【白猫】帝国戦旗Ⅱchapter3 決戦編 Story
2018/03/16 ~ 04/09
帝国戦旗2 Story01 序章・帝国
帝国戦旗2 Story02 序章・連邦
帝国戦旗2 Story1 帝国編
帝国戦旗2 Story3 連邦編
帝国戦旗2 Story5 決戦
帝国戦旗2 Story6 アフターストーリー
後日談
目次
帝国戦旗Ⅱchapter3 決戦編 Story
登場人物
(クリア条件:友の元へ向かえ)
story1
講事堂前――
ほう……
<呪われた兵士たちは……一時は倒れたものの……
再び起き上がる――ジュダが与えた損傷は、数瞬で回復していた。>
きりが無いか……
<兵士たちは、体勢を立て直す。>
どけ、俺はあそこに用がある。
<――弔い手の視線の先には、講事堂がある――>
”えっ……”
――炎の花――
……………………ふふ。
”――アイシャさん、無事だったんですか!?
フン。
”アイシャさん、どうして……!”
みんな燃えた……燃えてしまったよ……!
アイシャ……
だから――お前も――燃えろ!!
<狼は手負い――
燃える花は狂気――
されど二人の死闘に……>
gジャッ!
……邪魔だ。
<水を差すことは許されない――>
舐めるな!
”どうしてアイシャさんが――”
あそこにいた子供たちと同じだ。歪められた――
いい気分だ……いい気分だよ!
この私は……世界を拒絶する!
今この瞬間も――お前が何を考えているか、わからない――
”――逃げてください、ジュダさん!アイシャさんは今――”
<正気ではない――そして――アイシャは――>
”ジュダさんの弱点を――知っています――!!”
<我儘の衝動をアイシャの力で強制的に抑えられたジュダ……
アイシャが<拒絶>の概念をわずかに緩めるだけで――
ジュダの体は衝動の発動で、弾ける――!>
どうしてこうなることに――賭けることができた?
ジュダは――
<両手を広げた。まるでアイシャを――>
解放してやろう。君の我儘を――!
<抱きとめるように――>
”ジュダさん、アイシャさん……そんなっ……!
<アイシャの手刀は――ジュダの胸を――
貫いて――は、いない――寸前で止まっていた。>
……なんだ……これは……脳が燃える……!
そうか、これは……君の<我儘>。思い出したよ。私はこれを……読んでいたわけだ。
……ガァアア!!
<衝動は……溢れない……?>
我儘とは――己の想いに忠実であろうとすること。
だったら、いかなる洗脳も――我儘の前では無力!
ガァルルルルゥ!!
<凄まじい我儘の放出に――概念兵は、弾け飛んだ!>
見ているか、レヴナント。知りたいという我欲のまま、世界を蝕む貴様らに――
この力が理解できるかい?まあ、できないだろうね。
……どこまでが、お前の筋書きだ?
今回は想定外ばかりさ。特に意外だったのは君だよ、ジュダ……
あそこまで完璧に私の意図を読み切るなんてね……
何の話だ。
あえて私の一撃を――受け止めようとしただろう?
あそこで拒絶の解除という意図に気づいたわけだ。
首筋を噛み砕こうとしただけだが……
ああ、そうか……だから手を広げて――
おい、君は私と戦って、何とも思わなかったのか!?
お前は厄介だ――敵にしても味方にしても――
取り扱いには注意したまえ。さて、ようやく一点返したが、逆転にはまだ遠い。
――そうだな。早く俺の我儘を封じろ。
何をいってるんだ。もうそんな必要はない。
必要はない……?
