過橋米線・誕生祝い
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朝早く起きると、ドアの隙間に一通の美しい手紙が挿し込まれていた。手紙の内容は短く、用事があるから餐庁に来るようにとだけ書かれていた。
手紙に従って餐庁に行くと、そこには様々な橋の形をしたオブジェクトが並んでいた――
天井から垂れ下がる橋型の吊り飾りや、テーブルの上に置かれた橋型の木彫、そしていくつものテーブルにまたがる長大なブリッジ型のケーキがあった。
過橋米線
「若様、随分お早いですね?」
「まだ準備万端ではないですが……でも、まあいいでしょう。用意したプレゼントを見てください。」
「こちらは盤江大橋のつり飾り、こちらは大吊り橋の木彫り……」
「そしてこれは、海に跨る大橋を再現した、超ロングブリッジ型ケーキです。」
「色んな人に聞いてみましたが、現代ではこの「ケーキ」という甘味で、誕生日に祝うのが多いとのこと。ケーキ作りが得意な先輩に作り方を聞き、何日か練習して、やっとこの形が作れました。」
「早速食べてみてください、お口に合うでしょうか?」
過橋米線はそう言って、橋の一部を切って皿に盛り、僕に渡してくれた。
【選択肢】
・小さく一口味見する
・大きい一切れをパクっといただく
選択肢
小さく一口味見する
過橋米線
「自分なりのアレンジとして、隠し味を入れてみました。甘くなりすぎてないといいのですが。」
「喜びと輝きが半々……といったところでしょうか?その表情を見る限り、どうやら私が時間をかけて研究した味は、あなたのお口にも合ったようですね。」
大きい一切れをパクっといただく
過橋米線
「あっ!もっとゆっくり!慌てて食べて、むせないように気をつけてください。」
「でも、あなたがこんなに楽しそうに食べるのを見られるとは、私も準備した甲斐がありました。」
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過橋米線
「これらの木製の品々はすべて私の手作りです。簪やアクセサリー、そしてあなたの好きなキャラクターの模型……全部持っていってもいいですよ。コレクションしたり、好きに使ってください。」
過橋米線は、テーブル一面に、彼の木彫作品を並べた。
その数は、決して1日や2日で完成するものではなかった。
僕は天井から吊り下げられた木製の飾りをしげしげと観察した。そこには僕の名前や、祝いの言葉が刻まれていた。そして、目線を再度、過橋米線のほうに戻すと、彼の手の中に、何か握られているのに気づいた。
過橋米線
「この誕生日プレゼントを運ぶのは大変でしょう?私が直接お部屋までお届けします。」
【選択肢】
・まさか一晩中この準備をしていたの?
・どうしてブランデー入りのチョコレートを握っているの?
選択肢
まさか一晩中この準備をしていたの?
過橋米線
「あなたは空桑の若様です。毎年誕生日には、たくさんのプレゼントや祝福を送られていることでしょう。」
「ケーキだけでは普通すぎて、喜んでいただけないのではと心配して……現代の資料を色々と調べ、どうやって部屋を誕生日パーティーらしくセッティングすればいいのか、勉強したんです……」
「ですが結局、どんなプレゼントが一番喜ばれるかは分からなくて、思いついたものを全部作ってみました。」
どうしてブランデー入りのチョコレートを握っているの?
過橋米線
「誤解しないでください。変なことをするつもりではありません!」
「ちょっと酔っておいたほうが、本音をちゃんと話せるかと思って……」
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過橋米線
「コホン。さあ、若様。これからの一年に向けて、何か願い事をしてからロウソクを吹き消してください!」
「私と一緒に願い事をしたいですって?
でも今日は、あなたの誕生日ですよ。主役はあなたです。」
「今回のプレゼントへの感謝の気持ちとして、そうなさりたいと?
あなたに感謝すべきなのは私のほうですが……でも、せっかくのお誘いです。断るのも申し訳ないですね。」
僕は過橋米線の手を取り、彼と共に願いをささげ、ろうそくを吹き消した。
過橋米線
「お誕生日おめでとうございます、〇〇!
えっ?どんな願い事をしたかですか?」
「そうですね……願い事を口にすると、効果が無くなると聞いたのですが。」
「そんなこともないでしょう。私の願いですね?
わかりました。教えてあげます。私の願い事は……」
「これからの毎日、あなたのそばにいられますように……です。」