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【白猫】帝国戦旗Ⅱchapter3 決戦編 Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

2018/03/16 ~ 04/09



帝国戦旗Ⅱ

帝国戦旗2 Story01 序章・帝国

帝国戦旗2 Story02 序章・連邦


帝国戦旗2 Story1 帝国編

帝国戦旗2 Story2

帝国戦旗2 Story3 連邦編

帝国戦旗2 Story4

帝国戦旗2 Story5 決戦


帝国戦旗2 Story6 アフターストーリー


後日談

エリスサイファー アイシャジュダ


目次


帝国戦旗Ⅱchapter3 決戦編 Story


Story12 溢れだす衝動

Story13 帰ろう、あの場所へ

Story14 眠れ、安らかに

Story15 埋葬

Story16 誰がための棺

Story17 ショータイム

最終話 V.O.X

エピローグ 幕間の終わり


登場人物





務めを果たせ

(クリア条件:友の元へ向かえ)



story1



講事堂前――


ほう……

<呪われた兵士たちは……一時は倒れたものの……

再び起き上がる――ジュダが与えた損傷は、数瞬で回復していた。>

きりが無いか……

<兵士たちは、体勢を立て直す。>

どけ、俺はあそこに用がある。

<――弔い手の視線の先には、講事堂がある――>

”えっ……”

――炎の花――

……………………ふふ。

”――アイシャさん、無事だったんですか!?

フン。

”アイシャさん、どうして……!”

みんな燃えた……燃えてしまったよ……!

アイシャ……

だから――お前も――燃えろ!!

<狼は手負い――

燃える花は狂気――

されど二人の死闘に……>

gジャッ!

……邪魔だ。

<水を差すことは許されない――>

舐めるな!

”どうしてアイシャさんが――”

あそこにいた子供たちと同じだ。歪められた――

いい気分だ……いい気分だよ!

この私は……世界を拒絶する!

今この瞬間も――お前が何を考えているか、わからない――

”――逃げてください、ジュダさん!アイシャさんは今――”

<正気ではない――そして――アイシャは――>

”ジュダさんの弱点を――知っています――!!”

<我儘の衝動をアイシャの力で強制的に抑えられたジュダ……

アイシャが<拒絶>の概念をわずかに緩めるだけで――

ジュダの体は衝動の発動で、弾ける――!>

どうしてこうなることに――賭けることができた?

ジュダは――

<両手を広げた。まるでアイシャを――>

解放してやろう。君の我儘を――!

<抱きとめるように――>


”ジュダさん、アイシャさん……そんなっ……!

<アイシャの手刀は――ジュダの胸を――

貫いて――は、いない――寸前で止まっていた。>

……なんだ……これは……脳が燃える……!

そうか、これは……君の<我儘>。思い出したよ。私はこれを……読んでいたわけだ。

……ガァアア!!

<衝動は……溢れない……?>

我儘とは――己の想いに忠実であろうとすること。

だったら、いかなる洗脳も――我儘の前では無力!

ガァルルルルゥ!!

<凄まじい我儘の放出に――概念兵は、弾け飛んだ!>

見ているか、レヴナント。知りたいという我欲のまま、世界を蝕む貴様らに――

この力が理解できるかい?まあ、できないだろうね。

……どこまでが、お前の筋書きだ?

今回は想定外ばかりさ。特に意外だったのは君だよ、ジュダ……

あそこまで完璧に私の意図を読み切るなんてね……

何の話だ。

あえて私の一撃を――受け止めようとしただろう?

あそこで拒絶の解除という意図に気づいたわけだ。

首筋を噛み砕こうとしただけだが……

ああ、そうか……だから手を広げて――

おい、君は私と戦って、何とも思わなかったのか!?

お前は厄介だ――敵にしても味方にしても――

取り扱いには注意したまえ。さて、ようやく一点返したが、逆転にはまだ遠い。

――そうだな。早く俺の我儘を封じろ。

何をいってるんだ。もうそんな必要はない。

必要はない……?

