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過橋米線・物語

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作成者: 皮蛋納豆丼
最終更新者: 皮蛋納豆丼

一 座観雲起・壱

◆主人公【男性】の場合◆

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詩礼銀杏

「昨日出した作文の宿題はできたかな?」

「今日の授業のテーマは昨日の宿題だった作文の指導と解説だ。それでは、喬賢から。そのあとは順番に自分の作文を発表しましょう。」

「喬賢……?」


名前を呼んでも、返事がない。その場にいたみんなが一斉に普段一番まじめな生徒、喬賢に注目した。


【選択肢】

・どうして自分の作文を見たまま、ぼーっとしているの?

・どうしたの?気分がすぐれない?

選択肢

どうして自分の作文を見たまま、ぼーっとしているの?

彼がまったくといっていいほど、目の前の状況に気づいていない様子を見て、慌てて声をかけた。


過橋米線

「若様、なぜそんなにびくびく話をしているのですか?何事ですか?」

「なぜずっと私を見ているんです?それにずと口もとがらせて……どうしたんです?」



どうしたの?気分がすぐれない?

彼は心ここにあらずといった様子で、普段の元気さが全くない。


過橋米線

「ねえ?若様?どうしたんです?ずっと私を見ていますが……」

「今日授業に来る前に、火事になりかけた厨房の保護を手伝ったんですが……まさか顔に灰がついていますか?」


過橋米線はそう言いながら、急いで手で頬をぬぐったが、汚れていない指を見て納得のいかない表情を見せた。



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過橋米線

「おかしい……」

「ここは学堂。今、私は詩先生の授業を受けていなければならない。」


何度も口を突き出して、彼に周囲の状況に気づくよう合図したことで、過橋米線はようやく問題の所在を意識したようだ。


過橋米線

「申し訳ありません、詩先生。先ほどは少しぼーっとしていまして。甘んじて罰を受けます。」


詩礼銀杏

「構わない。君はこれまでずっと、勤勉で真面目で、師を尊び、道義を重んじてきた。さっきのがワザとではなかったこともわかる。ただ君は、普段めったにそんなふうにはならないから、もしや病気なのではないかと心配になったんだ。」


過橋米線

「体は問題ありません。ただ「志と願望」をテーマに作文を書こうとしていて、突然昔のことを思い出したのです……」

「さほど大事なことではありません。詩先生、そのまま授業を続けてください。私のことでみんなの邪魔をするわけにはいきません。」


詩礼銀杏

「それもそうだね……じゃあ〇〇から作文の発表を始めましょう。」


授業が終わると、子どもたちはみんな、わっと群れをなして散っていった。


詩礼銀杏

「〇〇、話がある。」

「喬賢のことだが、最近どうもおかしい。理由を知っているか?」




【選択肢】

・また夜遅くまで勉強して十分に休んでいないのでは?

・わかりません。もしかするとたまたまでは?

選択肢

また夜遅くまで勉強して十分に休んでいないのでは?

詩礼銀杏

「本当にそうなのならば、さほど問題ではないが……」

「おそらく、そう簡単なことではないでしょう。私の理解では、彼のこのようなおかしな行動は、ここ最近、初めて起こったものではない。」



わかりません。もしかするとたまたまでは?

詩礼銀杏

「彼が授業中にぼーっとしているのは、初めてではないそうだ。青団子たちの会話を聞いていると、喬賢は最近、ほかの授業でもぼーっとしていたらしい。」

「もしかしたら、何かトラブルを抱えているのかもしれない。」



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詩礼銀杏

「彼が昨日書いた作文を丁寧に読んでみた。報国の志について書いていて、治世の道に対して諫言していたが、当時の時世のまずさを遠回しながら鋭く非難していた。」

「もしかすると、彼に思うところがあるのかもしれない。」

「本来は生徒を教え導くのが先生の仕事だが、教師も全知全能ではない。彼を困らせている問題を解くにはその因果を追求し、それに応じた対策を講じないといけない。」


過橋米線はいつもどおり授業を終えた後、片づけをして、みんなに挨拶をして帰っていった。詩礼銀杏の指摘が無ければ、過橋米線は見たところ、普段と何も変わらないように見える。


思い返せば、過橋米線は空桑に来てからもたまに、短い期間ではあるが帰郷し、故郷の親戚・友人を訪ねていた。でもここ最近は、彼が帰郷しているのをめったに見ない。


過橋米線

「若様、どうしてここに?」



【選択肢】

・君に会いに来たんだ。手紙を書いているの?

