶ――


ユキムラ

天才。


アイザック

――になりたいが、

実際は足元にも及ばない。


ユキムラ

あ?


アイザック

アイザック・リヴィエールは

史上最高の――


ユキムラ

……天才。


アイザック

なのに同期のユキムラ君は――


ユキムラ

…………


アイザック

――天才、と呼ばれたいのに

俺がいるためどうしても

その称号がもらえない、

可哀そうな努力の――


ユキムラ

また俺をおちょくっているな!?

なんだこのゲームは!!


アイザック

<天才ゲーム>だよ?

…プッフフフフ!

アーッハッハッハッハッハ!


ユキムラ

ゲームなど! 金・輪・際!

やらんっ!!!


キャトラ

あらら……地雷だったのかしら……

思い出3


キャトラ

ユキムラ、ちょっと聞いていい?


キャトラ

もんしょーがか、だっけ?

それについて詳しく

教えて欲しいんだけど?


ユキムラ

そもそも紋章というのは、

個人や団体に使われる

シンボルのことを指す。


ユキムラ

帝国の国旗などを

見たことはないか?

あれも、紋章の一つだと言える。


キャトラ

ふむふむそうよね。


アイリス

紋章魔法、というものも

ありますよね。


ユキムラ

紋章魔法とは、

ルーンの紋章を組み合わせ、

ルーン単体が持つものとは異なる

新たな効果を作り出す

魔法体系のことだ。


キャトラ

ルーンの紋章ってアレよね、

よくわかんない

記号みたいなものよね。


ユキムラ

よくわからない記号ではない。

あのシンプルなデザインの中に

複数の意味が込められた、

神秘的なシンボルなんだぞ。


キャトラ

ふむ……? でもユキムラは、

紋章魔法を研究してる

わけではないのよね?


ユキムラ

そうだな。紋章画家は、

紋章の持つ効力よりも、

その芸術的価値の方に

主眼を置いているんだ。


キャトラ

つまり紋章画家ってのは、

きれーな紋章を

描くひとってことね。


ユキムラ

端的に言えばな。


アイリス

花の都の島には、

紋章画家さんたちが

たくさん集まるんですね。


ユキムラ

<ミュゼ・デュ・アンブレーム>も

あるしな。確かに、

多くの紋章画家が

夢見てやってくる島でもある。


ユキムラ

だが……画壇で

実力を認められるのは、

並大抵のことではない。


アイリス

競争率がとっても高いんですね。


キャトラ

じゃあユキムラ、

その若さで認められるなんて

すごいことなんじゃん?


ユキムラ

大事なのはデビューしてからだ。

紋章画家として、

どんな作品を世に送り出すか――


ユキムラ

――俺はまだまだ未熟さ。

張り合えるのは、ただ

筆の速さだけ……


ユキムラ

まだ、あいつの……

足元にも及ばない……!


キャトラ

イロメロのことね。


イロメロ

呼ばれたので!


アイリス

イロメロさん!?


ユキムラ

友達のところへ

行っていたんじゃないのか?

どうしてここに?


イロメロ

ライバルの様子を偵察です!


ユキムラ

嘘をつくなイロメロ。

お前はそんな理由で

来るヤツじゃないだろう?


イロメロ

実はそうなんです!

空を見たら、おっきな島が

ぐわらーんと飛んでまして。


イロメロ

あぁっ、ピヨピヨ緑ちゃんが

落ちちゃう!

シュワシュワの茶色さんが

支えてあげなきゃ!


イロメロ

そしたら思わずこうしてここに!


キャトラ

ふむ。つまり偶然ね。


アイリス

(キャトラがばっさり……!)


イロメロ

うわー! 見てください

ユキムラさん! つむじの逆の渦!

ヒョーヒョーのヒューが

ニョーンと弾けてますよ!


ユキムラ

いや、チョーンと弾けているぞ。


キャトラ

アンタ、イロメロの

言ってることがわかるの!?


ユキムラ

なんとなくな。

思い出4


キャトラ

ユキムラ……

あんまりのんびりしてないでしょ?


ユキムラ

前にも言ったかもしれんが、

俺は誰よりも多く、

作品を生み出し続けたいんだ。


キャトラ

体壊さない?


ユキムラ

ずっとこんな生活だ。

いまさらだろう。


ユキムラ

さて……出かけてくる。


キャトラ

どこ行くの?


ユキムラ

アテはないが……

俺の想像力を刺激してくれる

ところなら、どこでもいいさ。


キャトラ

あっ……いってらっしゃ~い。


アイリス

……ユキムラさん、

私たちに心配かけたく

ないんだと思うよ?


