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桜桃畢羅・手紙

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作成者: ユーザー09683
最終更新者: shkm_nn

半分風雅

主人公名:

  見渡すと、バラが咲き乱れている

  バラが歌いだす。「微笑みつつ世に向かい咲く私は

  その絹の房を裂く時を待たず

  持てる宝を花園へと投げる。」

  「真ん中の一節が削除されている」

  花園を彩る数々の玉のかんざしは

  すべての美しい少女の頭を飾るでしょう。

  「くさび模様の便せんに、ペルシャ人の詩人による『ルバーイヤート』の詩が書かれている。手紙とともに香水瓶が届き、中にはまるで一輪のダマスクローズがやさしく咲いているようだ。」



バルス


同袍同沢

主人公名:

  貴方が裏庭に香りのよい花を植えて下さったことを感謝します。アヤメ、キンポウゲ、ヒナギク、これらの花の中に囲まれていると、まるでペルシアが近くなったかのように感じます。

  かつて長安の西市にもこれらの花は山のように積まれていました。すべてはある胡姫が持ってきたものです。彼女は夢を求めて、キャラバンについて唐の国に入り、そしてある酒屋の店主と永遠の愛を誓ったのです。彼女の紹介で取り扱うようになった西域のワインは、まろやかで香り高く、落ちぶれていた酒屋がとびきりの繁盛店になりました。しかし、そうなると店主は名門の娘を娶り、胡姫をお払い箱にしたのです……

  今、貴方の餐庁で、熙顔などの女性管理者が思う存分その夢に向かっているのを見て……彼女たちと胡姫を比べて、感慨もひとしおです。

  清らかな淑女は花のようです。彼女たちも花見をする人々に尊重され、太陽の下で自由かつ平等に花開くことを願っています。



バルス


以心伝心

主人公名:

  「空から舞い落ちる一枚の神秘的な紙切れ」

 天のマズダー神がボクの訴えを聞いて下さるように、純粋な火でボクのためらう魂を洗い清めてください。

 ボクに洗礼してくれた薩宝はかつてボクに、「あなたは風神ヴァーユの加護を受け、二重の性格を有し、善と悪が共存している」とおっしゃいました。ボクの善の面が現れる時は淑女たちの騎士であり、悪の面が現れる時は深淵を彷徨う亡霊となるのです⋯⋯ですが、なぜ、◯◯の前では⋯⋯同じような純粋な魂を持ちたいと願ってしまうのでしょうか。ボクと◯◯は⋯異なる方向へ飛んでいた二羽の鷹が、たまたま空中で出会ったようなものです。この刹那のすれ違いが、ボクの心の中の黒い霧をにわかに震わすのです⋯⋯ボクはすべてを忘れることができます。ですから安らかにボクのそばにいてくださいませんか?

 貴方が純粋な火を燃やし、ボクの「バルス」としての過去を取り除いて下さることを心から祈っています⋯⋯

  「紙の裏に書かれていたのは、最初の手紙から切り取られた『ルバーイヤート』の一節だった:真っ赤なバラが咲くところには、血を流した君主が埋葬されているだろう。」


匿名希望


金蘭之契

主人公名:

 ボクは、やっと魂の本当の帰属が分かったのです。琳琅幻境は有名無実なものではなく、輝かしい夢の世界を届けてくれました。ペルシアの雄大な宮殿を再現し、ボクは王座に座って神聖なトルコ石の宝杖を賜りました。獅子の形の金杯は家来たちの間で光を放ち、いたるところに高級な伽羅の香りが満ちています⋯⋯ですが、見渡してみると、卑屈な態度でおべっかを使うものたちばかり⋯⋯そして、一番大切な宝物がないことに気が付いたのです。

 ボクは王宮を離れ、あちこちを探しまわりました。あのサーサーン王朝の輝かしさには、もう何もひかれません。幻境から逃げる小道で、貴方が走ってきたのを見て、やっと心を迷わす全ての霧が晴れたのです。

 貴方がいなければ、ボクはずっと過去の幻影をさまよっていたでしょう。若様⋯⋯このようにお呼びすることをお許しください⋯⋯ボクは神に誓って、ボクの身と魂を貴方に捧げます。これから、ボクは即ち貴方であり、貴方は即ちボクの夢の続きです。もし、貴方がお許しくださるなら⋯⋯貴方の手にキスし、その指にこの誓約の指輪をはめて差し上げたいと願うのです。

 「希望を象徴するサファイアの指輪が一つ」


桜桃畢羅


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