東璧龍珠・手紙
半分風雅
主人公名:
「何枚かの懸賞金付き指名手配書に、大東府官衙の深紅の印が押されている。画像は古ぼけていて、ほとんど識別できない。」
放火犯:オレンジの髪に、奇妙な身なりの青年で、言動は常軌を逸している。東市の酒楼を爆発し、放火した後、豚に乗って逃亡。罪のない子供を一人道連れにしているため、早急に救出しなければならない。
酒狂:二人。そのうちの一人は剣士の格好をして、口から出るのはデタラメばかり。繁華街で鋭い刀を振り回し、通行人を騒がせる。もう一人は店主に扮し、まじめに見えるが、その行動はさらにひどい。街頭がまるで力比べの土俵であるかのように暴れまくり、街をめちゃくちゃにした。
空桑でこの三人の手がかりを見つけて東司馬官衙に通報したものには、賞金として白銀千両を与える。おたずねものを捕まえるのだ。
東壁龍珠
同袍同沢
主人公名:
空桑の若、オレはすでに警察部に治安関連の問題を確認した。鉄道兄弟の二人に対する太白鴨の容疑はすでに確認しているが、肝心な証拠が集められないため、何度もその屁理屈に負けている。君がたの事件記録を調べたが、上っ面ばかりで中身がなく、ごちゃ混ぜの説明から大切なことを取捨選択するのは、かなり骨が折れる……それよりももっと、新聞紙――『空桑速報』を使うことを学んだ方がいいね。お茶を飲みながら、それぞれの段落の面白い文字列から、その背後にある真相を探ることは、なかなかよい暇つぶしになる。
それと、君はオレがか腰につけた小さなカバンを見るたびに疑わしい目を向けるが、もし中に匕首や手錠など危険な道具が入っていると思うなら、それは推断とは言えず、単なる浅はかな偏見に過ぎない。
「いくつかのオブラートに包まれたハッカ飴。紙に次のように書かれている:オレのカバンの中のものを送るよ。辛くて眠気覚ましに使うもので、欲しいならどうぞ。」
東壁龍珠
以心伝心
主人公名:
いま、空桑で君にお手紙を書いているこの時も、君の空桑はすごく疑わしく、常に警戒し続けるべきだと思っている。
君はオレの寝言に、気をもんでいるようだね。はっきり言いましょう。これはオレの死の牢獄からのうわ言だ。オレ、東璧龍珠は、かつて愚かな同僚たちに枷をかけられ、生死の狭間をさまよった。絶望の末に、死にたいと思うようになり、心のなかでの善悪の境もあいまいになった。もし、全ての民のために死ななければならない人間がいるなら、オレは必ずそいつの息の根を止める。もし全体の任務のために仲間を犠牲にしなければならないなら、オレはためらわずにやるでしょう……このようなオレであっても、君は変わらずにオレに近づき、信頼してくれるか?じゃあ、オレからの質問。君から見て、オレは純粋な正義なのか……それとも邪悪が混じっているのか?
「追伸:ああ、実はオレ自身も驚いているんだ。なんでこんな愚かな手紙を書いたのかと。でも君がオレのすべての考えを聞きたいと言ったから、この手紙を送った。読んだら、焼いてください。」
匿名希望
金蘭之契
主人公名:
オレは今、資料室のデスクで手紙を書いている。今夜は何事もなく、とても静かだ。周りにあるスケジュール帳や日時計には何の変化もない。おかしなことに……ああ、なんとオレは、なんだかつまらなく、物足りなさを感じてしまっている……
長年のつきあいだから、オレの性格は君ならよく知っていると思う。オレはかたくなで、凶暴で、そして冷酷だ。自分のこの性格から、ほかの人間と深く関りを持つことを一度は拒否した。しかし、君と一緒に仕事をしているとなんだか不思議な拘束力を感じ、オレのとがった部分を丸くしてくれた。なんと言ったらよいか、それは束縛ではなく……暖かくて、包容力があって、一種の開放に似たものかもしれない。
君は単純明快で、これまでオレの容疑者リストに載ったことはない。今や、オレはこのような心地よい付き合いに慣れている……今夜君は現れず、また危険なところに行っているのだろうか?オレのところから君を奪うだなんて、誰だって許さない。
東璧龍珠