ハッピースイーツカーニバル Story7
story1
〈君達は、ラヴリの案内でスィー島のさらに奥へと進んでいく。〉
ここはいったいなんなんにゃ……?
〈色とりどりの湖を目の前にして、君は思わず足を止めてしまった。〉
〈いままで、さんざん変な景色を見せられてきたが……。〉
美味しそうな色をしているにゃ。飲めるのかにゃ?
〈この湖の水は、近くにあった黄色い湖に近づいて、中の液体を手ですくってみた。〉
〈甘酸っぱい香りがする。〉
これは、ジュースにゃ!?あっちも……こっちの湖もジュースにゃ!
〈この島に来てから、異様な光景には見慣れたと思っていたのに……。〉
〈さらに驚かされるとは……。〉
ここは、お菓子でできた島よ。これぐらいあってもおかしくないわ。
〈とはいえ、この多彩な色をした湖には驚かされた。〉
ちょうど、喉が渇いたところだ。ここで一休みしていかないか?
〈プレミオは、桃色の湖の近くに腰を落とす。〉
賛成。一休み、一休みーっと。
〈あまり長居はできない。〉
〈はやくデザートンを探さないと、と言おうとしたのだが……。〉
〈ピークは、あちこち歩き回りながら、好みの昧の湖を探している。
最初は、驚いたけど……。でも、ジュースが飲み放題だなんて幸運にゃ。
キミ、先はまだ長そうだから、ここでしっかり休憩を取っておくにゃ。
〈この島にいる間、不思議な光景にいちいち驚いていては、身体がもたない。〉
〈そう思った君は、ピークたちにならってジュースを飲ませてもらうことにした。〉
Aこっちの湖は、甘いジュースだったよ?
甘い?それだけじゃわかんないな。どんな甘さなんだい?
〈少し離れた場所にある湖から、女の子たちの声が聞こえる。〉
あそこに誰かいるわね。
〈薄い緑色の湖の傍で、獣耳を生やした少女ふたりが立ち話をしていた。〉
Aコリンちゃんも飲んでみる~?
うーん、そうだねえ……。
でもワタシは、こっちのほうが好きかもねえ。
Aこっちも十分甘いよ!
また変わった子たちがいるにゃ……。
デザートンについてなにか知ってるかもしれません。ちょっと話を聞いてみましょう。
あ、待つにゃ!
〈君たちは、ラヴリの後をついていく。〉
story2
〈話を聞いてみようと、ウィズがふたりに近づいたところ――〉
Aあれ?人がいるよー。
向こうも、こちらに気づいたみたいにゃ。
〈獣耳を生やしたふたりの少女が、こちらに近付いてきた。〉
おや。黒い猫やんに、変わった服装の人たちだね。
Aこんにちは~。
〈妙に陽気なふたりだ。〉
〈君も釣られて、こんにちはと頭を下げ、自己紹介を済ませる。〉
ひょっとして、この島の住人かい?ワタシたち、サプライズで飛ばされてきたんよ。
〈君たちは、顔を見合わせた。〉
違うにゃ。……というか、そんな風に見えるのかにゃ?
いんや、見えないな?というより、ワタシたちの仲間?
飛ばされてきた、という意味では仲間かもしれないにゃ。
あー、黒い猫やんもサプライズをくらったんだねえ。化かすのは、ワタシの専売なんだけど。
そんなの私たちに聞かれても困るにゃ。
〈君も、うんうんとうなずく。〉
〈アルティミシアと名乗った少女は軽やかに進みでる。〉
Aこんにちは、猫ちゃん。あれ、こちらの猫ちゃんのお耳、すっごく可愛い。
いや~そんな風に褒められると困るにゃ。
〈と、照れているウィズの背中をツンツンと突いた。〉
あっ、そうだったにゃ。雑談に費やしている時間はなかったにゃ。
〈君はデザートンについて、何か知ってることがないか、ふたりに尋ねてみた。〉
なんだいその……デザートンってのは?
Aなんだか、美味しそうな名前だねー?
絶対に美味しくないと思うわ……。
同感だな。
〈ピークとプレミオは、同時にうなずく。〉
そもそも、ワタシたちも、どうしてここにいるのかわかってないしねぇ。
A気づいたら、こんなとこにいたの。
私たちと一緒にゃ。
Aだけど、ここは美味しいものぱかりなので、ラッキーだったよー。これてよかった!
そうだ。君たちもこれ飲んでみるといいんじゃないかい?
それなら、向こうでたっぷり飲んできたにゃ。
あら、そうなのかい?残念だね。
Aそれより、向こうに赤色の湖があるよ。行ってみよ?
でもなんつーかねえ。どんなのかわからないと妙にドキドキしちゃうねえ。
〈ふたりは、君たちを置いて赤い色の湖まで行ってしまった。〉
自由な人たちにゃ。
あのふたりを見失っちゃ、手がかかりを失うことになるわ。追いかけましょう。
***
〈新しい湖を見つけたアルテイミシアとコリンは、湖に顔を近づけて中のジュースを飲んでいた。〉
Aここの湖の水も、すっごく甘くて美味しい!
うん、1度飲み始めると止まらなくなるねぇ。
A甘い中にも、さっぱりとした後味……。
〈コリンたちの言葉が気になった君は、その水を飲んでみた。〉
〈美味しいけど、なんだか不思議な喉ごしだ。〉
Aねぇねぇ、向こうにまだ珍しい色の湖があるよ。
ああ。あそこは、炭酸入りジュースの湖ですね。
ワタシは、珍しい物には目がないんだよ。さっそく行ってみようか。
そんなことよりも、そろそろ先に進むにゃ。
〈ジュースの虜になっているアルティミシアたちにそう声をかけた矢先――〉
Aえ?ええ!?これってどういうことなの?
