カモメ・思い出

カモメの思い出とボイス

思い出1

カモメ

はじめまして！

巡洋艦ルシャコム所属、

一等水兵カモメです！

カモメと名乗った少女は

背筋をピンと伸ばして

敬礼を送ってきた。

カモメ

あ！　元でした！

キャトラ

元？

カモメ

はい！

いまはこの飛行島の乗組員として、

大空を航海していますから！

キャトラ

じゃあ海と空、どっちが好き？

カモメ

それはもちろん海！

……でしたが、

空も捨てがたく……！

キャトラ

どっちかを取らなきゃダメ、

って言ったら？

カモメ

あうう……

どうして

そんな決断を迫るのですか……？

カモメ

海は青くて広いし、

でもそれは空も同じで、

でも天気が悪くなると……

カモメ

うう～……

……決められませ～ん！

思い出2

カモメ

【主人公】船長！

敬礼！

キャトラ

船長？

カモメ

はい！

キャトラ

まあでも、強いてあげれば

【主人公】が

船長ってことになるのかしらね。

カモメ

【主人公】船長、

舵はどうしましょう？

面舵ですか、取り舵ですか？

キャトラ

いや、そういうのないから。

カモメ

帆はどうします？

スクウェアにしましょうか？

カウンターブレースでいいですか？

キャトラ

帆もないのよねぇ。

カモメ

舵も帆もない！

この島は、

どんな操作で進んでいるのですか？

キャトラ

自動。

カモメ

自動！

……ルーンって、

便利ですねぇ……

思い出3

カモメ

…………

カモメが太いロープを

結んだりほどいたりしている。

キャトラ

カモメ？　な～にやってんのよ？

カモメ

【主人公】船長、

キャトラ航海士、

アイリス機関長！

キャトラ

……まあ、いいけどさ。

何をロープなんか

ちみちみいじくってるの？

キャトラ

まさか変な趣味があるんじゃ……？

カモメ

違います！

アイリス

変な趣味？

カモメ

機関長！　サーイエッサー！

ノーサー！

キャトラ

なによ。

カモメ

うう、ただちょっとだけ、

船を懐かしんで、もやい結びを

してただけじゃないですか……

アイリス

もやい結び……

あやしい響きね……

カモメ

ノーッサー！

伝統的な

船でのロープの結び方です！

思い出4

キャトラ

カモメって、

水兵になって長いの？

カモメ

え？　ど、どうしてそんなことを

聞くんですか？

キャトラ

あんたって、

な～んか新米くさいのよね～。

カモメ

ギク！

アイリス

ギク？

キャトラ

専門用語を使いたがるところが、

かえってプロっぽくない

っていうか……

カモメ

…………

アイリス

正直に話してもいいんですよ？

予想通りだから

怒ったりもしないわ。

カモメ

……本当は……

カモメ

私なんか、ぺーぺーも

いいとこなんですよ～……！

アイリス

そ、そうだったの……

カモメ

甲板掃除と芋の皮むきしか

やらせてもらったこと

ないんです～……！

カモメ

早く一人前の

海の男になりたいんですよ～……！

カモメ

女ですけど～……！

思い出5

カモメ

カ、カモ、カモ一等兵、違う、

モ、モメ一等水兵、

たた、ただいま参りました……

カモメが虚空に向かって

敬礼している。

キャトラ

オホン！　カモメ一等水兵！

たるんでおるぞ！

カモメ

ひゃっ！　す、すいません！

カモメ

……って、キャトラ航海士？

脅かさないでください！

キャトラ

ごめんごめん。

あいさつの練習なんて、

どうかしたの？

カモメ

もうすぐ、

海軍の式典があるんです。

カモメ

勲章が授与されて、

晴れて一人前の水兵として

認められるのですが……

キャトラ

やったじゃない！

カモメ

私になんか、

勲章が似合うわけないんですよ！

アイリス

カモメさん……？

カモメ

私みたいなにわか水兵が、

本物の海の男たちの世界で

生きていけるわけないんです！

キャトラ

その自覚があるんならさ……

カモメ

きっと私のにわかっぷりなんて

すぐにメッキがはげるんです……

カモメ

そしたらまた

芋の皮むきに戻されるんです……

ヤだよ～……！

思い出6

カモメ

なに、この光……？

まるで海の上で真円の虹に

出会ったみたい……

キャトラ

ね、カモメ。にわかったってさ、

知識があるのはいいことだよ。

カモメ

え？

キャトラ

あとはそれをさ、

すぐにひけらかしたりしなければ、

海の男に近づけるんじゃない？

キャトラ

……っと、海の女ね。

カモメ

そうですね……

必要なこと以外喋らない、

それが海の男ですよね……

キャトラ

そうそう、黙ってた方が

きっとカッコいいよ。

カモメ

なんか、

慌てて知識ばかり詰め込んでいた、

自分が馬鹿みたい……

カモメ

……そうか。

不安だったんですね。

不安を隠そうとしていたんだ……

カモメ

私、真の海の男、

海の女を目指します。

カモメ

寡黙で頼り甲斐のある、

真の海の女に、

私はなります！

キャトラ

その意気よ！　胸張って

勲章つけてもらってきなさいな！

カモメ

はい！

カモメ一等水兵、

行ってきます！

――それからしばらくして、

カモメの胸に、

誇らしげに輝く勲章が一つ

増えたのだった――

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思い出7

キャトラ

カモメは日々成長してるわよね～。

カモメ

そうでしょうか……。

まだ全然です。

アイリス

どうしてそう思うの？

カモメ

海は広いですし、

帝国海軍にも、上には上がいます。

カモメ

同じところに留まっている

わけにはいかないんです。

カモメ

もっともっと力をつけて――

カモメ

――早く、立派な将校に――！

思い出8

カモメ

この光……！

主人公船長、

また私に、

力をくださるんですね……！

カモメ

再び、虹に会えたみたいです……

心が軽やかになります……！

カモメ

主人公船長、

見ていてください……！

カモメ

私、駆け上がります！

どんどん階級を上げていきます！

カモメ

そしていつか、

帝国海軍の要になって――

カモメ

――世界中の海を、

平和にするんです！

ボイス

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