ルーファス・思い出

ルーファスの思い出とボイス

思い出1

とある宗教団体での一件から、
しばらく経ったある日――

ルーファスが飛行島にやってきた！

ルーファス

こんにちは、みなさん。

キャトラ

きたわねルーファス！

アイリス

お待ちしてましたよ♪

ルーファス

あの時は、

どうもありがとうございました。

キャトラ

アンタ、わちゃわちゃと

頑張ってたわね。

ルーファス

ホント、死ぬかと思いましたよ……

キャトラ

アタシたちも、ずっと

わちゃわちゃしてたから……

キャトラ

しょーじき、

『きたわね』とかいったけど、

アンタのことよく知らないのよね。

ルーファス

そうですよね、すみません。

では、改めて自己紹介を。

ルーファス

ルーファス・マイクロフトです。

冒険家をしています。

ルーファス

……といっても、

まだ駆け出しなんですけど。

キャトラ

新米ね！

ニューカマーなのね！

キャトラ

どうでもいいけど、

ニューカマーとカニカマって

にてるわね！

ルーファス

みなさんは、ベテランの

冒険家だと聞いています。

ルーファス

なので、色々と

学ばせてもらえればな、と……

アイリス

私たちでよければ、

お力になりますよ！

キャトラ

教えるかわりに、

カニカマちょーだいね♪

ルーファス

わかりました。

未熟者ですが、これから

よろしくお願いします！

キャトラ

あ、でもさ。

アンタって、経歴は立派よね？

依頼には困らなそうよね。

ルーファス

ウッ！

キャトラ

有名な研究者で、昔は会社も

経営してたんだもんね～。

ルーファス

や、やめてください！

社長時代の話は……

ルーファス

あぁっ、ダメだ！

フラッシュバックが……！

過去が僕を襲って……！

キャトラ

あら、聞いちゃダメだった？

ルーファス

……誰にでも、

消し去りたい過去って

あるじゃないですか。

ルーファス

僕は、社長時代がそうなんです……

ルーファス

うぅ、色々やったなあ……

色々やらかしたなあ……

調子、乗ってたなあ……

思い出2

ルーファス

…………

キャトラ

やっほー、ルーファス。

ルーファス

あ、みなさん。

アイリス

読書ですか？

キャトラ

ずいぶんとボロボロね。

なんの本なの？

ルーファス

昔の冒険家が書いた冒険記です。

アイリス

……あ、これ、知ってます。

数々の島を発見したり、

見たこともない魔獣と戦ったり……

アイリス

読んでてすごく

ワクワクしますよね。

ルーファス

そうなんです。

僕が冒険家の夢を持つ

きっかけになった本なんですよ。

ルーファス

幼いころから今日にいたるまで、

何回読んだことか……

キャトラ

そんなに昔っから

冒険家になりたかったんだ？

ルーファス

はい。

両親には、とても

言えませんでしたけどね。

ルーファス

親からは、魔法学の

研究者になることを

期待されていたんです。

キャトラ

やりたいことがあるなら、

はっきり言えばよかったじゃない。

ルーファス

はは……そうですね。

でも、勉強は嫌いじゃなかったし、

両親の期待にも応えたかった。

ルーファス

冒険家はいつでもなれる――

そんな風に自分を説得して、

研究者の道に進んだんです。

キャトラ

その道でよかったと思う？

ルーファス

よくもあり、悪くもありましたね。

ルーファス

自分の技術が世の中の

役に立ったこともあれば、

悪用されたこともありましたし。

ルーファス

でも、研究者としてのこれまでの

人生が、今の冒険家の人生に

繋がっていることも事実です。

キャトラ

そうね。

人生、ムダなことなんて

なにひとつないもの。

ルーファス

ただ、体は鍛えておけばよかった

って、すごく後悔してます。

ルーファス

冒険家をはじめた時は、

自分の筋肉のなさに絶望しましたよ。

キャトラ

ダメよ、それじゃ！
冒険に筋肉はつきものなんだから！

ルーファス

そうですね。

だから今、必死に筋トレとか

してますよ。

キャトラ

アンタ、一流の冒険家に

なりたいんでしょ？

だったら、生半可な鍛え方じゃ

ダメよ。

ルーファス

たとえば？

キャトラ

素振り一万回よ！

ルーファス

素振り一万回……！

キャトラ

それも！
アンタが持ってる、
やたら重そうな武器で、よ！

アイリス

キャトラ……

それはちょっと、ムチャじゃ……

ルーファス

なるほど……

やっぱり、そのくらいしないと

ダメなんだな……

アイリス

ルーファスさん？

ルーファス

わかりました、キャトラさん！

ルーファス

イチ！　ニイ！　サン！　シイ！

キャトラ

(できないことは承知の上よ、

ルーファス……)

キャトラ

(アンタに本物の覚悟が

あるかどうか、

確かめさせてもらうわ……！)

