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金銀蹄膀・物語

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作成者: miran
最終更新者: 皮蛋納豆丼

一 本心に戻る・一

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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静かではない一日、廊下に集まった人たちがにぎやかに何かを議論していた。

絶え間ない人の声は壁を抜け、部屋の中に広がっていった。


家のドアを開けると、外には数人の食魂が立っていた。

ようやく話を聞いてくれる相手が見つかったように、

やかましい声が押し寄せてきた。


【選択肢】

・羊頭児、何があったの?

・叉焼、ブーちゃんは?どうして一緒じゃないの?

選択肢

羊頭児、何があったの?

羊肉泡饃

「〇〇、ここ数日おれが裏で羊の世話をしてると、

 いつも変な声が聞こえるんだ。」

「野獣の鳴き声みたいで、羊たちがおびえてしまうんだ。」

「このままだと、羊たちがやせ細ってしまう。

 考えたんだけど、こういうことはきみに手伝ってもらうのが

 一番確かだと思って。」


叉焼、ブーちゃんは?どうして一緒じゃないの?

蜜汁叉焼

「うう、ブーちゃんはずっと部屋にこもって、どうしても出てこないんだよ~。」

「数日前の夜、ぼくはブーちゃんと部屋で寝ようとしていると、

 廊下の隅の方から変な声が聞こえたんだ~。

 ぼくは怖くなって早く部屋に戻ろうとした。」

「ところが走り出したら、そばの木の茂みの中から黒い影が飛び出して、

 床を這ってぼくに向かってずっと叫んでたよ~。

 ぼくは怖くて動けなくなった。」

「暫くしてから、その黒い影はそのまま走り去った。

 でもブーちゃんは二度と外に出ようとしなくなったんだよ~。」

「ううう、ぼくを助けると思ってブーちゃんを見てくれる?

 お願い~。」


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残りの人も、続々と自分たちに起きたことを語った。ポロをしていて、いきなり飛んできた影に馬が驚かされたとか、屋上のレンガからおかしな音が聞こえるとか、裏庭の池の魚が消えたとか、どこからかカエルが出てきたとか。


やかましい声が次々にわき起こり、十分ににぎやかだった廊下は、

余計にうるさくなった。


【選択肢】

・誰かがこっそりペットを飼っているのでは?

・泥棒がまぎれ込んでいるのでは?

選択肢

誰かがこっそりペットを飼っているのでは?

蜜汁叉焼

「でも執事は言ってたよ。

 動物を連れ帰って飼う人は、みんな彼のところで登録しなきゃいけないって。」

「ヒヨコ、アヒル、パンダ、ブタ、麒麟以外に、

 他の動物なんていないと思うよ~。」

「もしかして、本当の野獣が潜り込んできたかも~?」


泥棒がまぎれ込んでいるのでは?

羊肉泡饃

「泥棒?じゃあ徳州扒鶏とか東璧龍珠たちも読んだ方がいいんだな?」

「羊たちはおれのいい仲間なんだ。泥棒に盗まれるわけにはいかない。」

「早く犯人を捕まれることができれば、羊たちも早く元気になれるぞ!」


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いきさつを語る声がまたしばらく交錯した。

事件の共通点も明らかになってきた。

ここ数日で突然現れた異常は、みんな「野獣の鳴き声」と深い関係がある。


異常が頻繁に起きるエリアをいくつか回ってみると、

最後の場所で金銀蹄膀に出くわした。


少年はのんびり瓦屋根に寝そべっていた。

足音が近づくと、リラックスしていた体がかすかに動いた。

だが、すぐに動きが収まった。


【選択肢】

・どうしてこんなところで寝てるの?

・捕まえたぞ――

選択肢

どうしてこんなところで寝てるの?

金銀蹄膀

「ベッドは柔らかすぎ、寝心地悪い。

 ボク、好きじゃない。」

「地面、干し草、木の上も眠るところだ。

 前もそうやって眠ってたゾ。」

「こういう場所、危険に対応できる。

 何か近づいたら、すぐに聞こえるから。」

「何しに、来た?


