【白猫】エリス・思い出
エリス・ミラージュ cv.ゆかな 聖王家の特務機関<V.O.X>の一員。 主な仕事はお茶くみ。 |
帝国戦旗Ⅱ
思い出1
<連邦>加盟国、ヴェルガ王国内で端を発した陰謀が収束しつつあるなか――
特務機関<V.0.X>(ヴォックス)の諜報員である少女が、飛行島にやってきた。
「へぇ、ここが飛行島……
すぅ~、はぁ~。……よし!
ちゃんと島の人に挨拶しなくちゃね。
――あ!」
こんにちはー!
あら、こんにちは。
こんにちは。
あたし、エリスといいます。不束者ですが、よろしくおねがいします!
よろしくお願いします♪
見ない顔ね。初めて来るひと?
あ、はい! え? しゃべる猫ちゃん!? わぁ、かわいい……
あら、アタシの魅力に気づくなんて、わかってるじゃない。
いいわよー。好きなだけ撫で回すといいわ!
わぁ……! ありがとう!
えへ。えへへへ。
……は!
あら、もういいの?
う、うん。ありがとう。い、いけない、ちゃんとしないと……
なんで? リラックスしてればいいじゃない。
そうしたいんだけど、今日は一応、お仕事の一環というか……
あら、そうなの?
うん、これでもあたし、とある組織のエージェントなんだよ。
そういうのって、しゃべって大丈夫なの?
……え?
あ、やっぱり……お茶くみばっかりしてるから、お茶くみのひとかも……
エージェントなの? お茶くみなの?
…………
どっちかな?
うん、どっちでもいいわね!
あたしもそう思う!
思い出2
よーやくおやつの時間ね!
アイリスー、はやくー!
うん。ちょっとまってね。
あたしがお茶くむね!
<エリスが手際よくお茶を並べた!>
さすが、手慣れてるわね!
ふふふ、いつもお茶ばっかくんでるからね!
いい匂いだわ! さぁお菓子よ! メインディッシュよ!
今日は色々なキャンディを用意してみたの。どうかな?
わぁ、キャンディがこんなにたくさん……!
好きなものを選んでくださいね。
やったー。どれにしようかなー。
カラフルで綺麗ね! 美味しそうね! カニカマ味はあるのかしら!?
カニカマ味はどこ? アイリス、カニカマ味は?
ごめん。カニカマ味はないの。
ぎにゃー!!!
あ、これなんかはどう?
……むぐむぐ。チョコレート味のキャンディね!
まぁまぁ悪くないわ!
これは、いちご味だね! おいしー。
ほかにもたくさんあるわよ。ほら、これなんか棒付きキャンディよ!
……あ。
それは……、<キャリーポップ>、だね。
そのキャンディー、もらってもいいかな?
え? もちろん、いいけど……なんで?
ちょっと、ね。
このキャンディは、特別なんだ。
思い出3
…………
あら、エリス。どうしたの? ぼーっとしちゃって。
あ、キャトラ。……うん、ちょっとね。えへへ、なんでもないよ。
元気ないわねぇ。ほら、ナデナデしてもいいのよ~?
うん、ありがとね。
<エリスは<キャリーポップ>を、取り出した。>
……あたし、恐いんだ。
自分でもよくわかってない力をもってるの。
――<支配>の、力。
支配、ですか?
……うん。ものを動かしたり、条件があえば、人を操ることもできる力。
だから、恐い。
そんな力を使うなんて……
あたしにそんな資格、あるのかな……
エリスさん……
***
サイファー、お茶いれようか?
ああ、頼む。砂糖は――
多めだね。わかってるよ。
さすがお茶くみエリート。いい手際だな。
もう。……はい、どーぞ。
よし、飲んだら行くか。
うん、気をつけてね。
あん? 寝ぼけてんのかエリス。お前も来るだろ?
え?
VOXの諜報員だろ<01>
…………
エリス?
――あ、ちょっと調子が悪くて! ごめんね!
……今回はお休みってことにできないかな?
…………
――やれやれ、しょうがねえな。
なら今回は俺ひとりで行くぜ。
……ありがとう、サイファー。
ゆっくり休めよ。エリス。
……うん。
ごめん、サイファー。
でもあたし……恐いよ……
思い出4
……はぁ。結局、お仕事休んじゃった……
これってズル休みなのかな……
でも、あたしはどうすればいいか、わからないよ……
元気がなさそうだね。
あ、あなたは――!? どうしてここに……
私も休暇でね。姿を見かけたから、声をかけた。
…………
なにかお悩みのようだね。
<アイシャはガラスの瓶を取り出した!>
……それは?
