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太白鴨・物語

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最終更新者: 皮蛋納豆丼

長夜之飲・壱

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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朝焼けの空の下、鳥たちが枝に止まって鳴いている。

バルコニーを見ると、そこには興味津々な食魂たちが集まっていた。


紹興酔鶏

「皆様、おはようございます!

 お忙しい中、本日の『健康飲酒講座』にご足労くださり、

 誠にありがとうございます。」

「今ここで深い眠りについている男は――

 今回の講座で悪い見本となる『太白鴨』です。」


四喜団子

「太白鴨?もしかして昨日の夜、飲みすぎて……

 若にうっかり名前を売っちゃった食魂でしょうか?」


臘八粥

「おぉ!要するに施主は、他者の弱みに付け込む人ってことだな!

 ――このゴシップ、見逃せないぞ!」


太白鴨

「うぅ……なんて旨い酒だ……Zzz……」


紹興酔鶏

「今の太白鴨は飲みすぎたときに最初に現れる症状が出ています。

 皆様、よくご覧ください……顔が赤くなり、意識が朦朧としていますね。」

「酒場のオーナーとしては、健康的な飲酒を心掛けてほしいものです!

 酔った勢いで、『空桑の若様』と『食物語』の契約を結ぶのは如何かと。

 ……あっ、若様を責めるつもりはないよ?」


【選択肢】

・太白鴨、起きて。あなたは売られたんだ

・これは人身売買ではない、正当に雇用することだ

選択肢

太白鴨、起きて。あなたは売られたんだ

太白鴨

「うぅ……売られた?……誰に?まさか醸造の始祖・杜康じゃないよな……?」

「フフ……ハハハハ!」

「面白い、なんとも面白い!

 この俺・太白は、白昼に空桑へと売られたのか。すごいじゃないか!」


これは人身売買ではない、正当に雇用することだ

太白鴨

「うっ……『弁舌が立つ者は天下人を惑わす』というのは適切だな……」

「酔ったときに『食物語』の契約を結ばせるような人を侮ってはいけないな。

 俺はここで暫く暮らして、面白いことを見付けるんだ!」


紹興酔鶏

「これは、酒を飲みすぎた後の二つ目症状……

 興味が高まり、でたらめを言う……」


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太白鴨

「おぉ、君は邵くんではないか?

 ハハハ、ここで友人に会うとは思わなかったな!」

「君も空桑の若様にさらわれてきたのか?

 むぅ、まさかおととしの酒代を取り立てに来たじゃないよな?」


紹興酔鶏

「あのなぁ……!ボクは意識がちゃんとしてるときに、若様と契約を結んだよ。

 『旨いお酒』のために、意識が朦朧としていたあなたとは違う!」


太白鴨

「ハハハ……ひどいね。」

「〇〇が贈ってくれたお酒はただの『旨いお酒』ではない。

 さっぱりして甘みがある酒でな。とてもおいしくて昔を思い出した……」

「きっと……邵くんでは、あの酒の旨味を、千分の一も醸造できないかもな。」


【選択肢】

・どんな昔話を思い出した?

・褒めてくれてありがとう

選択肢

どんな昔話を思い出した?

太白鴨

「気になるのか?

 だったらあの桂花酒を、もう一本くれ。俺が酔ったときなら教えるかもな!」


褒めてくれてありがとう

太白鴨

「『桂子月中より落ち、酒香雲外に飄る。』――

 桂花酒を醸造する者は多いが、その神髄を醸造できる者はなかなかいない。」


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太白鴨

「そう思えば、広寒宮の桂花だけ本場の酒を醸造できる……」


四喜団子

「あれ?でも……若が醸造に使った桂花は、

 空桑の裏山でとった普通の桂花だったよね……」


臘八粥

「そうだな。最近、理由は不明だが、

 裏山にたった一晩でたくさんの桂花樹が生えた。」

「なにより不思議なのは、あの桂花樹は全部、あの湖から生えてきたってこと!

 『あの湖』って言って、皆に伝わるよね!」


四喜団子

「はい!あの夜中に、微かに光ってる湖ですよね!」


太白鴨

「夜中に光る湖か……それはなんとも興味深い光景だ!

