【白猫】ミシェル・思い出
ミシェル・スピリアース cv.加藤英美里 早く大人になりたい王族の少年。 精霊に認めてもらうため、試練に立ち向かう。 | ||
2014/12/24 |
フォースター☆プロジェクト Xmas Story
思い出1
ここが噂の飛行島……すごい、本当に空を飛んでるよ!
<あどけない笑顔を浮かべた少年が、瞳を輝かせて辺りを走り回る。>
初めまして。あなたのお名前は?
こんにちは、僕はミシェル!
今日からここでお世話になります!
<頭を下げるミシェルの後ろから、羽の生えた小さい女の子が ひょこりと顔を覗かせる。>
ミシェル、言ったでしょ? 自己紹介は~!
あぁ、そうだった! えっと……――ふとんがふっとんだ!!
……は?
トイレにいっトイレ!!!
え、えっと……?
それは……ダジャレ、なの?
だ、ダジャレ!? そんな……飛行島に受け継がれる、伝統的な挨拶だって!
……そうなの、キャトラ?
いや、絶対違うよね!? 明らかにダマされてるよね!?
……ぷっ、あははははは!
ああっ! シルフィーお前ダマしたなぁっ!?
気付くのが遅いわよ、ミシェル。まだまだ大人には程遠いわね~。
シルフィーって、妖精さんの名前?
そう、私がシルフィー。妖精じゃなくて精霊なの。ミシェルの保護者ってところかな。
妖精じゃないんですか?
性質はほとんど変わらないけど、精霊は肉体を持たないの。
ソウルの力で人型を保っているけどね。
精霊が人間のお守りなんて初めて聞いたわ。
普通は自由気ままな精霊を人間が手なずけるものなのよ?
本来ならお守りなんて絶対にお断りなんだけど……
こんな感じでダマされやすい子だからおもしろ…いや、心配で……
おもしろ……?
こ、子供扱いするなっ! 僕だってもう、一人前なんだぞ!
はいはい。
一人前の人は隠れて敬語を練習したりしません。
ど、どうしてそれをっ!?
そして、ダマされて古いダジャレで挨拶したりしません。
ダマした本人が言った!?
思い出2
やぁ、アイリス、今日もすっごくか、かわ……
?
……アンタ、何がしたいの? 顔、真っ赤だけど。
女性をスマートにホメるのが大人の男だって、本で読んだから……
どんな本よ、それぇ!?
ミシェルくんは、どうして大人になりたいの?
大人になれば、シルフィーに認めてもらえるでしょ?
そうすれば精霊の故郷へ行けるんだよ!
精霊の故郷……?
精霊はソウルの結晶みたいなものでルーンの力を高める能力がある。
僕の故郷は、その力を借りて栄えた国家なんだ。
国家は恩を感じて、精霊たちをとても大切にした。
そのおかげで、今では人間も精霊も家族同然に暮らしてるんだよ。
ふふ、素敵な国なのね。
王家には特別なしきたりがあって、精霊とパートナーになる契約を結ぶんだ。
先代の王が精霊の故郷へ導かれ、力を得て国を治めたことから、
相棒の精霊と故郷へ行くことが、王になるための試練なんだ。
なるほど、だから精霊の故郷を探してるのね~。
……って、アンタ王家の人なの!?
えっへん! 一族の英雄だった、ひぃひぃじいちゃんみたいに慕われる王様になるんだ!
じゃあ、王様はみんな精霊の故郷に行ったことがあるの?
うん、でも、場所は絶対に秘密なんだ。
自由な精霊に認めさせてそこに連れて行ってもらえるかどうかで王になれるかが決まるんだって。
僕も、早くシルフィーに認めてもらえるように頑張らないと!
それで大人にこだわってるわけね。
うーん、心配だわ……
あ、シルフィーさん!
心配しないで!
努力を続ければ、絶対に報われるってお父さんが言ってた!
そ、そうなんだけど……いい?
王様になるには、強い意志が必要なの!
先代の王様は――
また始まった……はいはい、わかってるよ~!
こらっ! 最後まで聞きなさいってばーっ!
行っちゃった……
思い出3
う~ん……、どうしたら大人になれるかな?
まだ悩んでるの?
みんなに子供扱いされるんだ。もう、やめてほしいよ。
――そういうことなら、女の子を口説いてみるとか!
く、口説く……っ!?
そう、女の子を口説ければ、少しは大人に近付けるんじゃない?
まぁ……まだ子供のミシェルには難しいかしらね~、ふふっ。
な、何言ってるんだよ! それくらい、朝飯前だぞ!
ふふ、じゃあ決まり! アイリス、相手役お願いね~!
わ、私ですか……?
大人の男になろう作戦、第一弾~!
『デートに誘う!』
で、デートに!? え、えっと……場所は……
あっ! 新しくできたお菓子屋さんに行ってみたいと思ってたんだ!
そこ、私も行きたいと思ってたの。一緒に行きましょう?
むむ、いつもマダム達をうならせるだけあるわね……
えええっ、これでいいのぉ!?
第二弾! 『手をつなぐ』 !
手をつなぐ!? え、えっと……
僕、手が小さいのが悩みなんだ。
女の子と比べても……ほら。
どれどれ……あ、本当だ。
会話の流れで自然と手を触れさせる高等技術……やるな。
ねぇ、だからあれでいいの!? 本当にいいの!?