・温もりが足りてるかなと思ってね。何か心配なものとかない?

選択肢

君に会いに来たんだ。手紙を書いているの?

机の上の擦りたての墨、字を書きかけたばかりの画用紙、封筒がすぐに目に留まった。


過橋米線

「これは……ただ最近見聞きしたことを書き留めていただけです。故郷の先生や奥さまに知らせるために。最近は楽しくやっていますよ。」

「若様、まずは座ってください。龍井居士から茶葉をたくさん頂いたんです。お茶をいれましょう。それから、以前教えてもらって作った橋形クッキーもありますよ。食べてみてください。」



温もりが足りてるかなと思ってね。何か心配なものとかない?

過橋米線

「温もりとは……?」

「ここには何でもあります。今は他に必要なものなんてありません。空桑の環境はとてもいい。ここで生活できてとても嬉しいのです。」

「ところで、若様は何か困っていることはありませんか?役に立てることがあれば、全力で協力します。」

「そうだ。最近新しい橋型の置物を彫ったんです。あなたにあげますね。部屋にでも飾ってください。」



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過橋米線

「若?」

「どうして何もしゃべらないのでしょうか……?まさか私は、何かまずいことでも言いましたか?」

「もしかしてやはり、今日の授業のことでいらっしゃったんですか?」

「あなたの表情から察するに図星のようですね……きっともう何かに気づいているんでしょう……」

「空桑で暮らし始めてからというもの、終日、素晴らしい先生や友人たちと過ごし、知識もたくさん増えました。私は常々ここで学んだ知識を書き留め、見聞きしたことを手土産に故郷に帰り、先生や村のほかの生徒たちに伝えているんです。

「優秀な先生たちの博学ぶりに、故郷のみんなは大いに感激していました。それが僕にとっても、大きな喜びでした。

「でも故郷の人たちは僕のように学問を探求できるような環境にありません。自分の人生を自分では決められない時代に生まれている。」

「彼らは苦労を重ね、新しいことを学び続けている。チャンスをつかもうと努力する彼らの青眼の美しさが、その意義の確かさを証明している。だが、時代は残酷だ。時代は彼らにその努力の成果を証明するチャンスを正当に与えたことが無い。

「時間がたつにつれ、私は徐々に心の痛みに耐えられなくなってきました。彼らを目の前にすると、私は彼らが行ってきた数々の努力について思い出し、心が痛むのです。そのため、だんだん私は彼らに会いに行けなくなってしまった。」

