フィオーラ・思い出

フィオーラの思い出とボイス

思い出1

フィオーラ

こんにちは。

私はフィオーラといいます。

よろしくお願いします。

アイリス

私はアイリスよ、よろしくね。

キャトラ

アタシキャト……ってアンタ、

体から草生えてるわよ？！

花も咲いてるし！

アイリス

えっと……フィオーラちゃんは

花の妖精……なの？

フィオーラ

えっと……人間、です。半分。

キャトラ

半分？

フィオーラ

私、昔とても体が弱くてずっと

病気だったんです。

その時に人間に寄生する植物が

体に入っちゃって……

アイリス

植物が……人間に？

キャトラ

そうなると、どうなっちゃうの？

フィオーラ

人間を養分にして、大きな木に

成長します。

キャトラ

じゃ、じゃあフィオーラも……

フィオーラ

あ、私は大丈夫みたいです。

相性が良かったのか、

ずっと今の状態で。

フィオーラ

それどころか、植物のおかげで

病気も治って元気になれたので、

この植物にはすごく

感謝してるんです。

キャトラ

そんなことってあるのね……

アイリス

体が植物に……何か生活で

困ることとかない？

フィオーラ

そうですね……寒さに弱い、

くらいですかね。

キャトラ

枯れちゃったりしないの？

フィオーラ

ちゃんと植物を育てるように、

日光と水があれば大丈夫ですよ。

フィオーラ

あ、あと私この葉っぱで光合成が

できるんです！

キャトラ

今日は空気がおいしいなー、と

思ったらそういう理由なのね。

フィオーラ

きれいな空気、いっぱい

吸ってくださいね！

思い出2

フィオーラ

あの……アイリスさん……

アイリス

どうしたの？

フィオーラ

ご飯……まだですか……？

キャトラ

えっ？　さっき食べたじゃない。

アイリス

足りなかったのかな？

フィオーラ

ご、ごめんなさい。

私……たくさん食べないと、

足りなくて……

キャトラ

足りないならもっと

食べてもいいのよ？

アイリス

キャトラの言うとおりよ。

今度からはもっとたくさん

用意しておくね。

フィオーラ

ありがとうございます！

キャトラ

そんなにたくさん食べるようには

見えないけど、よく食べるのねー。

フィオーラ

この体になってから、すぐおなかが

空いちゃうんです。大食いって

思われるの、恥ずかしいけど……

アイリス

そうだったの……でも気にしなくて

いいからね。

たくさん食べよう！

キャトラ

たくさん食べてもそれはちゃんと

消費されるのね。

いいわねー。ね、アイリス？

アイリス

ちょっとキャトラ……！

フィオーラ

えっ？　なんの話ですか？

キャトラ

アイリスね、最近ダイ……

アイリス

キャトラ……明日からおやつ抜きに

するよ？

フィオーラ

待って！　それはかわいそうです！

たくさん食べて大きくなろう！

キャトラ

そうよそうよ！　アタシが

かわいそうよ！

アイリス

もう……仕方ないんだから……

アイリス

（でも……私は気をつけよう……）

思い出3

道端にキャトラがうずくまっている。

フィオーラ

キャトラちゃん！　どうしたの？！

キャトラ

お、おなかいたい……

フィオーラ

大変！　ちょっと待っててね！

……あ、アイリスさん！

ちょっとキャトラちゃんを

お願いします！

アイリス

あっ、フィオーラちゃん！

待って！……行っちゃった。

キャトラ、大丈夫？

キャトラ

うぅ～あんまり大丈夫じゃない……

アイリス

お薬用意しなきゃ……

それまで我慢してね、キャトラ。

アイリス

……あら？　フィオーラちゃんが

帰ってきたわ。

フィオーラ

――キャトラちゃん、お待たせ！

この薬草を食べて！

キャトラ

う、うん……

…………

……

キャトラ

……あ、あれ？

痛いのがなくなった！

フィオーラ

よかった！　でも今日はゆっくり

休んでね。体力がないと

病気は治らないから。

キャトラ

すごいわ。ありがとうフィオーラ。

でもこの薬草どこで？

フィオーラ

前にこの近くに生えているのを

見つけたの。この島にはいろいろな

薬草が生えているんだよ。

キャトラ

へぇーそれは知らなかったわ。

キャトラ

フィオーラがいれば食べ過ぎても

安心ね！

フィオーラ

でもキャトラちゃん、痛みが

治ったからって油断しちゃ

ダメだよ。

アイリス

そうよ、今日はゆっくり

休みなさい。

キャトラ

はーい……じゃあ今日のおやつは

我慢かな……

フィオーラ

おやつといえば……ちょっと

おなか空いてきたかな……

アイリス

じゃあ私たちはおやつにしようか。

キャトラ

うぅ……

アイリス

そういえばキャトラのおなかが

痛かった原因は何だったんだろう？

フィオーラ

何か思い当たる原因はある？

キャトラ

えっ？　うーんなんだろう……

キャトラ

（我慢できなくて今日のおやつを

アタシが全部食べちゃったことは

黙っておこうっと……）

思い出4

主人公さん！

アイリスさん！　キャトラちゃん！

見てください！

キャトラ

すごい！　お花咲いてる！

アイリス

うわぁ、きれいね！

フィオーラ

久しぶりに新しいお花が

咲いたんです！

だから見てもらいたくて！

フィオーラ

