シャンピニオン・思い出

シャンピニオンの思い出とボイス

思い出1

シャンピニオン

キノコを料理するときは、

水洗いしないでね！

キャトラ

いきなりだわね！

じゃあどうすればいいの？

シャンピニオン

丁寧に拭き拭きして

あげるといいのよ♪

アイリス

どんなキノコもですか？

シャンピニオン

ほとんどはそう。

生きくらげの場合は、

サッと湯通ししてもOK!

アイリス

なるほど……

ヘレナさんにも教えなきゃ……

シャンピニオン

キノコは、大地からの

おいしくてメルヘンな

おくりものなの。

キャトラ

めるへん？

シャンピニオン

キノコってね、

どこにでもあるようで、

まだまだ謎も多いんだよ。

シャンピニオン

何万種類もあるって

言われているけど、

はっきりとはしていないし……

シャンピニオン

『光るキノコ』なんていう、

不可解なキノコもあるの。

アイリス

光る……キノコ……！

キャトラ

それは……不可解だわ……！

シャンピニオン

依然、世界には

未知のキノコがい～っぱい！

シャンピニオン

『あら？』と思ったら、

近くの詳しい人に

相談してみよ～！

キャトラ

？　どこに向かって

いってるのよ？

シャンピニオン

さてさて、そんなこんなで、

ハイ！

キャトラ

これは？

シャンピニオン

シロタマゴテングタケ！
引っ越しキノコだよ！

キャトラ

食べれる？

シャンピニオン

ううん。

致死性の猛毒があるよ！

キャトラ

ギニャー！

シャンピニオン

でも、この光沢、このヌメり、

カッコいいよね～、

男前だよね～……

キャトラ

……ひとさまの趣味を

どうこうはいわないけどさ、

毒キノコは危ないよ……？

シャンピニオン

シロタマゴテングタケさま……

その甘いマスク、たまらない……

シャンピニオン

ちゅっ♪

キャトラ

ギニャー！　おやめー！

シャンピニオン

な～んちゃって♪

してないよ～♪

キャトラ

……ふげ～……

もう～……

思い出2

アイリス

シャンピニオンさんは、

どうしてキノコが好きなんですか？

シャンピニオン

なにかを好きになるのに、

理由がいるかしら？

キャトラ

モノによっては。

シャンピニオン

そう？

キャトラ

うん。だって、

毒キノコも好きなんでしょ？

ちょっと変わってるわよ。

シャンピニオン

毒……とは言うけれど。

シャンピニオン

それは、食べる側を

主体としてとらえたときの

話なのよ。

キャトラ

？？？　どういうこと？

シャンピニオン

たとえばね。毒だと言われる

キノコを、たべる虫も

存在するの。

シャンピニオン

その虫は、毒キノコを

食べても平気なのね。

体がそうなってるのよ。

シャンピニオン

その虫からしたら、

それは毒キノコではないわ。

シャンピニオン

つまり、害のあるなしで

＜毒＞だとしているのは、

食べてる側の都合なのよ。

キャトラ

なるほど……

シャンピニオン

キノコ自身に罪はない……

毒性を宿すのは、

身を守るためでもあるから。

シャンピニオン

だから、毒キノコだって、

悪いものだって

決めつけるのはよくないのよ。

アイリス

うん……なんだか、

視野の広がるお話ですね。

シャンピニオン

それにね……

痛快だと思わない？

キャトラ

なにが？

シャンピニオン

うっかり口にしちゃった相手を、

しびれさせたり、

やっつけちゃったりする。

シャンピニオン

これ、『一本取られた！』

ってかんじで、見事じゃない？

キャトラ

その感覚はわかんないわよぅ。

シャンピニオン

食べられることしか出来ない

キノコの、寡黙なる

反撃の一撃……！

シャンピニオン

くぅぅ……！　シブィ……！

まさに、沈黙のリベンジャー……！

キャトラ

……わかるんだ？

主人公……？

キャトラ

