シェアハウス版レクト・思い出

シェアハウス版レクトの思い出とボイス

思い出1

キャトラ

あら、レクトじゃない。

どうしたの？

レクト

やあ、みんな……

アイリス

あれ？

いつもと違う服装ですね。

レクト

実は、いろいろと思うことが

あって……

キャトラ

ふむふむ、聞こうじゃないの。

レクト

僕は、このままじゃあ、

ダメだと思うんだ。

レクト

ヒーローって明るくてキラキラ

してるだろ？

少しでも近づこうと思って……

キャトラ

それで、見た目だけでも

変えてみたってこと？

レクト

うん、できることから

やってみようかなと……

キャトラ

変わろうと努力する姿勢は

ヒョーカするわ。

キャトラ

でも、見た目だけ変わっても

ヒーローにはなれないわよ！

レクト

……だよね。

でも、僕も変わりたい。

レクト

僕もリネアみたいにキラキラして

充実してる人間になりたいんだ。

キャトラ

リネアを目指すとは高いハードル

設定ね。でも、そういう無謀な

ところ、嫌いじゃないわ！

アイリス

（キャトラの立ち位置は、

なんなんだろう？）

キャトラ

キラキラしてる本人に話を聞くのが

早いわ。

リネアを呼びましょう！

レクト

いや、でも、それは……

迷惑な気もするし……

キャトラ

ふんとにもう！

グズグズしてると、引っ掻くわよ！

レクト

わかったよ……

…………

……

リネア

レクト、話ってなに？

レクト

忙しいところを呼び出してごめん。

本当にごめん。

生きててごめんなさい。

リネア

……レクトになにかあったの？

キャトラ

まあ、いつものレクトね。

ほら、レクト、

自分で説明しなさい。

レクト

リネアは、キラキラして

充実してるからさ。僕も……

リネアみたいになれればと……

リネア

あたし、別にキラキラして

ないわよ。

リネア

仕事と勉強で平日は寝てるヒマも

ないし、他の子みたいに

遊んでるヒマもないし。

リネア

家には寝るために帰ってるような

状況ね。

レクト

（忙しいのに呼び出してしまった。

もしかしたら、今日は休み

だったのかな？）

レクト

（まさか、せっかくの休みを

僕のせいで潰してしまった

ってこと！？）

レクト

（そもそも忙しくても輝ける

リネアと僕は、根本的に何かが

違う。違うんだ）

レクト

時間を巻き戻して、なかったことに

したい！　ごめんよ、リネア、

休日を無駄にさせて。

リネア

いきなりどうしたの？

レクト

僕は自分の身の程を知って、

貝のように押し黙るよ。

キャトラ

だから、ネガティブすぎるのよー！

その上、意味もわかんないし！

リネア

別に休日を無駄にしたとは

思ってないんだけど？

レクト

でも、忙しいんだよね？

リネア

うーん、忙しいからこそ

充実してるって面もあるし。

キャトラ

あら、意外ね。

普通は疲れちゃうんじゃないの？

リネア

趣味があるからね！

アイリス

たしか、旅行が趣味なんですよね？

リネア

そうなの！　仕事のついでに

観光地回ってるから！

キャトラ

どこまで行っても、

仕事がついて回るのね。

リネア

そういえば、レクトって

趣味とかあるの？

レクト

特にないけど……

リネア

それはダメね！

人生にはうるおいが必要よ！

あたしの場合は旅行！

リネア

充実した人生を送るためには、

趣味がないとダメ！

レクト

僕に趣味か……

まったく思いつかないよ。

リネア

よしっ！　じゃあ、今から

一緒に旅行に行きましょう！

あたしが旅の楽しさ、

教えてあげる！

リネア

キャトラたちも一緒にどう？

キャトラ

……で、どこに行くの？

リネア

実は謎の遺跡があるの。

その近くに雪が降ると

咲く花があってね！

すっごく綺麗なんだって！

キャトラ

今、雪、降ってるの？

リネア

降ってないわね。

でも、仕事のついでだし……

キャトラ

結局、仕事メインなのね……

思い出2

キャトラ

この前の旅行は大変だったわねー。

アイリス

結局、ほとんど遺跡探索だったね。

キャトラ

でも、食べ物もおいしかったし、