「……まさか私は誤解していましたか……?若様は私を、旅に誘うために来たのですか?」

「待ってください、若様。私はまだ手紙も書きかけですし、片づけてもいない……そんないきなり手を引いて、どこへ連れて行くんです……?」




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二 座観雲起・弐

◆主人公【男性】の場合◆

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過橋米線

「若様、なぜ急に万象陣を……?」

「まさか私を故郷に連れ帰るつもりで……?」

「若……」


万象陣を通って着いた先は、観葉植物が生い茂り、色とりどりの装いを身にまとった人たちがいる、賑やかな場所だった。


過橋米線

「若様、ここは……?」

「前に、万象陣の幻像の中で見た、現代の世界のようですが……」

「若様の言う、良い場所とは、ここのことなんでしょうか?」


【選択肢】

・彼の手を引く

・彼の眼をそっと覆う

選択肢

彼の手を引く

過橋米線

「こっちに何かあるのですか?」

「こっちの方角に何か見えるのですか……?」

「若様、高くて大きな建物が見えます。前に腌篤鮮のところで、似たような建物の画像を見た覚えがあります。あれは現代の橋でしょう?」

「本当に、百聞は一見に如かずですね。とても壮観だ。今の気持ちを、どう表現したらいいか分かりません。」



彼の眼をそっと覆う

過橋米線

「若様、どうして急に目隠しなんか?見てはいけないものでも?」

「まだ秘密だと言っていましたが、そろそろ目を開けてもいいでしょうか?」

「あ……」


過橋米線が目を開けると、はるか遠くに、河の上に聳え立つ大きな鋼橋があった。


過橋米線

「以前、鶏茸金絲筍やその友人たちから、世界各地には色んな形の、山よりも壮大な橋が存在すると聞いたことがありますが、実際に見るのは初めてです!」

「こんな幸運……その姿を本当に目の当たりにできるなんて……」



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過橋米線

「私が生きていた時代には、壮大な石橋があったそうです。でも私はあまり、外を出歩く機会がなく、これまでは故郷の湖の真ん中にかかる木の橋しか見たことがありませんでした。」

「今日は久しぶりに心置きなく楽しめた一日でした……ありがとうございます、若様。」




【選択肢】

・出発!目的地は江上大橋!

・もう来たんだ。上がって、歩いてみない?

選択肢

出発!目的地は江上大橋!

過橋米線

「出発?目的地……?スローガン、ですか?それを大声で叫ばないといけないのですか?」

「出発……目的地は……江上大橋。」

「あなたの真似をして、もっと大きな声を出してみますね……

 出発!目的地は……江上大橋!」

「プッ。村の元気な子どもたちを思い出しますね。いつもエネルギッシュだった。」

「大声で叫んだら、不思議なことに、すごく気分が良くなりました。」



もう来たんだ。上がって、歩いてみない?

過橋米線

「そうですね。ここまで来た以上、一番高い所からの景色を堪能しないのは、確かに絶好のチャンスを無駄にすることになる。」

「でも今回は、私にとって初めての「現代」見物で、まだ守るべきルールも、よく理解できていません。」

「若様、差支えなければまず、私が知らないことを少し、教えてもらえないでしょうか?そうすれば、私が無意識の内に、この時代に対して何か悪いことをやってしまう心配もないでしょう。」

「現代に厳しいルールはあまりないのですか?本当に?個人の道徳観や品性によって自分で判断すればいいと?」

「なるほど。どうりであの人目を引く髪型をした伶人食魂も、あんなふうに自由気ままでいられるのですね。彼は本当にいい友達なんです。橋を表現する音楽創作に関しても、私と真剣に議論できますから。」



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激しい人混みの中を抜け、ようやく大橋の入り口に着いた。自動車が橋の上の方の道路を、ひっきりなしに往来している。ガードレールを隔てた両側の歩道は、橋からの景色を観に来た人たちで、ごった返していた。


時折、列車が橋の下の方の線路を高速で駆け抜けていく。重みのある車両と、レールの摩擦によってリズミカルなメロディーが奏でられている。


過橋米線

「たしかに壮大な景色だ。橋の上を歩くと、大自然を一望できる。この橋の設計者はきっとすごい人に違いない!」



【選択肢】

・この橋にまつわる故事を知りたい?

・徳の高い、人望のある方だよ

選択肢

この橋にまつわる故事を知りたい?

過橋米線は何度もうなずき、真剣な眼差しでこちらを見た。



徳の高い、人望のある方だよ

過橋米線

「その先生について教えてほしいです。」

「その先生がどれほど優れた発想力を持ち、こんな壮大な橋を設計したのか知りたい。」



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過橋米線にこの伝説的な橋の設計者の物語を話している間、彼は時にはしきりにうなずき、時には考え込み、僕が話し終えるまで、真剣に聞き入っていた。


過橋米線

「いやぁ、本当にすごい。本当に得が高く、人望のあるお方だ。」


???

