【白猫】グレン・思い出
記憶をなくした男 グレン・アルニド・ルブラム cv.畠中祐 大怪我によって記憶を失った青年。 真紅の容貌に秘められた、その正体とは―― | ||
2016/06/22 |
思い出1
……あら?あそこにいるのは……
……はぁ……はぁ……ううっ……!
あの、どうかしまし――っ!血が……!
大丈夫ですか!しっかりしてください!
はぁ……はぁ……ぐっ、ごほっ!ごはっ……!
***
――……う……
あ、気がついたみたいよ!
よかった……
??? |
---|
……?……君たちは……くっ!
まだ動いちゃダメです。全身ひどい怪我だったんですよ?
……怪我……?
一体なにがあったの?
あの……大丈夫ですか?
……わからない……
え?
……ここは、どこだ……?
……?ここは飛行島ですよ。
ひこう、じま……?
知らないの?
……わからない。なぜ自分が、ここにいるのか……
……なにも、思い出せない……私は、何者なんだ……?
私は……!私は誰なんだ……!
わからない……なにも、わからないんだ……!
ちょ、ちょっと!落ち着きなさいって!
はぁ……はぁ……
まずは怪我を治しましょう。しばらく安静にしててくださいね。
……私は、君たちに助けられたんだな……
ありがとう……それと、取り乱してすまなかった。
いいわよいいわよ。アンタも大変だったんだしさ。
思い出2
あ……!もう起き上がって大丈夫なの?
ああ。おかげでだいぶ動けるようになった。
それはよかったです……えっと――
……グレン。
えっ?
それが私の名……だったように思う……
おっけー、グレンね。それで、アンタはどこから来たの?
……すまない。思い出そうとはしたが、名前以外には何も……
ん~、そっか~……
他にわかることといえば……この剣と鎧だ。
どちらも不思議となじむ。おそらく私は……戦う術を知っているのだろう。
………………君に頼みがある。
私と手合わせ願えないだろうか。
――!
ちょ、ちょっと!急にどうしたのよ?
……自分でも妙なことを言っている自覚はある。
だが……どういうわけか、私は君との勝負を望んでいる。そんな気がするんだ。
うーん……どうする、主人公?
――。
ま、そう言うと思ったわ。
***
<主人公とグレンは、お互いに距離を取り、剣を構える。>
主人公!相手は病み上がりなんだから、ちゃんと加減しなさいよ?
……いや、その必要はない。
ハアッ!!
――。
せあっ!!
!!
……クク……まだ、足りない……君の剣は、この程度ではないはずだ。
――!
ハハ……いいぞ……!そうでなくては――
タイム!そこまで!二人ともやりすぎよ!
……!
まったく……また怪我人が出たらどうするつもり?
す、すまない……
まあでも、身体はほんとに大丈夫みたいね。
ああ……これなら私も、君たちとともに戦えそうだ。
……
主人公?どうかしたの?
。
そう?なんでもないならいいけど……
思い出3
<主人公たちは、グレンに関する情報を求め、近場の大きな街へと立ち寄った。>
情報収集なら酒場が基本よね♪
そうなのか……なるほど。
キャトラ、どうやってグレンさんの記憶の手がかりを探すの?
簡単よ。『私を知ってますか?』って聞いてまわるのよ。
わかった。早速ためしてみよう。
***
失礼、少しいいだろうか?
ん、なんか用か?
私を知っているか?
はあ……?酔ってんのか、お前?
いや、そういうわけじゃないんだ。その、なんと言えばいいか……
悪いが他を当たってくれ。
どうやら不審に思われてしまったようだ……
最初はそんなもんだって。ほら、次いってみましょ。
<グレンは酒場に集う人々に聞きこみを続けた。しかし……>
成果なし、か……そう都合よくはいかないものだな……
あきらめるのはまだ早いわよ。
残るは……あそこのすみで酔いつぶれてる兵隊さんね。
Zzzz……
寝ているところすまない。少し時間をくれないか?
……あ~?誰だよ……せっかく気持ちよく寝――
っ!!
……?
な、なんで……なんでお前がここにいるんだ……!?
――!
私を知っているのか!?ならば詳しく話を――
み、見逃してくれ……!俺はもう関係ねえんだ!
???一体なんの話をしている?
や、やめろ!殺すな!!
……聞いているのはこっちだ。
ひっ……!
質問に答えろ。さもなくば……
う、うわああーー!!
ちょ、グレン!なにやってるのよ!
――っ!?あ、ああ……すまない……
ねえ、バーテンダーさん。さっきの人のこと、なんか知らない?
あの兵隊さんかい?
……そういえば、故郷が侵略されて仕事をなくしたとか言ってたな。
それは……気の毒ですね……
ま、その侵略したって国も今じゃ内乱が起きて大人しくなったそうだけどな。
内乱……?
知らないかい?<ルブラム>って国なんだが――
ルブ……ラム……<ルブラム>……!?
!グレンさん、もしかして、聞き覚えがあるんですか?
わからない……だが、頭の中がうずくような、
どうにも落ち着かない気分になる。
……次の行き先は決まったわね。
思い出4
主人公たちは、グレンの記憶の手がかりを求めて<紅土の国・ルブラム>を訪れた。
さて、街に入ってはみたけど、なんか見覚えとかある?
いや……どれも初めて見るように思え――
……!待ちなされ!
?あなたは……?
ともかくこちらへ!早く!!
え……えっ?
<老人にうながされ、主人公たちは街外れの家屋に連れ込まれる。>
なぜ戻ってこられたのじゃ!ここにいてはいずれ捕まってしまいますぞ!
捕まる……?ご老人、それはどういう意味ですか?
