年年有余・物語
一 忘れがたい今宵・壱
◆主人公【女性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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年年有余
「観客の皆様、こんにちは!ここは空桑テレビ局開局セレモニーの生放送現場です!」
「友よ、この一か月間は、団結の一か月でした!この一か月間は、努力の一か月でした!この一か月間は、喜びの一か月でした!」
「そんな団結、努力、喜びの中、各機関、部活、食魂の皆様の協力のもと、皆様が一堂に集まるこの麗しい日に、空桑テレビ局は正式に誕生しました!」
「開局という記念すべき日に、熱烈な拍手でお迎えしましょう、空桑の若さまの入場ですーー」
えび餃子
「若若〜今日は空桑テレビ局の開局セレモニーだね!演芸部のメンバー達とお祝いに来たよ!」
四喜団子
「先刻の開幕の舞、皆に希望と喜び、そして幸運が訪れることを祈って踊りました。若、お気に召してくださいましたか?」
担仔麺
「若様、わたしは前列でヒマワリの種、飲み物やお水などを売ってるんです。これからの演目を見る時に一緒に如何ですか?」
年年有余
「あなたの登場はまるで現場に吹く一陣の春風のようだ、ここにいる皆の心を温かくしてくださいますね。」
「若くんの登場は皆さまにとっても嬉しい驚きでしょう。ではご本人のお気持ちは如何でしょうか?」
「さっそく聞いてみましょう、若くん、今のお気持ちを教えてくれますかーー」
【選択肢】
・感無量です!
・ただ様子を見に来ただけで…。
選択肢
感無量です!
年年有余
「あなたの笑顔は最高の出迎え、あなたのお言葉は心に響く序章!」
「これから空桑で数々の素晴らしい番組をお送りできることを思うと、僕も感無量であります!」
ただ様子を見に来ただけで…。
年年有余
「食は民の糧、味は食の要。料理が美味しいかどうかは、作り手の心がこもった味にあります。」
「空桑テレビ局もその信条に則り、視聴者の皆さまが興味を持つ題材を用いて、心を込めて「美味しい」番組の「饗宴」を提供していきたい所存です。」
「それに、こんなおめでたい日にあなたが来てくださっただけでも喜ばしい出来事なんですよ!」
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年年有余
「テレビ局の設立を公表してからというもの、皆さまの関心はやはり最初の番組についてでしょう。」
「ここ数日の間、視聴者さまから沢山のお手紙を頂いておりますーー」
「人生において愛とは、避けて通れぬ難題です。そんな愛についてあくなき深求を続ける夢追い人、吉利エビさんから、独身男女向け恋愛マッチング番組のご提案を頂きました。」
「そして、空桑警務部と捜査室からは住民の皆さまの安全のために、テレビ局で法制や警察情報番組をやって欲しいとのご意見を頂いております。」
「また、インターネット上でも「豆児は神を超える」さんから、世界各地のeスポーツを流して欲しいとの要望を頂きました。」
「ですが、ここにもう一通特別な投稿があります、署名は(主人公名)、彼女の願いはーー」
「年年有余によるリアリティ番組、司会者の日常を解き明かし、皆さんに年年有余の人知れぬ私生活をお見せする……」
「これは興味深いご提案ですね……皆さまはどう思われますか?」
えび餃子
「賛成〜わたしたちみんな舞台上のあなたしか知らないもの、司会者の舞台裏事情がどんな感じか興味ある〜♪」
四喜団子
「初の番組がきみを紹介する内容なら、空桑の皆にきみの事を知ってもらえるし、そこからきみの作る番組にも興味を持ってくれる。若の狙いはそこにあるのかもしれないね!」
年年有余
「では、若くんの真摯なご提案に感謝いたします!僕自身リアリティ番組というのは初めてですがーー」
「余年がここでお約束しましょう、僕に関するこの番組を、全身全霊を込めて作り上げことを!」
「若くんや皆さまのご期待に沿えますよう、完璧でプロフェッショナルな主催者の姿をお見せいたします!」
番組撮影開始当日の朝、年年有余の夢の中ーー
年年有余
「「龍爪葱香水」と「玉子商事」の提供でお送りする『余ちゃんの物語』をご覧いただき有難うございます!」
「今日から毎週土曜日、家族団らんの時間に、余ちゃんとここでお会いしましょう!」
えび餃子
「今日もきまってるね余ちゃん!早速今回の取材を始めるよ〜♪」
年年有余
「有難うございます!取材を通して皆さまに司会者の日常をお伝えできるなんて光栄です。」
「実は司会者というのは……」
???
