鵠羹・誕生祝い
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鵠羹
「若、お誕生日おめでとうございます」
「長寿そばとケーキを用意しています。
本日の宴会では他にも様々な料理を用意しておりますが、やはりこの二つは欠かせないですね……」
【選択肢】
・ケーキ?
・長寿そば?
選択肢
ケーキ?
「ケーキのデコレーションはどうなさいますか?」
「こちらの桃色の花びらか、それともこちらの緑の葉っぱ、どちらがよろしいですか?」
「思い起こせば、前回若のためにこのような洋風のお菓子を作ったのも、何年か前の話です。ちょうど若が生まれて1か月のお祝いの時でしたね……」
「当時まだ赤ん坊だった若は、クリームをご自分の顔や体にも塗りましたっけ。そして食神様のひげにも塗りましたね……今思い出すと、なんて懐かしい……」
長寿そば?
「今はそばを作っていますよ……この長寿そば、たくさん入っているように見えますが、実はそばは一本しかありません。その意味は健康と長寿にあります。ですので、若も食べる時はお気を付けてください。くれぐれも折れませんよう……」
「おや?私の手伝いですか?」
「若は今日は主役ですから、お手伝いしなくてもよいのですよ」
「こんな風に、若の誕生日のために料理をするのは久しぶりです……」
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「あ……すみません、今日は楽しいはずなのに、しんみりしてしまいましたね。
若にプレゼントを用意しています、今取ってきますから――」
【選択肢】
・これからの誕生日は一緒に祝おう
・今の『自分』をちゃんと見てて!
選択肢
これからの誕生日は一緒に祝おう
鵠羹の暖かくて少しざらついた手をぐっと握る。そこにはまだきれいにふき取っていない小麦粉がついている。
そして、彼の驚いている顔をよそに、私は小指で彼の――
「若!?これは一体――」
「私との約束が欲しいのですか?」
「分かりました……」
今の『自分』をちゃんと見てて!
私から離れようとする鵠羹の腕をぐっと掴む、その行動に驚いた彼は私の方を振り返る――
そして私も彼の目を見つめて、心の中に秘めている願いを口にした。
「若……」
「あなたの言う通り……」
「いまさら昔の事を懐かしんでも仕方がない、それより今を大事にすべきですね……」
「それに、今の若はもう子供ではなく、一人前の空桑の主ですからね」
「しかし、○○、心配ご無用ですよ。昔の幼きあなたも、今の空桑の主であるあなたも
私にとっては守るべきお方であることに変わりはありませんから」
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「それでは、この鵠羹、これからは決して若を一人にしないと、約束いたします……
これからの誕生日も、ずっとご一緒しますよ」