第三弾! 『告白』!
展開はやぁっ!
こ、告白!? え、えっと、そのぉ……!
そ、その……す、す……す……す……すぅ……
……や、やっぱり無理だぁ!!
まだ、僕たち知り合って間もないし、その……
そういう問題じゃないの!
恋愛に時間は関係ないのよ!
本来の主旨はどこいったのよぉ!?
思い出4
おっとっと……
どうしたの? そのお菓子の山……
な、なんでもないよ!
別に、シルフィーの元気がないから買ってきたわけじゃ……!
え……シルフィーさんのために?
ああっ、しまった!
二人だけの秘密だったのに~!
ふふ、優しいのね。
アイリスー! ミシェルー! やっほー!
ああっ!! なに、この大量のお菓子!?
えっと……これは僕とシルフィーの……!
ポリッツにキャルボ……ペイの実もある~!
おいしそう~! 食べたいなぁ~! じー。
キャトラ、これはミシェルくんが……
こんなにあるんだから、少しくらいいいでしょ?
アタシたちと一緒に食べちゃおうよ~!
……うぐっ。
実は、僕も食べるの我慢してたんだ……。
ちょっとくらいなら大丈夫~!
……はむっ!
もう、キャトラってば!
ミシェルくん、大丈夫なの?
一つくらいなら……はむっ!
あ、食べちゃった……
…………
あっ、シルフィーさん……
キャトラ&ミシェル
!?
あばばっ、これは、そのぉ……
シ、シルフィー!?
違うんだ、これは――
……ミシェルのバカッ!
二人で食べようって約束したのに!
王様は優しいだけじゃダメ。強い意志が必要なの。
どうしてすぐに誘惑に負けちゃうのよ!
――もう、ミシェルなんか知らない!
シルフィー……
……アタシ、もしかしてまずいことした?
私も、ちゃんと止めればよかった……
思い出5
…………
ミシェル、この間はゴメンね!
アタシ――
――って、ど、どうしたの!?
そんな泣きそうな顔して~!
どうしよう、シルフィーが、シルフィーが…!
シルフィーさんが、どうかしたの?
これ……
ミシェルの手には光り輝く球体が握られている。
これは……?
シルフィーだよ。
……え、ええええええっ!?
ど、どういうことっ!?
力が弱まって、人型を保てなくなったんだ……
そんな……どうして?
詳しいことはわからないけど……
契約を交わした精霊は、パートナーとの絆が
強いほど力を発揮するといわれているんだ。
それが関係してるのかも……
二人の心が離れたから、力が弱まったってこと……?
わからないけど、それ以外考えられないんだ……
きっと、シルフィーは僕の顔なんて見たくないんだ……!
僕が子供で、頼りなくて、困らせてばっかりだから……
僕がシルフィーを追い詰めたんだ……っ!
ミシェル……
思い出6
――うわぁっ!?
優しくて、温かい光……なんだか勇気が湧いてくる……
この光は、ルーンの力……!?
シルフィーさんは、ミシェルくんからの言葉を待ってるんじゃないかな?
僕の言葉を……?
悩んでるのはミシェルくんだけじゃないのかもしれないよ。
そうそう。
ちゃんと言葉で伝えないと、気持ちは伝わらないよ!
…………
シルフィー、これからも僕と一緒に旅を続けてくれないか?
僕はシルフィーと一緒に精霊の故郷へ行きたいんだ!
…………
眩い光が辺りを包む。
気がつくと球体は消え、代わりにシルフィーが姿を現す。
……ミシェル。
シルフィー……!?
本当にごめんなさい。僕のせいで――
ううん、私こそごめんね……
私ね、ミシェルと一緒に旅をしていけるか悩んでたの。
ミシェルを導くのが私の役目なのに
ただ口うるさいだけの自分が情けなくて、焦るほど力が弱っていって……
だからミシェルの想いを聞けて、すごく嬉しかったよ。
そ、それって……!
ミシェルは世界に一人しかいない、私の大切なパートナーだもん。
仕方ないから、私がビシバシとしごいてあげるわ。
シルフィー……! 僕、がんばります!
精霊の故郷へ行くのはそれから!
まだまだ先は長いんだからね!
うん! これからもよろしくね!
……ふふ、いつもの二人になってよかった。
頑張んなさいよ~!
二人のこと、全力で応援してるんだからね!
うん! 見ててね、絶対に精霊の故郷に辿り着いてやる!
思い出7
や、やぁみんな! 元気だった?
はい……元気でしたけど……ミシェル君、それはなにをしてるの?
なにって、なんのこと? 僕はいつも通りだよ!
いつも通りなわけないでしょ。なにその靴。上げ底しすぎでフラフラしてるじゃない。
こ、これは大人になるなら、人より高い目線で物をみろって、シルフィーが……
だから、僕は出来るだけ目線を高くしてるんだ!
思い出8 (神気解放)
あはははは!
ああっ!! シルフィー、また僕をダマしたんだなっ!!?
ダマしてないわよ。ミシェルが勝手に間違えただけ。
私は、実際に高いところから見るんじゃなくて――
高くて広い視野を意識して、モノを見なさいって言ったのよ。
そ、そんな……
これじゃ、まだまだ大人には程遠いわね~。
その他
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