捕まえたぞ――

金銀蹄膀

「ボクを捕まえる?ボク悪いことした?」

「あるの?説明しにくい?

 ぼくにはわからない……悪いことしたら、ちゃんと言ってほしい。」

「ボクのこと嫌いじゃなければ、それでイイ……」

「ボクに、ほかに用事がある?」


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金銀蹄膀

「わかったゾ。ボクと遊びに来た?」

「違うのか?ここ数日、何してたって?」

「遊びまわってたゾ。お腹がすいたら裏へ行った。

 そこには魚や牛がたくさんあった。野獣より捕まえやすいゾ。

 疲れたら、どこかで眠って、音がしたらすぐ起きて警戒する。」

「やっぱりボクと……関係ある?何だって?」


前にみんなから聞いた異常な事件は、

わかりやすい簡単な言葉で金銀蹄膀に伝えた。


金銀蹄膀

「ここ数日、たくさんの人に出会ったゾ。

 狩りの時、眠る時。」

「みんな突然呼び込んだから、ついに吼えた。

 わざと……じゃない。」

「ボクも知らなかった。

 裏の動物、捕まえちゃいけないってこと。

 悪かった……」


金銀蹄膀はうつむいて、うろたえた表情を浮かべた。


金銀蹄膀

「ボクが悪いことして、みんな怒ってる?」


【選択肢】

・彼の頭をそっとなでる

・彼のほほをそっとつねる

選択肢

彼の頭をそっとなでる

金銀蹄膀

「なぜいきなりボクの頭をなでる?」

「ボクが悪いことしたのなら、教えてほしい。」

「ここはイイところだ。

 みんなもイイ人。

 ボク、みんなが好き。だから、怒らせたくない。」


彼のほほをそっとつねる

金銀蹄膀

「うーーヘンな気持ちだ。

 悪いことしたから、おしおきする?」

「悪かったゾ。みんなを怒らせたくない。

 それに、オマエを怒らせたくない。」

「どうすれば、みんなは喜ぶ?ボクのこと怒らない?」


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金銀蹄膀

「生活……習慣の……問題で、違いが……大きいから、何とか……解決するって?」

「うーん、よくわからない……でも、みんなイイ人。悪い人なんていない。」

「みんなと違うのは嫌だ。みんなと遊びたいゾ。」

「何とかしてくれるって?フフッ!オマエやっぱり最高だゾ!」


少年は頭をくっつけ、うれしそうにこすりつけてきた。

まるで親密さを示す小さな獣のようだった。


文化的な現代都市はあらゆるものを融合し、相変わらずにぎやかだった。きれいに整った緑化帯、彫刻や噴水、木製のベンチ、遠くにきらめくデジタルサイネージ。そしてさまざまなファッションが現代社会のカルチャーを表現している。


金銀蹄膀

「ここも人がたくさん。昨日の場所より、もっとたくさん!」

「あの石、水が出る。見たことがないゾ!」


【選択肢】

・あれは噴水だよ

・あれは「神秘の魔法」の石だよ

選択肢

あれは噴水だよ

金銀蹄膀

「噴……水?これで合ってる?」

「泉の水が……吹き出すって……意味?」

「泉なら知ってるゾ。でも山じゃないのに、どうして泉があるの?」

「人工的に……水をためて、パイプで……運ぶ……理解できない……」


あれは「神秘の魔法」の石だよ

金銀蹄膀

「典獄長は、雷を操れる。」

「この石、カレと同じことができるのか?」


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金銀蹄膀

「不思議な石、もっと見たいゾ。」


行動を開始した少年は、広大な世界に興味を示す赤ん坊のように、

わくわくしながら噴水と呼ばれる装飾に恐る恐る近づいた。


周囲の旅行客が彼の奇妙な格好を怪しんでも、彼らのまなざしと陰口は、

許可を得て喜ぶ少年の探求心を邪魔しなかった。


金銀蹄膀

「ハハハ、ほら見て〇〇、手をここに置くと、水が出なくなるゾ!」

「冷たいゾ、ハハハ!」

「濡れて、風邪をひかないように?