君の意志と、君の我儘は今や完全に一致している。荒療治だったがね……

あれは、そのための鎖だと――

今の君は――帝国の棺だ。

――ガァルルルゥ――

<ジュダは、静かに微笑む。>

――影よ。棺を運べ――

<ジュダの影が轟き一つの棺を吐き出した――>

いい棺じゃないか……憎い相手にこそ敬意を払う。帝国の流儀は恐ろしい。

叩きこんでやるぞ――この中にな――



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story13 帰ろう、あの場所へ



議事堂内・議場――


……ああもう。やんなっちゃうわねえ。

<議事堂は――もぬけの殻であった。>

アイシャは何をやっているの?

zキレイなネーチャンなら、ワンワンと遊んでるぜ。

……せっかく、逃がしてあげたのに。

殺そうとしたクセによく言うぜ。

あたしはね、あんた達のことが本当に好きだったのよ。

でも、言うこと聞いてくれないんじゃ、捨てるしかないじゃない。

ねえ、ごめんなさいしようよ、サイファー。今なら許してくれるよ。

バアさんよ。あんたは何の為に国を建てる?

……お飾りは、もう飽き飽きなの。

聖王家は白の民の直系なのよ。なのに、世界への影響力はこれっぽっちもありゃしない。おかしいじゃないのよ。

……連邦の舵は聖王家が取るべきだと?

いずれは<帝国>もね。あたしの国は、世界を正しい形に戻す為の、聖なる統一国家なの。

狂信者め。

カテリーナ・アルビオン。あんたを拘束し、連邦議会に引き渡す。

エリス。二人を抹殺しなさい。

…………!

……エリス?

<サイファーが取り出したものに、エリスの目は釘付けになる。>

……キャリーポップ。任務が終わったら、って約束だったんだけどな。

思い出したよ。あの頃も、お前にこれをあげてたこと。

エリス、惑わされちゃダメよ。

うまそうになめてたよな。俺はそれがうれしくて、ことあるごとにプレゼントしてた。

……戻ってこいよ、お茶くみ。三人で、やり直そうぜ。全部、最初から。

g――待機中――

概念兵。サイファーとアッシュを殺して。今すぐ実行するの!

あたしは――



俺たちのことは、アニキと思え。いつでも頼るんだぞ。

あたしも、ふたりの役にたちたいよ。

俺たちがこまっていたら、助けてくれればいい。

うん、わかった。……じゃあ、ふたりが困るまでは、おちゃでもくもうかな?

そんなジョートーなモン、ここにはないぜ?

そっかあ……

でも、いつかは、くんであげたいな。


帰ってこい!エリス――!

うぅぅぅぅぅ……!

<心を縛る枷が緩み出す。エリスは、自身の力が全身に駆けめぐるのを感じた。>

(……感じる。前よりも、ずっと、あなたの力を。――あなたの意志を!

……子どもたち、苦しんでる。解放してあげなきゃ。あたし達にしか、できないこと――)


gVOXナンバー04及び09を捕捉。

――あたしは――

g……抹殺する。

――あたし自身を――!<支配>する――!

サイファー!

ダメ。二人は、あたしの大事な人よ。

g作戦中断。――待機中――

……あたしの呪縛を、<支配>したっていうの……?

サイファー。こんなあたしだけど……これからも、一緒にいていいかな。

いてくれなきゃ困る。

エリス……エリスッ……!あんたまで、あたしを裏切るの!?

あたしは、あなたの人形じゃない……!

エリス。俺達のダチを、自由にしてやらなくちゃならねえ。わかるな?

うん。……終わらせよう。

g――待機、チュウ――

エリスの<支配>は断たれた。……今なら、あいつらを……!

