【HoK Wiki】世界観解説ガイド:建木
【掲載日:2025年12月12日(金)】
「Honor of Kings@人物百科事典」のYouTubeチャンネルを開設いたしました。
こちらのチャンネルでは、本ゲームの公式アニメ "Is this HoK?(原題:是王者啊?)シーズン5" の日本語字幕付き動画を制作しています。
本Wikiと併せて、よろしくお願いいたします。
Honor of Kingsに登場する舞台「建木(けんぼく)」についての解説ガイドを載せています。

目次 (世界観解説ガイド:建木)
① 建木(けんぼく)の概要
![]() |
建木は、王者大陸内に存在する、古の神々の魂が宿るとされる地である。この地域は、太古の方舟文明が降り立った「方舟の上陸地点」を中心として発展し、現在では方舟遺跡と巨大な魔族が点在する混沌とした地域へと変貌した。
伝承によれば、ここはかつて神々の住まう地であった。太古の時代、神々はこの地に天から垂れる逆さまの都──「聖天坊(せいてんぼう)」を築き、その中心には空間奇跡装置「十方天枢(じっぽうてんすう)」が存在した。十方天枢は大陸全土を繋ぎ、森羅万象を創り出す奇跡の源であった。しかし、やがて「神隕(しんいん)戦争」が勃発し、女媧が消滅すると、奇跡の機構は停止し、天地の繋がりは断たれた。その後の「奇跡戦争」の最中、空間奇跡が暴走・爆発し、大量の「乱流」が天より降り注ぎ、あらゆるものを蝕んだ。神々はこれを食い止めるため、自らの命を賭して奇跡を封印し、残された者たちは地上に留まり、乱流と命を賭して戦った。こうして天地の接続は永久に失われたのである。
数百年を経た今、建木に暮らす「帰山(きざん)一族」は、血と肉とをもって乱流と抗い続けている。彼らは「乱流病」と呼ばれる病を抱えながらも、乱流を克服し、天空に再び帰る術を探している。堅牢な石製の防御塔を築き、空へと続く天梯(てんてい)を架け、幾多の失敗と犠牲を重ねながらも、彼らは決して希望を失わなかった。いつの日か空を征し、かつての家園へ還る──その信念こそが、彼らの魂を支える光となっている。
② 奇跡の力
十方天枢
![]() |
建木に存在する空間奇跡は「十方天枢」と呼ばれる。これは神々が創造した最初の奇跡であり、「奇跡の核」と「天梯」の二要素から構成される。超長距離の瞬間転送を可能とする装置であり、かつては王者大陸のどの地点にも瞬時に移動することができた。世界各地にはこれに連動する「穿界門(せんかいもん)」が設置され、それを通じて十方天枢へ帰還することも可能であった。神代の時代、十方天枢は物資輸送の中心として機能し、膨大な資源を世界中に送り届けることで新たな文明の再建を支えていた。
穿界門
![]() |
創世の初め、女媧は空間奇跡を建造し、世界各地に「穿界門」を設けて大陸全体を結びつけた。しかし神隕戦争の勃発によって空間奇跡は停止し、穿界門も廃棄された。奇跡戦争の後、奇跡の核が崩壊したことで穿界門にも異変が生じた。聖職者たちは乱流の漏出を防ぐため、命を賭して奇跡を封印した。その後も志を継ぐ者たちが門を守り続け、秘奥を守護している。玄都観(げんとかん)にある穿界門はその代表例であり、十万の「霊」が封じられた門は「両儀門(りょうぎもん)」とも呼ばれる。しかし、多くの門は今なお廃墟の中に埋もれ、誰にも知られていない。
奇跡の核
![]() |
奇跡の核とは、空間奇跡のエネルギー源であり、中枢制御装置である。完全な核は複数の穿界門を内包し、正常に作動していた頃は大陸各地へ安定的に転送を行っていた。だが、奇跡が爆発した際に核は粉砕され、大量の乱流が放出された。その結果、乱流海が形成される。楊戩をはじめとする多くの聖職者は、自らの命を代償にして乱流の流出を封じ、空島の形態を安定化させた。