君の意志と、君の我儘は今や完全に一致している。荒療治だったがね……
あれは、そのための鎖だと――
今の君は――帝国の棺だ。
――ガァルルルゥ――
<ジュダは、静かに微笑む。>
――影よ。棺を運べ――
<ジュダの影が轟き一つの棺を吐き出した――>
いい棺じゃないか……憎い相手にこそ敬意を払う。帝国の流儀は恐ろしい。
叩きこんでやるぞ――この中にな――
story13 帰ろう、あの場所へ
議事堂内・議場――
……ああもう。やんなっちゃうわねえ。
<議事堂は――もぬけの殻であった。>
アイシャは何をやっているの?
キレイなネーチャンなら、ワンワンと遊んでるぜ。
……せっかく、逃がしてあげたのに。
殺そうとしたクセによく言うぜ。
あたしはね、あんた達のことが本当に好きだったのよ。
でも、言うこと聞いてくれないんじゃ、捨てるしかないじゃない。
ねえ、ごめんなさいしようよ、サイファー。今なら許してくれるよ。
バアさんよ。あんたは何の為に国を建てる?
……お飾りは、もう飽き飽きなの。
聖王家は白の民の直系なのよ。なのに、世界への影響力はこれっぽっちもありゃしない。おかしいじゃないのよ。
……連邦の舵は聖王家が取るべきだと?
いずれは<帝国>もね。あたしの国は、世界を正しい形に戻す為の、聖なる統一国家なの。
狂信者め。
カテリーナ・アルビオン。あんたを拘束し、連邦議会に引き渡す。
エリス。二人を抹殺しなさい。
…………!
……エリス?
<サイファーが取り出したものに、エリスの目は釘付けになる。>
……キャリーポップ。任務が終わったら、って約束だったんだけどな。
思い出したよ。あの頃も、お前にこれをあげてたこと。
エリス、惑わされちゃダメよ。
うまそうになめてたよな。俺はそれがうれしくて、ことあるごとにプレゼントしてた。
……戻ってこいよ、お茶くみ。三人で、やり直そうぜ。全部、最初から。
g――待機中――
概念兵。サイファーとアッシュを殺して。今すぐ実行するの!
あたしは――
俺たちのことは、アニキと思え。いつでも頼るんだぞ。
あたしも、ふたりの役にたちたいよ。
俺たちがこまっていたら、助けてくれればいい。
うん、わかった。……じゃあ、ふたりが困るまでは、おちゃでもくもうかな?
そんなジョートーなモン、ここにはないぜ?
そっかあ……
でも、いつかは、くんであげたいな。
帰ってこい!エリス――!
うぅぅぅぅぅ……!
<心を縛る枷が緩み出す。エリスは、自身の力が全身に駆けめぐるのを感じた。>
(……感じる。前よりも、ずっと、あなたの力を。――あなたの意志を!
……子どもたち、苦しんでる。解放してあげなきゃ。あたし達にしか、できないこと――)
gVOXナンバー04及び09を捕捉。
――あたしは――
g……抹殺する。
――あたし自身を――!<支配>する――!
サイファー!
ダメ。二人は、あたしの大事な人よ。
g作戦中断。――待機中――
……あたしの呪縛を、<支配>したっていうの……?
サイファー。こんなあたしだけど……これからも、一緒にいていいかな。
いてくれなきゃ困る。
エリス……エリスッ……!あんたまで、あたしを裏切るの!?
あたしは、あなたの人形じゃない……!
エリス。俺達のダチを、自由にしてやらなくちゃならねえ。わかるな?
うん。……終わらせよう。
g――待機、チュウ――
エリスの<支配>は断たれた。……今なら、あいつらを……!
……概念兵。作戦内容を変更。あたし以外の人間を、皆殺しにしなさい!
g命令ジュダク。カテリーナ大コウ以外ノ人間ヲ抹殺。
……お前ら。
助けてやれなくて、すまなかった。
g――対象者ホソク。抹殺スル――
(クリア条件:子どもたちの埋葬)
story14 眠れ、安らかに
かつての友に――サイファー達は、永遠の眠りを贈った。
決して苦しまず、偽りの夢に溺れる事もない、安らかな眠りを――
……じゃあな、ダチ公。
さようなら――
g…………
……おい、バアさん。
…………
はあ。こうなったら、仕方がないわね。やんなっちゃうわ。
おば様。……あなたを、拘束します。
……ウフフ。
何がおかしい。
議長は私の飼い犬だと言ったら、どうする?