 うーん……わからないけど、触るなと言うなら、ボク触らない。

 オマエの言うとおりにする!」




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二 本心に戻る・二

◆主人公【男性】の場合◆

(逆の場合の差分は募集中)

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金銀蹄膀はしばらく水遊びをしていた。

それから、彼の目はまた新しいものに引きつけられた。


金銀蹄膀

「あそこ、何だ?」


金銀蹄膀はサッと自分の腕を上げた。

指し示す方向を見ると、同じように公園を散歩する女の子がいた。

彼女はしっかりと風船をつかんでいた。


金銀蹄膀

「丸くて、浮かんでるゾ。」


【選択肢】

・あれは風船というものだよ

・1つ買ってあげようか?

選択肢

あれは風船というものだよ

金銀蹄膀

「風船?聞いたことないゾ。」

「うん……帰ったら、あれの読み方と書き方、教えてくれないか?

 もっと、勉強したい。」

「そしたら、次、同じ言葉を聞いたら、ボクも知ってるはずだ。」


1つ買ってあげようか?

金銀蹄膀

「1つ……買ってくれる?何だ?」


少年は頭をかいた。

言葉の意味がわからず、少し焦って、顔が真っ赤になっていた。


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風船売りはまだ近くをうろついていた。話していた2人が自分の方に目を向けたのを見ると、何かのスイッチが入ったようになった。次の瞬間、彼は軽快な足取りで、こちらへやってきた。


金銀蹄膀

「気をつけろ!」


金銀蹄膀はどこからナイフを取り出し、いつでも攻撃できるように構えた。

風船売りは遠くにいたため、何とか阻止できた。

この武器の存在も知られずに済んだ。


金銀蹄膀

「アイツはイイ人じゃないに見える。オマエを守ってやるゾ。」


風船売りはこちらの異常に気付かず、自分のペースを保っていた。

やがて2人の目の前にやってくると、自分の風船を熱心に売り込んだ。


金銀蹄膀

「グルル……」


金銀蹄膀は隣に立ち、親しい人の手をつなぐと同時に、警戒を保っていた。


【選択肢】

・これをあげる

・おいで、結んであげる

選択肢

これをあげる

金銀蹄膀

「くれる?嬉しい!ありがとう!」


金銀蹄膀はそっと風船の糸を受け取った。


おいで、結んであげる

金銀蹄膀

「結……ぶ?」


金銀蹄膀の腕がそっと引き寄せられ、糸がゆっくりと腕に結びつけられた。


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金銀蹄膀

「風船は飛ぶ。どうして?」


金銀蹄膀は不思議そうに糸を引っ張った。

だがその答えを聞く前に、風船はその手を離れ、空高く飛んでいった。


金銀蹄膀

「風船飛んでったゾ。戻ってこい!」


少年は必死にジャンプして、飛んでいった風船をつかもうとしたが、どうしようもなかった。遠くへ飛び去る風船を見て、金銀蹄膀はいきなり両足を曲げると、ジャンプして街路樹のてっぺんに降り立った。