…………

……

ルーファス

い……

ルーファス

いちまああああああんん！
やったぞおおおお！

キャトラ

…………

キャトラ

できちゃったわね。

思い出3

ルーファス

一流の冒険家になるためには、

何よりも……実践経験を積むこと。

ルーファス

ということで、今日はみなさん、

よろしくお願いします。

キャトラ

魔獣討伐の依頼よね？

アイリス

わりと手ごわい魔獣が

出るみたいですが、大丈夫ですか？

ルーファス

大丈夫です！

キャトラさん達に鍛えてもらった

おかげで、以前よりもずっと

強くなりましたから！

キャトラ

素振り一万回のこと？

ねえ、筋肉痛とかへーき？

ルーファス

平気ですよ！

さあ、行きましょう！

ルーファス

(……ホントはまだ

ちょっと痛いけど)

…………

……

キャトラ

いたわ！

ルーファス

……数が多いですね。

ここは、僕がオトリになります。

アイリス

危険ですよ！

一斉に攻撃でもされたら……

ルーファス

僕の武器は盾にもなりますから。

大丈夫です。

きっと防いでみせます。

キャトラ

筋肉痛、大丈夫でしょうね？

ルーファス

ははは。

キャトラさんは心配性だなあ。

ルーファス

では行きます！
うおおおおおおおっ！

ルーファスは魔獣の群れに
飛び込み、武器を構える！

魔獣

ウゴ―！

ルーファス

くっ！

あっ……あぁっ！？

ルーファス

筋肉が痛い！！

キャトラ

やっぱり！！

魔獣

ウゴゴ―！

(※ルーファスが魔獣にリンチされる)

ルーファス

うぎゃーーーー！

アイリス

ルーファスさん！

ルーファス

今です！
僕がやられているうちに痛い！

キャトラ

ナイスバディ―！

(※アイリスがルーファスを癒す)