風景も綺麗だったから、

トータル、悪くなかったわ。

キャトラ

あら、レクトじゃない。

どうしたの？　元気ないけど。

レクト

……僕は取り返しのつかないことを

やってしまったんだ。

キャトラ

なにがあったの！？

レクト

旅行の時、リネアに

このルーンカメラを渡されただろ？

キャトラ

そういえば、楽しそうに

パシャパシャ撮ってたわね。

アイリス

写真、できたんですか？

レクト

できたんだけどさ……

キャトラ

見せて見せてー！

ふむふむ……

なかなか綺麗に撮れてるじゃない。

アイリス

あれ？

でも、これ……

キャトラ

アタシと（主人公）は

いるのに、アイリスとリネアが

いないわ！　どういうこと！？

レクト

僕だって撮ろうとしたんだ。

でも、女の子ばかり写真で

撮ってると、いやらしい奴だと

思われる気がして……

レクト

僕はどう思われてもいいんだけど

リネアやアイリスさんに不快な

思いはさせるわけにはいかない。

レクト

あと、やっぱり女の子の写真を

撮るってことに緊張しちゃって……

キャトラ

リネアは知ってるの？

レクト

謝ったら笑って許してくれたよ。

リネアに無理して笑わせちゃった。

僕は本当にダメなやつだ。

レクト

やっぱり僕のとりえなんて

ハブラシの歌くらいしか

ないのかな。

キャトラ

あれをとりえにカウントしちゃ

ダメでしょーが。

アイリス

でも、レクトさん、楽しそうに

写真撮ってたじゃないですか。

レクト

うん、写真を撮るのは

楽しかったよ。

キャトラ

だったら、やめるのは

もったいないわ！

キャトラ

失敗を悔やむんだったら、

次に同じ失敗をしなければ

いいのよ！

アイリス

（主人公）、

どうしたの？

キャトラ

なるほどね、そうよ、特訓よ！

次は、きちんとした写真を

撮れるように特訓すればいいのよ！

思い出3

レクト

特訓と言われても、どうすれば……

キャトラ

そのカメラでアイリスを

撮ってみなさい。

レクト

え！？

でも、アイリスさん、

嫌じゃないかな？

アイリス

嫌じゃないですよ。

レクト

……本当に？

この空気だし、言いたいことも

言えない可能性もあるし……

アイリス

本当に大丈夫ですよ。

レクト

僕みたいな奴のために、

無理しちゃダメだよ。

キャトラ

こらー！！

キャトラ

モデルのアイリスがいいって

言ってんのよ！

カメラマンが空気悪くして

どーするの！

レクト

ご、ごめん……

キャトラ

いい！？

モデルをほめて、ほめて、

ほめ倒すの！

キャトラ

それなら、モデルも気分よく

ポーズをとれるわ！

レクト

ほめるか……

自分をほめるのは無理でも

他人ならできると思う。

キャトラ

それじゃあ、アイリス、

ちょっと立ってみて。

アイリス

こう？

キャトラ

そう、その調子！

いいわよ！

レクト

…………

キャトラ

って、こらー！

アンタもアイリスをほめるの！

レクト

でも、僕がアイリスさんをほめたら

僕がアイリスさんに気があると

思われないかな？

キャトラ

思わないわよ……

レクト

僕みたいな雑草にほめられたら、

むしろ嬉しくないと思うんだ。

レクト

だいたいほめるって、

ちょっと上から目線だよね。

失礼じゃないかな？

キャトラ

綺麗なものを綺麗って言うのは

上からじゃないし、

失礼でもないわよ……

レクト

……そうか。ほめるんじゃなくて、

あがめる感じでいけばいいのか……

アイリス

（それも違うと思う……）

キャトラ

とにかく！

アタシの言葉を真似しなさいな。

まずはそこからよ！

レクト

わかった。やってみるよ。

キャトラ

いいわよー、アイリス！

かわいいわよー。

レクト

か、か、か、かわいい……です。

僕が言うのもおこがましいけど。

キャトラ

アイリス、笑ってみましょうか。

キャトラ

いい笑顔ねー！

最高よー！

かわいいわー！

レクト

最高です。かわいいです。

最低な僕が言う資格なんて

ないけど……

キャトラ

ストーップ！

アンタ、一言多いわ！！

レクト

でも、嘘はつけないよ……