「ん?君たちも茅先生のことを知って、ここに見学に来たの?」


急に、隣りにいた少年が話へ割り込んできた。振り返ると、バックパックを背負い、カメラを手にした少年が僕たちのそばに立っていた。


少年

「突然ごめんね。君たちがこの橋の設計者について話していたので、ちょっと興奮してしまったんだ。」


過橋米線

「邪魔だなんて滅相も無い。確かにこの橋の設計者の故事について話していたところです。」


少年

「君はずいぶん古風な言葉をつかうね……」


過橋米線

「それは……」


少年

「あっ、気にしないで。ただ興味を持っただけだから。せっかく同行者に会えたんだ。仲間になろう。僕はここに来るのは初めてじゃない。君たちを案内してあげられるよ。」


過橋米線

「あ……」





【選択肢】

・じゃあお願いするよ

・料金は無料

選択肢

じゃあお願いするよ

少年

「オッケー。僕は人とコミュニケーションするのが好きなんだ。」



料金は無料

少年

「もちろん無料だよ。僕もうまく説明できるように、表現力を鍛えないといけないからね。」



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少年

「実をいうと、僕は色々な場所を回って勉強している。何年か前、言語の授業で、茅先生についての伝記を学んだんだ。」

「茅先生は幼少時に事故に遭ったことがきっかけで、この世で最も丈夫な橋を造ろうと決心したんだ。その後、橋と関係する事柄はすべて残らず記録しながら、真面目に研究したんだ。」


過橋米線

「ふむふむ。さっき聞いたお話もそんな感じでした。この先生はまれに見る才人で、真面目で慎ましく、決して怠けることなく、最終的に自分が貫いてきた大切なものを形にしてみせた。」


少年

「そのとおり。君には笑われるかもしれないけど……実をいうと、当時僕はまだ全然気にも留めていなかったんだ。あの時はまだ幼くて、先生はこれからすごい橋を作るようだったけど、そんなの大したことないと思っていた。」

「初めて自分の目で先生が設計した橋を見るまではね……」

「高く聳える壮大な橋、往来するたくさんの自動車や人、駆け抜ける列車、幾重にも重なる山々、滔々と流れる河川、煌めく渡し舟……こんな豊かな景色を一望できる。」

「強烈なインパクトを受けたよ。どのような目、どのような心、どのような頭を持っていれば、こんな天才的構造物を設計できるんだろう?」

「世界全体を纏めたかのような壮大な景色を見せてくれる橋の上で、僕は初めて自分がちっぽけな存在であることに気づいたよ。」



【選択肢】

・君はすっかりこの設計者に感服したようだね

・君の心の成長にとって大きな一歩として記録できそう?

選択肢

君はすっかりこの設計者に感服したようだね

過橋米線

「話を聞いて、この方に対する敬意がさらに深まりました。」


君の心の成長にとって大きな一歩として記録できそう?

過橋米線

「そんなことまで気にかけてくださるとは、若様もすごい方ですね。」



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少年

「行こう。君たちに、とっておきのものを見せてあげるよ。この橋にも関係する景色だけど、僕以外に、気づいている人は少ないんだ~」





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三 座観雲起・参

◆主人公【男性】の場合◆

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近くに大きな記念碑が立っていた。行き交う人々は時折、立ち止まったり、記念写真を撮影したり、真剣に碑文を読んだりしている。


少年

「これはこの橋の設計の記念碑なんだ。この橋に関する物語がたくさん記されている。」


【選択肢】

・自分たちも、もっと近くに行って見てみよう

・この角度から見る橋の景色もまたいいものだね

選択肢

自分たちも、もっと近くに行って見てみよう

石碑に刻まれた言葉は、この橋の歴史を語っており、ここを訪れる人たちを引きつける……



この角度から見る橋の景色もまたいいものだね

過橋米線

「確かに美しい。色んな場所や角度から見る橋の姿は、それぞれ面白い特徴を持っている。今後、彫刻する際に、豊かな着想を与えてくれそうだ。」



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過橋米線

「まさか後世の世の中で、こんなにも多くの人が橋の景色に感動し、集まっているとは。」


少年

「ここは鉄道の駅。ここから出る列車の一部は、橋の下方にある線路を通る。僕はいつもあの便の窓側の席に座るんだ。車窓からは、普段と違う角度から見える、おもしろい景色が楽しめるんだ。」