風船をキャッチすると、金銀蹄膀はまた飛び降りて地上に戻った。周囲の通行人は、先ほどの風船売りも含めてみんな信じられないような目をした。


金銀蹄膀

「風船、取り戻したゾ!」

「上から、ヘンなヤツが見えた、〇〇。」

「誰かがあそこに隠れてる。」


金銀蹄膀が指さす方向を見ると、自分のペットの柴犬と格闘している人がいた。

リードをしっかり首を巻かれた柴犬は、屈服することなく、4本足で石畳の道をしっかりとつかみ、リードの反対側の牽引力に必死に抵抗していた。


そして彼らの後ろ、緑化帯の後ろ側には、頭を出して、その柴犬をジッと見ている人がいた。


金銀蹄膀

「アイツ、イイ人じゃないに見える。」


少年は直立したまま、いつでも放てる弓矢のようだった。

相手は何かを察知したのか、急に体をひっこめると、

緑化帯の後ろ側からこっそり抜け出した。


金銀蹄膀

「うおーー逃げたゾ。」


金銀蹄膀は同行者に案内されて前に進んだ。

怪しい人物がこっそり柴犬を観測していた一部始終を柴犬の飼い主に伝えた。


犬を散歩中の青年

「教えてくれてありがとう。そんな人がいるとは気づかなかった。

 確かに最近はペットがいなくなるという事件が多い。

 それでなるべく昼間に散歩して、夜は出歩かないようにしてるんだ。」


ところであの風船売りは、どこへも行かず、ずっとついて来た。


風船売り

「そうですよ。お宅の柴犬はこんなにかわいいんだし、高値で売れるはず。さっきのあいつは目をつけたに違いない。よくきをつけないと。私はここ数日ここで風船を売ってますけど、あいつにはずっと注意してました。」


犬を散歩中の青年

「みんな、ありがとう。よく気をつけるよ。」


金銀蹄膀

「〇〇、逃げたヤツも、同じように危険な感じ。イイ人じゃないに見える。」

「近づいたら、匂いがしたゾ。アイツの体に、血の匂いがする。野獣の匂いだ。」


時間は昼から夜になった。

金銀蹄膀が直感したとおり、なじみのある足音がすぐに耳もとで響いた。


金銀蹄膀

「音がするゾ。しっかりつかまってて。」


金銀蹄膀はそう言うと、そばにいた人の手をつかんで握りしめて、

その手の主がうっかりはぐれないようにした。


金銀蹄膀

「あれは――!」


【選択肢】

・昼間に公園で見た柴犬!?

・昼間に公園にいた風船売り!?

選択肢

昼間に公園で見た柴犬!?

金銀蹄膀

「犬だゾ。同じ匂いだ!」

「どうして、ここに?」


昼間に公園にいた風船売り!?

金銀蹄膀

「アイツだ。姿も匂いも同じ!」

「何してるんだ?」


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やってきた人たちのうち、リーダーは確かに昼間の風船売りだった。だが彼は昼間の服装を脱ぎ、真っ黒な分厚いコートに着替えていた。彼は手にケージを持っていた。中には柴犬が閉じ込められ、奇妙な首輪をつけていた。


風船売りも、昼間公園で見たあの柴犬も、この時間はここの明かりも薄暗くなり、人々がいなくなって静かな公園では、明らかに異様だった。


金銀蹄膀

「アイツら、こんな遅い時間に、ここで、何してる?」

「木に登って見てみるゾ。」


【選択肢】

・気をつけて

・手伝おう

選択肢

気をつけて

金銀蹄膀

「後ろに隠れて。見つからないように……」


手伝おう

金銀蹄膀

「草が低くて、オマエは隠れられない。見つかるゾ!」


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金銀蹄膀

「しまった!!」


金銀蹄膀はすぐに相手の行動に気づき、

木の上からすばやく大切な人のそばに戻ったが、一歩遅かった。


電流の火花が焼き焦げる匂いを放ち、2人の視線は定まらなくなった。


風船売り

「これは昼間出くわした小僧たちじゃないか……面白い。」


手下

「お頭、もう気絶しましたぜ。この2人はどうしますか?」


風船売り

「もういい買い手が見つかってるんだ。ここでしくじるわけにはいかない。

 ひとまず連れ帰って「かわいがる」んだ。誰のために命をかけるか。

 知っていることを残らず吐かせてやる!」




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三 本心に戻る・三

◆主人公【男性】の場合◆

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どれほど時間が経ったのか、

再び目が覚めると、目の前の光景はゴージャスなホールに変わっていた。


きらびやかな装飾以外に、屋内には檻がたくさんあり、

分厚い布がかぶされていた。

奇妙な匂いがケージから漂い、空中で交わっていた。


【選択肢】

・ここは……

・何があった?

