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【黒ウィズ】Abyss Code 01 Story

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「誰だ、幸福な眠りから私を目党めさせたものは……」


それは世界の理に逆らう愚かな行為。

カルム・アルジェンは、目を開き、長い年月を経て乱れきった世の姿を凝視する。



「なんとおぞましい……。醜悪な光景なのだ。」


カルムの目に映るのは、破壊しつくされた大地――

ひび割れた地表。敷き散らされた毒によって生じた沼。

淀んだ空気に汚染された大気と、赤く焼けた空が広がっていた。


「ここまで破壊し尽くすとは……。」


世界は、まさに危機に瀕している。

静寂かつ鎮静に保たれていたはずの世界が、目の前で崩れ去ろうとしている。

カルムが眠りから目覚めたということは、世界が危機を訴えたからだ。


「まだ悠久の眠りに入ることは許されぬのか? 私に厄介な役目を押し付けたもの共よ。」


カルムは、睨むように天を仰いだ。

その視線には、何者も映っていない。

だが、カルムの目には見えていた――世界を管理するものたちの姿が。


「それとも、私をあえて目覚めさせたというのか? 世の理に挑戦するために。」


そして長い年月によって、積み上げられてきた理が、世界に均衡をもたらしていた。

この世界は善と悪。有と無。創造と破壊事にバランスを保ち、創造された。

カルム・アルジェンは、世界の均衡と静寂を保つために存在している。


「この世界が、未来永劫、静寂を保ち続けることは、天が決めた理……。

もし、それを乱そうというのならば……いいだろう。私が相手になろう。」


カルムは、地面を蹴って飛翔する。

理に挑戦しようとする、不埓なものを昧するために突き進む。

そして、たどり着いた先にいたのは――。


自然に生まれ出たものではない、おぞましきものだった。



人の手により生み出されし、実験動物ウラガーン。

醜い容姿。

理性どころか記憶も持たず、あるのはただ漠然とした破壊衝動のみ。


「このような歪な存在を生み出してまで、私の眠りを妨げたのか……。


ウラガーンは、カルムの姿をその視界に捉える。

途端にどす黒い感情が、ウラガーンの中に渦巻いた。

どうやら、潜在意識の中にカルムを敵と認識する要素が組み込まれていたらしい。


「誰が作り上げたのかは知らん……。

しかし、これだけはわかる。貴様は、生まれてくるべきではなかった。」


ウラガーンという名の実験動物は、破壊のために備え付けられた爪や牙をむき出しにする。

さらにその咆嘩は、大地を揺るがすほど大きく、聞くに堪えなかった。


「私の眠りを妨げるものは、誰であろうと誄滅する。」


カルムは、ウラガーンの前に立ちはだかる。

取り戻したいのは、静寂と調和に満ちた世界。

そのためにカルムは剣を抜く。



「貴様を世界の敵と認識する。

返してもらおうか、私の愛する静寂を。」





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