【白猫】イロメロ・思い出
モンショー少女 イロメロ・リヴィエール cv.村上奈津実 芸術に対し抜きん出た才能を持つ女の子。 お絵かきは楽しく、がモットー。 |
思い出1
主人公たちが花の都の島から戻り、しばらくたった頃――
モンショー少女が、さっそうと飛行島にやってきた!
イロメロです♪
キャトラよ♪
アイリスです♪
――♪
いらっしゃい、イロメロさん♪
ここがバビュン島というわけですね!
飛行島よ!
すごい、すごいです~!今までに一度も見た事のない景色が広がってます~!
うふふ、ゆっくりしていってくださいね♪
それで?紋章画家としていまはどうなのよ、イロメロ先生?
うーん。なんか、やたら人に話しかけられるようになりました!
カイトリがどうとか、イライがどうとか、オークションがどうとか!
それではずいぶんとお忙しいんじゃ?
そうなんですか!?ムツカシイ事はわからないから、とりあえず適当にハイハイこたえてたんですけど……
……アンタ、絶対マネージャーつけた方がいいわ!
そんなことよりですよ!この島は本当に気持ちがいいです!あたしの中のあたしがピャーしてます!
空がサラサラ、風がヨホヨホ、大地がバブーン!です!
サラサラ?ヨホヨホ?
はい!サラサラするのは雲がノンノンしてるからで、風がヨホヨホするのは空気がピニョピニョしてるから――
……あー……そうだった、こういう子だって、ユキムラがいってたわ……
ユキムラさん……今日も元気にモンショーしてるかなあ♪
してるとお思いますよ。モンショー、パリッと!
アイリス!?
おぉ!アイリスさん!その表現、まさにまさに!
うふふ♪
(通ずることろがあるのかしら……)
思い出2
あ……イロメロさんだわ。
〈絵の具のルーン〉は愛のいろ~♪
創作かつどうちゅーのようね。声はかけないでおきましょうか。
耳をすませばキラキラひかる、あたしとあなたの夢のいろ~♪
バビュン島さん、あなたはなにが好き?なにを感じて、なににときめくの?
イロメロは〈絵の具のルーン〉に指を乗せた。
いろいろ、いろいろカラフル……とくにゴキゲンなのはレモンちゃんかな~!
やがてルーンに光がともる。イロメロは指を離すと、そのままイーゼルの紋章紙に――
スラ~~~~~~~ッ!
色あざやかな曲線を描いた!
わ、グラデーションになってる!
筆は使わないのね……!
ニョ~~~~~~~ッ!
***
とってもきれいな紋章画ですね、イロメロさん。
あ、みなさん!ふふふ、バビュン島での記念すべき第一作です!
ひこうじ――うん、もうバビュン島でいいわ……
ところでアンタって……絵をちょくせつ指で描くのね?
そうなんです!その方が、いろんなものをいっぱい感じとれるので!
〈絵の具のルーン〉から色を引き出すんですね?
はい!あたしのソウルをもとに色をつくるから、実際の絵の具よりもそういう感覚がするどくなるんです!
このルーン、おみせで見たことがあるわ。12色セットとか30色セットとか色々あるのよね。
あたしのは、12色セットですよ~♪12人の頼れる親友です~♪
……あ!よければ、みなさんもモンショーを描いてみませんか?きっと楽しいですよ~!
そうね……せっかくだし、挑戦してみるわ!
***
うふふ、できたわ♪
あ、真ん中のこの猫……アタシね!
キャトラの紋章よ♪
おおお~っ!カワイイですね~♪
アタシのは、コレよ。
わあ!にくきゅーペッタン!こちらもとってもキュートです!
シンプルなこーずゆえの、せまりくるショードーテキなかわいさがポイントね。
主人公はどんな感じ?
こ、これは……!バビューン島をイメージしたモンショーですね!
――♪
? え、えっと……
……どこらへんが飛行島なの?
え、だって、このルルルーな線とモリッっとした色あい、バビュン島そのものじゃないですか!?
主人公……!奥が深い、のね!
やるわね……!……わからんけど!