……概念兵。作戦内容を変更。あたし以外の人間を、皆殺しにしなさい!

g命令ジュダク。カテリーナ大コウ以外ノ人間ヲ抹殺。


……お前ら。

助けてやれなくて、すまなかった。

g――対象者ホソク。抹殺スル――




Requiem

(クリア条件:子どもたちの埋葬)


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story14 眠れ、安らかに



かつての友に――サイファー達は、永遠の眠りを贈った。

決して苦しまず、偽りの夢に溺れる事もない、安らかな眠りを――


……じゃあな、ダチ公。

さようなら――

g…………


……おい、バアさん。

…………

はあ。こうなったら、仕方がないわね。やんなっちゃうわ。

おば様。……あなたを、拘束します。

……ウフフ。

何がおかしい。

議長は私の飼い犬だと言ったら、どうする?

……あん?

私はねえ、サイファー。首を落とされもしなければ、牢獄にも入らないわよ。

そりゃあ少しは美味しくないご飯を食べることにはなるけど、すぐにまた、戻って来るわ。

……あなたって人は……!

覚悟しておきなさい。反逆者はあたしじゃない。あんた達よ。

マム――!

あんた達の首が落ちるのを、あたしは楽しみ――

…………?

<自身の体から突き出た拳を、カテリーナは不思議そうに見つめた。>

g……マ……マ……マ……

抹殺。抹殺。抹殺。抹殺。抹殺。

敵対者を、マママ抹殺。

ど、どうして……!しっかりして、おば様!

……ああ、そう。いいわ。でもどうせなら、あんた達に殺されたかったわ……ね……

g……………………サヨ、ナラ。


……んだよ、これは。

…………

……なんなんだよ……!


それからほどなくして、三人は事件の当事者として拘束された。

議会で証言をして独房へ戻る日々。しかしそれも長くは続かなかった。ある日突然、解放されたのだ。

連邦議会は、不自然なほどの早さで、今回の事態を収束させた。

大小様々な国が集う場において。どのような思惑が渦巻いたのかは定かではない。

ただ――


「一切の責任は全て、私が……」

その言葉のとおりになったのは、確かだ。



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story15 埋葬



帝国には、伝説があった。

皇帝のためだけに動き――帝国の敵を葬る存在。

十三番目の軍団――

無論、現実には疑わしい。そのような存在がいるのなら、なぜ皇帝はお飾りに甘んじるのか。

しかしながら――あえてその存在を確かめようとするものはいなかった――

何かがいるのだ――玉座の後ろには、この世のものではない何かが――



議事堂内・議場――


そこに現れた男は……古城で息絶えたはずであった。

男は、胸に穿たれた傷跡に、異様な輝きを放つルーンを埋め込んでいる――

……お見事、カテリーナ大公。あなたの愛もまた素晴らしい。

されど、保身の銃弾では……この私は殺せぬようです……


v七海戦争のすぐ後……帝国の秘密諜報部で、一人の男が頭角を現した。

男は、連邦との情報戦を指揮し、多くの功績を上げた――

闇から闇へ、帝国の敵を葬る……その姿はさながら、伝説の十三軍団そのもの――

彼はある男を追っていた。帝国内にいる、連邦の諜報員をね。

彼は捜査の過程で……子供を含む多くの人間に、死者も出る、過酷な尋問を……

v――事件は解決した。ただし解決したのは――彼ではない――


<弔い手は、ゆっくりと――獲物に近づいていく――

すり減った爪。血の滴る牙……手負いである。

されど歩みは止まらず。されど猛りは止まらず――>

ガルルルルルゥ……

いらっしゃいましたか……

あなたは……私が尻尾をつかめなかった男を、いともたやすく牙にかけた。

私の目の前で……!

<埋葬者は、胸で輝く我欲のルーンの輝きを、背後に近づく影に向けた。>

……あの時か……

<埋葬者はルーンを弔い手につきつける――

ルーンは激しく輝くが、弔い手は身じろぎーつしない。>

今の俺は、思うがままに我儘だ――

それでこそ伝説……十三番目の軍団の長に、ふさわしい……

第十三軍団は、お前たちのために存在している……帝国の敵のためにな――

私は理解したのです。私の愛ではまだ足りない――

あなたこそ、国家への愛の体現者であると……!