「余ちゃんーー余ちゃんーー」
年年有余
「ううんーー?」
突然呼び起こされた年年有余の表情は視点が定まっておらず、目を細めてようやく目の前でカメラを持っている人物が誰だかわかった瞬間、危うく飛び上がりそうになったーー
年年有余
「わ、若くん!?」
「え、も、もう撮っているのですか?」
「い、いや……どうも僕が思っているのと違うようなのですが。」
「あ、あの、とりあえず僕の上から降りてくれませんか……え、僕の日常生活ですって?」
「日常生活はまぁ、起きて一番にすることと言えば、ええと、なんでしたっけ……あ、ああ、そうでした、歯磨きですね……」
ぼさぼさの髪に真っ赤な寝間着とスウェット姿の年年有余は、それでもなんとか体裁を保って洗面所へ向かおうとしている。
まぁ、そんな姿で舞台上のように厳かに歩かれても、シュール以外の何ものでもないのだが。
年年有余
「ここで一旦コマーシャル、画面はそのまま、後ほどお会いしましょうーー!」
バンッーー
洗面所の扉が閉じられ、中から「ジャバジャバ」と蛇口の水音が聞こえてくる……
暫くすると、何時もの年年有余が現れ、ハキハキした口調と抑揚がついた声で開幕を告げるーー
年年有余
「「龍爪葱香水」と「玉子商事」の提供でお送りする『余ちゃんの物語』をご覧いただき有難うございます!」
「皆さま壁の時計が見えますか?現在朝の4時です。まさに「一日の要は朝から」、僕は毎日この時間に目を覚まし、身支度を整えた後、窓の前で早口言葉の練習をします。」
「ご覧ください、机の上の硝子玉を、日の光で虹色に輝き、まるで新しい一日を祝福しているようではありませんか!」
「ちなみにこれら硝子玉は何に使うか分かりますか?」
「実はこれ、僕の発声練習に使う秘密兵器なんです。」
「このように口に含んで早口言葉を言うことで、どもりを無くし、綺麗な発音になるのですーー」
「隣の客はよく柿食う客だ、隣の客はよく柿食う客だ、隣の客はよく柿食う客だ……」
年年有余
「おや、時計が朝の8時を指していますね。
続いては、空桑農場へ向かい、食魂たちに標準語の朝練を行います。」
「それでは視聴者の皆さま、また後程ーー」
えび餃子
「カーーット」
「OK〜生活シーンパート1の撮影終了だよ〜余ちゃん完璧だったね〜♪」
年年有余
「はぁ……」
「若くん、これがリアリティ番組の撮影方式ですか?僕が思っていたのと少し違うような……」
「最初のカットであんな失態をさらけ出すなんて……」
【選択肢】
・リラックスだよ、余ちゃん。
・人生に台本はない、だから失態じゃない。
選択肢
リラックスだよ、余ちゃん。
年年有余
「いやいやいや、僕の表情絶対に変でしたよ。」
人生に台本はない、だから失態じゃない。
年年有余
「なるほど、若くんは僕の臨機応変能力を視聴者にお見せしたいんですね?」
「いかなる状況であろうと、プロの司会者たるもの、絶対に、断固としてカメラの前で失態を晒してはいけない。」
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年年有余
「ご安心ください!次は朝の標準語訓練です、あなたを失望させるようなことはしませんよ!」
二 忘れがたい今宵・弐
◆主人公【女性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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双皮ミルク
「烈焔降生火之ちょ…てつ?」
焼乳豚
「しょう皮奶…しゃん奶?」
麻婆豆腐
「なに言うとるんじゃ……烈火の豚鉄?牛乳シャンプー?」
えび餃子
「あはは、普段あまり発音を気にしないから。今思うとわたしたちの「ひょーちゅんご」はまともだったのね…」
年年有余
「お互いの名前を呼び合うパートは終了です、皆さんまだ物足りないのはないですか?」
「大丈夫、次こそが朝練のメインパート!一人目の参加者にご登場頂きましょう!」
「声の美しさは、朗読にこそ現れる。果たして彼は僕たちにどんな朗読を聞かせてくれるのでしょうか?