 せっかく空桑に来たからな、見逃さないようにしないと!」


四喜団子

「あら、あそこは行きたくても簡単に行けるところではないよ。

 前回満潮の後通路が水没したよ。険しいから船でも転覆するよ!」

「でも、でも……」


【選択肢】

・あなたが『軽功』で水上を走れるなら

・あなたに『主人公補正』があるなら

選択肢

あなたが『軽功』で水上を走れるなら

太白鴨

「ハハッ、それは難しいことではないね。

 俺は百の流派で武術を師事したからね、『軽功』もできるんだ。」

「どうだ?○○、一緒に裏山の湖に夜景を見に行かないか?」


あなたに『主人公補正』があるなら

太白鴨

「何?俺にはないのか?

 それは、主人公の標準設定だろ!!」

「ハハハハ……!『主人公補正』があるかどうかは湖に行けばわかる!

 どうだ、〇〇!一緒に裏山で湖の夜景を見に行こうか?」


紹興酔鶏

「おい、〇〇の『主人公補正』を狙うな!」


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誰もが騒がしくしていたので、

黒い影が傍まで近づいていたことに、誰ひとり気づかなかった。


四喜団子

「ぎゃ――!び、びびびっくりした!!」


蘇安

「フフッ、驚いた?悪かったね。」

「今はピクニックをするタイミングじゃないよ、わかるよね?」

「琳琅閣で収集された沙棠木がなくなったんだ。容疑者を探してる。」


太白鴨

「『沙棠木、水に沈没せず、滄海の一粟、各地を遊歴す』……

 ハハッ、面白くなってきた!」


蘇安は声の方向を見るが、太白鴨がいつ高台で座ったかわからなかった。

彼は酒を飲みながら、気分が高まり詩を吟じる。


蘇安

「素晴らしい食魂が空桑に来たと聞いたけど、まさか、あなたなのか?」


太白鴨

「フン、何か用か?」


蘇安

「いや。ただ、噂によるとあなたは唐朝で敵軍を破って、

 断崖で剣を振って『十歩で一人を殺し、千里も旅を止めない』って

 伝わってるみたいだよね。」

「またあなたが『八斗の才』を持ち、武芸の達人で、二人といない人だって。

 無数の実権者があなたを招いて断られたってさ。」


臘八粥

「あっ、思い出した……!

 あの『風如し自由に往来、一生水に映している月を求める』っていう、

 ゴシップ記事の回答者はあなただな!」


太白鴨

「……」


蘇安

「自由奔放なあなたが、お酒のために空桑に来たなんて。

 そんな理由、全然わからないな……」


太白鴨

「ハハハハハ……!」

「どうやら空桑は、酒が旨いだけじゃない……人も面白いな!」

「俺はあの沙棠木が消えた事件に興味がある……一緒に行こうぜ。どうだ?」



紹興酔鶏

「太白鴨が、有名な人物だったとは?!」

「彼は……毎日酒ばっかり飲む、ただの酔っ払いだと思ってたよ……」


四喜団子

「違うよー!みんなが言ってた輝かしい功績を、小生も知ってるよ!」

「彼はこの世に他に並ぶ者がいないだけじゃなくって、顔も広いよ。

 噂になってるあの神秘的な……『ピーーー』は彼の友人だそうだ。」


【選択肢】

・ちょっと、何で消音!

・え!まさか彼が『ピーーー』の友人とは!

選択肢

ちょっと、何で消音!

臘八粥

「そうだよ。話が曖昧な人って面倒だよね……

 おっと、拙者は決して情報を報道するつもりはないよ。」


え!まさか彼が『ピーーー』の友人とは!

臘八粥

「おいおい、なんであなたも消音!その『ピーーー』はいったい誰?

 三秒以内に答えろ!」


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四喜団子

「はぁ、きみたちの情報網は全然だめだ!四個の団子より弱いね……」

「噂によると……太白鴨の顔は広いけど、彼のことを認める者は少ない。

 それで三鮮……コホン!あの有名な怪盗は……

 彼と交流している数少ない者みたいだな。」

「先日、彼は三鮮『ピーーー』と……」

「それで、蘇安様は彼を……疑っているかも……」


臘八粥

「……」

「四喜団子、空桑通信がバイトの記者を募集している。

 興味ないか?」


紹興酔鶏

「ちょっと待て。話題をそらすなよ!