愛……?お前は妄執を、そんな言葉で表現するのか?

私の目指すべき道は決まった。超越者であるあなた以上に、我が国を愛さねばならぬと。

愛した結果が、不愉快な陰謀か。

全ては、帝国がより完璧な国になるための布石です……

完璧な国だと?

帝国と連邦は、一つになる。

そんなことをいった男がいたな。

帝国は世界となるべきなのです。連邦との併合により、世界は一つになる――!

お前の想う国には、お前以外誰もいない――

<影のなかより、棺が現れる。棺の中より、幾本もの腕が伸び、埋葬者の体を捕らえた――!

埋葬者の体を呑み込み、棺の蓋は閉まる――>

……ほう。

<しかし、棺は――

突如、震え始める――>

……我欲のルーンは……欲望を力と変える……

<棺の蓋が……開いた……!>

伺っておきましょう……あなたの墓には……何と刻めば……

ほざけ……!


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story16 誰がための棺



<瘴気の中より……埋葬者が現れる……>

この程度ですか……

私は葬る側だ……まだ葬られるわけには参りません……

お前は、殺しただけだ。

何が違うのです?ああ……答えなくても、大丈夫ですよ。

おっしゃる通り、私は――殺すだけです。

<再び埋葬者は……おそましい姿に変わっていく……>


…………

……


議事堂、上空――

飛行艇の艦内には、ルーンエ学を駆使した最新鋭の機器が揃っていた。


z――概念兵どもめ。制御が乱れているぞ……

zこれだから子供は嫌いなんだ……!

z――おい、なんだこれは。

z……概念兵どもが……機能停止状態……!?

彼らに関するデータは、預からせてもらうよ。

<アイシャの手には、琥珀色に輝くルーンがあった……>

zそ、それは<記録のルーン>!?

zお前は……!?おい、洗脳はどうした……

z……01が、支配の概念を解いて……

君たちは理解することが得意だ。答えを出すことが得意だ。賢いからね……

子供たちを切り刻んで、君たちはどんな答えを得た?

zがはっ……

zい、息が……!

君たちの呼吸を拒絶した――

zスラムにいる餓鬼どもは……何の価値もないクズだ……

我々は奴らに存在意義を、与えてやったんだ……!

それが傲慢というのだよ……!

その目に焼き付けろ――我が旗の銘は<業火>――!!


…………

……


<いつしか、魔物の姿は……埋葬者のそれに戻っていった。>

――感じますよ。あなたの愛!公に尽くす喜び!

しかし……私の愛は、あなたのそれを上回る!

汚らわしい……!

さあ、もっとあなたの愛を、この私に見せてください……!

帝国のために、多くのものが命を賭けた――

戦場に立ったものは、誰であれ英雄にふさわしい。

墓標は増え続ける……なんと素晴らしい……

俺が棺を送るのは――帝国に墓を増やす愚か者だ。

ぐはっ……

<弔い手は……埋葬者の胸を、拳で貫いた――>

素晴らしい……帝国への愛が、この私を貫いた……はははは……!

この私も……あの墓標の列に加わるのだ……!

死んだ者は、どこに行くと思う。

何を――

棺は送った。お前の魂を弔おう。

<棺は……音もなく蓋を開く。埋葬者の背後で――>

(これで終わり……私は死ぬのか……?

どうしてだ……もう少しで、成せたはずだ……完璧な帝国を……)

ひっ……!?

<倒れた埋葬者は……棺の中に、倒れ込み……>

私は――どこに行くのだ!?私は!?

<棺の蓋は――閉まった。>



ふむ……どうやら他も、片付いたようだな……

さて、後はどうやって着地を決めるかだが……

アイシャ!?

受け止めてくれ!

<ジュダは、アイシャを受け止めた……>

ちょっと、風になってきた。

どうしてこう、お前は派手なんだ!

鮮やかになってしまうのさ。どうしてもね……

む……

<ジュダは、空を見上げた――>

――魂が、還っていく――

あの子たちは……今、なんと言ってる……?