過橋米線

「なるほど。列車から見る景色は、橋の上から見る景色とはまったく違うのですね。」


少年

「この橋ができる前は、両岸を行き来する他の交通手段もあたけれど、橋がなかったから、大きく迂回する必要があったんだ。」




【選択肢】

・橋がもたらした影響はこれだけにとどまらない

・橋ができるまでは軽攻運河を使っていたらしい

選択肢

橋がもたらした影響はこれだけにとどまらない

過橋米線

「数々の詩や記録から、橋の開通が商取引、政治、一般庶民などにもたらした、大きな影響について知ることができる。」

「両岸をまたぐ橋ができたことで、庶民、商人、交通、詩画……まったく関係のないように見える多くの事物が、混ざり合い、きわめて大きな発展を遂げた。」



橋ができるまでは軽攻運河を使っていたらしい

過橋米線

「軽攻……?」

「若……〇〇、また変なことを言って……私の長鞭では、両岸をまたいで人を連れていくことはできませんよ。」

「今残っている記録によると、橋が架けられる前の通行手段は、船だったはず。」



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二人は少年に連れられて、大橋に関係する場所を、一通り見学した。時間は瞬く間に過ぎ、いつのまにやらすっかり夜になっていた。


少年

「時間がたつのがこんなに早いとは思わなかった。ここでは橋の模型が展示されてる。しかも、ただ橋の模型を提示するだけじゃなく、それぞれの建設に関わる料学的なストーリーも説明されているよ。」


過橋米線

「やはり見事な橋がたくさなりますね。この橋、私たちが今日見た橋でしょう?」

「それからこの橋。友人が私にくれた画像の中にこの橋がありました。たしか、つり橋と言って、岸の両端をつないでいる。」



【選択肢】

・よく覚えているね

・この前くれたあの木彫り?

選択肢

よく覚えているね

過橋米線

「画像を見ながら精一杯彫ったんです。橋の迫力をうまく表現できたのではと思っていましたが、こうして改めて自分の目で見てみると、まだまだだなと思えますね……。」


この前くれたあの木彫り?

過橋米線

「そうです。興味があったので、友人に頼んで橋に関する画像データを送ってもらいました。」

「画像だけで、十分私に憧れを抱かせるものでした。画像で見たとおりに木を彫って、同じような橋をつくってみたくなったのです。」



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少年

「こっちこっち。君たちにいいものを見せてあげよう。」


少年は大きな窓のそばに立ち、待っていたカメラを持ち上げ、すぐにシャッターを切った。視線のかなたには虹色にライトアップされた橋が暗い夜の幕を背景に、点滅しながら輝いていた。


過橋米線

「どんなところから見ても、それぞれ趣が違いますね。言葉を失う美しさだ……」


少年

「あはは、そうでしょう。僕も初めて見た時はずっと震えていたよ。おそらく最初は先生も、ただ丈夫で、安心して渡れる橋を作ることを望んだだけだと思う。それが、こんなに様々な所に影響を及ぼすなんて思っていなかったんじゃないかな。」


過橋米線

「影響か……」


少年

「実は、僕が各所を巡って勉強しているのも、将来、橋の建設工学を学ぶための準備でもあったんだ。僕は河川よりももっと広い海を克服して、大海原のこちら側と向こう側を結ぶ橋を作りたい。」



【選択肢】

・交通網にまた革命が起きるね

・幸運を祈ってるよ!

選択肢

交通網にまた革命が起きるね

少年

「そうかもしれない。ハハッ。でも僕の夢は、海洋を跨ぐ長大な橋が作り出す、見たことも無いような景色を、一目見ることだけなんだ。」


幸運を祈ってるよ!

