黄精枸杞牛尾湯・手紙
半分風雅
主人公名:
本当にすまない。キミからは以前、空桑での生活に馴染めているかと訊かれていたのに、仕事が忙しくて返事ができていなかった。
キミの気遣いにはとても感謝している。最初こそ慣れなかったが、自分の居場所を見付けて、自分の仕事の責任を理解すると、俺もこの生活に良く知っているような、親しみを感じるようになった。
戦士から看護師となり、看護師から空桑の一員となって、俺の周囲の環境は絶えず変化して来たけれど、ナイフさえ握っていれば、俺の心には迷いなどは起こらないよ。
黄精枸杞牛尾湯
同袍同沢
主人公名:
ここ数日、屠蘇先生の元で食事療法の知識を学んでいる時、彼が病人を治療している様子も目にしてきた。これまであんな個性を持った医者を見たことがなかったが、彼のあの性格のおかげで、性格も様々な空桑の病人たちを束ねていられるのかもな。
俺が病院で働いていた時も、色んな病人たちを目にしてきた。彼らの多くは必死に運命と戦っている人たちだ。はつらつとしたその命はまるで火炎のようで、まさに自分の意志を燃やしながら、希望の花を咲かせているように感じた。
あの時俺はこう思ったんだ。以前の俺も、こんな風にして戦ってたんじゃないか?だったら、今だって俺は俺の持てる全てを捧げて、彼らのためにその花を咲かせてやろうじゃないかって。
黄精枸杞牛尾湯
以心伝心
主人公名:
<手紙の筆跡が歪んでいる。手紙の差出人は重い怪我を負っているようだ>
この前、屠蘇先生のところで満身創痍の蓮花将軍を目にした時、俺はこっそりと、こんなになるまで怪我を負って、屠蘇先生の怒りを買うようなことは決してしないぞと誓ったよ。
それなのに、探索から戻って来た俺は医館に担ぎ込まれることになったわけだ。みんなは俺や彼の見舞いに来た時、俺たちに自分の身体を大切にしろと言ってくれた。だけど……みんなを守ることが俺の責任じゃないのか?その責任のために全てを投げ出す、それこそが俺の命の意味なんじゃないだろうか。
だけどキミは、それは違うと言ったな。何かを守るには犠牲が付き物だが、不必要な犠牲なんていらないって。他人を大切にすると同時に、自分の身体も大切にしなくちゃいけないって。俺は今それを努力して学んでいるところだ。成果を期待していてくれ。
黄精枸杞牛尾湯
金蘭之契
主人公名:
ここ何度かの探索では、俺は無事に帰還している。敵と相対する時には、自分を守ることも覚えたし、不必要な怪我は避けるようにしていた。でも手の中にあるナイフを見ながら、俺はたまに自分自身にこう問いかけるんだ。これは、俺が弱くなったってことじゃないのか?俺はそんなことを思うようになった。
守りたいという気持ちから恐れを忘れる人もいれば、大切に思うあまり悩みを抱える人もいる。この二つはお互いに対立するものではないんだ。病人たちの中にも、誰かのために病気や苦痛と戦う意志を燃やす者もいれば、またその誰かのために、敢えて自分の苦痛を口に出そうとしない人もいるみたいに。そして俺がキミにとってのあらゆる障害を排除するのは、キミのお陰で自分を大切にすることを学んだからだ。
これからはもう俺のことを心配する必要はないと思う。キミが俺のことを気に掛ける時は、自分の胸に手を当ててみてくれ。その心臓の鼓動一つ一つが、俺がキミのために存在している証明だ。
黄精枸杞牛尾湯
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