唐詩宋詞?それともポエムかな?」
「彼の素敵な朗読を乞うご期待ーーー」
えび餃子
「あら、わたしが一番乗り?」
「じゃあ完璧な標準語で、みんなにジョークを1つ話してあげる〜♪」
そう言って、えび餃子は開水白菜から借りた『滑りまくる話全集』を取り出したーーー
年年有余
「っぷーーーあはははは!はははは!」
えび餃子
「ど、どうしたの?余ちゃん、無理して笑わなくてもいいんだよ?」
麻婆豆腐
「滑りまくってなんも面白くないじゃないか。年年有余の笑いの沸点は低いのう!」
年年有余
「あはははははははは!!!ひゃはははははーーーうははははは!!!!!」
焼乳豚
「お、おい、流石に笑い過ぎだ!雲託八鮮が聞きつけたら、また諸帝らの事を「騒音被害」とか言って叱られるぞ!」
「また一時間も法制の説教を聞かされるのは勘弁だ……」
えび餃子
「わわわ、余ちゃんが制御不能!若、一旦止めた方がいいんじゃーー」
【選択肢】
・余ちゃんはどうしたい?
・カット!
選択肢
余ちゃんはどうしたい?
年年有余
「僕はプロの司会者です…くふふふふ…番組が続く限りは…僕は…ふははは…司会を続けますよっ……」
「はははは…す、すみません…さ、さすがの僕も……」
カット!
年年有余
「はははは…す、すみません…若くん、あなたを失望させてしまったね……」
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年年有余
「スタッフの皆さま…申し訳ありません、少し…頭を冷やしてきます……」
笑いたいやら悲しいやらといった複雑な表情で、年年有余は口を押さえながら、何度も何度もその場の人たちに頭を下げた。
最後のスタッフに頭を下げた後、彼はマイクを持ってトボトボとその場を離れた……
年年有余の後を追って、空桑の裏山へとやってきたーーー
そこには、向かい風に吹かれながら、必死に発声練習をしている彼がいた……
年年有余
「赤巻紙 青巻紙 黄巻紙。赤巻紙 青巻紙 黄巻紙。」
「ふぅ……もう一度だ、冷静にならないと……」
「若くん、いつの間に?」
「発声練習をしていたんですよ。司会者にとって、発声練習は基本中の基本。
毎日絶え間なく練習を続けることで、はっきりろした綺麗な発音が出来るようになるんです。」
「舞台でどんな挫折を経験しようとも、こうやって何度も発声練習をすることで、司会者としての初心に帰り、負けるなと自分に叱咤激励するんです。」
「なので、心配しないでください!すぐに通常運転に戻り、撮影を再開しますから!」
彼の喋り方は力強く、情熱に溢れていた。
だが、その手は微かに震えていて、緊張していることが窺える。
【選択肢】
・抱きしめて励ます。
・笑い話をして緊張をほぐす。
選択肢
抱きしめて励ます。
年年有余
「……。」
「暖かい抱擁、有り難うございます。」
笑い話をして緊張をほぐす。
年年有余
「っぷーーーあはははは!」
「わ、若くん、やめてください!あははは、可笑しいーーー」
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年年有余
「はぁ…ごらんの通り、舞台の上では「完全無欠」な余ちゃんも、舞台から降りれば、こんなに欠点だらけなんです、プロの司会者代表なんて言えませんよ。」
「普通に人みたいに、朝起きた時は僕だって寝ぼけ眼です。でも毎日鏡の自分にむかって「頑張れ」って叫ぶんです。そして洗面所から出る時には、もう舞台に上がった気持ちで、ベストな状態で皆さんの前に立つんです。」
「笑いの沸点も低いです。少しのジョークでも笑ってしまうので、お笑い番組には何一つ参加できません。
でも毎日「ジョークを聴く」練習をして、笑わないように我慢しています。」
「どうしても我慢できなかったら、観客が見ていない所で自分の腕を強くつねって、痛みで笑いをごまかします。だからっ……」
「若くん、もう一度チャンスをくれませんか?次の撮影は、次のシーンは、必ず完璧にこなして、あなたと視聴者の皆さまに満足して頂けるように頑張りますから。」
【選択肢】