少年

「うん、ありがとう。もし数年後、テレビで僕を見かけたら、拍手を送ってくれよ。」


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少年

「もう遅くなってしまたね。そろそろホテルに返らないと。写真をどうぞ。友達になった証ということで。今日はすごく楽しかったよ~」


少年から渡された写真はどれも、今日の道中、二人と彼が連れたって、真剣に橋の風景を見学している様子を撮影したものだった。


過橋米線

「君の夢が必ず叶うだろう!いつかまた、どこかで会いましょう!」


写真を受け取り、彼を握手して別れた。少年はバックパックの中を整理してから手を振って去っていった。



少年と別れた後、過橋米線の様子を窺うと、今日出発した時よりもかなり落ち着き、充実したような表情をしていた。今回の旅は、何かいい効果があったみたいだ。


もう遅い。そろそろ空桑に戻らなければ。


過橋米線

「若様、戻る前についてきてもらいたい場所があるのですが……少しだけ、故郷に戻りたいのです。」

「先生、夫人、そして村の人たちにも会いたいのです……」



【選択肢】

・もちろん構わないよ

・付き添いは別料金だよ

選択肢

もちろん構わないよ

過橋米線

「ありがとうございます、若様。」


付き添いは別料金だよ

過橋米線

「別料金?あまり持ちあわせはないのですが……」

「なんです、私をからかたんですか。若様は本当に意地悪ですね。」



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夕日が湖面に差し、湖の中心にたたずむ小屋が暖かなオレンジ色を帯びている。

本を読むあどけない声が、家の小さな窓から聞こえる。女性の優しい笑い声も聞こえた。


徐秀才

「学びて時に之を習う、亦有り遠方より来る、亦た楽しからずや?人知らずして愠みず、亦た君子ならずや?」


子どもたち

「学びて時に之を習う、亦た説ばしからずや~、朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや~、人知らずして愠みず、亦た君子ならずや~」


徐夫人

「さあさあさあ、米線がゆであがったわ。熱々よ。まずはご飯を食べて、それからまた勉強を続けましょうね。」


徐秀才

「ほら、みんなゆっくり。ゆっくり食べなさい。やけどしないように!」


子どもたち

「ありがとう、先生!ありがとう、夫人!」


過橋米線

「なるほど、故郷も大きく変わったのですね……」



【選択肢】

・挨拶に行かないの?

・すごくうれしそうだね

選択肢

挨拶に行かないの?

過橋米線

「今日は邪魔しないでおきましょう。」


すごくうれしそうだね

過橋米線

「先生と夫人がこうして幸せそうに過ごされているのを見て、思わず自分まで嬉しくなりました。」



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過橋米線

「私は普段、少し考えすぎてしまうところがあり、つまらないことで頭を悩ませていました。ですが今日、色々なことを見聞きして、多くのことを悟った。」

「先生の信念は学問に志し、たくさんの人の敬いと助けに変わりました。そして夫人の愛によって、今の私があるのです……」

「二人は当時、ご自身の信念がその後にどのような影響を及ぼすのか、お分かりではなかったでしょう。ですがお二人の思いは確かに、私たちに大きな、すばらしい影響を与えています。」

「若様……今はちょうど彩雲がきれいに見える頃合いです。私と一緒に、湖の中央にある橋を見に行きませんか?」


過橋米線はおずおずと、人差し指を絡めてきた。最初はそっとであったが、すぐに力がこもってきた。




【選択肢】

・いいよ

・君が望むなら

選択肢

いいよ

過橋米線は、声を出さなかった。濃い夕霞のせいだろうか、彼の頬は赤く染まっていた。


君が望むなら

過橋米線が不意にうつむき、地面をじっと見つめながら、人差し指を絡めたままゆっくりと前に進んだ。夕日によって、彼のうなじがわずかに赤みを帯びていた。


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過橋米線

「若様、あなたはこうやっていつも私を大切にしてくれます。なのに私は、その大きな恩に報いることができない……」

「この橋の上の夕日の景色は、ずっと私の人生に付き添ってくれた最高の宝物……私は今、それをあなたと分かち合っています……」


湖面のさざ波に、天の川の輝きが反射しています。この湖の底に無数の黄金が沈んでいるかのようだ。湖面に映る二人は夕焼けの暖かな光沢を帯びていた。この瞬間、あの郎君の透き通った瞳には、目の前の人の姿しか映っていなかった。


過橋米線

「あなたが好きになってくれるといいのですが……ずっと、あなたのおそばにいたい。」




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