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ハヤト・思い出

最終更新日時 :
冷徹の電子銃
ハヤト・カミシロ
きまじめな態度の学生
電子技術とルーンを組み合わせた魔銃を、努力の末に使いこなす。


思い出1



 ハヤト  

……僕はハヤト。

魔道工学院の学生だ。


学生服をきっちり着込んだ少年が、
律儀に頭を下げる。


 ハヤト  

実習のため、この島に来た。

迷惑をかけるけど、よろしく。


 アイリス 

迷惑なんてことないです。

こちらこそよろしく!


 キャトラ 

そうそう、そんな固くなんないで、

気楽に行きましょ~。


 ハヤト  

気楽? それはできない。


ハヤトの瞳が、鋭く光る。


 ハヤト  

何気ない日常も、

心構え次第で訓練となる。

気を抜くわけにはいかない。


 キャトラ 

そ……そう。


 ハヤト  

そうさ。

心気、常に戦さ場に在るがごとく、

静穏なれど緊渾に――


 キャトラ 

か、かたぁ―ー―いっ!!

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思い出2



 キャトラ 

ハヤトの武器ってさ、

変わってるわよねぇ~。


 ハヤト  

この銃のことか?


これは、ルーンの力に電子工学を

組み合わせたものなんだ。


ルーンのかけらを銃弾として、

銃の機能でルーンの力を増幅し、

射出する仕組みになってる。


ルーンの力は、

使い手の意志を基盤とするから……

この銃の威力は精神力に依存する。


 キャトラ 

つまり、やる気次第ってこと~?


 ハヤト  

そういうことだ。


意志が威力となるのなら、

僕にとって、これ以上の武器はない。


前に進む意志……努力する意志。

僕にはそれしかないんだから……

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思い出3



 ハヤト  

む……


弁当を広げたハヤトが、

表情を険しくする。


 キャトラ 

どうしたの、ハヤト?

お弁当なんかにらんで~?


 ハヤト  

計算を誤った。


 キャトラ 

は?


 ハヤト  

レストランで売っていた料理を、

厳密に選んだはずだったんだが……


 ハヤト  

芋が2つ重なっているのを

見逃していた……

これじゃ、想定カロリーを超過する。


 キャトラ 

カロリー……?

って、なに?


 ハヤト  

1日に摂取するべきカロリーという

ものがあるんだ。超えると太る。


まいったな、この芋……

食べるわけにはいかないが、

かといって捨てるのもな……


 キャトラ 

お芋1個くらい多く食べたって、

別にいいんじゃないの~?


 ハヤト  

ダメだ。無駄な体重の増加は、

俊捷性を損なう。

回避に支障が出る。


 キャトラ 

はあ……だったら、それ、

アタシが食べてあげよっか~?


 ハヤト  

……! その手があったか!

頼む、キャトラ!


 キャトラ 

意外と抜けてるっていうか……


 アイリス 

誰かに頼るってことを、あまり

考えないタイプなのね……?

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思い出4



 ハヤト  

まったく、どうしてあいつは……


 キャトラ 

あら、ハヤト。

ご機嫌ナナメね?


 ハヤト  

ああ……世の中の理不尽さを

痛感していた。


先日、学院で実技テストがあったんだが、

同級生に負けてしまって……


 キャトラ 

あらら~。それはご愁傷さま~。

修行不足ってヤツ~?


 ハヤト  

それならまだいい。

だが、そいつは、

なんの努力もしないのに、

なんでもできるヤツなんだ!


 キャトラ 

……そうなの?


 ハヤト  

ああ。勉強も特訓もしない。

なのにできるんだ。

しかも誰よりもうまく!


納得いかない。意味がわからない。

こんなのまちがってる。理不尽だ!


努力が報われないというなら……

才能のないヤツは

どうしたらいい……!

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思い出5



 ハヤト  

くそっ……!


鋼の甲冑に銃弾を撃ち込んだ

ハヤトが、悔しげにうめく。


 ハヤト  

どうしてもダメだ……

これ以上、威力が上がらない!


 アイリス 

でも、その甲冑、ボロボロですよ。

じゅうぶんすごいじゃないですか。


 ハヤト  

いいや。まだまだだ。

この銃は、努力するほど

威力が上がるはずなんだ。


 アイリス 

ハヤトさん……


 ハヤト  

僕にはなんの才能もない……

努力しないと力をつけられない……


努力だったら無限にできる。

どこまでだって、

やってみせる意志がある!


 アイリス 

そんなに、思い詰めていたなんて……


 ハヤト  

……もしも、

努力で得られる力の量に

限界があるのだとしたら……


そうしたら<そこまで>だ。

それ以上には進めない。

どんなに進みたくてもだ!


そんな世界で生きていくのは……

苦痛でしかない……!

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思い出6



 ハヤト  

―ー!? なんだ……光!?

これは、ルーンの……


力があふれるみたいだ……

どこまでも……限りなく!


主人公……君なのか……?


ハヤトは、ハッとして振り返り――

銃弾を放って、甲冑を撃砕した。


 キャトラ 

一発ぅ!? すっごーい!


 ハヤト  

この威力……

今の光のせいなのか……


 アイリス 

もし、努力に限界があるのだとしても……


みんながそれぞれ努力して、

そしてその力で助け合ったら、

無限に強くなれるはずですよね?


 ハヤト  

みんなが努力して……

みんなが助け合う……


 キャトラ 

そうそう~。つまり、

最終的には友達の多いヤツが勝つ

ってことよ~。


 ハヤト  

なんだ、それ……

単純で、乱暴な理屈だな。


でも……

わかりやすくて、おもしろい。


ハヤトは、ふっきれたような

笑みを浮かべる。


 ハヤト  

そうだな。意志が力になるなら……

意志を集めれば、力も高まる……


みんな――僕に力を貸してくれ。


その代わり……もちろん僕も、

みんなのために力を貸そう!




奮励の電子魔銃士

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思い出7



 ハヤト  

ひどいじゃないかキャトラ!


 キャトラ 

な、なによ!?

アタシなんかした!?


 ハヤト  

みんなで助け合えば、

無限に強くなれる……


そんなわけないじゃないか!


 アイリス 

焦らないで、ハヤトさん。


 ハヤト  

なに?


 アイリス 

努力は、すぐに実を結ぶ

ものではありません。

ですが――


時が来れば、コップから

水があふれるように、

成果が出たりするんです。


 ハヤト  

なんだって――?

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思い出8



 ハヤト  

――本当だ。新たなる力が、

身の内を駆け巡る――!


ありがとう、主人公。

また君から力をもらった。


努力は決して裏切らない……

たとえ時間がかかろうとも……

そういうことなんだな……


そうとわかれば、早速修行だ!


焦らず、努力に努力を重ね、

いつか必ず――


――あいつに追いついてやる!



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