混沌版ネモ・思い出

混沌版ネモの思い出とボイス

思い出1

ネモ

お前達に頼みがある。

キャトラ

とうとつね！

キャトラ

『飛行島も久しぶりだな～』とか、

いろいろあるでしょうよ。

ネモ

まどろっこしいのは嫌いでな。

アイリス

それで、頼みとは？

ネモ

大掃除を手伝って欲しい。

キャトラ

大掃除？

ネモ

アルゴノート号の、な。

ネモ

あの潜水艦での生活が

始まってから、

日もだいぶ経ってきている。

ネモ

定期的に清掃はしているものの、

色々とモノも増えてきたし、

あちこちに汚れも目立ってきた。

アイリス

ずっと海の中ですしね……

ネモ

今は機関部のメンテナンスの為、

近くの無人島に停泊中だ。

アイリス

そこで、ついでに大掃除も、

というわけですね？

ネモ

そうだ。

……だが、いかんせん

人員が足りない。

キャトラ

確かに……

あの潜水艦、ケッコー広いもんね。

ネモ

お前達が手伝ってくれれば、

一日であらかた終わらせる

事が出来るだろう。

ネモ

心配するな、報酬は払う。

キャトラ

おっ？

ネモ

タコヤキ料理のフルコースだ。

デザートも付く。

キャトラ

ぎにゃー！！
――あ、意外といいかも？

アイリス

よろこんでお手伝いします。

キャトラ

アンタがアタシたちに

頼みごとをしてくるなんて、

めずらしいしねえ？

ネモ

艦内に招きいれるほど

信用できる人間は、

お前達ぐらいしかいないからな。

ネモ

さて――

まずは買い出しだ。

思い出2

ネモ

親父、モップはあるか？

六本ほど欲しい。

商人

あいよ！

ずいぶんと買い込むねえ。

ネモ

……そっちの安モンでいい。

どうせ一日で使い潰すからな。

商人

まいど！

キャトラ

さて、これで必要なものは

そろったかしら？

ネモ

いや、整備用の油がまだだ。

こっちは上等なモノを使いたい。

アイリス

それなら、ちょっと戻った所に

お店があった気がします。

アイリス

ほら、ここです。

ネモ

なるほど、珍しい品ぞろえだな。

どういう訳か、

軍からの横流し品も――

商人

いらっしゃいませ。

ネモ

…………

ネモは商人の姿を確認するや否や、
○○の
背後に素早く身を隠した。

キャトラ

…………？

どしたの？

ネモ

……お前達。すまないが、

ちょっと買ってきてくれるか？

アイリス

ネモさん、買ってきましたよ。

こちらで良かったですか？

ネモ

……ああ、これでいい。

手間をかけさせたな。

ネモ

あの店の親父は、

どうやら＜連邦＞と

繋がりがあるらしい。

ネモ

取り扱っている品に

見覚えがあった。

軍で使用しているものだ。

ネモ

そして何より、

一般人にしては目つきが鋭すぎる。

キャトラ

……アンタも、大変よね……

アイリス

ネモさんは＜連邦＞だけじゃなく、

＜帝国＞からも追われて

いるんですよね……

ネモ

バレる可能性がある島では

変装をしているんだが……

どうやら奴らは、

ここにも根を張っていたようだ。

ネモ

お前達が心配する必要はない。

それに、俺はもう慣れた。

ネモ

さて、長居は無用だ。

さっさとアルゴノートに――

ネモ

……ああ、忘れる所だった。

キャトラ

まだなにか買うものが？

ネモ

小麦粉だ。

全く、艦長をパシリに使うとはな、

あのタコ……

ネモ

いくつか店を回らねばならん。

付き合え。

キャトラ

緊張感があるんだかないんだか、

わからないわ……

思い出3

ネモ

よし、全員そろったな。

ノア

おおそうじを、はじめるのです～♪

キャトラ

アンタ、やけにはりきってるわね。

ノア

ノアはメイドなのです。

アルゴノートにお仕えするのです。

タコパスクルー

キレイニスルッチュー！

ネモ

担当を割り振る。