ルーファス

みなさん、

本当にすみませんでした……

アイリス

大きなケガがなくてよかったです。

キャトラ

ふんとにもう！
反省しなさい！

ルーファス

……僕の悪いクセです。

すぐ調子に乗って失敗する。

ルーファス

どうしてだろう。

どうして直らないんだろう。

もう、調子になんて乗りたく

ないのに……！

キャトラ

……自分の性格ってのは、

そうそう変えられるものじゃ

ないのよ……

キャトラ

アタシも、すぐ調子に乗って

痛い目にあうしね……

キャトラ

つぎの日には忘れてるけど……

ルーファス

う……うらやましい……

キャトラ

切り替えって大事よ、

ルーファス……

ルーファス

わかりました……

メモしておきます……

思い出4

日も暮れてきたので、
その日は野宿をすることになった。

ルーファス

みなさんは、

よく野宿したりするんですか？

アイリス

そうですね。

遺跡現場とかだと、

長丁場になったりしますし。

キャトラ

本格的なベースキャンプを

設営する時もあるわね。

ルーファス

へえぇー。

やっぱり、すごいなあ……

ルーファス

…………

ルーファスはじっと、
たき火を見つめる。

ルーファス

この静かな時間、

たまりませんよね。

ルーファス

みんなでたき火を囲んで、

コーヒー飲んで。

……癒されます。

アイリス

キャンプが好きなんですか？

ルーファス

ええ。

社長だった時も、研修と銘打って

社員みんなを連れてったぐらいで。

ルーファス

その時は会社も小さかったから、

社員は数えるほどしか

いませんでしたが……

キャトラ

……ねえ。

社長時代のこと、教えてくれない？

ルーファス

…………

キャトラ

興味本位ってわけじゃないのよ。

ま、無理にとはいわないけど。

ルーファス

……起業したのは、学生の時です。

僕の研究が、世の中の役に立ったら。

そう考えたんです。

キャトラ

研究って、具体的になにを？

ルーファス

わかりやすくいうと、

ルーンやソウルの新しい使い道に

ついて、ですかね。

ルーファス

事業は成功し、会社はどんどん

大きくなっていきました。

運もあったと思います。

ルーファス

僕は新進気鋭の経営者として

もてはやされ、地位と名声、そして

莫大な財産を得ました。

ルーファス

世界の全てを手に入れたような

錯覚さえ覚えました。

……それが、いけなかった。

キャトラ

乗ってしまったのね……

調子に……！

ルーファス

経営は次第に乱暴になり、

プライベートでは、稼いだお金を

湯水のごとく使い、

はしゃぎ倒しました。

ルーファス

いくら成功したとはいえ、

中身はまだまだガキでした。

ルーファス

あっという間に会社はつぶれ、

僕は……多くのものを失いました。

アイリス

……大変でしたね。

ルーファス

すべて僕が悪かったんです。

たくさんの人に迷惑を

かけてしまった……

キャトラ

そんで、冒険家に

転身したってわけね。

ルーファス

今はとても楽しいですよ。

本当にやりたかったことを

やれてるわけですから。

キャトラ

……あんまり、過去に

しばられないようにね？

ルーファス

そうですね……

あ、コーヒーのおかわり

いかがですか？

ルーファス

……本当に……

ルーファス

本当にあの頃は青かったな、僕……

ルーファス

キャンプ研修だって、

みんな迷惑してたんだろうな……

ルーファス

そりゃそうだよな……

社長に言われたら、

普通断れないしな……

キャトラ

いったそばからしばられてる！

思い出5

そして、朝を迎え――

主人公たちは、
帰路へとついていた。

ルーファス

朝ごはんでも食べていきますか？

キャトラ

いいわね！

ミルクが飲みたいわ。

？？？

……ルーファスさん？

ルーファス

えっ？

男性

ルーファスさん……ですよね？

ルーファス

き、君は……！

アイリス

お知り合いですか？

ルーファス

か、彼は……その……

男性

昔、ルーファスさんの会社で

働いていた者です。

ルーファス

……き、奇遇だね。

元気にしていたかい？

男性

ええ、バリバリやってますよ。

ルーファス

……彼は、設立時からの

社員だったんです。

キャトラ

へえ、そうなんだ。

ルーファス

今は、この島で働いているのかい？

男性

いえ、市場調査の一環で

来てまして。

ルーファス

相変わらず

マーケティングの仕事を？

男性

それしか出来ませんからね～。

ルーファス

またまた。

君ならどんな仕事だってできるよ。

キャトラ

ムム……優秀な人材なのね！

男性

ルーファスさんは、今は何を？

ルーファス

僕は……その。

ぼ、冒険家をね……

男性

おお！

やっぱり、そうですか！

そんな気がしていましたよ。

ルーファス

えっ。

男性

ルーファスさん、

昔っから憧れてましたもんね～。

ルーファス

ええっ！？

そうだっけ！？

そんな素振り見せてたっけな……？

男性

覚えてないんですか？

お酒の席で、冒険家の誰々が

最近何をしたとか、よく話して

くれたじゃないですか。

ルーファス

酔っぱらってたせいかな？

まったく覚えてない。

男性

夢、叶えたんですね。

おめでとうございます。

ルーファス

はは……中々大変だけどね……

ルーファス

…………

男性

どうしました？

ルーファス

……昔のこと、思い出してた。

会社を作った年のことだよ。

ルーファス

設立時のメンバーはみんな、

本当によく働いてくれた……

男性

…………

ルーファス

今さらかもしれないけど……

すまなかった。

ルーファス

君たちの信頼を、

僕は裏切ってしまった。

本当に……申し訳ない。

ルーファスは、深く、頭を下げる。

男性

…………

思い出6

男性

……確かに、私は

あなたに失望しました。

ルーファス

…………

男性

設立当時の社員たちもみんな、

そうだったと思います。

ルーファス

……すまない。

男性

でも、責任は僕たちにもあるんです。

……暴走するあなたを、

止められなかった。

男性

殴ってでも目を覚まさせるべき

だったと、今でも後悔する時が

あります。

キャトラ＆アイリス

…………

男性

しかし、すべては過ぎたことです。

あなたにとっても、私にとっても。

……それに。

男性

楽しい思い出だって、

ありましたからね。

ルーファス

楽しい思い出……？

男性

あの頃……

いい会社にしたいと、みんなで

がむしゃらに働いていた頃。

男性

ともに会社を大きくしていった

あの経験は、私の一生の財産です。

ルーファス

…………

男性

あと、キャンプ。

ルーファス

……え？

男性

いつかまた、あのメンツで

たき火を囲みたいものです。

男性

……あ、すみません。

そろそろ仕事に戻らなきゃ。

男性

失礼します、ルーファスさん。

今度はもっとゆっくり

お話しましょう。

男性

では、また。

ルーファス

……ああ。また、な。

(※主人公が光る)

ルーファス

……温かい光をありがとう、

主人公さん。

アイリス

どうやら、迷惑してたわけじゃ

なさそうですね。

キャトラ

キャンプ、また連れてって

あげなさいよ。

きっと喜ぶわよ。

ルーファス

……過去は、変えられない。

そうですよね？

ルーファス

でも、それは……

楽しい思い出も、

同じなんですよね。

アイリス

……はい。

ルーファス

やっちまったもんはしょうがない、

って割り切るのは、今は

無理だけど……

ルーファス

……ちょっとだけ、救われました。

ルーファス

過去に苦しんで

ばかりもいられませんね。

キャトラ

そうそう、その調子よ！

ルーファス

僕……みんなが自慢できるような

冒険家になりたいと思います。

ルーファス

あ、それと、もう一つ。

…………

……

シェリル

師匠！
はやく私を社長にしてください！

ルーファス

焦ってもいいことはないぞ、

シェリル。

シェリル

わかりました！
あせりません！

ルーファス

じゃ、今日の勉強……の前に、

社長道を一つ教えることにしよう。

シェリル

新しい社長道だ！
お願いします！

ルーファス

失敗から学び、未来へ繋げるべし――

ボイス

同時期登場キャラ

カオスエンブリオ

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