選択肢

ここは……

金銀蹄膀

「やっと気がついた!」

「ボクたち、悪者に捕まった。ここ、どこかな?」


何があった?

金銀蹄膀

「わからない。気がついたら、ここにいた。」

「ごめん、役に立てなくて。守ってあげられなかった。」


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金銀蹄膀の手はそばのパイプにしっかりとつながれていた。

少年と一緒に捕まった人も、ロープで両手を縛られ、地面に放置されていた。


金銀蹄膀

「あの中には、獣の匂いがする。犬もいるゾ。」

「トラ、キツネ、カワウソ、フクロウ。

 オオカミも……いろんな匂いが混ざってるゾ。」


金銀蹄膀のように完全にパイプにつながれていなかったため、

少年と一緒に連れて来られた人は、すぐに立ち上がった。

少し頭を振ると、ぼんやりとした頭に意識が戻った。


檻にかけられた分厚い布はすぐに外された。

その中には、しっかり閉じ込められた動物たちがたくさんいた。


金銀蹄膀

「みんな不安がってるゾ。」


牙を抜かれてはいたが、多くの動物は力いっぱい檻をかみ破ろうとしていた。

その首には、例外なく奇妙な鉄の輪がはめられていた。

その縁の皮や肉には干からびたかさぶたがついていた。


金銀蹄膀

「歯がない。首にもヘンなものがある。みんな逃げ出したいんだゾ。」


【選択肢】

・助けてあげたいと!

・君の直感は正しかった。あいつらは悪者だ!

選択肢

助けてあげたいと!

金銀蹄膀

「どうやって?これ……外れないゾ。」


君の直感は正しかった。あいつらは悪者だ!