ノアは自分の部屋と事務室を。

ノア

ゆらり。

ネモ

○○達は

食堂を。

キャトラ

まかせて！

タコパスクルー

タコパスタチハ

ドコヲソウジスルッチュ？

ネモ

お前達は居住区を中心に、

普段は掃除しない細かな所を――

…………

……

ネモ

……ふう。

なるべく、物は増やさないように

してるんだが……

ネモ

それでも、要らないものが

ごろごろと出てくるもんだな。

アイリス

ネモさん、私たちの担当の分、

終わりましたよ。

キャトラ

こっちまだなら、手伝うけど？

ノア

ゆら～。

ネモのおへやをお掃除するのです。

ネモ

じゃあ、棚と床を綺麗にしてくれ。

ノア

はいなのです。

艦長室の掃除を手伝うノアと
○○たち。

ノア

……上の方が、届かないのです～。

ネモ

おい、無理はしなくていい。

そこは後で俺がやる。

ノア

もうちょっとなので……あっ！？

ノアが手を滑らせ、
棚に置いてあった小箱を
落としてしまった……

ノア

ご、ごめんなさいなのです……

ネモ

ケガはしてないか？

ノア

大丈夫なのです。

キャトラ

中身がハデにとび散ったわね。

……ん？これって……

アイリス

貝殻の、かけら……？

キャトラ

あれ、一個だけ

整った形のがあるわね。

ネモは貝殻の破片を拾い集め、
箱に戻す。

ネモ

さっさと掃除を続けるぞ。

やることはまだまだある。

ノア

…………

思い出4

ネモ

……よし、やっと一段落ついたな。

ネモ

俺はタコ達の

進捗状況を確認してくる。

お前達は休憩していろ。

ノア

ゆらりと了解なのです。

ネモ

…………

ネモ

何だこれは。

居住区は酷い有様を呈していた。
――ありえないほどに、
物が散乱している！

ネモ

この船はいつの間に座礁したんだ？

ネモ

……あいつらはどこだ！

タコパスクルー

…………

ネモ

……おい。

掃除はどうした！

タコパスクルー

……ハッ！カ、カンチョウ！

タコパスクルー

イラナイザッシヲ

マトメテイタラ、

イツノマニカ

ヨンデイタッチュ！

ネモ

ヨンデイタッチュ、じゃない！
誰が床一面に雑誌を
ばらまけと言った！

ネモ

何だこの音は……

タコパスクルーA

モットイケルッチュー！
ジブンヲコエルッチュー！

タコパスクルーB

ハア、ハア、ハア……

ネモ

お前ら……

タコパスクルーA

カンチョウ！
コレハ、ルーンデウゴク
＜ランニング・マシン＞ッチュ！

ネモ

知らん！

こんなバカでかいもの、

いつの間に……

タコパスクルーA

マエニカッタッチュー！

セイリシテイタラ

デテキタッチュー！

タコパスクルーB

ミルミルヤセルッチュー！

ネモ

タコが痩せてどうする！

タコパスクルーA

デモ、カッタハイイケド

イッカイシカツカワナカッタッチュ！

ネモ

せめて三回は使え！

タコパスクルーB

コンドハ、

＜エアロ・バイク＞ヲ

カッテモイイッチュ？

ネモ

却下！

ネモ

普段は掃除しない細かな所――

ネモ

がさらに汚くなっているのは

どういう事だ？

タコパスクルー

アシガハサマッテ

シマッタッチュ。

ヌケナイカラ、

アブラヲヌリコンダッチュ。

ネモ

そうか……

タコパスクルー

カンチョーーーー！
トイレノミズガ
アフレタッチュー！！

ネモ

…………

…………

……

ネモ

はあ……

やっと終わったな。

ノア

おつかれさまなのです、ネモ。

キャトラ

居住区がいちばん大変だったわね。

タコパスクルー

オナカヘッタッチュ？

タコヤキタベルッチュ！

ノア

ノアの新作なのです。

ぴりりと辛くておいしいのです。

アイリス

ありがとうございます。

ネモ

……○○。

ネモ

後で艦長室に来てくれるか？

話がしたい。

思い出5

キャトラ

