シャオフー・思い出

シャオフーの思い出とボイス

思い出1

？？？

おお、タマや。

そんなところにおったんか。

エサの時間じゃぞい。

キャトラ

えっ？　アタシのこと？

アタシはタマじゃなくて、

キャトラだよ。

？？？

ああ、

そうじゃった、そうじゃった。

タマはもう１００年前に……

キャトラ

１００年ってアンタ、
いったい今いくつよ！？

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

死んでからずいぶんと日が経って

おるからのう。

いくつじゃろうかねぇ？

アイリス

そうなんですね……でも幽霊とは

違った気配を感じます。

シャオフー

わしゃ、シャオフー。

故郷では＜キョンシー＞と

呼ばれておったのう。

アイリス

どうしてここに来たんですか？

シャオフー

はて？　どうしてじゃろ？

この年になったら

旅の理由なんていらんいらん。

シャオフー

は～、どっこらしょっと。

シャオフー

それにしても、

ここはええとこじゃのう。

空気も澄んでいて、若者たちが

にぎやかで。日頃の疲れがとれる。

シャオフー

わしゃあ、

おてんとさまが苦手でのう。

ここの日陰は心地ええ。

アイリス

ふふっ。好きなだけ

休んでいってくださいね。

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

あんがとよ～、お嬢ちゃん。

シャオフー

ほれ、タマ。そんなところにおらんで

こっちにこんかい。いつものように

膝の上でねんごろせぇ。

キャトラ

だからアタシは

キャトラだってば～。

アイリス

いいじゃない、キャトラ。

しばらくタマになってあげたら。

シャオフーさん、寂しそうだよ。

キャトラ

わかったわよ～。

キャトラ

わ～い。おばあちゃん、

なでてなでて～。

シャオフー

はて？

ここに来てからずっとタマが言葉を

しゃべっておる気が……

わしもいよいよかのう……

キャトラ

ご、ごろにゃ～ん。

アイリス

頑張れ、キャトラ。

思い出2

キャトラ

お腹すいたわね～。

アイリス

もう、キャトラったら。さっき、

カニカマ食べたばかりでしょ。

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

相変わらずタマは

食いしんぼうじゃのう～。

シャオフー

どれ、わしのオヤツを

あげようかねぇ～。

わしは腹が減らんのでなあ、

遠慮せんでお食べ。

キャトラ

ありがとにゃーん。

シャオフー

ほーれ、甘くて美味しいぞい。

キャトラ

――――ッ！

キャトラ

ぎにゃーーーー！？
げ、ゲゲ、ゲル状に腐ってるぅ！！

アイリス

もしかして、

これも１００年前の……

シャオフー

タマ？　どうしたんじゃ？

いつものように

しゃぶりついてこんかい。

アイリス

キャトラ……イケる？

キャトラ

無理よ！

シャオフー

おお、そうか。

タマはこっちのほうが

好きじゃったな。

シャオフー

すまんかったのう。

ほれ、＜ニボシ＞じゃ。

キャトラ

にゃっ♪

キャトラ

あっ……

アイリス

乾燥しすぎて

粉になっちゃてるわね。（※）

※原文ママ

シャオフー

…………

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

相変わらずタマは

食いしんぼうじゃのう～。

シャオフー

どれ、わしのオヤツを

あげようかねぇ～。

わしは腹が減らんのでなあ、

遠慮せんでお食べ。

キャトラ

ぎにゃーーーー！！

思い出3

アイリス

シャオさん！　シャオさん！

シャオフー

おお……お嬢ちゃんに

主人公。

それにタマ。もう朝かえ？

アイリス

大丈夫ですか？　シャオさん、

突然倒れちゃったから

心配しましたよ。

シャオフー

そうか、そうか。

またわしの持病が……

困ったもんじゃな。

アイリス

なにか病気をわずらってるんですか？

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。なーに、

わしには血が流れとらんのでなぁ。

体が冷えて硬直しやすいんじゃ。

シャオフー

今起きるからのう……

よっこらせっ！　あつつつ……

ダメじゃ……うんともすんとも。

アイリス

どうすれば……

シャオフー

この近くに温泉はないかのう。

なにか体を温めるものが

あればよいのじゃが……

キャトラ

ごろにゃん♪

キャトラがシャオフーの
お腹の上に飛び乗った。

シャオフー

おぉ、おぉ。ええぞタマ。

お前はあったかいのう……

生き返るわい……

アイリス

毛布、持ってきますね。

シャオフー

ええ子たちじゃなぁ……

このバケモンには

もったいない心配りじゃ……

アイリス

シャオさんがいつも

私たちにしてることですよ。

シャオフー

……お前さんら。

わしにはかかわらんほうがええぞ。

シャオフー

わしはこんな体じゃからのう……

人々から忌み嫌われる……

シャオフー

親しくした人間は

とばっちりを食うて、わしと一緒に

故郷から追い出されてしもうた……

シャオフー

わしは他人を不幸にする……

じゃから……

アイリス

そんなこと言わないでください。

それでも――

キャトラ

アタシはずっとそばにいるからね、

シャオばあちゃん。

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ……

ありがとよ……

シャオフー

キャトラ。

キャトラ

やっと名前覚えてくれたのね♪

思い出4

シャオフー

アイリスや。

＜ダイコン＞と＜コンニャク＞

買ってきたぞい。