キャトラ

姿が見えなくなれば

心配しないってモンでも

ないわよ~……


アイリス

……そうね……


…………

……


ユキムラ

――このあたりがいいか。

ユキムラはイーゼルを立てた。


ユキムラ

……明かりがなくなった。

……誤算だったな……


ユキムラ

ちっ……仕方ない。

どこか、雨風をしのげそうな

ところは――


老人

…………


ユキムラ

……ご老人?

こんなところで、何を……?


ユキムラ

……!?

老人の目の前には、

ボロボロになったイーゼルが

立てられている……


老人

…………


ユキムラ

あなたも……ここで、絵を?


老人

…………


ユキムラ

夜も更けました。

よければ、俺と一緒に

民家でも探しに行きませんか?


老人

……私の家はすぐそこだ。


ユキムラ

そうでしたか。

これは、いらぬことを。


老人

若いの。寝泊まりしたきゃ、

うちを使って構わん。


ユキムラ

本当ですか?

ありがとうございます

では――


ユキムラ

……ご老人。あなたは……?


老人

…………


ユキムラ

今夜は月も出ていない。

こんな夜に、一体何を

描こうとされているのです?


老人

私もそれを、考え続けている。


ユキムラ

……?

思い出5


老人

ユキムラ・サイオンジ……

……そうか、あんたが……


ユキムラ

はい。あなたは……?


モドゥ

私はモドゥ。

この国で、画家をしていた……


モドゥ

いや……ここがまだ

国であった頃、

画家だった……だな。


ユキムラ

それは……?


モドゥ

二十年ほど前になるか。

この国は滅んだんだよ。

魔物たちのせいでな。


ユキムラ

!!


モドゥ

国王の一族は絶やされ、

生き残った国民も、

よその島へ移っていった……


モドゥ

たまに、旅の冒険家が

訪れることはあるがな。

画壇でのあんたのことは、

それで知ったよ。


ユキムラ

誰もいない島で……

あなたは何をしているのですか……


モドゥ

救いを、描こうとしている。


ユキムラ

救い……?


モドゥ

王が存命だった頃、

私に命じられたのだ。


モドゥ

じわじわと魔物に侵略され、

恐怖に怯える国民たちが、

希望を持てるような絵はないか――


ユキムラ

……一枚の絵で、人々を……


モドゥ

…………


ユキムラ

それで、その絵は?


モドゥ

……描けておらん。


ユキムラ

なんですって……?


モドゥ

それから十年後、国は滅び、

私に命じた王も、

この世を去られた。


モドゥ

……二十年経った今でも、

私はその絵を、描けてはいない。


ユキムラ

三十年もの間、その一枚を描こうと

されているのですか?


モドゥ

そうだ。


ユキムラ

失礼ですが……何のために……?


モドゥ

さあて、な……


ユキムラ

あなたはそれでいいのですか。


モドゥ

…………


ユキムラ

描き上げることの叶わぬ

たった一枚の絵と、

心中するおつもりですか?


モドゥ

…………


ユキムラ

何故そんな無益なことを。

モドゥさん。画壇に帰ってきて

ください。


ユキムラ

余計なお世話かもしれませんが、

俺も少しは口を利けます。


モドゥ

私にはもはや、意味のないことだ。


ユキムラ

何故です! 芸術は、

鑑賞されることに価値がある!


ユキムラ

たとえその絵が完成したとして、

誰の目にも触れることはない!

絵がかわいそうだと

思わないのですか!


ユキムラ

素晴らしい絵に罪はない!

人々に見られ、

称賛される権利がある!


モドゥ

……帰るんだな。


ユキムラ

いいえ。あなたがそのつもりなら、

俺にも考えがある。


ユキムラ

俺もここには絵を描きにきました。

あなたがその絵を描き上げるのを、

見届けさせてもらいます!


モドゥ

…………


モドゥ

…………


ユキムラ

(……早朝からいるというのに、

筆を持ったまま

微動だにしない……)


ユキムラ

(こんなことを……三十年も……)


モドゥ

…………


――月日が流れた。

ユキムラの周囲には、

何枚もの紋章画が

うず高く積まれていく。


モドゥの家の中も、

ユキムラの作品で

足の踏み場すらなくなった。

しかし――


モドゥ

…………


ユキムラ

……モドゥさん。

俺はわかりましたよ。


モドゥ

…………


ユキムラ

あなたは描けないんじゃない。

描かないんだ。


ユキムラ

王に命じられた絵を描くこと……

それだけが、あなたと

今は亡き国をつないでいる。


ユキムラ

その絆を失うのが怖い。

だからあなたは、描かないんだ。

違いますか?