(――頑張った!)
思い出3
主人公たちは、遠出をして創作活動に励むイロメロに同行していた。
♪♪~♪~
――
せせらぎの色が聞こえます!せらせらせらせら~っ!
――
まだまだ描きますよ~!
タフねえ……
――!
ガァアアアッ!!
あっ!何やら気配がすると思ったら、やっぱり!
主人公……!
――。
いえ、ここはあたしにまかせてください!
イロメロは空間に素早く紋章を描いた!
ドカンとモンショー!
――
イロメロさん、いまのは……!?
モンショー魔法です!
紋章魔法……聞いたことがあります。
……あれ?ちょっとまって。それってさ、ルーンを使わないとできないんじゃなかったっけ?
えっ……そ、そうなんですか!?
そういえば……イロメロさん、なにも使ってなかったですね……
じゃあ…………なんでしょう、これ……
だいたい、どこで身につけてきたのよ、それ。
あたしのにんちゃんが、わかりやすく教えてくれたんです!
アイザックさん、ですね。
短いあいだだったけど、にんちゃんとくらした時があって。その時に、絶対に必要になるから、って――
***
……で、シュっとやってパッと描く訳だ
シュっとやってパッ!
シュっとやってパッ!
シュっとやってパッ!
ハッハッハッ。たった3日でマスターしよった。
しよったー!
さすがは俺の妹だ。ごほうびにおかしを買ってやろう。
わーい!天才のにいちゃんにほめられたー!
おいおい、天才などと……本当の事を言うなよ、妹よ!ウハーーハッハッハッ!
***
てなぐあいです!
……よーわからん……
……あと、アイザックって、そんな性格だったのね。
はい!!……えと、なにか?
イメージとだいぶちがった。
思い出4
イロメロと創作活動に出ていた主人公たちは――
いったん休息をとろうと、近くの村へ立ち寄っていた。
あ、あそこに食堂が見えるわ!はやく、はやくー!
うん。行きましょう、イロメロさん。
…………この村……アレですね……
アレ?
『早く描かないと、ピョンピョンはねて飛んでっちゃうよ』っていってますね……
すいません!あたしちょっと描きます!
またぁ!?んもー!
はねるといえば、遅咲きのオリーブ君の出番ですね!
それそれ~~っ!
わあ!おねーさんカッケー!
たのしそうだねー!なにをかいてるの?
これはね、モンンショーっていうの!
へー。きれいだねえ……
うふふ……そうだ!ふたりも挑戦してみる?
えっ、いいの!?
いいよー♪
***
イロメロねーちゃん、描けたよ!
どれどれ~……おお、いいじゃんいいじゃん!
ねーねー、ぼくのも見てー!
ふむふむ……わ、そうきたか~!きみもなかなかやるねえ!
おねーちゃん、ぜんぜんまる~くならないよぉ……
だいじょうぶ!まずはおねえちゃんと一緒にやってみよ?
はい、テーーーーーーーン♪
テーーーーーーーン♪
すっかり人気者になっちゃって。
イロメロさん、楽しそうね。
…………
***
げぷっ……もう食べられまへん……
さて、おなかもいっぱいになりましたし、もうひと描きいきますか!
って、まだやるのー!?
おい、あんた。さっき、子どもらに絵を教えてただろ?
はい!それがなにか?
あんたは美術の先生かなんかか?
いえ、あたしは紋章画家のイロメロです!
画家……
アタシたちになにか用?
つまり、プロって事だな?
そうですねえ……そういうことになりますね!
……ふん。どうせ、お偉い先生にコネでもあったか、大金を積んだかしたんだろ。
え?
気にくわねぇんだよ。
思い出5
ちょっとアンタ!いきなり失礼でしょーが!
えっと……なにが気に食わないのでしょうか?
全部だよ。お前ら画家も、高尚ぶった作品も、全部、大嫌いだ。
なんの価値も魅力もない絵を高額で画商に売り付け、批評家はそんな絵をバカみたいに褒めちぎる。
お言葉ですが、それは偏見では……
俺はかつて画家を目指していた。
自分の才能には自信があった。将来は絶対にプロの画家になれるという自負もな。
とある美術の賞で、俺は最終候補にまで残った……だが、受賞はできなかった!