お前に感謝をしている。

私に……そんな資格はない……

見送ってやれ。

――安らかに――眠れ――



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story17 ショータイム



<VOXのアジトに、三人は久しぶりに帰ってきた。>

…………

<主人も従者もいなくなったカテリーナの屋敷は、ひどく静まり返っている。

……ねえ。あたしたち、これからどうなるの?

議会では、VOXの今後について、意見が二分している。

解散か存続か。存続するにしても、議長直属って条件付きだがな。

直属?どうして?

VOXは聖王家の組織だろ。無論、リーダーである<00>はアルビオンの人間でなけりゃいけねえ。

今、リーダーになれる人は……あ!

マムの弟、ユリウス・アルビオン。革新派の旗頭だ。

今回の事件に関わっていなかったとはいえ、コイツも相当なクズだ。そんなのが00になったらどうなると思う?

…………

ヤツはすでに、議会の<説得>に取り掛かっている。

それに、バアさんの言葉を信じるなら、議長だって信用できねえ。

じゃあ……どうするの?

言ったろ?最初からやり直すんだよ。

<サイファーは、機械化された左腕の一部を外した。>

宝石箱の中身を見てみるか?

<古ぼけたパーツが露わになる。そこにハメ込まれていたのは――>

それって……

<聖王の指輪>。アルビオン一族の証だ。

えっ……ど、どうして……!?

親とも呼べねえクズどもの、ほんの少しの気まぐれが、役に立つ時が来たってわけだ。

俺はユリウスを潰す準備を始める。

え?え???

ショータイムだ。見逃すなよ?




<緊急集会は、またしても――混迷を極めた。>


w死んだ末の弟の……か……隠し子、だと……?

<演壇に立つのは、一人の男。アルビオンの血を引く、<貧民街のヒーロー>。>

俺は『秘蔵っ子』でな。

w話にならん……!妾が産んだ子に、相続の権利などあるか!

じゃあどうする?革新派を率いるユリウスに当主とVOXを任せるか?

wそ、それは……

ヤツには武器の密輸、人身売買、内乱幇助及び建設談合への関与の疑いがある。

証拠、あんたらの元に届いてるだろ?

wしかし……!

カテリーナに子供はいねえ。ユリウスのドラ息子は2年前に国外逃亡ときた。

俺しかいねえんだよ、俺しか。

wなれば、VOXは連邦議会に預けられるべきだ!

いいや、組織は解散だ!彼らは危険すぎる!

いい加減、ハラくくったらどうなんだ。

wなんだと……!?

クズどもばっかの一族から、正義の味方が現れたんだ……

黙って認めろ、タヌキども!

wな……な……!

聖王家の面倒事は全て俺が引き受けてやるって言ってんだ。文句なんかねーだろうが。

ただし。俺達は、誰の指図も受けねえ。好きにやらせてもらうからな。

よく覚えとけ。これからは、俺が聖王家だ!




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最終話 V.O.X



煽り過ぎだ、馬鹿が。

結果通ったんだからいいだろが。それに、ちゃんと計算はしてたぜ。

……後は、他のメンバーの説得だな。

言うな。考えるだけで頭が痛くなんだからよ。

お待たせしましたー。……どう?

よく似合ってるじゃねえか、お茶くみ。

えへへ。制服、はじめて着たよ。

……大丈夫か?エリス。

…………

正直、まだ、つらいよ。あたしは……たくさん、ひどいことをしちゃったから。

操られていたとはいえ、それは変わらない事実でしょ。

……ああ。

なんであたしなんだろうって思った。こんな力なんか要らない。すぐに消えちゃえばいいのにって。

でもね。それは叶わないの。だからつらいけど、あたしは、これまでの全てを抱えて、生きていくことに決めた。

サイファー。アッシュ。あたしを連れ戻してくれて、ありがとう。

困った時はお互い様だ。

……もし、だ。もし、俺達が道を誤るような事があれば……

その時はエリス。お前が、俺達を連れ戻せ。

うん、きっとね。……でも、結構大変だと思うから、なるべく誤らないでほしいな。

……フ。

あ!アッシュが笑った!