十方陣
古の時代、聖職者たちが用いた封印法陣が「十方陣」と呼ばれる。この陣は複数の聖職者の協力によって発動され、対象を十方から完全に封じ込める強力な術式であった。だが、その代償は大きく、奇跡戦争の際には楊戩を筆頭とする神々が自身を犠牲にして天枢の核を封印したと伝えられる。それ以降、彼らは永き眠りについた。
機械箱
![]() |
空間奇跡によって物資を輸送するための装置であり、その内部は極めて精巧な構造を持つ。必要に応じて形状や内部空間を自在に変化させることができた。大災厄が起こる以前、この機械箱は「波流(はりゅう)」の技術によって世界各地へと絶え間なく物資を送り出していた。
静流と乱流
![]() |
十方天枢の転送能力は波流のエネルギーによって支えられている。波流が正常に変換された状態を「静流」と呼び、安定かつ温和なエネルギーである。これによって空間を繋ぐ通路が生成され、物体を安全に転送できた。しかし奇跡の核が爆発した後、波流は異常をきたし、暴虐で不安定な「乱流」と化した。乱流は触れたものを破壊・再構築し、地形や環境を無秩序に変化させた。これにより、建木の地は瞬時に姿を変える危険地帯となった。
静流の心
![]() |
かつて空空児の母は、彼の乱流病の症状を抑えるため、わずかな静流の結晶を彼の体内に埋め込んだ。だがその結晶には、穿界門を開閉する力も宿っており、やがて他者の狙いを引き寄せることとなる。
迷津(めいつ)空間
![]() |
乱流の密度が極端に高い場所では、「迷津」と呼ばれる異空間が形成される。一度吸い込まれれば脱出は極めて困難であり、空間内部に隠された弱点を見つけて出口を開かねばならない。
乱流獣
![]() |
乱流が凝集して生まれた獣形のエネルギー体──それが「乱流獣」である。乱流獣はあらゆる生命に無差別で攻撃を行い、さらに乱流の特性によって空間をランダムに移動し続ける。その脅威は地上にも及び、甚大な被害をもたらしている。
乱流病
乱流に曝露された者の体には、残留した乱流エネルギーが留まり、体組織を異化・変質させる。この症状を「乱流病」と呼ぶ。患うと幻覚や組織変化を伴い、放置すれば乱流に呑み込まれて乱流獣の一部となる危険もある。帰山一族の多くがこの病を抱えながら生きている。
天梯
十方天枢を支えていた柱構造であり、奇跡の核の基盤であった。爆発後に乱流によって破壊・再構築され、現在では乱流海に点在する浮島群となっている。帰山一族はこの断片を辿り、新たな天梯を築き直そうとしている。
③ 区域分布
❶ 聖天坊
※公式ホームページに記載があるものの、詳細な内容については触れられていない。
❷ 乱流海
![]() |
十方天枢の崩壊によって放出された膨大な乱流が周囲の環境を破壊・再構築し、空間が断片化された結果、無数の浮遊島が漂う混沌の海が生まれた──これが「乱流海」と呼ばれる領域である。乱流海は形を絶えず変化させる流動体であり、その内部では常に新たな地形が生まれ、消えていく。地理的安定性が存在せず、未知の危険に満ちている。
空間界域
![]() |
乱流によって切断・隔離された空間は「空間界域」と呼ばれる独立領域となる。肉眼では見えないが、自然物──特に、雲や風流──はその障壁を越えることができず、一方に滞留して「天空の縫い目」のような幻想的な景観を形成する。建木上空ではこの現象が頻繁に観測され、天と地の間に歪んだ層のような構造が幾重にも重なっている。
空間法則の改変
![]() |
乱流は空間そのものの規則を撹乱するため、建木の空間構造は常識の及ぶ範囲を超えている。乱流に飲み込まれた物体は瞬時に再構築され、形状が歪み、別の場所と接合される。異なる物質が奇妙に融合したり、乱流の渦が触れたものを遠くの別の渦へ転送したりする現象も多発する。巨大な建築物が空中で反転・回転を繰り返すことすらあり、これらは乱流海では日常の光景と化している。