 よくわからないことばっかだ。これ以上複雑になる前に問題を解決しないと。」

「もし太白鴨が危ないヤツなら、

 若様と契約したのは、きっと何か企んでるからに違いない!」

「うん?彼は強引に契約させられたって?」

「あなたには、太白鴨を言いなりにする『穂かけ』をもってるから?

 自分が何を言ってるか、わからなくなってきた……」


四喜団子

「変だ、変だよ!若さまが持っている『穂かけ』が、

 なんで太白鴨のかけているペンダントと同じなの~?」



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長夜之飲・弐

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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『平湖雲錦碧蓮秋,一曲菱歌滿樽酒。粼粼秋水上,一葉舫翩而行。』――


皆、酒を飲みながら詩を吟じている。


伊摯

「そういうことなら、行かなければならないだろう?」


太白鴨

「もし彼を探せば、反乱軍を退治するのを言わなくてもいい。

 腹背に敵を受けても、確認しに行きたい!」


伊摯

「もし、彼がいなくなっても価値があるか?」


太白鴨

「フ……」

「伊兄さん、本当に分からない?」

「この天下に俺の『親友』は少ない。だが……彼だけは……」

「彼が残した詩……まさか俺と実力が伯仲しているとは……」

「この世に本当に彼がいるならば、一度、競い合うことを願う!」


伊摯

「……」


太白鴨は月を見つめて、しばらく押し黙った後、一気にお酒を数杯飲む。


太白鴨

「いい酒だ――!!」

「こんな良い酒を醸造して、何故扉の後ろで隠れている?出て来い。」


伊摯

「ハハハハ――!さすが唐の剣豪だ。よくぞオレの息子の呼吸音に気付いたな。」

「出て来なさい、〇〇!あなたが広寒宮で何日も桂子を採っていたのは無駄ではなかった、彼はあなたが醸造した桂花酒を認めたよ!」


太白鴨

「桂花と酒を買おうとしたら、天から香りがしたのだ。

 この仙宮の美酒は、とても珍しい!面白い、面白い!」


【選択肢】

・空桑にきたら美味しいお酒がいっぱいあるよ

・太白兄さん、褒めてくれてありがとう

選択肢

空桑にきたら美味しいお酒がいっぱいあるよ


太白鴨

「ハハハ!伊摯、伊摯!息子は幼いが、口が達者なのは君に似ているな!」


太白兄さん、褒めてくれてありがとう


太白鴨

「気が利く子だな。君は何歳?」

「七歳?幼いのに優れた才能を持っているな。

 君の将来は、無限の可能性を秘めてるぞ!」


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伊摯

「ふぅ……お前な。その桂花酒は必ず太白鴨に渡すって言っただろう……」

「何でこっそりとついてきた……

 もしかして、自分の父親を信じていないのか?ハハハハ!」

「お前の母親に用があるから……おっと、待たせたらまずい!

 悪いな、太白鴨。この子頼む、オレはすぐに戻らないといけない!」


雲が消え去り、遊覧船には太白鴨と幼い若が二人が残された。

そのため、この空間には今、気まずいムードが漂っている。


太白鴨

「おい、なんで舳先で跳ねてるんだ?

 もしかして……遊覧船が揺れる感じが好きなのか?」

「ハハッ……人間は面白いな。こういう無邪気な時期があるんだよな。」

「俺の『親友』が幼いときは、どんな様子だったんだろうな……」


そのとき、急に遊覧船が地震かのような揺れ方をした。

よく見たら舳先で火が燃えたっている。


太白鴨

「ん?先手を打った者が勝つ……俺の宣戦布告が大切に扱われたようだな。

 ハハハハ!」


【選択肢】

・落ち着いたふりをする

・大声で叫ぶ

・食魂を守る

選択肢

落ち着いたふりをする

太白鴨

「ほら、しっかり俺の手を掴め。安心しな。」


大声で叫ぶ

太白鴨

「シッ……!濃煙の場所では叫んではいけないぞ。

 安心していい。俺は必ず君を救い出すからな。」


食魂を守る

太白鴨

「俺の前に立ちはだかってどうするつもりだ?