……?グレン様?本当にどうされたのですじゃ?
――っ!私を知っているのですか!?
おじいさん、実は――
…………
……
……記憶がない、じゃと……まさかそのようなことが……
今度はそっちが話す番よ。おじいさんは何者なの?
ガリウス |
---|
ワシはガリウス。かつてグレン様の家庭教師をしておりました。
家庭教師……あなたが、私の……?
……グレン様、どうか今からワシが言うことを心してお聞きください。
あなたは、ルブラム最後の皇族――グレン・アルニド・ルブラム皇子であらせられるのです。
……私が、皇子……?
待ってください。『最後の』とはどういう意味ですか?
……ルブラムは先の内乱で連邦の属国となったのですじゃ。
内乱……話には聞いていましたが、一体どうして……
グレン様……あなたは良き為政者ではなかった。
冨を求めて次々と他国を侵略し、この国を幾度となく戦に巻き込んだのですじゃ。
……どうして、私はそのようなことを……
かつてルブラムを興した祖先は、血と戦を好む勇猛な民族だったと伝えられております。
おそらくグレン様は、祖先の血を色濃く受け継いでおられたのでしょう。
!私が……戦いを望んでいたと……?
覚えはございませんか?血に飢え、闘争を欲する衝動に。
…………
度重なる戦で国は疲弊し、民の心は離れ……内乱の決起も時間の問題じゃった。
首謀者は、あなたが信を置いていた家臣の一人。その者は連邦と内通し、密かに協定を結んでいたのです。
なによそれ……裏切ったってこと?
皆、恐れておったのじゃ。グレン様がルブラムを滅ぼす暴君になるのでは、と。
あなたも……私を恐れているのですか?
……そうだとしたら、ワシは今ごろあなたを連邦に引き渡しておりますじゃ。
ガリウス殿……
一刻も早くここを離れるのじゃ。それが御身のためですぞ。
……私は……
思い出5
どうしたの、二人とも?
……外から気配がする。それもかなりの人数だ。
くっ、見つかってしもうたか……!
……君たちはじっとしていてくれ。私が先に出ておびき出す。
囮になるつもり!?連中の狙いはアンタなのよ?
だからこそだ。これ以上、君たちに迷惑はかけられない。
で、でも……!
みんな……すまない!!
***
連邦兵士 |
---|
!出てきたぞ!!
あれは……狂皇子か!?なんで奴がここにいるんだ!
さっさと出ていけ!また俺たちを戦争に巻き込む気か!
(……そうだ……私は、この状況を知っている)
見つけたぞ!こっちだ!
逃がすな!包囲しろ!
……!
もう逃げられんぞ!
…………どけ。
なに?
どけぇぇぇぇ!!!
ぐああっ!
邪魔だ!!
ぐあああっ!
はぁ……はぁ……
ククク……ハハハハ……
ひっ……!な、なんだ、こいつは……!?
アァァアーーー!!
う、うわああ!た、助け――!
クハハハハハハハハハ!!
――!?なんだ……今のは……?
(これが……ガリウス殿の言っていた『衝動』なのか……)
狂皇子、覚悟ーー!!
がはっ……!!
今だ!取り押さえろ!
はぁ……はぁ……ぐっ……!
(あの時と……同じだ……
追いつめられ、致命傷を負い、辛くも逃げ込んだ先があの島だった……)
観念しろ、化け物め……!
(これでいい……狂気に駆られ、誰かを傷つけるくらいなら、いっそ……
だが……せめて私を救ってくれた彼らだけは……!)
――!!
な、なんだお前は!?
なっ……!どうして、君がここに……!?
思い出6 (友情覚醒)
こ、この力強い光は……!!
な、なんだ!?なにが起きているんだ!!
<瞬間、まばゆい閃光がルブラムの街を包み込む。
そして光がおさまったとき――グレンと主人公は忽然と姿を消したのだった……>
…………
……
こらっ!
……っ!
勝手に突っ走っちゃダメでしょ!
主人公がいなかったらどうなってたか……
…………
グレンさん……?
……君たちもガリウスから間いただろう。
本来の私は……助けてもらう資格などない人間だった。
民の声を聞き入れず、血のおもむくまま戦に狂った愚か者――
それが……本来の私だ……!
…………
……君たちは私の恩人だ。感謝してもしきれない。
だが……今となっては、どんな顔をして君たちと向き合えばいいかわからない……
……そうやってまた逃げるの?
――!
キャトラ……
アンタの正体は問題じゃないわ。そうやってアタシたちから逃げるほうが、むしろ問題よ。
ねぇ……アタシたちのこと、そんなに信用ならない?
!そんなことは断じてない!私は君たちを――
私たちも同じですよ。グレンさんのこと、信じてます。
君たちは……今でも私を仲間と思ってくれるのか……?
それは出会った頃から変わりませんよ、グレンさん。
当然でしょ?どんな人間だろうとグレンはグレンなんだしね。
……君たちには、本当に助けられてばかりだ。
まったくよ。ほんと目が離せないわ。
……確かに私は逃げていた。自分をとりまく全てから……
だが……それも今日で終わりだ。
戦の衝動に振り回されることなく、たとえ追われる身であろうと、祖国のためにできることをする。
私は、もう逃げたりしない。君たちからも……私のなすべきことからも……!
グレンさん……!
……うん、その言葉を聞けてよかったわ。
あらためて頼みたい。私を……君たちの旅に同行させてくれないか。
そんなの答えるまでもないわ。ね、主人公。
……ルブラムよ、しばしの別れだ。
再び相まみえる日のために、私は、私にできることを探しに行く。
私を信じる、仲間たちとともに――
祖国を追われた皇子 グレン・アルニド・ルブラム
その他