アイリス

……なかなか大変だね。

…………

……

そして——

レクト

アイリスさん、いいです。

最高です。

いい笑顔です。

キャトラ

完全に棒読みだけど、

前進したわね。

レクト

……どうにかアイリスさんを

ファインダーに収められるようには

なったよ。

キャトラ

弱点は克服したみたいね。

レクト

特訓してわかったけど、

カメラって本当に楽しいね。

レクト

もっと勉強してみたくなったよ。

思い出4

キャトラ

レクトー！

最近、カメラのほうはどう？

レクト

うん、カメラは楽しんでるよ。

アイリス

どんな写真を撮ってるんですか？

レクト

最近は動物とか風景だね。

自分が綺麗だと思ったものを

残せるのが、楽しくて。

キャトラ

あら、充実してるみたいね。

レクト

そうかな……

でも、カメラは楽しいよ。

レクト

僕でも写真は綺麗に撮れるんだ。

動物や自然は、それだけで

綺麗だからさ。

アイリス

でも、綺麗に写してるのは、

レクトさん本人ですよ。

レクト

……僕なんか、まだまだだよ。

レクト

光が順光か逆光かだけで雰囲気が

かわるし、色彩の配置だって

重要なんだよ。

レクト

構図だって、いろんな技術があって

同じ被写体でも、配置によって

まったく別物になる。

レクト

動く動物や風景になると、

意図した構図や光にならなくて

本当に難しいよ。

キャトラ

そうやって悩むのも

だいごみってやつじゃない？

レクト

そうかもね。

あ、それと……

レクト

リネアが、またみんなで旅行に

行こうって言ってるんだけど、

一緒にどうかな？

キャトラ

別にいいけど、結局、調査の

手伝いになりそうね。

アイリス

私たちも一緒に行って

いいんですか？

レクト

当然だよ。リネアに誘うよう

頼まれたし、みんながいないと

リネアにとって楽しい旅行に

ならないと思うんだ。

キャトラ

別に二人でも楽しいんじゃない？

そもそも旅行かどうかも怪しいし。

レクト

……楽しいだけじゃダメなんだ。

レクト

次こそはカメラマンとして

最高の仕事をしなきゃいけないと

思ってる。

レクト

動物カメラマンは、最高の一枚を

撮るために、何ヶ月も自分の存在を

消して被写体に集中するんだ。

レクト

プロのカメラマンでさえ、

そこまでの努力をしてるんだよ。

僕だって努力すべきなんだ。

レクト

今回の旅行、

僕はみんなの前に現れないし、

ましてや会話をする気もない。

レクト

カメラマンに徹するよ。

大丈夫、一人ぼっちには

慣れてるからさ。

レクト

でも、僕がいないとリネアは

一人旅をすることになる。

それは、かわいそうだよ。

アイリス

（なに言ってるんだろう？）

レクト

そういうわけで、

当日はよろしく頼むね。

キャトラ

……大丈夫かしら？

思い出5

キャトラ

やっほー。

レクト、元気にしてる？

レクト

やあ、いらっしゃい。

アイリス

旅行の時の写真、できましたか？

キャトラ

旅行っていうより

古城の調査だったけどね。

アイリス

でも、調査したお城の中は

幻想的だったよ。

キャトラ

そうね、今回は割と普通の旅行に

近かったわ。

ホテルの食事も美味しかったし！

レクト

……写真ならできてるよ。

キャトラ

すごいじゃない！

雰囲気出てるわよ！

アイリス

（主人公）、

ほら、見て、ここ。

楽しかったね。

キャトラ

リネアの写真もたくさんあるし、

これなら喜んでくれるんじゃない？

レクト

…………

アイリス

レクトさん、どうしたんですか？

レクト

ダメだよ、これじゃあ……

キャトラ

とってもいい写真よ。

レクト

どれもこれも、全部ダメだよ。

僕は本当にダメな奴だ。

キャトラ

なにがダメなの？

この写真なんて、みんな写ってるし

楽しそうじゃない。

レクト

三分割構図に頼りすぎてる。

ダメだよ。

アイリス

じゃあ、この写真は？

レクト

その写真は悪くないけど、

僕が撮ったものじゃないよ。

キャトラ

アンタも入れた集合写真

だものね……

アイリス

この風景とか、とても綺麗ですよ。