アイリス

シャオさん。

それは私の買い物だって

言ったじゃないですか。

キャトラ

日の光が苦手なんだから

無理して歩いたらダメよ。

シャオフー

ええ、ええ。ほれ、キャトラ。

お前の好きな＜カニカマ＞じゃぞ。

キャトラ

アタシの好物、

覚えててくれたんだ～♪

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

いつも物忘れで迷惑を

かけてしもうとるからのう。

メモを取るようにしたんじゃ。

キャトラ

メモ？　紙が見当たらないけど、

どこに書いてるの？

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

このデコに貼りつけた

札の裏じゃよ。

アイリス

斬新ですね。

シャオフー

こうしておけば、いくらなんでも

忘れたりはせんじゃろう。

シャオフー

札があまっとるから、

キャトラにも貼ってやろうかね。

キャトラ

アタシは記憶力いいほうだから

平気だよ。

アイリス

あら？　買い物袋の中に

＜ジャガイモ＞がないわね……

シャオフー

はて？

キャトラ

ねえ、シャオばあちゃん。

札が落ちたよ。

アイリス

ジャガイモって書いてあるわ。

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

どうやら札をはがすのを忘れて、

上からもう一枚貼ってしまった

ようじゃのう。

キャトラ

意味なぁーーーーいっ！！

思い出5

シャオフー

ふう……

キャトラ

珍しいわね。シャオばあちゃんが

ため息つくなんて。

アイリス

そのパンダのポーチ……

いつも身につけてますよね。

なにか特別なものなんですか？

シャオフー

このポーチを見るたびに、

どうも胸が切なくなってねぇ……

シャオフー

なのに、

ちいっとも思い出せんのじゃよ。

いつ、どこで、

これを手にしたのか……

シャオフー

死ぬ直前の記憶なら

はっきりしとるんじゃがのう。

キャトラ

聞かせてよ。

なにか思い出せるかもしれないわ。

アイリス

私からもお願いします。

シャオフー

…………

シャオフー

ある日、わしの故郷で

大きな戦争が起こってな……

シャオフー

あっという間に多くの人が

亡くなってのう……

わしもその中の一人でなぁ。

シャオフー

真っ暗な森の中で、

誰にもみとられることなく

ひっそりと息絶えた……

キャトラ

そんな……

シャオフー

じゃが、わしは、死なんかった。

このポーチに入っていた

＜束縛のルーン＞によって

死にゆく体に魂が残ったのじゃ。

シャオフー

それからわしは、変わり果てた

故郷を眺めながら……一年……

また一年と時を過ごした。

シャオフー

ほいで、長生きしとるうちに、

この体になってからの

わしのことしか知らんもんばかりに

なっていってな……

シャオフー

淋しくて淋しくて、どうすることも

できんとき、このポーチを

ふと眺めるとな……一人じゃない

ような気になるんじゃよ……

アイリス

今度からは、寂しくなったら

私たちを頼ってくださいね。

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

ありがとよう……

じゃがなぁアイリス。

シャオフー

未来永劫生きるということは

死ぬことより

辛いのかもしれんのよ……

シャオフー

生きることも死ぬことも

できないわしは……これから

どうなるんじゃろうかねぇ……

思い出6

シャオフー

おお……なんてあったかい……

おてんとさまのような光じゃ……

久しいのう……

シャオフー

――おやおや。

アイリス

シャオさん！

ポーチが光って……！

シャオフー

ふぇっふぇっふぇっ。

そうかい、そうかい。

そういうことじゃったんじゃな……

キャトラ

シャオばあちゃんが泣いてる……

アイリス

記憶……戻ったんですね。

シャオフー

母はわしを戦争から離れた

安全な国へ送った。

シャオフー

別れの前に母は、

淋しくないようにと、一人で生きて

いけるようにと、お守り代わりに

このポーチをわしにくれた……

シャオフー

顔を合わさん約束をしたが

わしゃ、耐えきれんかった。

たとえ危難にあおうとも

母と一緒にいたかったんじゃ……

シャオフー

その想いだけで真夜中の森を懸命に

走った。じゃが……

そこに敵兵が潜んでおった。

わしは撃たれ、死んだ……

アイリス

だけど、

まだ生きてるじゃないですか。

シャオフー

…………

アイリス

シャオさんにずっと生きていて

ほしいから、お母さんは

そのポーチの中にルーンを

入れたんじゃないんですか？

シャオフー

こんなわしでも……

生きててええんかのう？

キャトラ

生きようよ。

それがお母さんの願いでもあり、

アタシたちの願いでも

あるんだからね。

アイリス

いつも通り、物忘れがひどくて、

あてもなくフラフラしてる

シャオさんのままでいいから……

キャトラ

これからも、

もっと長生きしてね！

シャオフー

ああ……そうじゃのう。

シャオフー

わしらしく、悲しい過去はもう……

キレイさっぱり忘れたわい。

シャオフー

どっこいせっと。

キャトラ

シャオばあちゃん、

座りこんじゃってどうしたの？

体痛いの？

シャオフー

うんにゃ。ずいぶんと長い寄り道を

してきたからのう。

少し休ませてくれ。

アイリス

好きなだけ

休んでいってくださいね。

シャオフー

ああ、そうさせてもらうよ。

シャオフー

それにしても、

ここはええとこじゃのう……

ボイス

---

◀ 思い出まとめへ戻る

◀ シャオフーへ戻る