太史五龍羹・手紙
半分風雅
主人公名:
<見慣れた筆跡だ。手紙はどうやら猫の代筆家が書いたものらしい。>
空桑は俺が聞いていたものとは少し違うが、なかなか素晴らしい土地だな。
海国の国主、蓬莱の君主、崑崙山の主など、各界の名士がここに集まっているとは。
不周山の典獄長
同袍同沢
主人公名:
手紙くらい簡単なこと、この俺の手を煩わす必要もない。代筆者には、ちゃんと「コミュニケーション」をとっていた。やつは心から喜んで書いてあげるから、心配はいらない。
人のことを心配するより、自分のことを考えたらどうだ。最近空桑を頻繁に出入りして、疲れているようだな。この小さな空桑に、お前をここまで困らせるほどの仕事があるのか?
最近は暇だから、もし困ることがあれば、いっそここへきて相談すればいい。俺の楽しみにもなるからな。
それまでは、しっかり自分の体を管理しておけよ。さもないと……
不周山の典獄長
以心伝心
主人公名:
<手紙の筆跡は、これまでとほぼ同じだ。おそらく同じ書き手によるものだろう。>
お前は俺のために料理したことがあるから、俺の味の好みは知っているはずだ。毎日他人の手から届いた料理、少し手を加える必要があるとは思わないか?
今後、毎日の食事は、お前が作って、自らこちらまで届いてくれ。
提案を受け入れるかどうかはお前の次第だ。それとも、俺が直接料理人に会って、そいつの料理はもう食べたくないと伝えるのがいいのか?
雷音は大人しい子だが、ずっと大人しくしていられるかは、保証できないぞ。
太史殷
金蘭之契
主人公名:
<手紙の筆跡は見慣れないもの、いつものと違うような気がする。>
俺がお前を選んだのは、お前の潜在力に期待したからだが、お前は俺の期待を大きく上回ってくれた。
今まで俺をずいぶん楽しませてくれたから、褒めてやらないとな。お前が来るまで、不周山の生活は退屈だった。
お前の頑張りは褒美に値するが、頑張りすぎて危険に陥いるなど愚の骨頂にもほどがある。だが心配は無用だ。もしお前に触れようとするやつがいれば、雷音の餌食にしてやるからな。これは今俺がお前にできる約束だ。
俺は以前、お前のことを「弱い」だと言ったが、今となっては、お前は俺の期待を超えてくれた。
これからの時間はまだ長い。お前が一体どこまで成長できるのか、俺に見せてくれよ。
太史五龍羹
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