❸ 空島
![]() |
奇跡戦争の後、十方天枢の核の爆発により空間が裂け、天梯は分断されて多数の浮遊群島へと変化した。楊戩ら聖職者によって乱流は封印されたが、既に形成された乱流の一部は空島群に残留し、空と地の狭間で共存している。空島には旧文明の断片や封印された遺構が点在しており、建木の過去を紐解く鍵が眠っている。
❹ 天駐原(てんちゅうげん)
![]() |
ある日、天空から不周坊(ふしゅうぼう)が墜落した。帰山一族はこれを「かつて天がその地に降臨した証」と捉え、そこを「天駐原」と名付けた。その後、地上で頻発する乱流災害を鎮めるため、彼らは地上から空へ届く新たな天梯を築き始めた。この壮大な事業には多くの帰山一族が参加し、不周坊周辺は次第に活気に満ちた集落へと発展していった。
神訓崖(しんくんがい)
![]() |
神訓崖とは、帰山一族が神を祀り、その教えを刻んだ巨大な石像群である。奇跡戦争による大災厄で断片化し、多くが山腹に散逸した。帰山の民は天空を目指す旅の途中でこれらの断片を集め、到達可能な最も高い安全地帯にて少しずつ組み上げ、かつての神像を復元しようと努めている。
不周坊
![]() |
天空から落下した空島の遺跡。その壁画には、伝説の秘史が刻まれているとされる。帰山一族は建木を救う希望がこの遺跡に宿ると信じ、ここを拠点に改修して「不周坊」と名付けた。彼らはそこから天へと届く壮麗な天梯を築き、地上と天空を繋ぐ象徴とした。不周坊は彼らの信仰の中心であり、不屈の象徴でもある。
破暁聖山(はぎょうせいざん)
![]() |
建木の最高峰にそびえる巨山で、伝説によれば盤古の肉体が変じたものと伝えられる。山体は剛鋼のように堅く、岩肌の筋は枯れた筋肉のように隆起している。山頂の形状はまるで神の面貌のように堂々としており、慈悲と威厳を併せ持つ。その昔、奇跡戦争の爆発災害の際には、地上の民がこの山に避難し、山から発せられる特殊なエネルギー場によって乱流の侵蝕から守られたと伝えられる。帰山一族はそれを盤古の加護と信じ、破暁聖山を永遠に敬い、決して汚すことはなかった。
崖壁洞天(がいへきどうてん)
空間の爆裂によって建木の地形は大きく変貌した。山脈の多くが削ぎ落ち、垂直に切り立った断崖が無数に形成された。その内部には、異なる地域から転送されてきた河川・森林・獣墓などの資源が封じられており、山中に点在するこれらの異空間を「洞天」と呼ぶ。貴重な資材が多く眠るが、空間界域に阻まれて採取は極めて困難である。
④ 勢力分布
❶ 聖職者
空間奇跡を守護する聖職者
彼らはもともと空間奇跡を管理・護持する存在であり、神代において女媧に従い創世に携わった。神隕戦争の後、天地の繋がりは断たれ、天上に残された聖職者たちは楊戩の指揮のもと、空間奇跡を守護し続けた。奇跡戦争の折、乱流の暴走を止めるために彼らは自らの命を犠牲にして封印を行い、奇跡の安定化を成し遂げた。天上の聖職者たちはそのまま深い眠りに就き、地上に残された者たちは帰還の道を探るため研究を続けている。ある者は穿界門の修復を試み、ある者は帰山一族と共に乱流と戦い続けている。
❷ 帰山一族
帰山一族は盤古の加護を受けた者たちの子孫である。奇跡戦争の際、盤古の身が変じた破暁聖山が乱流の猛威から彼らを庇護し、それによって命を繋いだ。乱流獣の襲撃や乱流病の脅威に晒されながらも、彼らは屈することなく、天空を目指す信念を胸に生きてきた。彼らにとって「登天」とは、祖先への誓いであり、真実を求める旅でもある。
帰山一族の服飾
