楚夷花糕・誕生祝い
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餐庁の扉を開けると、楚先生が机の前に座り、珍しく碁を打っていた。
彼は僕たちが来る時を予知していたかのように、立ち上がってこちらへ歩いてきた――
楚夷花糕
「そそろく、誕生日おめでとう。」
彼は、美しい木箱を大切そうに僕に手渡してくれた。
僕はそれを慎重に開けた。
中には腕輪が一つ入っていた。白黒の碁石が一枚づつ固く編みこまれている。
【選択肢】
・これはあの時の――
・こんな貴重な贈り物を……
選択肢
これはあの時の――
楚夷花糕
「ああ、あのときの碁石だ。」
「黒と白の碁石は、我とあなたを示している。」
こんな貴重な贈り物を……
楚夷花糕
「それほど貴重なものではない。」
「あなたが我にくれた贈り物は、これより千倍も万倍も貴重なのだから。」
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楚夷花糕
「こちらへ来なさい。我が付けてあげよう。」
楚先生は僕の手を取り、この意義深い贈り物を僕の腕につけた。
ゆっくりと動く彼の指先から、体温が伝わってきた……
あの日の冷たい感触とは違って、今の彼の両手は温かかった。
石でできているはずの碁石ですら、温かく感じられるほどに。
楚夷花糕
「……」
「そそろく、これがあなたのために祝う初めての誕生日だ。」
「我は長い歳月を過ごしてきて、様々な感情が我の胸の中にもつれている
初めての頃、そういったものに浸食されてしまっていたが、
それによって生まれ変わりもしたのだ。」
「そのような変化に悩むことはない。
流れゆく水のように、過去となったことは、戻らないからな。」
「では……我が何に悩んでいるのかと言えば。
それはおそらく、あなたがどちらの『我』を好きなのかと言うことだな。」
「空桑で、あなたの傍にいて、我はかつてない安寧を感じている。
我は、この土地の安寧が永遠に続くことを願っているのだ。」
「そして、この安寧の中で、永遠にあなたの傍にいたい。」
【選択肢】
・私もずっとあなたの傍にいたい
・私はあなたの期待に応えたい
選択肢
私もずっとあなたの傍にいたい
楚夷花糕
「……」
「これもまた、長い歳月の流れに過ぎない。」
私はあなたの期待に応えたい
楚夷花糕
「……」
「空桑に来て以来、我は戦国の後の書物を読んだ。
今における我の心境を表すには、この言葉が最適かもしれない――」
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このとき、彼がまた僕に近づいたのでハッキリ見えた。
彼はそう言って、口角を曲げ、今まで見せたことのない笑顔を浮かべていた……
楚夷花糕
「『斯（か）の人微（な）かりせば、吾（われ）誰と与（とも）にか帰せん』」
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