【白猫】エーベルハルト・思い出
王様の国の王様& ref(100x100/nuQUOhIf.png,20) エーベルハルト・ロイヤル cv.山下大輝 王様の国出身の<張り切り王>。 平民を尊敬している。 | ||
2015/07/29 |
メインストーリー
思い出1
余はエーベルハルト。<王様の国>の王様だ。
こんにちは。あの……王様の国って?
おおっ!?その方ら、なんと質素な姿をしているのだ!
えっ?
そのスカートの生地はなんだ?テーブルクロスか? いや、シャワーカーテンのようにも見えるが……
まさか!?そんなはずは……しかし、限りなく伝承に近い姿をしている……
その方は平民様……なのか……!
い、いえ、たぶん違うと思いますけど……へいみんさま?
その方!?それは芋掘り用の手袋か!そんなバカな……石碑に描かれていた農民様の姿と瓜二つだ……
架空の生き物ではなかったのか……信じられん……
ちょっとアンター!さっきから聞いてればわけわかんないこと言って!バカにしてんの!
なんだこのしゃべる動物は……むむっ!?尖った耳!ひげぶくろ! おちょぼ口!ね、猫……なのか……?
なによ、そんなに猫が珍しいわけ?
グレイルジャガーよりも小さい猫が存在するとは……驚いた……
そうか!? これがあの、スラムにだけ生息しているという……どら猫!
誰がどら猫よ!
おっと、これはこれは失礼いたしました。王族以外の者と触れ合うのは初めてだったもので。
はあっ?
平民様、農民様、どら猫様……余は貴方がたを大変尊敬しております。
ここで会ったのもなにかの縁。これからは余と、良き信頼関係を築いていただけるとありがたい。
は、はあ……
カシミヤ、ビクーニャ、オーストリッチ……どうぞ余を、好きなようにお呼びください。
なにそれ動物?むむむ……こやつ、なんだかややこしいわね……
思い出2
どわっ! ぬおっ! いって!
<エーベルハルトがかかとでマントを踏んずけ、すっ転んでいる。>
大丈夫ですか……
お、お気遣いなく……いつものことなの――でうわ!?
なんとまあ……ねえ、エーベルハルト。アンタって本当に王様なの?
ええ、正真正銘<王様の国>の王様ですよ。
あの……王様の国ってどんなところなんですか?
我が国<レックスキングダム>は<燃ゆる水のルーン>をはじめ、<希鋼のルーン>、<煙炭のルーン>の恩恵により資源が豊富で、世界有数の財力を持っています。
それにより貧しい生活を送りたくても送ることができず、国民すべてが王様となってしまったのです。
なんて贅沢な国……でもさ、そんなんで国が成り立つわけ?それって誰も働いてないってことでしょ?
王といってもただ偉そうにしているだけではありません。それぞれの王が役割を持って働いているのです。
それぞれのおう?
財産を<執事王>が管理し、身の回りの世話を<メイド王>が、建築のことなら<大工王>など、エキスパートたちによってより良い暮らしを保っているのです。
王様の国ってそういうことだったのね。
エーベルハルトさんはどんな王様なんですか?
毎日、なにかと張り切っている<張り切り王>と呼ばれております。
それってただの頑張り屋さんじゃん!
それにしても平民様たちはなぜ貧しい生活を維持するために、あくせく働いておられるのですか?
うーん……しかたないというか……ラクをしたぶんラクをできないから……ですかね。
なるほど。己を窮地に追い込むことで道が開けるということですね……とても真似できたものではありません……
やはり平民様たちは偉大だ!尊敬しております!
もがー!
な、なにをなさるんですかどら猫様!?マントを踏まれては身動きが……
ぬわっ!
思い出3
どら猫様! その不気味な色をしたものはなんですか!?
カニカマよ。食欲なくすこと言わないでよね……
食べ物……なのですか?
そうよ。かまぼこをカニに似せてるの。
かまぼことは?それになぜ、一般食材であるカニにわざわざ似せる必要があるのですか?
気分だけでも味わってるのよ!って言わせないでよね!
見た目を変化させることで味に変化をおよぼすとでもいうのですか……興味深いですね……
あげないわよ。
そんな……
キャトラ、半分くらいわけてあげてもいいんじゃない?
いやよ、最後の一個なんだから。だいたいアンタ、大金持ちなんだから自分で買いなさいよね。
<買う>とは?
お金と交換することに決まってるでしょ。
<お金>とは?
はあ?
エーベルハルトさんの国ではお金を使わないんですか?
欲しいといえばなんでも手に入るので。
あっそ。じゃあこの際、物々交換でもいいわよ。
あ、ありがたきお言葉!
(ふふふ、アタシは知っている。アンタがさっき、高そうなクッキーを食べていたことを……)
(キャトラ……なにか企んでるわね……)
わくわく。
では、<貿易王>がとある修道女から入手し、我が国で一世を風靡した奇跡の食材をどうぞ!