建木は高原地帯にあり、気候は冷涼かつ乾燥している。強い日差しと激しい寒暖差、そして暴風を防ぐため、彼らの衣服は厚手で防風性に優れ、頭部を覆うフードを備えるのが特徴である。生活の多くを山登りと断崖での作業に費やすため、身体には登攀用具や安全帯などが常に装備されている。ほとんど垂直に近い崖を開拓するため、滑落防止具やロープ類も生活必需品となっている。
帰山一族の住居
![]() |
建木の大地は痩せており、石こそが最も豊富な資源である。帰山の民は岩を削り、石を積み重ねて住居を建てる。規模は小さいが、耐風性と保温性に優れ、堅牢を極める。室内の家具は実用性を重視し、岩を削ったものが多い。そこに木材や獣皮、編み布を組み合わせて温かみを添えている。角を丸めた造形は、荒涼の中にも柔和な美を宿す。
破暁の日
帰山一族の勇士たちは、乱流海を文明の境界外に封じ込める努力を続けている。しかし乱流は依然として侵食を止めず、乱流獣の脅威も絶えない。毎年、冬の到来とともに彼らは破暁聖山に登り、乱流獣を狩る「冬狩(とうしゅ)」を行う。これは盤古の恩寵に感謝し、先祖を祀る祭事である。この日、狩った獲物はすべて祭壇に捧げられ、建木の地で命を繋いだ英雄たちを讃える歌が響き渡る。
開山(かいざん)
限られた資源を得るため、帰山一族は古くから「開山」と呼ばれる採掘活動を行ってきた。崖を削って石材を得、山岳植物を採取し、運が良ければ岩羊や山鼠を狩ることもある。破暁聖山の恵みを尊び、採掘の前には必ず祈りを捧げる。彼らにとって山は資源ではなく、命を授ける母である。
天梯の再建設
乱流病を克服し、再び天へ至るために、帰山一族は新たな天梯を築くことを決意した。不周坊を拠点とし、首領の指揮のもと、彼らは力を合わせて空へと続く道を造り続けている。その光景は希望の象徴であり、彼らの不屈の心そのものである。
異鳥対策
「異鳥」とは、遺跡の断片に棲む猛禽であり、強い攻撃性をもつ。帰山一族の村落では屋上や高台に弩砲を設置し、この鳥の襲撃を防いでいる。空島を探索する者たちは、硬牛皮で作られた偽装幕を携行し、危険を察知するとそれを広げて身を隠す。彼らにとって異鳥は自然の脅威であり、同時に空の象徴でもある。
⑤ 資源とエネルギー
自然資源
植生分布
![]() |
建木は高原かつ岩地であり、通常の植物はほとんど根付かない。その中で特異な形状をした「雲松(うんしょう)」だけが生息している。根は地中深くに伸び、地表を貫いて幹を高く掲げる。その姿はまるで今にも走り出しそうな生命の象徴である。だが空間災害の影響で一部の地域では成長方向が乱れ、枝や蔓が横方向に伸びる奇妙な光景が見られる。
小型生物
![]() |
乱流の影響に適応した小動物も多い。波流の凝縮によって生まれた「空仔(くうさい)」は、人に友好的で、聖職者の良き助手である。また、空間の歪みを察知して壁や地中に避難孔を掘る地鼠や、短距離の空間転移能力をもつ大耳の蝙蝠なども存在する。これらは乱流下でも生き延びる稀有な生物である。
中・大型生物
![]() |
建木を象徴する中大型生物は「異鳥」と「巨尾青(きょびせい)」である。異鳥は強靭な飛行猛禽で、地表や空域に棲息し、乱流地帯には近づけない。勘探者たちは常にその襲撃に警戒している。巨尾青は乱流海の水域に棲む大型魚で、身体よりも大きな尾を持つ。成体には天敵がなく、驚異的な速度で泳ぐことができるため、空島では貴重な食料資源とされる。
異鳥の渡り
![]() |
乱流が活性化すると、空島に棲む異鳥たちは災厄を避けて地上へと大規模な渡りを行う。その群れは地上の人々にとって脅威であり、彼らは高塔を築いて天空からの襲撃を見張るようになった。こうして建木の民は、天と地の間で常に生存をかけた戦いを続けている。




























