正定八大碗・梅影探踪
かんざし泥棒
正定八大碗が毎日頭につけているかんざしが見当たらない。誰が持ち去ったのか――
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
若
「どうしたの?なんだか不機嫌そうだけど、何かあったの?」
正定八大碗
「おれが昼寝している間に、誰かがこっそりおれの頭からかんざしを持ち去ったんだ。
一体誰の仕業なのかと考えていてな。」
若
「持ち去った?でもかんざしなら、ちゃんと髪に挿さってるけど?」
正定八大碗
「これは秘密なんだが、おれは同じかんざしをいくつも作って、毎日取り替えているんだ。どれも同じように見えるだろうが、おれにはひとつひとつを見分けることができる。」
若
「さすがだね。細かいところまでこだわってるんだ。」
「でも、話を聞いてたら、だいたい目星がついたよ。」
「行こう。「かんざし泥棒」のところに。」
餐庁に来てみると、麺を食べている老人がいた。その手に持っていたのは他でもない、八大碗が毎日身につけている「簪」だった。
若
「やっぱり……重陽糕だったんだね!」
正定八大碗
「おれのかんざし!返せ!」
戦闘
VS 重陽糕
重陽糕
「まったく最近の若いもんは!ただの箸だろう!大騒ぎするほどのものか!」
正定八大碗
「これは食事に使うものじゃないんだ。箸のように見えるが、おれが作ったかんざしなんだよ。」
重陽糕
「かんざし?それは気づかなかったな……実は外で麺を買った時に、箸をもらい忘れてしまってな。ちょうどおまえの髪に2本挿さっているのを見かけて拝借したというわけなんだ。」
「返すよ。つるつるしていて麺も持ち上げられない。やけに使いにくい箸だ。」
若
「はぁ、だから箸じゃないんだってば……何か違うって気づかなかったの?」
重陽糕
「どれどれ……きめ細かな材質で、音も澄んでいる。彫刻も施されているが、ほほぉ、とても精巧だ。確かに普通の箸よりもずっと美しい。きっと値の張る代物なのだろう。」
「わっはっは、ということは、おれはお宝を拾ったということか?」
正定八大碗
「爺さん、かなりの目利きだな。それほど気に入ったのなら、くれてやるよ。」
「だが、次はメシ用に使うなよ。」
八大碗が布を取り出し、丁寧にかんざしを磨いていくと、新品同様の輝きが蘇った。
正定八大碗
「これはこういう風に使うんだ……髪に挿してやるから少し頭を下げてくれ。」
「できたぞ。ほら、鏡を見ろよ……どうだ?嘘じゃなかったろ?これは本当にかんざしなんだよ。」
重陽糕
「おお、素晴らしいではないか!こいつはもうおれのかんざしだ!
おまえの気が変わってしまわんうちに、お先に失礼するぞ!わっはっは!」
若
「重陽糕の幸せそうな後ろ姿を見ていると、何故だか羨ましく思えてきた……」
正定八大碗
「ひょっとしてあんたも、おれの手作りの髪飾りが欲しいのか?」
若
「こんな綺麗なものを拒む人なんていないと思うよ。」
正定八大碗
「わかった。だが、あんたにいい加減なものを贈るわけにはいかないから、どんな素材を使うかじっくり考えさせてくれ。」
陶芸の勝負
正定八大碗が陶芸大会を開催。勝者の報酬は何だろう——
◆主人公【男性】の場合◆
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正定八大碗
「お前たちがおれのもとで陶芸を学び始めてから、しばらく経ったな。そろそろ学習の成果を見せてもらおうか。」
正定八大碗
「今日の陶芸コンテストでは皆に本気を出してもらう。優勝者には、おれが心を込めて準備した賞品を贈ろう。」
湯円
「うーん⋯何を作りましょうか⋯⋯」
混湯酒醸元宵
「ぼくは湯円を作るぞ!」
糖葫芦
「わあ!賞品があるんだ!えへへ、だったら頑張るぞ!」
臭桂魚
「わかさまの湯呑みが割れちゃったから……桂(けい)が湯呑みを作ってあげたら、喜んでくれるでしようか……」
若
「喜ぶに決まってるよ!やあ、陶芸コンテストを開くって聞いて覗きにきたよ。秘密の賞品もあるんだって?」
正定八大碗
「ちょうどいいところに来てくれたな。今日はあんたに、おれと一緒に審査員として参加してほしいんだが。」
若
「うん、いいよ。みんながどんな面白いものを作るのか楽しみだな。」
ナレーション
子供たちはしばらく励んだ末、次々と出品作を完成させていった。湯呑みや小皿、おもちゃ、いびつだが可愛い小人などもある……
正定八大碗
「皆、見事に唯一無二の作品を完成させたな。」
正定八大碗
「若、どうだ?誰の作品が一番だと思う?」
【選択肢】