さて……これから忙しくなるぜ?


…………

……


とある島のとある場所で――


スタンバイ。

01、状況を報告。

”やばいかも。護衛が戻ってきちゃった。うーん、情報とちがうよ!”

おいおい。

00、プランBだ。

ったく、特殊部隊じゃねえんだからよ。おい01、護衛を引きつけとけ。

長くはムリだよ?

だそうだ。2分でやれ。

冗談キツいぜ!


zな、なんだ!?

おいオッサン。ちょっくら俺に付き合えや。

z貴様……何者だ!

正義の味方。






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エピローグ 幕間の終わり



見て見てサイファー、フルーツピザだって!

チョイスがおこちゃまだな。

高カロリーだ。やめておけ。

ところで……待ち合わせの場所って、ここでよかったの?

あいつら、一体何を考えてやがるんだか……

待たせたな、諸君。

アイシャさん……

ワンワンもいっしょか。

棺が欲しいのか?

帝国の犬にプレゼントだ。ほれ。

<サイファーは、何かの獣の骨をジュダに放った……>

ふむ。いい骨だ。

エッ!?

はむ、はむ、はむ……

恐れ入ったぜ……

ビジネスだ。

いいだろう。

<アイシャは、琥珀色に輝く<記憶のルーン>を、テーブルの前に置いた……>

概念兵に関する全てのデータだ。あの件に関わった人間や組織の情報もある。

それで――君たちはこいつに釣り合うだけのものを持っているのかな?

ブラックレター作戦――

……ふむ。

本当の、裏切り者のリスト。これでどうだ。

<アッシュは、リストの束をテーブルに置いた……>

十分だ。取引成立だな――

レヴナント――この件の裏にいたのは、奴らなんだな。

その通りさ。君たちは優秀だよ。

何が狙いだ?

奴らの目的は知識……より多くを理解するために、奴らは禁忌に手を出した。

命すらも……弄んだ……

あたしやアイシャさんを……

――おしゃべりが過ぎたな。私はそろそろ……


wご注文うかがいます~。

フルーツピザ!あと……パフェとパンケーキも!

私はそろそろ……

骨だ……

w骨!?

骨を持ってこい……!

まずはポテトフライだな……

オクトパス&ワサビ……

何で打ち上げをする空気になっているんだ!


…………

……


くそ……塩分に……脂質が……

相変わらず小食だな。

私に食事は必要ない……何度言えばわかるんだ!

ジェリービーンズがあれば十分だというのに。全く……

あんなものに栄養があるのか。

あるとも、味わってみるか?……おや?

ああ、そうか……ジェリービーンズは、あの子たちに……

――アイシャ。

<ジュダは、ジェリービーンズの瓶をアイシャに渡した……>

これは……

黙って受け取れ。

……なんということだ。この展開はさすがに想定外だったぞ……

不意打ちは、狩りの基本だ。

では早速――占ってみるか。我らの未来やいかに――

<アイシャは、瓶を振った……!>

これは――

ホットドッグ味だ……


…………

……



イーグル、アウル、スパローは、<巣箱>を掌握。

ウルフとラビットは、<手紙>を手に入れました……

……アウルとラビットには、引き続きハンターの手配を。

――イーグル、スパロー、及びウルフに対してはシナリオの見直しが必要です。


……ふぅ。

<ニナは、伝声のルーンをしまった……>

大変だなあ……本当……でも、負けないんだから!

……お姉ちゃん、がんばるからね!


…………

……



「結局彼は、己の墓穴を掘ったというわけだ……

なんともふさわしい末路だね。実際……」

「…………!」

「結局、俺が自ら舞台にあがるしかないらしい……

いいだろう。つまらぬ台本通り台詞を語り……

迫真の演技をして見せよう。

いざ立てよ、我が役者たち……今こそ幕を下ろす時!」




帝国戦旗Ⅱ-END-







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