・完璧じゃないあなただから愛おしいのですよ。
・完璧じゃない人生だから愛おしいのですよ。
選択肢
完璧じゃないあなただから愛おしいのですよ。
年年有余
「本当に、そう思うんですか……」
完璧じゃない人生だから愛おしいのですよ。
年年有余
「人生にリハーサルは無い、全てのカットで完璧にいられることはできない。でも「完璧じゃない」からこそ人生は愛おしい……」
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年年有余
「ですが、完璧じゃない僕でも、視聴者の皆さまは好きになってくれるのでしょうか?」
「春節聯歓晩会は厳かで盛大な催しです、カメラの前では、司会者の一挙一動が視聴者の目に留まり、果ては翌日のトップ記事になる事さえあります。」
「僕は以前、春節聯歓晩会で失敗をやらかし、三年間舞台に上がることを許されませんでした。
僕にとってあの三年は、本当にどん底な時期でした。」
「あれから僕は、更に失敗を恐れるようになり、失敗をおかすまいと努力しました。舞台でも、日常生活でも、自分に厳しく律し、優秀な司会者に相応しいように努めました。」
「でも、そのせいで、僕は……ますますステージと私生活の境目が分からなくなってしまったんです。」
「若くん、僕はどう変わればいいと思いますか?どんなに優秀な司会者でも、永遠に舞台に立つことは不可能です。番組が終われば、司会者も普通の人のように、家に帰るのですから……」
「そういえば、先ほどあなたと交わした会話、以前もどこかで聞いた気がするのですが……」
三 忘れがたい今宵・参
◆主人公【女性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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テレビ局の前で、赤い服を着た青年が緊張した表情で台本を握りしめているーーー
年年有余
「主任、主任!お願いです、僕にもう一度チャンスをください!次の撮影では必ず、あなたに満足して頂けるよう頑張りますから!」
文芸部主任
「余年、「頑張る」だけではどうにもならないこともあるんだよ、それが「才能」だ。
もし才能がなければ、それを補うだけのプロの技量が必要だ。」
「私が言えるのはここまでだ、帰ってよく考えなさい。」
言い終えると、主任は車のドアを閉め、中継車に乗って行ってしまった……
年年有余
「はぁ……」
李監督
「若いの、どうしたため息なんかついて……おや?以前にどこかで会わなかったか?」
年年有余
「り、李監督!僕は以前テレビ局で総務の仕事をしていて、幸運にも春節聯歓晩会の舞台設置に関わらせていただいた事がありまして。」
李監督
「ということは……今は転職したのかね?」
年年有余
「あなたが監督した春節聯歓晩会を観て、僕も優秀な司会者になって、同じ舞台に立ちたいと思ったんです!」
「といっても、僕はまだテレビ局の……名もない補欠アナウンサーですけど。」
李監督
「専門学校を出ていないのなら、それ以上に努力が必要だ、違うか?」
「舞台で輝いている先輩達も、舞台の裏では血もにじむような努力をしてきたんだ、だから今の成功がある。」
「若いの、こんな所で自問自答するぐらいなら、頭を上げて、努力して舞台に上がることを考えなさい。」
年年有余
「監督……有り難うございます!」
年年有余
「まもなく新年の鐘が鳴ります。新たな一年がいよいよ始まりますよ!」
「はやる気持ちを抑え、共に忘れられない去年とお別れし、素晴らしい新年を迎えましょう!」
「テレビの前の視聴者の皆さま、現場にいらしてるお客さま方、準備は宜しいですか?」
「カウントダウンが始まります、十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、零ー!新年明けましておめでとうございますーーー!!!」
花火が一斉に上がり、鐘の音が鳴り響く、出演者一同礼。
『忘れがたい今宵』の曲と共に春節聯歓晩会が幕を閉じてゆく……