 もしかして、俺を守ろうとしてるのか?」

「ふははははは!この太白鴨、生まれてこの方「守られる気分」というものを一度も味わったことが無かったが…

 悪くないな、実に面白い!」

「だが、今はやはり、俺が君を守る……

 君が大人になったら、その恩返しをしてもらうってことで、どうだ?」


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風に煽られ、火の勢いが増し、

そこら中で杉や木の油が燃え落ちた音や、敵軍の叫び声が響いている。


兵卒A

「てめぇ、いつまで隠れてるつもりだ?!ビビってねぇで出て来い!」


兵卒B

「李翰林がここに来てるって言ったら、お前、本当に来たな……

 自分の目で確認するってことか?」


兵卒A

「彼は数年前に既に死んでるじゃねぇか!

 しかも酒に酔って、河に映っている月を取ろうと、河に飛び込んでな!

 ハハハハハ……出て来い、あの世にいるあいつと会わせてやるぞ!」


太白鴨

「……」

「ハハッ!幸いにも伊摯が、この遊覧船に空桑へ戻る陣を残してくれた……」

「そろそろ帰ろうか、友よ。そろそろ休む時間だ。」


【選択肢】

・一緒に帰らないの?

・あなた一人を放ってはおけない!

選択肢

一緒に帰らないの?

あなた一人を放ってはおけない!

太白鴨

「いやいや、逆だよ。

 あなたが俺を放っておくんじゃなくて、俺があなたを空桑に送るんだ!」

「この俺――太白鴨が、自ら水月を確認しなければ……ならない!」


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太白鴨は陣を作り、剣を構えて遊覧船の上を切って出口を作る。

夜には、数本の火の矢が遊覧船を目掛けて飛んできた。


太白鴨

「友はどうして俺の服を掴んでいる?」

「ハハハハ……安心しな。この世の美酒を飲み切れてないからな。

 俺は死ぬわけにはいかないぞ?

 俺を信じていい。勝算が無ければ、俺は応戦しないからな。」

「なんだ、帰りたくないのか?ハハハ、しょうがないな……!」

「この『穂かけ』を持っていろ。それは俺の霊力と同等のものだ。

 だから、俺の安否を確認できる……君の願いが叶うぞ。」

「もし敵軍を退治したら、石壁に字を剣で彫刻して、君と祝おう。どうだ?」

「ほら、目を閉じて。俺と手を繋いで陣に入ろう。

 この詩が詠み終わったとき、君の家に着くぞ……」



『両人対酌すれば山花開く、一杯一杯復た一杯。』

『我酔うて眠らんと欲す卿且く去れ、明朝意有らば琴を抱いて来たれ……』――



太白鴨の声が徐々に聞こえなくなり、あたりが陣の光に包まれる。


太白鴨

「ハハッ。空桑は……いいところなんだろうな……」


太白鴨は歌いながら、鶴のように船の縁から飛んでいく――



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長夜之飲・参

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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四喜団子

「若、若!早く起きてください~。悪夢でも見ていましたか?」


紹興酔鶏

「あなたはずっと「霊力のある穂かけ」って呟いてたよ……

 もしかして太白鴨が空桑に帰るのは、己の意思じゃなくって、

 その「穂かけの霊力」のせいだったりして……?」


四喜団子

「小生もその寝言を聞きました……

 それって太白鴨が送ってくれた贈り物なのですよね……」

「そうだとしたら、彼はちょっとかわいそうですよね。」


紹興酔鶏

「でも、もし太白鴨が若様を覚えてなかったんなら……

 そうするしかないよな……」


臘八粥

「大変大変!太白鴨が蘇安様に会った後、空桑に消えてしまった!」

「管理司が沙棠木と太白鴨の行方を捜してて、『陸吾事務所』には人がいっぱいだ!」


紹興酔鶏

「太白鴨が行方不明?そうだ、出かける前にヤツはメモを残してたようだ!