モドゥ

……若いの。


モドゥ

あんたは、芸術家じゃないな。


ユキムラ

なんだと……!?


ユキムラ

あんたこそ、どこが画家だ!?

日がな一日、筆を持って

ぼんやりしてるだけじゃないか!


ユキムラ

あんたの方こそ、芸術家ではない!


モドゥ

わかっとらんな。


モドゥ

魔物が巣くうんだよ……!

芸術家の心には……!


モドゥ

国民全ての、

命を預けられた、

私の――


モドゥ

魔物を見ても、

まだそんなことが言えるかッ!


思い出6

ユキムラ友情覚醒画像


ユキムラ

モドゥさん!?


モドゥ

わかるか!?

たかが絵画の一枚に……

何千人、何万人の命が

のしかかった!


モドゥ

死してなお、安息を、

救いを求めるソウルとなって、

この筆にしがみついている!


モドゥ

どれだけ重いかわかるか!?


ユキムラ

――!!



ユキムラの耳に、

何千人もの声が

重なり合って響いてくる。

『誰か助けてくれ』

『誰か魔物を退治してくれ』

『誰か勇気を授けてくれ』

『希望を見せてくれ』

『救いをくれ』

人々の叫びは絡まり合い、

ねじれながら一つの地点へと

収束していく――

――そこには――


ユキムラ

……魔物……!

なんということだ……!

あのときの比ではない……!


ユキムラ

こんな巨大なものが……

一人の人間の心に、

巣くうというのか……!


モドゥ

若いの! 逃げろ!


モドゥ

あんたまで関わることはない!

こんなものに押し潰されるのは

私一人で十分だ!


モドゥ

ぐぅ!?


モドゥ

ぐぅああああああー……!!


ユキムラ

モドゥさんっ!


ユキムラ

……俺はあなたを、

誤解していました……


ユキムラ

あなたこそ……芸術家だ!

こんなところで見殺しにはしない!


ユキムラ

うぉおおおおーーーーっ!!!


キャトラ

ユキムラ、だいじょうぶ!?


ユキムラ

みんな、来てくれたのか。

助かった。モドゥさんは!?


アイリス

おじいさんなら、こちらに。


モドゥ

…………


ユキムラ

モドゥさん……目を覚ましてくれ!


ユキムラ

いまなら、あなたの筆も……!


モドゥ

…………


モドゥ

……そんなに強く揺するな、

若いの……


ユキムラ

!!


…………

……


キャトラ

……『祖国』かぁ……

あのおじいさんの絵、

話題になってるわねぇ……


ユキムラ

見事な一枚だった……

あれほど圧倒的な

<重み>がある作品は、

滅多にあるもんじゃない。


アイリス

モドゥさん、

画壇に姿を現したのは

三十数年ぶりなんですってね。


キャトラ

ねえユキムラ。

アンタ、手強いライバルを

増やしちゃったんじゃない~?


ユキムラ

そうだな。


キャトラ

内心『やっちまった』って

思ってたりして?


ユキムラ

そんなことはない。

競う相手は多い方が幸せだ。


ユキムラ

自分はまだまだ若輩者だと、

実感するのも悪いことじゃない。


ユキムラ

……俺は、今まで以上に、

数多く、様々な紋章画を

描いてみたい。


ユキムラ

そして、俺こそが史上最高の

天才紋章画家であると

世間に知らしめてやるのだ!


キャトラ

おぉ~! どでかい発言ね~!


ユキムラ

……そうすりゃ、あのイヤな奴も

黙っていられないだろう。


ユキムラ

案外……また手紙を

用意しているかもしれないな……


アイザック

いや、そんなの想定してねーから。


ユキムラ

だからだよ。



ボイス

状態ボイス
キャラ詳細画面
Lvアップ
スキル
AS1
AS2
交代時(入)
交代時(出)
クエスト開始時
クエスト中放置
クエストクリア時
戦闘不能時
タウン1
タウン2
タウン3
タウン4
タウン5
攻撃1
攻撃2
被ダメ1
被ダメ2
被ダメ3
手を振る/お辞儀
バンザイ/ハイタッチ
土下座/頭を抱える
温泉

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ゲーム情報
タイトル 白猫プロジェクト
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2014年07月25日
    • Android
    • リリース日:2014年07月13日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 ド迫力のバトルシステムで白猫の新たな冒険を体験しよう!

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