【黒ウィズ】ツクモ・アラナギ
| ツクモ・アラナギ CV: |
| 2017/00/00 |
| フルネーム | 声優 | 登場日 |
|---|---|---|
| ミコト・ウタヨミ | 大亀あすか | |
| スオウ・カグツチ | 河西健吾 | |
| セイ・シラナミ | 増田俊樹 | |
| ミオ・ツヅラオリ | 福圓美里 | |
| レモネヱドウジ | 岩井映美里 | |
| コノハ・ヨリヒメ | 佳村はるか | |
| アカネ | 久保田梨沙 | |
| ナタヤ・ユア | 久保田梨沙 | |
| キリサメ・イシカワ | 吉川幸之助 | |
| シャラ・カミノ | 後呂直樹 | |
| 紬姫 | 越乃奏 | |
| フウチ | 和氣あず未 | |
| アルティミシア | 高森奈津美 | |
| キリエ・ユウテンジ | 渡辺はるか | |
| 赤火 | 宮崎遊 | |
| ツクヨ・オトエヒナ | 花守ゆみり | |
| エトワール・ブリュネ | 麻倉もも | |
| メリエル・エクリプス | 永田優美 | |
| モミジ・カキツバタ | 新名彩乃 | |
| テルイ・フィオン | 堀江瞬 | |
| スクナ・フルクマ | 竹内栄治 | |
| トウマ・アマノ | 梅原裕一郎 | |
| サクト・オオガミ | 榎木淳弥 | |
| ザ・セブン | ||
| アヤツグ・アシハラ | ||
| ガイエン・クロヤ | ||
| カフク・アバラヤ | 西口亜里沙 | |
| ウカ・イナオセ | 辻あゆみ | |
| マトイ・ナヒサコ | 山村響 | |
| ハヅキ・ユメガタリ | 田村睦心 | |
| ナゴミ・オソドリ | 松田利冴 | |
| トミ・コトブキ | 伊藤美来 | |
| ツバキ・リンドウ | 下屋則子 | |
| キュウマ | 浅沼晋太郎 | |
| ユウギリ・アメノ | 藤井ゆきよ | |
| カタバ・フツガリ | 竹内栄治 | |
| アトキンス | 山本格 | |
| ジェスロ・クワトリ | 高梨謙吾 | |
| マリナ・ビヴロス | 大久保瑠美 | |
| エンソ | 宮崎敦吉 | |
| ロウゲン | 田所陽向 | |
| イヨリ | 赤尾ひかる | |
| ラヰムジュウシャ | 岩井映美里 | |
| ナズナ | 赤尾ひかる | |
| アツマ・ヤコゴリ | 堀江瞬 |

| 八百万 | |
|---|---|
| 八百万神秘譚 | 2015 05/30 |
| モミジと「あなた」の低空飛行(ニコ生) | 05/29 |
| ミコトと「笹の葉夕月夜」(七夕イベント) | 07/07 |
| ぐるぐる踊る花火職人(ニコ生) | 09/14 |
| 八百万Ⅱ ~れえすの行方は神のみぞ知る~ | 2015 11/27 |
| サクト・オオカミ編(ウィズセレ) | 2016 04/28 |
| ミコト編(黒ウィズGP2016) | 06/13 |
| 八百万Z ~YAOYORO Z~ | 2016 08/19 |
| ツクヨ編(謹賀新年2017) | 01/01 |
キュウマ編(謹賀新年2017) | 01/01 |
| ハヅキ編(GW2017) | 04/28 |
| 与話情浮世悲恋 | |
| 八百万神秘譚4 | 2017 06/16 |
| ミコト編 (黒ウィズGP2017) | 08/31 |
| ツバキ&ハヅキ編(謹賀新年2018) | 01/01 |
| 八百八町あやかし捕物帳 | 2018 10/18 |
| アヤツグ編(謹賀新年2019) | 01/01 |
| アカリ編(GW2019) | 04/30 |
ツクモ・アラナギは、寡黙かつ無愛想な少女だった。
必要最低限のことしか口にしようとせず、それ以外には感情らしい感情も表に出すことは無い。
器量は良かったが、それすら長い前髪に隠し、頑なに人との交わりを絶っていた。
理由は簡単だった。
彼女は人ならぬ力を持っていたのだ。それも強力な”過去視”の力を。
そして、その力ゆえに何もかもをなくしていたからである。
まず彼女は、生家のある村の人々に恐れられ、故郷をなくした。
故郷を追われた旅の途中、両親と弟を崖崩れの事故でなくした。
行く見世物のような扱いを受け、行き場をなくした。
絶望した彼女は自らの生命を絶とうとも思った。
だが、その能力を利用できると踏んだ金持ちに買われ、座敷牢へと幽閉され、死に場所さえも失った。
そして先日、運悪く屋敷が大火に襲われ、牢は焼け落ち、辛くも生き残った彼女は居場所を全て失った。
焼け跡から救い出された彼女は、色街の娘たちに養われ、いつしかその片隅で占いをするようになった。
その折、彼女は恋をする。とある壮絶な過去を持つ浪人の男に。
男はいつも笑っていた。胸に突き刺さる様々な過去の刃を、微塵も感じさせない晴れやかな表情。
太陽のようなその微笑みは、彼女の心を少しずつ、少しずつ溶かしていった。
彼女は思う。私も、こうなりたい、と。私も、この人のようになりたい、と。
恋は人を変えるという言葉があるが、それは彼女も例外ではなかった。
寡黙だった少女は、少しずつ思いを口にするようになり、下手くそながらも笑顔を浮かべる練習を始めた。
毎日、毎日、少しずつ。
話すのも、聞くのも、たくさん練習した。
そしてあの人が帰ってきた時は、せめて明るい笑顔で迎えられるよう。
彼女は今日も一人で空を仰ぐ。
あの人がいつかもう一度、私の話を聞いてくれるように。
その笑顔は、雲ひとつない晴れやかなものであった。
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