わーい、ってなにこれ!?もやしじゃないのよ!
お気に召しませんかでは、<屋台王>がとある祭りで入手した最高級の珍味を!
タ、タコ焼き!? しかも、びっくりするくらい普通だわ!
くっ……ではカルメ焼き……
やっぱり自分で買って!
思い出4
よ~し、みんな集まったわね!それじゃさっそく、草むしりはじめるわよ~。
まさか、<草刈り王>の力を借りずにですか……!?そもそもなんのために!
理由は特にないですけど、見た目をよくしたいので……
り、理解できません……
つべこべ言わずに働く!ほら、手伝ってくれたらカニカマあげるから。
本当ですか!? でしたら喜んで!
はい、エーベルハルトさん。スコップです。
これは……ハサミでハーブやミントを収穫するのでは?
生えてないわよ、そんなの。
……
…
ふう……汗を流すことがこんなにも素晴らしいとは……
汚れた服は選択しておきますね。
なぜそこまで親切に……もしや平民様は余のことが……
平民にとってはふつうの行為よ。
なるほど……いたた……しかし、これしきの作業で腰が……張り切りすぎましたかね……
でも、エーベルハルトさんのおかげで助かりました。だいぶ、池の周りがすっきりしましたし。
じゃあ、はい。約束のカニカマよ。
あ、ありがとうございます!
ふふ、お味はどう?
むぐむぐ……なにやら独特な甘みがありますね……カニに比べると弾力がある…………これは……
美味しいです!
気に入ってくれてよかったわ~。
どら猫様! カニカマはどこで入手可能でしょうか?
えっ?そこら中に売ってると思うけど……
左様でございますか! では、早速<メイド王>に手配して……
いえ、ここは余の足で買いに向かいましょう!
へ~、少しは成長したみたいじゃない。
思い出5
はあぁぁ……
<エーベルハルトが小包を積んだ荷車を引いている。>
エーベルハルトさん?それはいったい……
カニカマです。
もしかして買い占めちゃったの!?
ええ……カニカマの美味しさを知ってもらおうと、レックスキングダムに持ち帰ったのですが……
味が薄い!食感が悪い!などと、評価が厳しく……
そんなはずないと味を確かめたのですが……あのときより控えめな食感で……
たぶんそれはね、アンタ。感謝をしてないからよ。
えっ?
苦労が大きいほど、なにかを得たときに<ありがたみ>を感じるものでしょ。
だから、他人からもらったお金で買ったカニカマは味気なかったのよ。
草むしりのときの
エーベルハルトさん、誰よりも頑張ってましたもんね。
ありがたみ……ですか……考えたこともなかった……
そう……だったんですね……
では、余はいったいなんだというのでしょう……
へっ?
生まれながらにして巨万の富と権力を得て……苦労とは無縁だった……いや、目を背けていた……
平民様や農民様に憧れを抱くだけで……変わろうとはしなかった……
このカニカマと同じです……余は見てくれだけで、中身などなかったのです……
すべてを失ったとき……余に価値などあるのでしょうか……
そんなことは……
余は……僕は……王様でも平民でもない……なにものでも……ないんです……
アンタ……
思い出6 (友情覚醒)
ああ……なんという粗末で地味で貧相な……
それでいて華やかで豪然たる光!
体の内側から声が聞こえてくる……変わりたいと叫んでいる!
エーベルハルト……!?
このまま、王様として運命に流され裕福に生きるのか!
平民として運命にあらがい質素に生きるのか!
答えはもう決まっている!変わりたければ……変わりたければ……
たった一歩、踏み出すだけだ!
<エーベルハルトはマントをかかとで踏みつぶし、前進しようとしている。>
な、なにやってんのよ!?
ぬぐおおおおお……!
きゃ! 首が曲がって……
でやあああ!!!
<ぶちぶちと豪快な音を立て、マントが引きちぎれる。>
はあ……はあ……
エ、エーベルハルトさん……?
ああ、最高級のマントが台無しだ……どれだけ働けば買えるんだろうな……
働くってアンタ……
僕は今ここで、王様をやめました。これからは、平民として生きていこうと思います。
それでいいの?アタシからしたらアンタの生活は羨ましい気がするけど……
いいんです。このまま何もできない大人になるよりは……
今より苦しい未来が待ってるかもしれないわよ。
それでもいいんです……みなさんと触れ合って、そう思えたんです!
そうと決まれば……
アイリスさん!僕に炊事洗濯の仕方を教えてください!
はい!
キャトラさん!カニカマの正しい食べ方を教えてください!
アタシにまっかせなさーい!
主人公さん!畑の耕し方を教えてください!
時間がかかるかもしれません……それでも……いつかきっと……
<平民王>になってみせます!
覚醒絵・覚醒画像
その他