このお花、たぶん長くは

咲いていられないから……

アイリス

押し花にして、保管しておくのは

どうかな？

フィオーラ

ダメです！

アイリス

えっ？　どうして？

フィオーラ

あ、その……ダメってことは

ないんだけど……

フィオーラ

この花も自分も一部だから、

切り取っちゃうのなんだか

ちょっと悲しい、というか……

フィオーラ

自分の髪を切られちゃうような

感覚なんです。

キャトラ

そう言われると、それは

良くないって気持ちになるわね。

アイリス

そうね……ごめんね、気づかなくて。

フィオーラ

いえ、こちらこそなんだか

わがままを言ってるみたいで

ごめんなさい、その代わり、

いっぱい見ていってくださいね。

フィオーラ

私はここでのんびり光合成を

していますから、

ごゆっくりどうぞ！

アイリス

じゃあお言葉に甘えて。

おなか空くだろうから、おやつを

用意してくるね。

キャトラ

アタシの分はカニカマね！

フィオーラ

あっ、じゃあ私も……

ドーナツとか、ピザとか、

食べたいです！

キャトラ

太りそうなものばっかりね。

フィオーラ

そうなんですか？

でも、おいしいからいつも

たくさん食べちゃうんです。

アイリス

太らないとはいっても、

控えめにしたほうが

いいんじゃないかしら。

キャトラ

体に悪そうだしね。

フィオーラ

そ、そうですよね……気をつけます。

アイリス

キャトラもカニカマは

ほどほどにね。

キャトラ

う、うん……でもついつい

食べ過ぎちゃうのよねー。

思い出5

フィオーラの周りに山のように
積まれていた食べ物が、
次々とフィオーラの胃袋に
収められていく。

キャトラ

いつものことだけど、

ホントに良い食べっぷりよね～。

フィオーラ

たくさん食べないと

足りないから……

キャトラちゃんも食べる？

キャトラ

いや、アタシはいらないけど……

そんなに食べててホントに

大丈夫なの？

フィオーラ

ここは食べ物がおいしいし、

それに私はたくさん栄養が

必要だから。

キャトラ

でもアンタ最近甘いものばっかり

食べてない？

アイリス

いろんなものをバランスよく

食べないといけないのよ？

フィオーラ

で、でも……

あっ、食べ物なくなっちゃった。

次はドーナツにしようかなぁ。

キャトラ

ねえフィオーラ、なんだか最近

葉っぱの色が黒っぽくなってきてる

気がするんだけど……元気？

フィオーラ

えっ　体調が悪かったりは

しないけど……ご飯もたくさん

食べてるし。

フィオーラ

――あ、あれ？　おかしいな……

アイリス

どうしたの？

フィオーラ

なんだか足が動かない……

キャトラ

足、って……ちょ、ちょっと！

根っこが生えてるじゃない！

フィオーラ

えっ？！　ど、どうして……？

う、動けない……！

アイリス

もしかしてフィオーラちゃん、

このまま木になっちゃうんじゃ……

フィオーラ

そんな！　今まではこんなこと……

なかったのに……

キャトラ

どどどうしようアイリス！

このままじゃフィオーラが！

アイリス

私もどうしたらいいか……

ねぇ主人公、

何とかできない？

思い出6

フィオーラ

――この光は……？　それに、

私に流れてくるこの感情は……

フィオーラ

これは……怒り？　植物が……

怒っている……

アイリス

怒っている……ってなんのこと？

フィオーラ

わかったんです。私の足に根が

生えた理由。

フィオーラ

私……植物のためと思って、

たくさん食べていたけど、

植物に必要な栄養のことを

考えていなかったの。

フィオーラ

私は何も考えずに、好きなものや

おいしいと思うものばっかり

食べていたから……

アイリス

たしかに甘いものばっかりじゃ

植物には良くなさそうよね。

フィオーラ

私は元気になれるけど、植物は

そうじゃなかった。だから……

キャトラ

根っこが生えちゃった……

フィオーラ

はい。たぶん私への怒りと、自分で

栄養を吸収できるように……

なんだと思います。

フィオーラ

私……この植物のおかげで元気に

なれたのに、そのことをすっかり

忘れちゃっていました。

フィオーラ

だから、植物が怒ってしまうのも

仕方ないですよね……

アイリス

……そうだね。

でも、フィオーラちゃんが

それに気づいたなら、

もう大丈夫よ。

フィオーラ

えっ？　どうして？

キャトラ

アンタ気づいてないの？

足見てみなさいよ。

フィオーラ

足――あっ！　根がなくなってる！

キャトラ

植物がアンタを許してくれたのよ。

フィオーラ

よかった……許してもらえて……

今までごめんね……

アイリス

でも、

これからは気をつけないとね。

フィオーラ

うん！　これからは植物にも

いいものを食べないと、ですね！

アイリス

甘いものはほどほどにね。

フィオーラ

が、我慢できるように頑張ります！

植物と生きていること、忘れずに！

フィオーラ

これからもたくさん食べますけど、

よろしくお願いします！

キャトラ

食べてもいいけど、

ほどほどにするのよ……

なんか心配だわ……

ボイス

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