湖の水が、変わってないかい?
あ、本当だ。一体、どうしたんでしょうか?
この水の匂いは……。
まさか、これって……!?
〈ピークとプレミオ、そしてラヴリが、その水を手ですくって口にしてみる。〉
やっぱり、カフェオレの昧……!
何にゃ?
〈と、尋ねるウィズの背後で、アルティミシアが呆然と立ち尽くしていた。〉
Aそんな、さっきまでの甘さが……なくなってる。
こんなの……。
〈絶望しながらも、ふたりはもう一口、手ですくって薄茶色の水を口にする。〉
A……すごく美味しいよ。
中に潜む、密かな甘み……こんな昧も楽しめるなんて、ついてるね。
でも、どうしていきなり全部の湖が、昧になったにゃ?
〈カフェオレどこかにある湖の源流から、カフェオレが流れ込んできているのだろうか?〉
〈もしかすると、これもデザートンの仕業……?〉
湖の源流に行って確かめてみましょう!
story3
〈君たちは、湖がカフェオレ昧になった理由を探るべく、スィー島の奥深くへと進んでいた。〉
この島には、色々な住人がいますからね。この目で真相を確かめるまではわかりません。
〈君たちは、気持ちを引き締めて先に進む。〉
アルティミシア。飲んでる場合じゃないっぽいよ。
Aこのカフェオレって飲み物、凄いよ!甘すぎないから、いつまでも飲めちゃうね。
〈それはそうだけど……と君は口にする。〉
〈アルテイミシアは、湖のカフェオレの虜になってしまったようだ。〉
〈そんなアルティミシアを見て、ウィズは深くため息をつく。〉
……しょうがないにゃ。
〈その時、先頭を進んでいたピークとプレミオが伺かに気づいた。〉
あそこに誰かいるよ!
……!?
〈前方に見える小さな影――。〉
もしかして、湖の源流にカフェオレを流し込んでいるのは奴らか!?
黒い猫やんたちが探してる、デザートンって奴の手下なんじゃないかい?
追いかけないと見失うにゃ!
〈君たちは、アルティミシアの手を引いて、ピークたちを追いかけた。〉
story4
〈君たちは、ようやく追いついた。〉
ふう、なかなか険しい道のりだったにゃ。
〈ピークたちが見つけたのは、兵隊の格好をした小さな……妖精?〉
お前たちか!
あんたたちでしょ?
なにを言ってるんだ!?
何がよ!?
まったく会話がかみ合ってないにゃ。
Aあー、この子たち可愛いー。もしかして、この湖を守ってるの?
不用意に近づくな……。
〈小さな兵隊は突然――。〉
僕たちは、この湖を守るスポロン隊だ!
君たちがカフェオレに変えたんでしょ!
〈スポロン隊と名乗る兵たちは、武器を構えてアルティミシアを威嚇する。〉
Aそ、そんなことするわけないよー。
そうだ。私たちは、カフェオレになった原因を突き止めるために、ここまで来たんだ。
湖にカフェオレを流し込んだんじゃないのかい?
僕たちがそんなことするわけないだろ!
こっちの話を聞くつもりはないようにゃ!
〈戦うしかないようだ。〉
〈君は、戦闘の態勢を取った。〉
Aみんな、気をつけてーー!
てやー!
***
くうっ、やられた……!
僕たちだけじゃダメだ。みんなを呼んでこよう!
……まだ戦うのかい?
A身体は小さいのに、凄いガッツだねー。
僕たちの大事な湖を守るためだ!最後のひとりになっても戦う!
ま、待つにゃ!戦う前に、こっちの話を聞くにゃ。
〈君は、スポロン隊の前に立ちふさがる。〉
〈そして、ここにゃってきた事情を話した。〉
じゃあ、お前たちは……。
カフェオレに変わった原因を突き止めようと、こまでやってきたの?
そうにゃ。
君たちはデザートンの手下じゃないの?
もちろん!
〈君は、自分たちはデザートンの暴走を抑えるために来た、と伝えた。〉
そうだったんだ……勘違いしてごめん。
デザートンの影響か、カフェオレに変わってしまうことがあるんだ。
それは誰かが意図的にゃっているのかも、と思ったんだけど……。
そういうことだったのね。
カフェオレは美味しいけど、全部の湖がそれになるのだけは……。
でも、それまでにこの湖にデザートンの手下がやってこないとも限らないね。
Aそうなったら、私が追い払うよ!
〈と、アルティミシアは愛用の弓を構えた。〉
僕たちに力を貸してくれるのか?
A当然だよ!私、この湖のジュースが大好きだからね。
ここは、ワタシたちが守るから、みんなはデザートンを頼むよ。
〈と、コリンは君たちに頭を下げた。〉
任せるにゃ!
〈君たちは、アルティミシアたちと別れて、デザートン探しの旅に戻ることにした。〉
〈ジュース湖を立ち去る時、スポロン隊のみんなが君たちを見送りに来てくれた。〉
安心して!デザートンを見つけだして、懲らしめてやるんだから!
〈君も、大きく胸を張ってスポロン隊の兵たちにデザートン討伐を約束した。〉