白湯鍋魚・誕生祝い
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誕生日パーティーの後、僕は口のまわりについたクリームを拭きながら、まだパーティーの余韻に浸っていた。
白湯鍋魚
「〇〇、今日のパーティー、入念に準備したんだよ!どうだった?楽しんでもらえた?」
「もしまだ遊び足りないのなら、僕と一緒に大唐の夜市を見に行こう。」
「絵の中の夜市だけど、夜の気晴らしにはもってこいの場所だよ。」
僕がうなずいたので、白湯鍋魚は笑って僕の手を取り、もう片方の手で持っていた絵巻物をゆっくりと広げた。
瞬く間に、僕たちは慣れ親しんだ空桑を離れ、唐のどこかで開かれている明るい夜市の中にいた。
白湯鍋魚
「ハハハッ、ここは昔の長安城で、最もにぎやかな夜市だ。かなり時間をかけてようやく絵の中で完全再現できたんだ!」
「ここにあるどの店も、花も、木も、すべて僕が一筆一筆書いたものだよ。どこから回ろうか?」
【選択肢】
・服屋
・アクセサリー屋
選択肢
服屋
白湯鍋魚
「僕は絵を描くのに疲れたら、こういった衣服や布地の店に来て、最近はどんな新しいデザインが出て来たのか、見て回るのが好きなんだ。」
「キレイな服が見つかれば気分がいいし、疲れもけっこう取れる気がする。時には絵のインスピレーションも沸くし、一石二鳥かも~」
アクセサリー屋
白湯鍋魚
「この店が気になる?当時の長安で一番の店構えが大きかったアクセサリー屋を、記憶を頼りに再現してみたんだ。ほら、店にあるアクセサリーはどれも、当時流行していたデザインだよ。」
「これに見覚えがあるって?ハハハハ、よく見てごらんよ。これは僕の頭に挿してあるヤツとおんなじさ。」
僕たちが夜市の中を散歩していると、いつの間にか、橋の上に出た。
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白湯鍋魚
「急いで空を見て!」
あわてて顔を上げると、まばゆい白い閃光が、夜空に一直線にのぼっていった。
花火が次々と上がり、真っ黒な夜のとばりに煌びやかな「花」があちらこちらに咲き乱れた。
あまりに美しい景色だったので、僕は急いで目を閉じ、心の中で願い事をした。
白湯鍋魚
「どう?すごく綺麗だね。あなたが先日、唐詩を読んだ時、詩の中に出てくる唐灯市の花火を一度見てみたいと言っていたから、準備しておいたのさ。」
「ハハ、きっと気に入ってくれると思ったよ、あなたは最も美を理解している親友だからね!」
「残念なのは、この絵の中に、当時の人々はもういない。あの当時は、上元の夜になると、人々はみんな盛装して、灯市を見るんだ。そんな光景こそ、まさに「火樹銀花合わさり、星橋の鉄鎖開く」と言える。」
「〇〇、さっき、目を閉じていたね?何か願い事を?」
【選択肢】
・こんなきれいな花火をまた見られますようにってね
・この瞬間が永遠に終わりませんようにってね
選択肢
こんなきれいな花火をまた見られますようにってね
白湯鍋魚
「簡単な事さ、また見たいなら、この絵に少し手を入れて、空全体を、煌びやかな花火で埋め尽くすことだってできる!」
「かつては灯市のために、職人たちは数か月も費やして花火を制作していた。でも、あの煌びやかな情景や、人々が灯明を鑑賞し、その美しさに酔い痴れ、楽しんでいる光景を見れば、長い準備期間も無駄じゃなかったと思えたろう。」
「あなたが気に入ってくれてよかった!今回、このために色々と準備したかいがあったよ!」
この瞬間が永遠に終わりませんようにってね
白湯鍋魚
「僕は昔、女中たちとこっそり抜け出して夜市をぶらぶらしていた時、いつも夜回りの人たちが鳴らす銅鑼の音に注意していたんだ。その音がなると、もう外で遊んでいてはいけないんだ。だから、当時は思う存分遊ぶことはできなかった。」
「でも、僕の絵の中の世界では、そんなみんなを興ざめさせるような決まりはないよ。」
「好きなだけ居てもいいからね~」
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白湯鍋魚
「お誕生日おめでとう、〇〇!今年の誕生日プレゼントはいつもよりも特別だったかな?」
「いつかまた、ここに遊びに来たい時は言ってくれ。いつでもあなたをこの世界に招待するよ。」
「この絵巻には僕の心血が注がれているから、ちょっと貴重すぎるって?ハハハッ、気にせず受け取ってよ、知己のために絵を描けるって、一番嬉しい事だからさ!この空虚な絵の世界だって、あなたと一緒なら生き生きするし。」
「これから毎年、あなたのために新しい絵を描いて誕生日プレゼントにするよ。どう?」
「来年の誕生日には、この絵の中に、どんな新しい美しい景色が加わるのか……しばらくは秘密にしておくね~」