……あん?
私はねえ、サイファー。首を落とされもしなければ、牢獄にも入らないわよ。
そりゃあ少しは美味しくないご飯を食べることにはなるけど、すぐにまた、戻って来るわ。
……あなたって人は……!
覚悟しておきなさい。反逆者はあたしじゃない。あんた達よ。
マム――!
あんた達の首が落ちるのを、あたしは楽しみ――
…………?
<自身の体から突き出た拳を、カテリーナは不思議そうに見つめた。>
g……マ……マ……マ……
抹殺。抹殺。抹殺。抹殺。抹殺。
敵対者を、マママ抹殺。
ど、どうして……!しっかりして、おば様!
……ああ、そう。いいわ。でもどうせなら、あんた達に殺されたかったわ……ね……
g……………………サヨ、ナラ。
……んだよ、これは。
…………
……なんなんだよ……!
それからほどなくして、三人は事件の当事者として拘束された。
議会で証言をして独房へ戻る日々。しかしそれも長くは続かなかった。ある日突然、解放されたのだ。
連邦議会は、不自然なほどの早さで、今回の事態を収束させた。
大小様々な国が集う場において。どのような思惑が渦巻いたのかは定かではない。
ただ――
「一切の責任は全て、私が……」
その言葉のとおりになったのは、確かだ。
story15 埋葬
帝国には、伝説があった。
皇帝のためだけに動き――帝国の敵を葬る存在。
十三番目の軍団――
無論、現実には疑わしい。そのような存在がいるのなら、なぜ皇帝はお飾りに甘んじるのか。
しかしながら――あえてその存在を確かめようとするものはいなかった――
何かがいるのだ――玉座の後ろには、この世のものではない何かが――
議事堂内・議場――
そこに現れた男は……古城で息絶えたはずであった。
男は、胸に穿たれた傷跡に、異様な輝きを放つルーンを埋め込んでいる――
……お見事、カテリーナ大公。あなたの愛もまた素晴らしい。
されど、保身の銃弾では……この私は殺せぬようです……
v七海戦争のすぐ後……帝国の秘密諜報部で、一人の男が頭角を現した。
男は、連邦との情報戦を指揮し、多くの功績を上げた――
闇から闇へ、帝国の敵を葬る……その姿はさながら、伝説の十三軍団そのもの――
彼はある男を追っていた。帝国内にいる、連邦の諜報員をね。
彼は捜査の過程で……子供を含む多くの人間に、死者も出る、過酷な尋問を……
v――事件は解決した。ただし解決したのは――彼ではない――
<弔い手は、ゆっくりと――獲物に近づいていく――
すり減った爪。血の滴る牙……手負いである。
されど歩みは止まらず。されど猛りは止まらず――>
ガルルルルルゥ……
いらっしゃいましたか……
あなたは……私が尻尾をつかめなかった男を、いともたやすく牙にかけた。
私の目の前で……!
<埋葬者は、胸で輝く我欲のルーンの輝きを、背後に近づく影に向けた。>
……あの時か……
<埋葬者はルーンを弔い手につきつける――
ルーンは激しく輝くが、弔い手は身じろぎーつしない。>
今の俺は、思うがままに我儘だ――
それでこそ伝説……十三番目の軍団の長に、ふさわしい……
第十三軍団は、お前たちのために存在している……帝国の敵のためにな――
私は理解したのです。私の愛ではまだ足りない――
あなたこそ、国家への愛の体現者であると……!
愛……?お前は妄執を、そんな言葉で表現するのか?
私の目指すべき道は決まった。超越者であるあなた以上に、我が国を愛さねばならぬと。
愛した結果が、不愉快な陰謀か。
全ては、帝国がより完璧な国になるための布石です……
完璧な国だと?