レクト

ストーリーがない。

キャトラ

ただの風景でしょうが！

レクト

……最近、自分の写真を見れば

見るほど、下手な部分に気づいて、

楽しくないんだ。

レクト

構図が気に入らなかったり、

光の加減が気に入らなかったり、

ストーリーがなかったり。

レクト

僕には才能がない……

キャトラ

別に趣味でやってるんだし、

いいじゃない。好きにやれば。

レクト

でも、ルーンカメラって

写真を撮る道具だよね。

レクト

こんな下手くそに使われるなんて、

カメラがかわいそうだ。

アイリス

（なに言ってるんだろう？）

レクト

僕みたいな奴がカメラだなんて、

オシャレな趣味に手を出すべきじゃ

なかったんだ……

キャトラ

でも、これからもリネアに写真、

頼まれるんじゃないの？

レクト

その時はプロのカメラマンが

同行すればいいと思う。

キャトラ

プロカメラマン同行の旅行なんて

聞いたことないわよ！

レクト

でも、僕にはカメラと

向き合う資格がないんだよ……

思い出6

レクト

この光……

僕にはまぶしすぎる……

キャトラ

そうやって、すぐネガティブに

なるんじゃないわよ！

アイリス

そうですよ。

リネアさんはレクトさんだから

カメラマンを頼んだんだと思います。

レクト

でも、僕には才能が……

レクト

え！？

僕の悩みが一人よがりだって？

キャトラ

（主人公）の

言うとおりよ！

キャトラ

写真ってカメラマンのために

あるものじゃないでしょ！

キャトラ

思い出を残そうとしてる人のために

あるものじゃないの！

アイリス

私たちはとても満足してますよ。

キャトラ

だから、勝手に落ち込んでないで、

リネアに見せてきなさいよ。

きっと喜ぶと思うから。

レクト

……僕は自分のことしか

考えてなかった。

レクト

わかったよ。

リネアに写真を見せてくる。

…………

……

リネア

レクト、話ってなに？

レクト

実は……

この前の写真ができたんだ。

リネア

本当！？

見せて見せて！

リネア

うわー。

よく撮れてるじゃない。

今度は私も写ってるしね。

レクト

あの時は、ごめん……

リネア

いいわよ。

今回、こんなに素敵な写真、

撮ってくれたんだもの。

レクト

（リネアはこんなに

喜んでくれてる。

こんな僕の写真なんかで……）

レクト

（はっ！

それじゃあダメだ！！）

レクト

（見る人が見れば、僕の写真が

ヘタクソなのはすぐにわかる）

レクト

（リネアまで写真を見る目が

ない人だと思われかねない……

僕のせいで）

レクト

（それじゃあダメだ！

僕はリネアにふさわしい人間に

ならないといけないっ！）

レクト

リネアのカメラマンとしてっ！

リネア

いきなりどうしたの！？

レクト

リネア、僕、がんばってみるよ！

リネア

う、うん……

レクト

ごめん、もう行くね。

もっと勉強しないといけないから。

リネア

……行っちゃった。

リネア

…………

リネア

よくわかんないけど、

楽しそうだからいっか。

キャトラ

やっほー、レクト。

カメラ、楽しんでる。

レクト

うん、おかげさまで。

アイリス

あれ？

でも、カメラは？

レクト

家に置いてきたけど？

キャトラ

ああいうのって、

持ち歩くものじゃないの？

レクト

最初は持ち歩いてたんだけど、

職務質問されたんだ。

キャトラ

……それは不運だったわね。

レクト

僕がカメラを持っていれば

不審者だと疑うのは、

当然のことだよ。

レクト

だけど、僕が撮ってるのは

動物と風景だけだ。

職務質問しても無駄だろ？

レクト

僕のせいで、そんな無駄なことを

させるのも、気が引けるんだ。

キャトラ

どんな気の使い方してんのよ……

レクト

だから、今は自分の部屋ばかり

撮ってるよ。

レクト

ハブラシがうまく撮れた時とか、

本当に嬉しくてさ♪

キャトラ

……アンタ、カメラの努力する前に

その性格変える努力しなさいな。

ボイス

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