じゃあ、○○が

戻りしだい、

アタシたちは帰るわね。

ノア

本当に助かったのです。

今度あらためてお礼をするのです。

キャトラ

いいわよ。

タコヤキ、たらふく

食べさせてもらったし。

アイリス

……ねえキャトラ、

○○とネモさん、

なにを話してるんだろうね。

ノア

ノアもちょっと気になるのです。

ネモ

これなんだが……

ネモ

ああ、そうだ。

ネモ

お前の力を貸して欲しい。

キャトラ

……うーん、トビラが

ぶ厚くてよく聞こえないわ！

アイリス

盗み聞きはよくないよ、キャトラ。

キャトラ

だって気になるじゃない！
二人でこそこそと！

ノア

きっと、話に飽きて、

トランプでもしているのです。

キャトラ

ちょっとー！！
アタシたちも混ぜなさいよー！！

ネモ

……お前には、いつも

助けられている気がするな。

ネモ

この礼は必ずする。

助けが必要になったら

いつでも呼べ。

ネモ

……少し大げさだったか？

だが、今の言葉に嘘はない。

ネモ

よし……じゃあ、頼む。

思い出6

…………

……

キャトラ

なかなか出てこないわえ……

ノア

もうすっかり夜なのです。

どうせなら、泊まっていくのです？

ノア

キレイになったアルゴノート号で、

枕なげをするのです。

キャトラ

それはちょっと楽しそうかも……

ネモ

待たせたな。

キャトラ

遅いわよ！

ネモ

トランプをしていたわけではないぞ。

キャトラ

聞こえてた！

ネモ

ノア。

ネモ

――受け取れ。

ノア

…………！

キレイな、

貝殻のネックレスなのです……

キャトラ

……あ、それって……？

ノア

ネモのお部屋で、

ノアが落としてしまった

ものなのです。

ノア

ネモ？……これは、

あの砂浜の貝殻なのですね？

ネモ

よくわかったな。

ノア

ノアにはわかるのです。

キャトラ

にしても、キレイな虹色ね～！

ネモ

そこは、

○○の力を

借りた。

アイリス

なるほど……

加工をしやすいように

してくれたのね？

ノア

ネモ……

○○も、

ありがとうなのです。

ノア

ノアはとってもうれしいのです。

……でも、どうしてこれを？

ネモ

ただの礼だ。

気にするな。

ノア

…………？

感謝されるようなこと、

ノアはしていたのです？

ネモ

色々な。

ノア

……ネモ？

ネモ

……色々だ

ノア

むー……

キャトラ

……で、『あの砂浜』って、

どの砂浜よ？

ノア

教えてあげないのですー。

キャトラ

もー！いじわるー！

ノア

ゆら～。

ノア

きれいな海なのです。

……ネモ、帰るまえに

少しだけ眺めていくのです。

ネモ

毎日腐るほど見てるだろ？

ノア

夕焼けにそまる海が

きれいなのです。

砂浜にすわって、

たそがれるのです。

ネモ

……はあ、しょうがないな。

ノア

貝殻をみつけたのです。

ネモ

浜辺だからな。

ノア

耳をすますと、

海の音がきこえるのです。

……ほら、ネモも。

ネモ

いや、俺はいい。

ノアはネモの耳に貝殻を当てる。

ノア

目を閉じると、

よく聞こえるのです。

ネモ

…………

ネモ

……ノア？

ノア

知ってるのです？

海の音は、ノアの音なのです。

ノア

ネモ、忘れないで欲しいのです。

ネモがいる場所には、

必ずノアがいるのです。

ノア

守られるだけじゃないのです。

ノアはどんな時もそばにいて、

ネモを支えるのです。

ノア

それがいいたかったのです。

ゆらゆら～♪

ネモ

…………

ネモ

貸せ。

ノア

…………

ノアはゆっくりと目を閉じる。

ネモ

知ってるか？

海の音は――

ボイス

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