帝国と連邦は、一つになる。
そんなことをいった男がいたな。
帝国は世界となるべきなのです。連邦との併合により、世界は一つになる――!
お前の想う国には、お前以外誰もいない――
<影のなかより、棺が現れる。棺の中より、幾本もの腕が伸び、埋葬者の体を捕らえた――!
埋葬者の体を呑み込み、棺の蓋は閉まる――>
……ほう。
<しかし、棺は――
突如、震え始める――>
……我欲のルーンは……欲望を力と変える……
<棺の蓋が……開いた……!>
伺っておきましょう……あなたの墓には……何と刻めば……
ほざけ……!
story16 誰がための棺
<瘴気の中より……埋葬者が現れる……>
この程度ですか……
私は葬る側だ……まだ葬られるわけには参りません……
お前は、殺しただけだ。
何が違うのです?ああ……答えなくても、大丈夫ですよ。
おっしゃる通り、私は――殺すだけです。
<再び埋葬者は……おそましい姿に変わっていく……>
…………
……
議事堂、上空――
飛行艇の艦内には、ルーンエ学を駆使した最新鋭の機器が揃っていた。
――概念兵どもめ。制御が乱れているぞ……
これだから子供は嫌いなんだ……!
――おい、なんだこれは。
……概念兵どもが……機能停止状態……!?
彼らに関するデータは、預からせてもらうよ。
<アイシャの手には、琥珀色に輝くルーンがあった……>
そ、それは<記録のルーン>!?
お前は……!?おい、洗脳はどうした……
……01が、支配の概念を解いて……
君たちは理解することが得意だ。答えを出すことが得意だ。賢いからね……
子供たちを切り刻んで、君たちはどんな答えを得た?
がはっ……
い、息が……!
君たちの呼吸を拒絶した――
スラムにいる餓鬼どもは……何の価値もないクズだ……
我々は奴らに存在意義を、与えてやったんだ……!
それが傲慢というのだよ……!
その目に焼き付けろ――我が旗の銘は<業火>――!!
…………
……
<いつしか、魔物の姿は……埋葬者のそれに戻っていった。>
――感じますよ。あなたの愛!公に尽くす喜び!
しかし……私の愛は、あなたのそれを上回る!
汚らわしい……!
さあ、もっとあなたの愛を、この私に見せてください……!
帝国のために、多くのものが命を賭けた――
戦場に立ったものは、誰であれ英雄にふさわしい。
墓標は増え続ける……なんと素晴らしい……
俺が棺を送るのは――帝国に墓を増やす愚か者だ。
ぐはっ……
<弔い手は……埋葬者の胸を、拳で貫いた――>
素晴らしい……帝国への愛が、この私を貫いた……はははは……!
この私も……あの墓標の列に加わるのだ……!
死んだ者は、どこに行くと思う。
何を――
棺は送った。お前の魂を弔おう。
<棺は……音もなく蓋を開く。埋葬者の背後で――>
(これで終わり……私は死ぬのか……?
どうしてだ……もう少しで、成せたはずだ……完璧な帝国を……)
ひっ……!?
<倒れた埋葬者は……棺の中に、倒れ込み……>
私は――どこに行くのだ!?私は!?
<棺の蓋は――閉まった。>
ふむ……どうやら他も、片付いたようだな……
さて、後はどうやって着地を決めるかだが……
アイシャ!?
受け止めてくれ!
<ジュダは、アイシャを受け止めた……>
ちょっと、風になってきた。
どうしてこう、お前は派手なんだ!
鮮やかになってしまうのさ。どうしてもね……
む……
<ジュダは、空を見上げた――>
――魂が、還っていく――
あの子たちは……今、なんと言ってる……?