 そのメモに、手がかりがあるかも!」


四喜団子

「では、小生たちはどうしたらいいですか?若の計画に従えばよいでしょうか?」


【選択肢】

・兵を二手に分ける

・先に人を探す

選択肢

兵を二手に分ける

四喜団子

「若の言う通り、小生たちの人数が多いから、二手にわかれたほうがいいですね!」


先に人を探す

四喜団子

「そうですね!太白鴨がいませんし、若の計画も意味がないですしね。

 まずは、急いで人を探しましょう!」


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皆が部屋をいなくなったので、騒がしかった室内が静かになった。


窓の外に星が流れ、無数の星が風に吹かれて、枕に落ちるようだ。


「ポスン――」!小さなものがベッドに落ちた。どうやら小石のようだ。


太白鴨

「ご無沙汰だな。」


【選択肢】

・屋上で何してるの

・何で小石を投げたの

選択肢

屋上で何してるの

太白鴨

「ハハハ……!屋上で何ができると思う?」

「お酒を味わい、月と星を眺める……そして君を見つめる――」


何で小石を投げたの

太白鴨

「ハハハハ……!君はつまらない奴だな!」

「空桑が高くなって、星がベッドに落ちてくるようだ。」

「俺は君に、星をひとつ投げた。一本の美酒と交換できないか?ハハハハ……!」


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太白鴨

「綺麗な夜景だぞ。一緒に見に行かないか?」

「〇〇、何も言わないなら、君を連れて、剣の乗って飛んでいくよ――」


二人は林の小道を避けて、まっすぐ竹林の奥へと向かった。


夜になると、湖に浸かった泥はさらに冷たくなる。

この湖は、まるで人間界のものではなく、広寒宮にある氷の露のようだ。


太白鴨

「若はこの道をよく知っているようだ。どこに連れていかれるかわかってるのか?」

「『沙棠木、水に沈まず。船を作ったら、万里へ行く』。」


太白鴨が大きな楡の葉を取り除くと、小船が見えた。


太白鴨

「琳琅閣が探している沙棠船が……ここにある。」

「ハハッ、何で驚いた顔をしている?安心しろ、蘇安に教えないから――」

「君は狡猾な犯人だ。」


【選択肢】

・サプライズをあげたい

・あなたも今から共犯だよ

選択肢

サプライズをあげたい

太白鴨

「へぇ?空桑の若が危険を冒してサプライズとは――それは傾聴しないとな。」


あなたも今から共犯だよ

太白鴨

「ハハハ!君と船に乗ったから、共犯だね?」


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沙棠船に乗って、光っている湖の上を疾走する。


なぜかわからず、湖が煌き、まるで月のようだ。


小船が岸に向かっていくと、そこに立つ影が揺らめいた。


太白鴨

「これは……?」


四喜団子

「彼らが来たよ、急いで――!」


すると、きれいな花火が打ち上げられた。


臘八粥

「『月有りて来のかた幾時ぞ、我今盃を停めて―だび之に問わん』――」


太白鴨

「彼らは……なんで岸で李太白の詩を吟じているんだ?

