鬼火緑・梅影探踪
抽象画法
抽象派は難解。鬼火緑の抽象画はさらに難解――
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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若
「何をしてるんだ。」
鬼火緑
「もちろんブランコだよ!何かに吊られるのが、こんなに楽しいとは思わなかった。若様も一緒にやりません?」
若
「さすがだね。こんな遊び方を考えつくなんて。」
「それに纏花雲夢肉、君が、鬼火緑に白綾をブランコとして使わせるなんて意外だな。」
纏花雲夢肉
「これは彼の労働所得だ。最近西洋の怪奇譚を書いてて、彼には西洋風の絵を描いてもらったんだ。」
鬼火緑
「そうそう、絵と、このブランコに乗る権利を交換したんだ。なかなかいい絵が描けたんだ!」
若
「文章を書く人と、絵を描く人で、コラボするのはいいことだね。」
纏花雲夢肉
「ただ私は西洋絵画の研究が浅いので、その絵に何が描かれているのか、ちょっと分からない。」
纏花雲夢肉
「ちょうどいいところへ来た。少し説明してくれないかな。」
そう言って、纏花雲夢肉を手に持っていた絵を渡して来た。
画用紙の中央に、蛍光色の絵具で描かれているのは……牙をむく……クラゲ?
鬼火緑
「どうだどうだ、何かわかったかい?」
【選択肢】
・これは抽象画?
・ごめんなさい、私にも分からない
選択肢
これは抽象画?
鬼火緑
「そう!抽象画は、描く対象と、少し共通要素があるだけでいい。実際の対象とは、似てないほうが、よりいい絵なんだ!」
若
「そうでしたか。改めて見ると、確かに「抽象派」らしく、普通の人にはよく分からないものが描かれている。」
鬼火緑
「どうりで私が何を描いているのか分からないわけだ。抽象画はまだ詳しくないんだ。」
ごめんなさい、私にも分からない
鬼火緑
「あれ、若様も分からない?じゃあ、少し直そうかな。」
若
「芸術家の道は孤独だ。十分な芸術素養がない人に、君の作品は難しいよ。」
「でも、君は他人が理解できるかどうかは、絵を描くときに全く気にしなくていい。自分が本当に好きな絵を描けばそれでいいんだ。」
鬼火緑
「わあ、さすが若様、もっともなことを言いますね。」
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若
「もう降参です。この絵には、何が描かれているのか、教えてください。」
鬼火緑
「ははは、これは志怪の挿絵だよ。志怪といえば……最初に思いつくのはもちろん、纏花雲夢肉!
「だから私が描いたのは纏花雲夢肉本人さ!どうだい?すごく似ているだろ?」
纏花雲夢肉
「そうか?」
僕は思わず上を見上げた。案の定、鬼火緑を優しく包んでいた白綾が、瞬く間に彼をギュッと縛り上げてしまった。
若
「正直に話してはいけないこともある……」
柱の塗装
最近餐庁の外の柱の色があせてきたので、鬼火緑に塗り直してもらうことにした――
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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鬼火緑
「一本は赤く塗って、一本は緑に塗って、赤と緑を互い違いに並べると、きっと綺麗ですよ!」
若
「いや、原色のままにしておいて。」
「今回は普通のペンキを使っているから、こっそり蛍光顔料を入れないでよ!」
鬼火緑
「わあ、読心術なんていつ覚えたんですか?僕の考えを見抜くなんて!いつか私にも教えてくれませんか?」
若
「今はそんなことを教えている暇はないよ。餐庁の営業開始前に、柱を全部塗ってしまわないといけないんだから。」
鬼火緑
「よし、じゃあ、僕が早く塗れるか競争しましょう!」
鬼火緑は本当に「グラフィティ・マスター」の称号に恥じないほど、柱にペンキを塗るスピードは、僕のおよそ三倍で、さらに、僕よりも均一かつ美しく塗れている。
鬼火緑
「ハハ、僕はプロだと言っただろう。僕も誰の専門分野で勝てないよ!」
若
「はいはい、君が一番すごいよ。顔についたペンキに気づけたらなおいいけどね。」
鬼火緑
「いやいや、若様にも、ペンキが付いてますよ!」
【選択肢】
・えっ、どこ?
・拭いてくれない?
選択肢
えっ、どこ?
鬼火緑
「顔にもついてるよ。拭いてあげます!」
「へへへ~」
若
「どう?消えた?」
鬼火緑
「もうす少し待って、すぐに終わります!」
拭いてくれない?
鬼火緑
「じゃあ、こっちも拭いてくれます?お互いに拭き合いましょう!」
若
「もう少し近寄って。」
鬼火緑
「へへ、これでいい?いやぁ、近くなぁ。若様をよく見えます!」
若
「顔を揺らさないでよ、手が滑ったらぐちゃぐちゃになる。」
「うん、これでいいかな。君はどう?キレイに拭いてくれた?」
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鬼火緑の手が僕を左右に滑っていくのを感じ、僕は思わず、本当にそんなにペンキが付いているのかを疑ってしまった。
鬼火緑
「はい、これでいいバランスだ!」
若
「ありがとう、おかげで……」
ちょっと待って、いいバランスってまさか!?