The Shining Shadow 5章～叛逆の槍を弾く鏡～ Story
開催期間：2016/2/5～2/29
天舞う大蛇の敗北
？？？
――あのときの私は、
わかっていなかった――
一匹の翼を持つ蛇が、
太陽に向かって飛翔している――
大蛇は口から光の槍を
吐き出した！
光の槍は一直線に、
太陽を目指し、宙を裂く――
？？？
……愚かなり、白蛇よ。
＜贋作の太陽＞
我が名は＜贋作の太陽＞。
＜異存＞を弾く、＜黒き鏡＞――
＜贋作の太陽＞
――堕ちよ！
太陽に到達するかに見えた
光の槍は――寸前！
軌道を翻した！
見る間に大蛇へと迫る！
槍は大蛇の頭部を射抜き、
その身を四散させる。
大蛇は小さな白蛇となり、
ゆっくりと地表へ落下していく。
…………
……
昏き地の底……
闇と瘴気のヘドロの中で、
精悍な男が悶えている……
アシャクァトル
……ウ……！ ウゥゥゥゥ……！
矢、剣、斧……無数の武具が、
男の体に突き立ち、とめどなく
血を溢れさせている……
アシャクァトル
……ウグゥ……！
……アァァァアアアア……！
苦悶の表情を浮かべ、
男が身をよじるほどに、
黒く染まった凶器は、
より体内深くに食い込んでいく。
アシャクァトル
グアァァァアアア……！！！
はるか中天より、また一本――
――降ってきた槍が、
男の頭蓋を貫き、ねじる……！
アシャクァトル
……グゥ……アアアァァアアア！
…………
……
キャトラ
れーによって、
ここもあぶなそーね……！
慎重にいきましょ！
アイリス
…………
アイリス
ううん、平気よ。心配しないで。
――だけど――
アイリス
――このままだといずれ、
なにか、とてつもないことが
起こりそうな――
アイリス
……そんな予感がするの……！
キャトラ
そうね……猫のカンも、
そう告げているわ……！
キャトラ
でもとりあえずいこう！
キャトラ
強い武器、敵に渡るよりは
取っちゃったほうがいいモン。
そうじゃない？
アイリス
ええ……そうね……
いまはそれしかないわ……
アイリス
……いきましょう！
黒き太陽と変革の蛇
キャトラ
今度は槍だ……
イシュプール
それ私のなんだ。
アイリス
イシュプールさん？
キャトラ
いつもいるわねアンタ。
イシュプール
そう言わないでよ～ん。
アイリス
イシュプールさんの槍……？
それにしては、この力……？
イシュプール
うん。それはね、
元々白かったのさ。
イシュプール
それで奴を倒しちゃおうかと
思ったんだけどね。
跳ね返されちゃったんだよ。
キャトラ
ヤツ？
イシュプール
＜太陽と蛇の民の里＞で
人々に生贄を求める、
＜贋作の太陽＞さ。
キャトラ
うぅ……ヤな話だワ……
イシュプール
私は逆に、その槍で
やられちゃってねえ。
そのときの力も失ってさ。
イシュプール
でもまあ、なんのかんのあって、
いまではこうしてここで
にょろっとしてるわけだけどさ。
イシュプール
……キミは恨んでいるかい？
私のことを。
アシャクァトル
…………
イシュプール
＜贋作の太陽＞は＜黒き鏡＞――
敵の力を逸らし、そして
それでキミを縛っていた。
イシュプール
君の体を貫いていた槍の一本は、
私の牙だ。当時は知らなかった
とはいえ、すまなかった。
アシャクァトル
…………
イシュプール
…………
ダメっ！
アシャクァトル
……ワレハ、＜セツリ＞ニ、
シタガオウトシタ……
アシャクァトル
ダガ、コバマレ……！
ナガキニワタル
セメクヲウケタ……！
アシャクァトル
……＜蛇＞ヨ……
イシュプール
……なんだい？
アシャクァトル
ワレトトモニ、ノミコムノダ……
アノ＜タイヨウ＞ヲ！
アシャクァトル
――グアァアアア！
イシュプール
待て！
地べた這いずりのたうつ蛇よ！
？？？
陽の当たらないところで
コソコソと……
気に入らぬな、白蛇よ。
キャトラ
アンタは、こないだの！
トーヴェ
奴はまだ不完全。
少しの力であの通り、
我を忘れて暴走だ。
トーヴェ
ククク……
あれで伝承の＜蛇＞などと、
ちゃんちゃらおかしいじゃないか。
イシュプール
おやおや、堂々としてるね。
いいのかい？ やっちゃうよ～ん？
イシュプールが放つ
禍々しい魔弾は、
男の体を素通りした！
イシュプール
……ちぇっ。うまくいかないねぇ。
トーヴェ
忘れたか。我は鏡であり、煙。
トーヴェ
――そして、＜摂理＞だ。
イシュプール
……は？
トーヴェ
蛇どもよ。何に楯突いているのか、
わかっておらぬようだな。
トーヴェ
＜闇＞とともに燃え盛り、
中天に輝く我こそは、
＜贋作の太陽＞――
トーヴェ
意志と命の循環を識る者なり！
イシュプール
時代遅れだと思うけどね！
クェーっ！！
魔弾が巻き上がる
爆炎の奥から、声が響く。
トーヴェ
――見せしめが必要だ。
原初より存在する、
この世の＜摂理＞――
トーヴェ
――それに挑むなど、
まさしく天に唾する行為！
己の愚かしさを思い知れ！
トーヴェ
いずれ貴様ら蛇どもには、
死よりも凄惨な苦痛を与えてやる！
トーヴェ
それまで首でも洗っているがいい！
――気配は消えた――
イシュプール
…………
アイリス
…………
イシュプール
……悔しいけど、奴の掌の上、
って感じだね。
イシュプール
――いまのところは。
イシュプール
……見ているがいい、
＜贋作の太陽＞よ！
イシュプール
新たな意志が解き放たれたとき、
＜落陽を呑む忘我の毒蛇＞は
天高く舞い上がる！
イシュプール
その時が貴様の……
＜恐れ＞と＜敵意＞に基づいた
＜摂理＞の――
イシュプール
――最期になるであろう！
イシュプール
ってね。
キャトラ
……難しいわね。
結局どういうこと？
イシュプール
実は、私も完全には
わかってなかったりしてね。
なによ！
イシュプール
でも、手強いのは確かだね。
イシュプール
わざと反逆者を作って、
その力を利用しちゃうん
だもん。
キャトラ
そんなの……勝てるの……！？
イシュプール
やるしかないよ～ん……
――クェーっ！！
The Shining Shadow 5章～叛逆の槍を弾く鏡～