 よりによって……『酒を把りて月に問ふ』?」


四喜団子

「『今の人古時の月を見ず、今の月曽経て古人を照らす。

 古人今人流水の若く、共に明月を看ること皆此の如し!』――」


紹興酔鶏

「唯だ願ふ歌に当たり酒に対するの時、月光長へに金樽の裏を照らさんことを――

 太白鴨、酒を持て!!」


一本の竹の矢がこちらへ放たれ、太白鴨が軽く跳ねて、酒を取った。


【選択肢】

・今日はあなたの『親友』の誕生日だ

・今日みんなで彼の誕生日を祝おう

選択肢

今日はあなたの『親友』の誕生日だ

太白鴨

「空桑で彼の誕生日を祝う……君が俺のために叶えた二番目の願い?」


今日みんなで彼の誕生日を祝おう

太白鴨

「ハハッ、ありがとよ……今回は初めて皆で彼の誕生日を祝う……」

「俺のために叶えた二番目の願い?それは……どういう意味?」


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太白鴨

「君が持っている穂かけは……どこから?なぜ俺と同じペンダントを持ってる?」

「なるほど、俺は霊力を注いだことがあるから、君が願ったら、俺は断れない……

 ハハハハ!昔の俺は面白かったんだな!」

「それでは、最後の穂かけで何を願う?」


【選択肢】

・あなたが自由になる

・『金樽対月、意を得ねば須らく歡を盡くすべし』

・永遠に私のそばにいる

選択肢

あなたが自由になる

太白鴨

「……」

「『食物語』に載ってる俺の名前を取り除くって?ハハッ、本当か?」


『金樽対月、意を得ねば須らく歡を盡くすべし』

太白鴨

「フフハハハハ!俺のために三つ目の願いを願ってくれてありがとう!」

「ん?なんで「食物語」を差し出す?俺の名前を取り除くって?!何故?」


永遠に私のそばにいる

太白鴨

「ハハッ、すでに契約を結んだが、なぜ名残惜しい顔をしている?」

「『食物語』の俺の名前を取り除くって……なぜ?」


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太白鴨

「一つ目の願いはただ俺を誘って空桑へくること……

 それは霊力で強引にすることではない……」

「ハハッ……よし!君が決めたのなら、俺は何も言わない。」


彼は『食物語』を開いて、自分の名前が載っているページで筆を振るい――!


その筆で、永遠に己の名前を取り除いた。


太白鴨

「ハハハハハ……!」

「『水に月、鏡に花』ということが空しい、と人々はよく言っている。

 〇〇、彼らは見たことが無いから、そんなことを言っているのか?」


沙棠船が北へ行き、

湖の真ん中にある渦巻に陥ったように、回転し始めた。


船に乗っている二人は酒を飲んだ。

酒のせいで、月がだんだん朧気になり、湖の底から光が現れた。


太白鴨

「友、君に尋ねよう――『もしこの世界に水に月があれば……見たいか?』」

「友、沙棠木で船を浮かべるだけでは……もったいない。」

「友、君は三つの願いを送ってくれた。返礼しないと……失礼だよな?」


【選択肢】

・何でずっとボクを『友』って呼んでいるのか

・この船、転覆しそう

選択肢

何でずっとボクを『友』って呼んでいるのか

太白鴨

「ハハハハ……!気分が高まって、呼び間違えた!」


この船、転覆しそう

太白鴨

「転覆する?ちょうどいい――」


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太白鴨

「ほら、目を閉じて俺と手を繋げ。本当の『水中の月』を見せてやる……」


湖の底が見えない。きっと底には、巨大な球体が潜んでいるのだろう。


その球体は透明で、黄色く光っているが、触ったら冷たいと思う……


李太白は河に飛び込む前に、同じ月を見たのか……

もしそれが本当の月だったら……


じゃ、空にある月は何だろう……


四喜団子

「あっ!若、やっと目が覚めましたね!

 昨夜、太白鴨がきみを送ってくれたとき、きみは全然おきていなくって。

 『食物語』をしっかり抱いていた……」


紹興酔鶏

「あいつは若様が酔ったから寝込んでるって言ってたけど……信じるかよ!

 酒豪の話は信用できない!」

「昨日残したメモに書いてあるのは桂花酒の作り方……とんでもない人だ!」

「あれ?何で慌てて『食物語』を開くんだ……『太白鴨を無くした』って何だ?」


臘八粥

「施主、落ち着いて!太白鴨のサインは最後の頁に載っているよ!

 ほら墨が新しく見えるよ……どうやら昨日の夜に書いたみたいだ……」

「そうだそうだ、この頁、ちょっと変だな。書かれた名前に汚れた跡があるね。」


四喜団子

「前のページには太白鴨のサインがあるじゃないか……あれ?

 いや、ちゃんと見たら……」

「若!彼が最初にサインしたのは「太白鴨」じゃ無くて、「大白鴨」だよ――!」


紹興酔鶏

「大白鴨……若様、あいつはいつあなたに霊力のある穂かけをあげた?

 若様は、騙されてるよ!」

「違う、もしあなたを騙したのなら……あいつは記憶を失っていないんじゃ……?」

「ああ、もう考えたくない。酒豪って奴は……ロクデナシばっかだ!」




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