ま、たしかにそういわれれば、

キノコとアンタ、

似てるわよ。

アイリス

そんなこともない……

と……

思うけれど……

思い出3

とってもおいしそうなかおりが……
どこからか漂ってくる……

キャトラ

な、なにこのおいしそうなの？

においだけで

ごはん三杯はいけそう……！

アイリス

キャトラったら……

シャンピニオン

そうでしょうとも……！

お釜を抱えた
シャンピニオンが現れた。

そのお釜から、
えも言われぬ芳醇な香りが
溢れているようだ……！

キャトラ

ねえ……？

シャンピニオン、

よだれが止まんないよ……！

シャンピニオン

そうでしょうとも、

そうでしょうとも……！

キャトラ

それ……？

それなの……？

アイリス

そのお釜の中身は、一体……？

シャンピニオン

ふっふっふ……

驚かないで……

これがかの有名な……

シャンピニオンはお釜の
フタを開けた！

ふっくらとしたお米と、
細切りにされたキノコが、
輝いているっ！！

シャンピニオン

＜マツタケご飯＞よっ！！！

キャトラ

まっ……！

アイリス

まっ……！

キャトラアイリス

マツタケご飯っ！？！？

シャンピニオン

このあいだ知り合った子から、

とってもおいしいお米を

もらってね……！

シャンピニオン

そこへ、投入したのよ……！

キングオブキノコ、

秋の味覚の帝王……

シャンピニオン

マツタケをねっ！

キャトラ

食べたい食べたい食べたい！

ねえねえ、はやくはやくはやく！

アイリス

キャトラったら、

少しは遠慮を……

アイリス

でも……このかおり……

この誘惑は……！

アイリス

抗えない……！

アイリス

お願いします！
私にも食べさせてください！

シャンピニオン

もちろん、いいよ！

みんなと食べるために

たいてきたんだからね！

キャトラ

うひゃひゃひゃー♪

アイリス

きゃあー♪

…………

……

――みんなで、あっという間に
一粒残らずたいらげた
＜マツタケご飯＞は――

……ほんとうに、おいしかった！

キノコ、バンザイ――！

思い出4

キャトラ

……こないだの＜マツタケご飯＞、

おいしかったなぁ～……

キャトラ

アタシ、まだ夢のなかに

いるみたいだよ……

アイリス

キャトラ、さすがにそれは

よいんをひきずりすぎだよ……

シャンピニオン

こんにちは～♪

キャトラ

シャンピニオン！
＜マツタケご飯＞まだっ！？

アイリス

キャトラ……

シャンピニオン

そんなにおいしかった？

キャトラ

うん！　ほっぺが落ちて、

もっかいばっちーんってなって

元に戻ったの！

シャンピニオン

嬉しいなあ、喜んでもらえて。

シャンピニオン

でもね……＜マツタケご飯＞は

そういつでも食べられる

ものじゃないのよ……

キャトラ

えぇっ！？　そんなぁ！！

アイリス

……お高いんですか？

シャンピニオン

このあいだのはもらいもの

だったんだけど……

あの量を買おうとしたら……

シャンピニオンは掌を差し出し、
そこに指で数字を
書いてみせた。

アイリス

す、すごい金額……！

キャトラ

そんな大金……

なにがしか、悪に手を染めなきゃ

手に入りっこないわ！

キャトラ

でもマツタケ食べたいし……！

やるしか……！

アイリス

だめよキャトラ！
気持ちは分かるけど、
それはダメ！

シャンピニオン

そうだよキャトラ。

キノコはそんなこと望んでないよ？

キャトラ

そりゃそうだろうけど……

シャンピニオン

……キノコの野望は……

……もっと……

……遠大なのよ……！

シャンピニオン

うふふふふふ……

アイリス

……シャンピニオンさん……？

シャンピニオン

いまにわかるわ……

思い出5

キャトラ

ギニャー！

キャトラ

あ、アタシのしっぽの先から、

き、きの、きの、

キノコが……！

アイリス

主人公！
大変なの！