大晦日の零時を過ぎると、街には殆ど人影もなくなり、道端のネオンだけが瞬いている。
テレビ局の前で、年年有余は手に持った「年越しご飯」ーーー焼き芋を食べようとしていた。
ふと、見覚えのある人影を見つけ、急いで駆け寄るーーー
年年有余
「李監督?本当にあなただったんですね!どうしてこんな所でため息をついているんですか?」
李監督
「余年か。こんな時間だから車が捕まらなくてね、帰って年越しご飯を食べたいのだが、困ってしまって……」
年年有余
「お安い御用ですよ、そこで待っていてください!」
少しして、バイクに乗った年年有余が現れ、監督に乗るよう促す。
李監督
「はは、余年は多才なんだな、司会や歌だけでなく、バイクも運転できるとは。」
年年有余
「去年全国バイク競技大会の司会者を務めた時に、もっと専門的な角度から実況ができるようになりたくて、習ったんです。
それに、これもあなたから教わったんですよ、司会者は様々な分野の知識を吸収してこそ、話の幅が広がると。」
李監督
「だが私を家まで送ってしまったら、君の家族との団らんに支障をきたさないかね?」
年年有余
「それは心配ご無用です、さぁ乗ってくださいーーー」
「監督、しっかり掴まっていてくださいね。」
「実は、僕には家族がいないんです、だから他の同僚たちみたいに急いで帰るも無くて。でもーーー」
「僕は春節聯歓晩会が大好きなんです、だからテレビ局が僕の家で、春節聯歓晩会が僕の年越しご飯なんですよ!」
李監督
「はは、年越しご飯の風習と、家族集まって春節聯歓晩会を観る習慣、どちらが先だと思うかね?」
年年有余
「すみません、監督、風が強くて聞き取れませんでしたーーー」
李監督
「私が言いたいのはね、どんなに優秀な司会者でも、春節聯歓晩会が終われば、家に戻り一家団欒を楽しむものだよ。
自分が舞台に相応しいかどうかなんて、家族だけは気にしたりしないのだから。」
「本当に帰るべき場所を見つけたら、自ずとわかるさ……」
バイクの強い風圧で、監督の言葉は夜風の向こうへ静かに消えていった……
えび餃子
「余ちゃん、予定だと次は舞台歩行の練習を摂るはずだけど。」
「なんで急に台所でご飯を作る場面に変えたの?」
【選択肢】
・優秀な司会者は料理の腕も一流ですから。
・心の赴くままにやればいいんですよ。
選択肢
優秀な司会者は料理の腕も一流ですから。
年年有余
「お恥ずかしい、僕の視界技術は申し分ないのですが、料理は……あまり期待しないでくださいね。」
「気が変わったんですよ、なぜなら……」
心の赴くままにやればいいんですよ。
年年有余
「僕自身を紹介する番組は、これ以上決められた流れに沿って撮りたくないんです。」
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年年有余
「先に年越しご飯があって、それから家族集まって春節聯歓晩会を観る習慣ができたんですよね。
そして、年年有余は各地の年越しご飯に欠かせない料理なんですよ。」
「一番初めの僕、僕は舞台から誕生したわけではない、僕はーーー人々が春節に対する祝福によって化霊し、生まれたんです!」
「だから視聴者の皆さまにも、僕の原点を知って欲しいんです、あの「完璧ではない」余年を。」
「僕の料理の腕前はあまり良いとは言えませんがません、それでも皆さまに司会者が料理する所をお見せしたい。
番組の良し悪しは、皆さまの評価にゆだねますよ。」
「若くん、一緒に料理を手伝ってくれませんか?」
「ありがとう!一緒にこの祝福が詰まった「年年有余」を完成させましょう!」
『余ちゃんの物語』が放送されると、瞬く間に高視聴率を叩き出した。
年年有余本人も、多くの視聴者の心をつかむことができた。
年糕
「余おにいちゃんに視聴者さんからいっぱい贈り物が届いてるよ。
ぼくとわかさまでテレビ局から運んで来たんだ!」
年年有余
「ありがとう!こんなにたくさんあるんですか!疲れたでしょう?入ってお茶でも如何ですか?」
年糕
「へへへ、大丈夫だよ、他にも手伝わないといけない所があるから!