お前に感謝をしている。
私に……そんな資格はない……
見送ってやれ。
――安らかに――眠れ――
story17 ショータイム
<VOXのアジトに、三人は久しぶりに帰ってきた。>
…………
<主人も従者もいなくなったカテリーナの屋敷は、ひどく静まり返っている。
……ねえ。あたしたち、これからどうなるの?
議会では、VOXの今後について、意見が二分している。
解散か存続か。存続するにしても、議長直属って条件付きだがな。
直属?どうして?
VOXは聖王家の組織だろ。無論、リーダーである<00>はアルビオンの人間でなけりゃいけねえ。
今、リーダーになれる人は……あ!
マムの弟、ユリウス・アルビオン。革新派の旗頭だ。
今回の事件に関わっていなかったとはいえ、コイツも相当なクズだ。そんなのが00になったらどうなると思う?
…………
ヤツはすでに、議会の<説得>に取り掛かっている。
それに、バアさんの言葉を信じるなら、議長だって信用できねえ。
じゃあ……どうするの?
言ったろ?最初からやり直すんだよ。
<サイファーは、機械化された左腕の一部を外した。>
宝石箱の中身を見てみるか?
<古ぼけたパーツが露わになる。そこにハメ込まれていたのは――>
それって……
<聖王の指輪>。アルビオン一族の証だ。
えっ……ど、どうして……!?
親とも呼べねえクズどもの、ほんの少しの気まぐれが、役に立つ時が来たってわけだ。
俺はユリウスを潰す準備を始める。
え?え???
ショータイムだ。見逃すなよ?
<緊急集会は、またしても――混迷を極めた。>
死んだ末の弟の……か……隠し子、だと……?
<演壇に立つのは、一人の男。アルビオンの血を引く、<貧民街のヒーロー>。>
俺は『秘蔵っ子』でな。
話にならん……!妾が産んだ子に、相続の権利などあるか!
じゃあどうする?革新派を率いるユリウスに当主とVOXを任せるか?
そ、それは……
ヤツには武器の密輸、人身売買、内乱幇助及び建設談合への関与の疑いがある。
証拠、あんたらの元に届いてるだろ?
しかし……!
カテリーナに子供はいねえ。ユリウスのドラ息子は2年前に国外逃亡ときた。
俺しかいねえんだよ、俺しか。
なれば、VOXは連邦議会に預けられるべきだ!
いいや、組織は解散だ!彼らは危険すぎる!
いい加減、ハラくくったらどうなんだ。
なんだと……!?
クズどもばっかの一族から、正義の味方が現れたんだ……
黙って認めろ、タヌキども!
な……な……!
聖王家の面倒事は全て俺が引き受けてやるって言ってんだ。文句なんかねーだろうが。
ただし。俺達は、誰の指図も受けねえ。好きにやらせてもらうからな。
よく覚えとけ。これからは、俺が聖王家だ!
最終話 V.O.X
煽り過ぎだ、馬鹿が。
結果通ったんだからいいだろが。それに、ちゃんと計算はしてたぜ。
……後は、他のメンバーの説得だな。
言うな。考えるだけで頭が痛くなんだからよ。
お待たせしましたー。……どう?
よく似合ってるじゃねえか、お茶くみ。
えへへ。制服、はじめて着たよ。
……大丈夫か?エリス。
…………
正直、まだ、つらいよ。あたしは……たくさん、ひどいことをしちゃったから。
操られていたとはいえ、それは変わらない事実でしょ。
……ああ。
なんであたしなんだろうって思った。こんな力なんか要らない。すぐに消えちゃえばいいのにって。
でもね。それは叶わないの。だからつらいけど、あたしは、これまでの全てを抱えて、生きていくことに決めた。
サイファー。アッシュ。あたしを連れ戻してくれて、ありがとう。
困った時はお互い様だ。
……もし、だ。もし、俺達が道を誤るような事があれば……
その時はエリス。お前が、俺達を連れ戻せ。
うん、きっとね。……でも、結構大変だと思うから、なるべく誤らないでほしいな。
……フ。
あ!アッシュが笑った!
