過橋米線・手紙
半分風雅
主人公名:
以前、空桑に来た時は、あまり状況を理解する術はありませんでした。でも最近ようやく、今まで不明瞭だったことが分かってきました。有学の士を何人も訪ね、彼らと話し、たくさんの収穫を得ました。やはりここには博学の智者が多い。
私はこれまでに習得した心得と、料理店の経営術をすべて記録しました。帰ってから、旦那さんと夫人に見せれば、彼らの役に立つでしょう。
色々、ありがとうございました。今度こちらへ遊びにいらっしゃることがあれば、私が最高に豪華な過橋米線を作って、ごちそうします。
喬賢
同袍同沢
近ごろ新しい発見がありました。学識豊かな才子たちのほかにも、空桑には様々な領域で頭角をあらわした人がたくさんいます。例えば雪のように白い長髪のあの人。彼は自分の長い髪を、見たことのない長い角の上から垂らしています。あんなに珍しいデザインの髪飾りは初めて見ました。それで、もっとよく観察して、勉強しようとしたんです。
ところが、その人はなぜか私を何度か睨みつけました。その手には、たくさんの絹糸が握られていて……。私はまずいと思い、弁解しようとしましたが、変な話をすれば誤解が深まるだけだと思い、そのまま立ち去りました……。
私はどうすればよかったのか……私と一緒に彼のところに行って、この誤解を解いてくれませんか?
喬賢
以心伝心
主人公名:
先日は、ご協力ありがとうございました。すっかり誤解を解いていただきました。髪絲百葉は、私が彼の角を笑ったと思ったのではなく、私が蟲毒にやられることを心配してあの様な反応を……おわびに彼には手掘りのかんざしを贈りました。彼もたくさんの銀飾りをくれました。ふと思いついたのですが、私はこの銀の首飾りをモチーフにして、木彫りで橋形の首飾りを作り、新しくできた友人たちに贈ろうと思います。すばらしい装飾品になるでしょうから、みなさんに普段身につけてもらえれば嬉しいです。
そうだ。あなたは、人付き合いでは「複雑なことを簡単に」とアドバイスしてくれました。素直に本音を伝え、あまり考えすぎるのはよくないと。この助言は本当に効果がありました。最近、また新しい友達ができたんです。鶏茸金絲筍と腌篤鮮に教えてもらったのは、海の向こう側には、文化がまったく異なる国があり、そこには大きな橋がたくさんあるということ。彼らが私のために整理してくれた情報を見て、そんな異国に憧れを抱きました。それらの橋の上からは、はたしてどんな景色が見えるのでしょう。
<それと今、私たちは、腌篤鮮の提案で、橋をテーマにしたファッションショーを開催する準備をしています。あなたのための、特別なショーになっています。ぜひいらしてください。>
過橋米線
金蘭之契
主人公名:
橋をテーマとしたファッションショー、好評でしたね。皆さんも存分に楽しみ、私も新しい友達がたくさんできました。自分の考えをうまく伝えられなかった過去の自分と比べて、今の私はずいぶん成長しました。面倒なことでも積極的に、見返りを求めず、これまでずっと付き添い、サポートしてくれたあなたのおかげです……
「橋の四季」というタイトルの彫刻は、私が心を込めて1人で仕上げた作品です。四季の変化は1年の始めから終わりまで。季節によって橋から見える景色はまったく異なります。これは私が橋からの風景を愛する理由でもあります。
その橋に寄りかかる小さな人……誰かわかるでしょうか。それは、あなたのイメージを彫刻したものです……私の心の中の最も美しい風景をあなたと共有したいのです。
あなたの隣にもう一人置くつもりでしたが、悩んだ末に、その人の彫刻は外しました。複雑なことを簡単に。あまり考えすぎず、本音を伝えればいい――これはあなたが教えてくれたこと。この作品はもう十分に、私の思いを伝えてくれています……
四季がどのように変わろうとも、あなたはいつも私の目に映っていますよ。
過橋米線