アイリス

朝起きたら、髪の毛の中に、

キノコみたいなものが……！

アイリス

これって……！

シャンピニオン

…………

キャトラ

しゃ、シャンピニオン！
ねえ、キノコが！
なんかヘンなのよぅ！

シャンピニオン

……ふっふっふっふ……！

アイリス

シャンピニオンさん……！

シャンピニオン

ついに訪れたわね！
＜茸ガ刻＞が！

キャトラ

き、きのこがとき……！？

シャンピニオン

キノコは菌類……胞子が根づき、

菌糸を伸ばし、養分を得られれば、

どこでも繁殖することが出来る……

キャトラ

ど、どーゆーことよ！？

シャンピニオン

あるときは猛毒、

あるときは最上の美味の

キノコだけれど……

シャンピニオン

その正体は！
大宇宙の侵略者なのよ！

キャトラ

わ、わけわかんない！

シャンピニオン

キノコは狙っていたの……

地上全てを埋め尽くし、

支配するときをね……！

シャンピニオン

こうなってしまっては、

もう私にも止めることは出来ない。

シャンピニオン

あらゆる生命体を覆い尽くすまで、

キノコは無限に

広がり続けるのよ……！

アイリス

なんてこと……！

意外とピンチだわ……！

キャトラ

そんな……

あんなおいしいマツタケが、

悪いヤツだったなんて……！

シャンピニオン

善も悪もないわ。

これは大宇宙の摂理……

シャンピニオン

大人しく、＜茸ガ刻＞を

受け入れるしかないのよ……！

キャトラ

そんなのヤだ……！

キャトラ

もう一度＜マツタケご飯＞を、
おなか一杯食べるんだもん！

思い出6

シャンピニオン

うっ！

ルーンの光が島中を包む。

キャトラ

まぶっ……！

……アラ……？

アイリス

あ……！

キャトラ

とれた……！

キノコがポロポロ落ちたよ！

やったぁ～！

シャンピニオン

なんてこと……！

数万年に一度と言われる、

＜茸ガ刻＞が……！

再び集まったルーンの光が、
何者かの意思を
シャンピニオンに届ける……

シャンピニオン

え……？

シャンピニオン

そう……そうね……

シャンピニオン

キノコは、善も悪も

超越した存在……

シャンピニオン

自然が選ばないのならば、

逆らわずに身をひそめる……

そういうことなのね……

アイリス

シャンピニオンさん……？

シャンピニオン

私、まだまだ、

キノコの真意を

わかってなかったみたい……

シャンピニオン

不自然な支配を、

キノコは望まない。

シャンピニオン

私が浅はかだったわ……

みんなにも迷惑かけたわね。

ごめんなさい。

キャトラ

うん、まあ……なんか、

世界のピンチだった気もするけど、

よくわかんないし、いいよ。

シャンピニオン

私を許してくれるの？

キャトラ

許すよ。

アイリス

キャトラ、なんだかやたら

素直だね？

キャトラ

だってさ……

キャトラ

アタシのしっぽから落ちた

このキノコ、

マツタケだよね！？

アイリス

あっ！

私の頭から生えてたのも、

マツタケだわ！

キャトラ

うひゃほ～！
＜マツタケご飯＞だぁ～！

キャトラ

こんな侵略だったら、

週一でOKだよぉ～！

アイリス

キャトラったら、

げんきんなんだから……

シャンピニオン

でも……

忘れないでね……

シャンピニオン

キノコはおいしいけれど、

その存在は、中立。

シャンピニオン

人類が愚かな行為を続ければ……

世界に牙を剥くかも

しれないからね……

キャトラ

ま、先のこと先のこと！
まずはおいしい
＜マツタケご飯＞！

シャンピニオン

そうね……

いまはそれでいいわね。

シャンピニオン

でも……

忘れちゃいけないよ。

キャトラ

うん、わすれな～い！

ひゃ～！

生でもいいニオ～イ！

ボイス

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