金銀蹄膀

「悪者は悪いことする。みんなを閉じ込めて、自由がないゾ。」

「みんなを助けて、悪者を倒すゾ!」


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金銀蹄膀

「自由がないことは、獣は一番嫌い。」

「みんな首をケガして……歯もなくなったゾ。

 これは狩りとはちょっと違う……なんでこんなことを?」

「なんで、ロープをかんでるの?」


誘拐者の誤算で、両手を縛られた人は、手を挙げてロープを口もとに寄せた。

しばらくかんでいるうちに、両手を縛っていたロープが緩んでいった。


だがロープが外れ、金銀蹄膀の手錠を外そうとしていると、

ホールのドアが押し開けられ、数人が続々と入ってきた。


手下

「何してやがる!」


急に立ち上がり、ロープが外れて自由になった拉致被害者を見ると、

乱入者はいきなり武器を取り出して、まっすぐ飛びかかった。


金銀蹄膀

「ウオーー!〇〇!」


少年はその武器が自分も使い慣れたナイフのようだったことしか覚えていない。

だが今、その刃先は自分が最も信頼する人に向かっていた。


村人A

「あいつの目、色が違った。

 あれは異端の証しだ!疫病神だ!村にいたら、我々の命が危ない!」


村人B

「あいつは歯も爪も我々とは違う。

 あんなに鋭いのは、危険すぎる!あいつを追い出さなくては!」


村人丙

「とっとと村から出ていけ、この化け物!」


かつての光景が続々と頭の中に浮かび上がった。

金銀蹄膀は自分の過去を思い出した。

化け物扱いされて駆逐され、石を投げつけられた体の痛みは今も残っていた。


結局彼は血だらけになりながら、人間の村を出て林の中を放浪するようになった。


「ワオーー」


狼の遠吠えがすぐに周囲にこだました。だが彼を迎えたのは鋭い牙ではなかった。意識を失う最後の瞬間、金銀蹄膀は温かい何かが彼のほほの傷をそっとなめているのを感じた。


だが凶獣がメス狼を切り裂く場面は何度も繰り返された。

金銀蹄膀は怒りの炎に燃え、血が逆流した。


金銀蹄膀

「ウオッ!!」


野生の雄たけびが空気を揺るがした。

金銀蹄膀の力により、彼がつながれていたパイプがへし折られた。

彼はすぐに襲いかかる刃物の前に立ちはだかった。


刃物は肘に防がれた。突然の妨害に驚いたのか、

武器の持ち主はとっさに刃物を回収できず、

逆に金銀蹄膀に反撃されて肘鉄を喰らい、打ち倒されて目を回した。


金銀蹄膀

「許さないゾ、〇〇を傷つけたら!」


金銀蹄膀は発狂した凶暴な狼のように、そばにいる大切な人をしっかり守った。

外ではさらに多くの人が騒ぎを聞きつけ、武器を手に飛び込んできた。


しばらくの間、鉄器と刃物がぶつかる音が響き、

見慣れた火花がパチパチと散った。

自由を奪われた動物たちの鳴き声も一緒に混ざっていた。


金銀蹄膀

「許さないゾ……〇〇を傷つけたら!!」


傷が増えても、金銀蹄膀は一歩も退かなかった。

少年は自分の約束を果たし、大切な人を自分の背後に隠して必死に守り抜いた。


やがて、屋外で警笛の音が鳴り響いた。


救援が駆けつけ、事件はようやく解決した。

それは希少な動物や高価なペットを専門に密売する犯罪組織だった。

暴力によって飼いならされた野獣は数知れず、早くから指名手配されていた。


調査や照明が終わると、2人は無事にホテルへ送り返された。


金銀蹄膀

「ボクが悪かった。オマエを危険にさらして……」


【選択肢】

・でもうまく事件を解決できたよ

・でも動物たちを自由になれたよ

選択肢

でもうまく事件を解決できたよ

金銀蹄膀

「アイツらは悪者を捕まえた。イイ人だゾ。」


でも動物たちを自由になれたよ

金銀蹄膀

「うん!動物たちは喜んでる。ボク、知ってるゾ!」


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金銀蹄膀

「事前に……準備したほうがいいって?

 先に通報して、合図を残す?」

「わからない……でも、オマエが無事でよかったゾ。」

「待って。血の匂い……ケガしてる!?」


金銀蹄膀は手を伸ばし、相手が隠そうとしていたものをむき出しにした。

それはひどい傷だった。


金銀蹄膀

「痛い?」

「動かないで、ボクがやる。」


少年は何も言わず、かつて「母親」が彼の傷を手当てしてくれたように、

くちびるをそっとやさしく傷口に近づけた。


金銀蹄膀

「ごめん、ボクのせいでこんなことに。」

「ご、ごめんっ!」


【選択肢】

・彼の頭をそっとなでる

・彼のほほをそっとつねる

選択肢

彼の頭をそっとなでる

金銀蹄膀

「なんで……ボクに……謝るの?」

「でも頭なでなでは気持ちイイ。好きだゾ。」


彼のほほをそっとつねる

金銀蹄膀

「うーーこれは罰?」

「ボクの考え、間違いない?それが正しい?」


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金銀蹄膀

「ボクたちは焦り過ぎて、誰も間違っていない?

 ただ、運が悪いだけ?」

「無理は、ダメ。自然な、流れで……少しずつ、ゆっくり覚えれば……イイ?」

「やっぱりわからない。

 でもオマエが言うことなら、きっと間違ってない。」

「これからも勉強がんばる……そうすれば、もっとオマエのことがわかる。

 オマエのことを守れるゾ!」

「ボクはもっと強くなって、オマエを守ってやるゾ!」

「だから、これからも、ずっと一緒にいてくれる。」


少年は必死に言葉をしぼり出し、数日間ため込んだ感情を残らず吐き出した。

今日のできごとが彼の心の底の最も敏感な部分に触れたのかもしれない。


許しを得てようやくホッとしたのか、この1日の疲労をようやく癒す機会が見つかったのか、少年はだんだんまぶたが重くなり、ゆっくりと温かく安らげるひざ枕の中で、夢の世界に入っていった。


金銀蹄膀

「これからも、ずっと一緒だゾ、〇〇……」


金銀蹄膀は寝言をつぶやきながら、ほほ笑みを浮かべた。





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