それはじぶんの実力が足りなかったからでしょ!
違うっ!!
……審査過程に疑問を持った俺は、受賞者や審査員など、賞まわりの人間を徹底的に調べ上げた。
そしてわかったんだ。……受賞者が、審査員を買収していた事がな!
そ、そんな……
さらにわかったのは、その賞でデビューした者や審査員は、固まってコミュニティのようなものを形成していた事……
奴ら、画商や批評家連中まで抱きこんで、自分たちが都合よくカネを稼げるようなシステムを作り上げていたんだ!
俺は怒り、悲しみ、そして呆れた。俺が憧れていた世界はこんなにもドロドロに汚い世界だったんだってな!
…………
あんたがいる世界はそんな世界だ。観る人の事なんて、何も考えちゃいねぇ。
お高くとまっちゃいるが、その実、芸術を利用してカネを巻き上げているだけの、クソみたいな人間の吹き溜まりなんだっ!
……あ、あたしは……あたし、は……
思い出6 (友情覚醒)
――。
この光は……
その通り。こいつは、そんな人間じゃない。
ユ……ユキムラさん!?どうしてここに……
お前に会いに飛行島に寄ったら、この島にいると聞いてな。
あんた……まさか、紋章画家の〈ユキムラ・サイオンジ〉か?
ふん……お前、まだそのクソみたいな世界に未練があるらしいな。
でなければ、俺の名前など知らないはずだ。
ぐ……
……イロメロ。今ここで、紋章を描いてみろ。
え……
お前。イロメロが描く様子を、しっかり見ておけ。
…………
……わかりました!
……きましたっ!
子どもキラキラかわいい黄色、村にくるくるシュバーな緑!
フニャ~~~~~~~~っ!
…………!
ピロピロリン、ホワイトちゃんが到着しました~!
ポヨヨ~~~~~~~~ん!
楽しそうだろ?そして――
美しい……
……確かに美術界のごく一部では、そのような薄汚れた世界がある事も事実だ。
だが、それ以上に、芸術はその真の価値や意味を信じる者で成り立っていると俺は思っている。
描く者の魂が宿った作品を観た時に感じる確かな感動。……画家を目指していたお前なら、覚えがあるはずだ。
…………
ただ一つの作品によって、人生に光を見出した者だっている。
……あんたのように、か……?
確かに真っ白な世界ではない。だが、真の芸術を信じて、支えていく人間は必ずいる。俺や、こいつのようにな。
まだまだ、捨てたもんじゃないぞ。
…………
***
……ユキムラさん。あたし、知りませんでした。自分がふみ入った世界が、その……
どの世界だってそうさ、イロメロ。物事はいつだって、白と黒が混ざり合って出来ている。
…………
……描きながら、聞いてました。ユキムラさんの言葉。
あたしはいままで、ただ楽しくモンショーを描いてきただけでした。けど……
えっと、うまく言葉にするのがムツカシイんですが、これからはそれだけじゃなく――
いま、この世界のどこかにいる、知らない誰かのために、描いていきたいとも思ったんです。
……ああ。
だから……その、ユキムラさんはあたしのライバルで、おともだちだから――
二人で、創っていこう。俺達が信じるものの為に、俺達が信じる世界を。
――はい!!
そうだ!!主人公さん、あの光、スゴかったです!!ペカーーーパニャーーーて!!
それ、あたしもできるようになりませんかね!?
……。
……あ。ところでユキムラさん、あなたはなぜあたしのところへ?
そうだった。昨日描いた紋章画を見てもらおうと思ってな。これなんだが……
おおおっ!!これは、フニャクニャなムラサキ君とラララ小躍りシャンシャンシャン!とってもカッコいいと思います!
新しい技法を取り入れてみたんだ。我ながら上手くかみ合ったと思う。……ところで、さっきお前が描いた紋章なんだが……
あれはですね、ユキムラさん!!
絶対感覚少女
その他