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西鳳酒・誕生祝い

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作成者: ユーザー09683
最終更新者: 皮蛋納豆丼

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庭園に着くと、目に心地よさを与えてくれる、簫の音が聞こえてきた。


その音につられて餐庁に行くと、西鳳酒が扉にもたれかかり、

竹簫をもてあそんでいた。

彼は僕が来たことに気づいて、呼びかけてきた――


西鳳酒

「〇〇、」


【選択肢】

・この秦曲は自分を引き寄せるもの?

・どうして演奏を止めたの?

選択肢

この秦曲は自分を引き寄せるもの?

西鳳酒

「……」

「お前、少し自意識過剰じゃないか?」

「こっちに来い。お前にあげたいものがある。」


どうして演奏を止めたの?

西鳳酒

「オレはオレが吹きたいときに吹く、お前の指図は受けます。」

「そうだ、お前にやりたいものがある。」


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言い終わるよりも前に、僕の方に何かを宝利投げた。それを、手を伸ばし受け止める。


それは、一本の竹簫だった。

簫は丁寧に磨かれ、表面には未熟の美しい文様が残されている。

手に持つと、まるで光り輝く玉のような感触だ……


西鳳酒

「今日はお前の誕生日だって聞いてな、プレゼントを用意したんだ。」

「お礼なんかいらん。今日はお前の誕生日だろ。

 他の奴から、色々珍しいプレゼントをもらうだろうに。

 これは普通の竹簫だ、世辞はいらない。」

「オレのプレゼントを最初に受け取りに来た?フッ……それは当然だろうな。」


【選択肢】

・一曲合奏しない?

・一曲吹いてあげるよ。

選択肢

一曲合奏しない?

西鳳酒の返事を待たずに、僕は竹簫を持って、『良宵引』を吹き始めた。


西鳳酒

「オレが教えた曲ではないこの曲を、俺に吹かせるとはな。

 お前は本当に『閑雲野鶴』だ。」

「……まあいい。今日だけは、許してやるよ!」

「……」


西鳳酒は湘妃竹を取り出し、僕の演奏に合わせてくれた。

簫の音は、清らかな風のように頬を撫でて通り過ぎ、月明りに溶け込んだ。

心には静かな喜びが満ち溢れている。


けど、彼は気づいてるのかな?

曲中の柔和は清風と月明りは、彼の瞳にも映りこんでいるということに。


一曲吹いてあげるよ。

僕は竹簫を手に取り、『良宵引』を吹き始めた――

ほんとうによい簫だ。これを作るには、どれほどの手間がかかっただろう?」


西鳳酒

「……オレの贈った簫でこの曲を演奏するとは、お前は本当に『閑雲野鶴』だな。」

「快適な場所に長く居すぎて、心意気を失ったのか、」


西鳳酒は、そのキツイ言葉とは裏腹に、僕の演奏を中断させることはなかった。

確かに、窓の外に広がる蒼穹の空を眺めている。

僕は気ままに笛を吹き続け、清らかな風と、眩しい月明りを感じていた……


他が終わったとき、僕は彼の横顔を見た。

この人は気づいているのだろうか。曲中の柔和な清風と月明りが、彼の顔に降り積もる雪を溶かしたということを。


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西鳳酒

「『今夜の月の清幽に、負うところ莫れ』……。」

「〇〇、ひどい演奏だ。オレが教えた技術をきちんと覚えていないのか。」

「今夜、オレと一緒に裏山の山頂に登ろう。

 そこで月を見ながら、もう一度オレがちゃんと演奏してやろう!」




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