さて……これから忙しくなるぜ?
…………
……
とある島のとある場所で――
スタンバイ。
01、状況を報告。
”やばいかも。護衛が戻ってきちゃった。うーん、情報とちがうよ!”
おいおい。
00、プランBだ。
ったく、特殊部隊じゃねえんだからよ。おい01、護衛を引きつけとけ。
長くはムリだよ?
だそうだ。2分でやれ。
冗談キツいぜ!
な、なんだ!?
おいオッサン。ちょっくら俺に付き合えや。
貴様……何者だ!
正義の味方。
エピローグ 幕間の終わり
見て見てサイファー、フルーツピザだって!
チョイスがおこちゃまだな。
高カロリーだ。やめておけ。
ところで……待ち合わせの場所って、ここでよかったの?
あいつら、一体何を考えてやがるんだか……
待たせたな、諸君。
アイシャさん……
ワンワンもいっしょか。
棺が欲しいのか?
帝国の犬にプレゼントだ。ほれ。
<サイファーは、何かの獣の骨をジュダに放った……>
ふむ。いい骨だ。
エッ!?
はむ、はむ、はむ……
恐れ入ったぜ……
ビジネスだ。
いいだろう。
<アイシャは、琥珀色に輝く<記憶のルーン>を、テーブルの前に置いた……>
概念兵に関する全てのデータだ。あの件に関わった人間や組織の情報もある。
それで――君たちはこいつに釣り合うだけのものを持っているのかな?
ブラックレター作戦――
……ふむ。
本当の、裏切り者のリスト。これでどうだ。
<アッシュは、リストの束をテーブルに置いた……>
十分だ。取引成立だな――
レヴナント――この件の裏にいたのは、奴らなんだな。
その通りさ。君たちは優秀だよ。
何が狙いだ?
奴らの目的は知識……より多くを理解するために、奴らは禁忌に手を出した。
命すらも……弄んだ……
あたしやアイシャさんを……
――おしゃべりが過ぎたな。私はそろそろ……
ご注文うかがいます~。
フルーツピザ!あと……パフェとパンケーキも!
私はそろそろ……
骨だ……
骨!?
骨を持ってこい……!
まずはポテトフライだな……
オクトパス&ワサビ……
何で打ち上げをする空気になっているんだ!
…………
……
くそ……塩分に……脂質が……
相変わらず小食だな。
私に食事は必要ない……何度言えばわかるんだ!
ジェリービーンズがあれば十分だというのに。全く……
あんなものに栄養があるのか。
あるとも、味わってみるか?……おや?
ああ、そうか……ジェリービーンズは、あの子たちに……
――アイシャ。
<ジュダは、ジェリービーンズの瓶をアイシャに渡した……>
これは……
黙って受け取れ。
……なんということだ。この展開はさすがに想定外だったぞ……
不意打ちは、狩りの基本だ。
では早速――占ってみるか。我らの未来やいかに――
<アイシャは、瓶を振った……!>
これは――
ホットドッグ味だ……
…………
……
イーグル、アウル、スパローは、<巣箱>を掌握。
ウルフとラビットは、<手紙>を手に入れました……
……アウルとラビットには、引き続きハンターの手配を。
――イーグル、スパロー、及びウルフに対してはシナリオの見直しが必要です。
……ふぅ。
<ニナは、伝声のルーンをしまった……>
大変だなあ……本当……でも、負けないんだから!
……お姉ちゃん、がんばるからね!
…………
……
「結局彼は、己の墓穴を掘ったというわけだ……
なんともふさわしい末路だね。実際……」
「…………!」
「結局、俺が自ら舞台にあがるしかないらしい……
いいだろう。つまらぬ台本通り台詞を語り……
迫真の演技をして見せよう。
いざ立てよ、我が役者たち……今こそ幕を下ろす時!」
帝国戦旗Ⅱ-END-