・みんな最高の出来だよ
・それより賞品が何なのか気になるな
選択肢
みんな最高の出来だよ
それより賞品が何なのか気になるな
選択肢
「それより賞品が何なのか気になるな。」
正定八大碗
「まだ秘密だが、珍しくて良いものさ。」
若
「なるほどね。みんな頑張ったから、全員が優勝だと思うよ。」
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ナレーション
八大碗は作品ひとつひとつを丁寧に見ながら、焼成する時の温度管理や成形する時の指の力加減など、それぞれの課題点を端的に指摘していった。特に重要な点を説明する時は、実際にお手本も見せてくれた。
ナレーション
空桑の子供たちはその説明を熱心に聞いていた。みんなコンテストのことなど忘れ去り、公開レッスンの場と化していた。
正定八大碗
「さてと。皆の作品には、まだまだ大小いろんな課題点もあるな。だが同時に、皆の成長も見えた。」
正定八大碗
「皆の努力は賞賛に値する。今日のコンテストは、全員が優勝だ。」
正定八大碗
「これはおれが心を込めて準備した賞品だ。一人一つずつだぞ。誰が最初に完成させられるかな?ハハ、しばらくはこれで遊んでいられるだろう。」
湯円
「何ですかこのパズル……難しそう……」
混湯酒釀元宵
「わあ、これって七巧図(しちこうず)かな⋯⋯あれ?8ピースあるよ⋯⋯」
糖葫芦
「何これ?変なの〜!面白いのかな?」
正定八大碗
「これはおれが発明した「八巧図」だ。お前たちは賢いから、難易度を上げてみたんだ。」
正定八大碗
「そんなに浮かない顔をするな。頭を使うオモチャで遊べば、思考力と実践力が養われる。陶芸にだって役に立つんだぞ。」
若
「すごく独特な賞品だね。」
8つの料理
正定八大碗が余洋に料理を習う。いったいどんな料理を作るのか――
◆主人公【男性】の場合◆
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正定八大碗
「おいしそうな匂いだな。余さん、何を作っているんだ?」
魚腹蔵羊
「ああ、新鮮な牛肉が手に入ってな。今夜は腹いっぱい肉を食わせてやるぜ。」
正定八大碗
「牛肉の塊がちょうど8つか。素晴らしいな!」
魚腹蔵羊
「ハハッ、ここまでバラバラに切りさばけるのは鬼城以外にいないぜ!」
正定八大碗
「ああ、彼だったのか。さすがはおれと義兄弟の契りを交わした相手だ。それにしても、目も腹も楽しませてくれそうな牛肉だな。」
「ときに、余さん。あんたは各地を巡って、大勢の人たちと料理の腕を競い合っているそうだな。おれに何か特別な料理を教えてくれないか?ここのところ弟子がかなり成長してきていてな。褒美として、料理を振舞ってあげたいんだ。」
魚腹蔵羊
「なるほど、〇〇のためか。もちろん構わないぜ!よし、さっそく始めるか!」
若
「わあ、いい匂い。今夜のメニューは何……えっ、八大碗?どうしてここにいるの?」
正定八大碗
「それはおれのセリフさ。なぜここに来たんだ?」
若
「ちょうど暇だったから、余洋の手伝いをしようと思って。八大碗も同じ?」
魚腹蔵羊
「こいつはおれに料理を習いに来たんだよ。誰かにサプライズしてやりたいらしい。」
若
「手工芸以外のことにも興味があったんだね……」
正定八大碗
「ダメか?とにかく、まだ食事の時間じゃない。あんたは外で座っていてくれ。」
【選択肢】
・2人が何を作っているのか知りたい
・はいはい、外で待ってるよ
選択肢
2人が何を作っているのか知りたい
正定八大碗
「知りたいのか?それなら、待ちながら予想しててくれ。」
「何も思い浮かばなくても大丈夫だ。多分、あと88分くらい待ってくれたら答えは出る。」
はいはい、外で待ってるよ
正定八大碗
「料理も「手工芸」のうちだ。「手工芸」を守る幻境の主としては、料理の腕も確かじゃないといけないしな。」
若
「そういうことなら作品を楽しみにしてるよ。」
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若
「あの……お腹が空いたんだけど、いつになったらご飯が食べられるの?」
正定八大碗
「もう少し待ってくれ。あと数分で8時になる。」
若
「うん、もう少しだけ我慢するよ……」
正定八大碗
「お待たせ。料理が出来上がったぞ。こっちは牛肉団子、そっちは牛肉の煮込み、あっちは牛肉の醤油煮込み……」
「牛肉で8品の料理を作った。お腹いっぱい食べてくれ!」
若
「ありがとう。こんなに豪勢な牛肉料理は初めてだよ。美味しくいただくね。」