ジェリービーンズだよ。一粒どうだい。
あ、ありがとう。……あむ。……すっぱい。
ふむ、レモン味か。<決断>の暗示だな。
……決断?
悩みというのは甘美なものさ……しかしいつか別れはやってくる。
悩むだけではなにも生まれはしない。つまり、なにもしないことと等しい。
決断し、動かなければ、進むことはできない。
……進む。
もっとも、進んだところでそれが良かったなんて保障はないがね。
……それなら、進まなくてもいいんじゃないのかな?
――かもしれないね。
もし進んで、それが、間違ってたら……
そもそも私は、間違えたことがないがね。
……いじわる。
私にしては、親切なつもりだが?
……そうだね。そうだと思う。
それと、いっておくが……決断を迫る奴というのはたいがい悪人だ。
君は自分の意思で決断しなくてはいけない。
……間違っていたらやり直せばいい。間違えつづけるのもいい。それも人生さ。
……やっぱり、優しいんだ。
君と懇意にしておくことは、私にとってもメリットがある。
――うん。ありがと。
感謝される覚えはないがね。
――ううん。そんなことない。やっぱり、ありがとだよ。
思い出5
なのであたし、がんばることにしました!
いい心がけね!
で、なにをがんばるの?
あたしに、できることを!
だからね! 飛行島ではお世話になってるし、あたしになにか、手伝わせて!
そうねぇ……本当に? いいの?
うん。もちろん!
――そう。じゃあ、お願いするわ!
――実は、ちょうどギルドから依頼があったんです。
あ、そうなんだ。
――私たちだけじゃ、荷が重かったかもしれません。
そんな過酷な依頼が……
とても大変な依頼よ。一緒に引き受ける、覚悟はあるのかしら?
うん! あたし、頑張るよ!
***
エリス! カモミールティー15人分!
わ、わかった!
あっちはレモンティー、10人分!
私が茶葉をブレンドします! エリスさんはお茶をいれてもらっていいですか?
ま、まかせて!
<エリスが目まぐるしく、お茶をついでいく!>
アンタがいてくれて助かったわ!
お茶くみとしてのあたしが必要だったんだね!?
ダメだった!?
ダメじゃないよ! ダメじゃないけど!!
超人気カフェのお手伝い! これも立派な冒険家ギルドからの依頼よ!!
店主が風邪で倒れたらしいけど、お店を閉めるわけにはいかないみたいね!
主人公! お茶を注文されたテーブルにお願い!
アイリス! また追加注文だわ! カモミールティーが10人分!
――できました! エリスさん!
わかったよ! いまくむから――!
――あっ
エリス、どうしたの!?
お茶、くみすぎちゃったっ……!
どうしよう、カップが、足りないよ……!
アイリス、カップのストックは――!?
ダメ! 洗わなくちゃ! ひとつもないわ!
ぎにゃー! 万事休すよー!
……ごめんなさい! あたしのせいで……!
お茶くみとしての力も、使いこなせてないなんて――!
あたしは――!
「諦めるのはまだはやいぜ。」
「……え?」
よう、エリス。
……サイファー? どうしてここに?
さぁな。どうだっていいだろ、そんなこと。
……それより、エリス、今は大事なことがあるんじゃないか?
サイファー……
使っちまえばいいんだよ、お前の、力を。
!!
お前はお茶くみエリートだ。胸張れ。
……うん!
主人公! 今だわ!
思い出6 (友情覚醒)
あたたかい、光。
そっか。そういうことだったんだ。
――力は、恐くない。
あたしが、ちゃんと力を使ってあげれば――!!
カップよ、集え! あたしのもとに――!!
カップが――
エリスの元へ集まっていくわ!
はあああ!!
お茶を、くむ!
すごい!
一斉にお茶がつがれていくわ!
そうだエリス、それでいいんだよ。
みんな! ここはあたしにまかせて!
お茶くみの仕事、あたしはやり通してみせる!
***
ふう、どうにかやりきったわね。
エリスさん、お疲れ様でした。
おつかれさま! 大活躍だったわよ!
ありがとう。おかげであたし、自信をもてた気がする。
<エリスは<キャリーポップ>を取り出した。>
おまえ、それは――
うん。美味しいよね!
<エリスは<キャリーポップ>を舐めた!>
……は、そうかい。
そうなんです!
なら、次の任務は俺と組んでもらうぜ? 問題ないか?
うん。問題ないよ! むしろついて来れるかい<00>(ダブルオー)くん。
はっ! よくいうぜ。
よくいうよ!
だってあたしはヴォックスの<01>(ゼロワン)だからね!
お茶くみ諜報員
その他