食事処が大量の食材を注文したらしくて、運んでくれるのを待ってるんだ……」
年年有余
「そうなんですね。若くん、あなたのお時間を少々頂いてもよろしいですか?」
「ちょうど大事な実況を控えていまして、あなたをゲストとして招待したいのです!」
年年有余が目の前にあるパソコンのカメラを弄り始め、実況画面を立ち上げた。
彼がログインすると、たちまち画面いっぱいに沢山のプレゼントが飛び出すーーー
年年有余
「聡の坊ちゃん「ヨット」をありがとう!春巻の「花束」も嬉しいですよ……皆さん沢山のプレゼントをありがとう!」
「でも僕の実況を見に来るときは何も贈り物をしなくていいのですよ、観終わった後に皆さまが幸せな気持ちでいてくれれば、それが僕にとって一番の贈り物なのですから。」
「僕が実況していることに、若くんが驚いていますね。」
「実はここのところ、実況放送のやり方や、視聴者の皆さまとの交流をずっと勉強していたんです。
早口言葉などのテクニックを共有したり、人生を語り合ったり……何もかもが僕にとって貴重な経験になりました!」
「ですが今日は、皆さまに……僕の大切な人を紹介したいと思います!そして、彼女に心からの感謝を伝えたい!」
「(主人公名)、彼女こそが僕の最も大切な人です!彼女の励ましや支えがあったからこそ、今の空桑テレビ局があり、空桑の皆さまに愛される年年有余がいるのです!」
【選択肢】
・これっていわゆる「公式発表」ですか?
・余ちゃんは大切な人ですよ。
選択肢
これっていわゆる「公式発表」ですか?
年年有余
「最近僕も色々な流行単語を学びましてね。
メディア等に対して、二人の関係を公表する時に「公式発表」という言葉を使うのでしょう?」
「そうです、この場で視聴者の皆さまに発表いたします、僕と若くんの関係はーーー」
余ちゃんは大切な人ですよ。
年年有余
「若くん…承諾してくれてありがとう!」
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言い終えるや否や、画面が大量のお祝いコメントに埋め尽くされるーーー
年年有余
「ははは、若くん見てください、皆さんも僕たちの関係を認めてくれているようですね!」
「人生で一番大切な若くんと出会うまでは、昔の僕はテレビ局が自分の家だと思っていました。
でも彼女と空桑へ戻り、本当に帰るべき家を見つけ、こんなにたくさんの家族もできました。」
「家族とともにいられる幸せ、それのおかげで春節聯歓晩会司会者としての意味を更に理解したのです!」
「『余ちゃんの物語』も残りわずかですが、空桑での皆さまと僕の物語は、これからも沢山あるはずです……」
「これからの一分一秒、完璧かどうかなんて関係なく、僕は皆さまと共に分かち合いたい!」