屠蘇・手紙
半分風雅
主人公名:
最近、ある覆面にボサボサ頭の人間が発見された。夜中にまだ外をふらふらしているという。鎧を身に着け、双翼を持つ誰かさんは、食事の代わりに燻製の肉をよく食べる。フードをかぶる青い瞳の誰かさんは、お日様が高く昇っても部屋にこもって起きたくない。それから、君、空桑の若……君のような「手本」となる人間がいるから、食魂たちの生活習慣は割れた卵みたいにぐちゃぐちゃなんだよ!
明日から空桑広場で「五禽戯」をやるので、手配よろしく。
「おまけ:薬草の栽培に、肥沃な土地が必要だ。手配よろしく。」
屠蘇
同袍同沢
主人公名:
「殴り書きで、手紙の書き手がイライラしているよう。」
君は薬畑の薬草をよく世話してくれているね。でも、しょっちゅう畑に来てオレに会うのは、いったい薬草の世話のためか、それとも、オレに何か特別な感情があるから?
もし後者なら……ああ、オレは名医だが、それでも心が病んで思いつめた人は治せないんだよ!オレにはなだめることしかできないけれど「この部分は強調して書かれている」さあ、もっと有意義なことをしたほうがいいね。例えば、この手紙を届けた太っちょ猫のお腹に何本の毛があるか数えてみたり、楼閣の中に水が何滴あるか調べてみたりね!
「警告:次回、五禽戯を練習で、サルの真似をしてるからって、むやみにオレの体を掻かないように。さもないと…」
屠蘇
以心伝心
主人公名:
今回、人間界に出掛けた折、ちょうど師匠のお墓を通った。お墓はすでに新しく修繕され、松の木が立派に茂り、お参りに来る人は途切れることがない。人々がこんなに師匠を偲んでいるのは、師匠を懐かしむ思いからか、それとも死への恐怖で、伝説の名医の加護を得たいからでしょうか。疑わしいけれど、追究する気はない。
幸い、オレがいつかこの世から消える時も、ひとかけらの灰をも残さないので、君もオレのために面倒な慰霊碑なんかを作る必要はない。オレは死んだ後も、誰かが邪魔をしに来たり、不誠実な狙いがあって安い涙を流すようなことを望まない。ただ、君がオレの死を悲しんでくれるなら、それは受け入れる……
君から送ってくれた……薬草の常思も受け取った。なぜこんな謎かけに夢中になるのかな。じゃあ、オレも付き合いするね。ふふ、君のつまらない遊びに付き合うなんて、オレきっと変な病気にかかっているんでしょうね!
「便箋には当帰という薬草が挟まれていて、濃厚な甘いにおいがする。」
屠蘇
金蘭之契
主人公名:
オレはかつて、生老病死はこの世の法則で、食魂の生死も同じだと思っていた。だから、長くこの世に留まることへの執着はなく、いわゆる消滅も怖くなかったのだ。ただ、短い歳月の中で、やりたいことを成し遂げたいだけで、その決定を誰にも邪魔させないと誓った……だが、ある人間の出現で、オレの考え変わった。あの人は決して格別に美人でも、格別に賢いわけでもなく、時には笑えるほどおバカなのだが、それでもだんだん目が離せなくなってしまったのだ……どうやら不治の病にかかっただけでなく、もう頭がおかしくなりそうだ!もしあの人が、オレに消滅せずにずっとそばにいてほしいと望んでくれるなら、できるだけ生きていたいとさえ思ってしまう。ただただ、あの人の輝かしい笑顔が見たくて、泣き顔なんて見たくないんだ。
ああ、こんなくだらないことばかり書いているうちに、胸も熱くなってきた。これはきっと、近頃の空桑の空気が乾燥しているせいよね!こんな時は、心静かに気持ちを穏やかにさせるハスの実にする。主人公名も、これでお茶を入れるといいよ!
「手紙と一緒に届いた、油紙に包まれたハスの実から、苦みのある清々しい香りが漂っている。封筒にはもう一枚、しわくちゃの画仙紙が入っていた。そこに書かれた詩は消されているが、よく見ると『西洲曲』中の一句だった:袖に入れた蓮、その実は真っ赤に染まる。」
屠蘇
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